こんにちは。「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。
大切に育てているモンステラの元気がなくて、「もしかして根詰まりかな?」と心配になっていませんか。
最近、モンステラの葉が黄色い気がする、なんだか葉がしおれる、水やりしても土がすぐ乾く、あるいは成長しない…。そんなサインが続いていませんか?
ふと鉢の底を見たら、鉢底から根が飛び出していて、いよいよ不安になりますよね。
その症状、まさしく根詰まりのサインかもしれません。
でも、厄介なことに「根腐れ」の症状ととてもよく似ているんです。
根腐れとの見分け方が分からないまま自己流で対処すると、かえって株を弱らせてしまうことも…。
私も昔、診断を間違えてヒヤッとした経験があります。
そこでこの記事では、モンステラの根詰まりに関するあらゆる症状を徹底的にチェックしながら、危険な根腐れとの決定的な違い、そして具体的な対処法である植え替えの時期や失敗しない手順について、私の経験も踏まえて分かりやすく解説していきますね。
- 根詰まりで現れる具体的な症状のすべて
- 危険な「根腐れ」との決定的な見分け方
- 失敗しない植え替えのタイミングと手順
- 「大きくしたくない」場合の管理テクニック
モンステラの根詰まりの全症状と初期サイン

まずは、モンステラが「苦しいよ!」「この鉢、狭いよ!」と出しているサインを見逃さないことが何より大切です。
根詰まりの症状は、初期の分かりやすい物理的なサインから、徐々に植物本体の葉や成長に関するサインへと進行していきます。
どの段階で気づけるか、一緒にチェックしていきましょう。
鉢底から根が出るのは危険信号
これはもう、最も分かりやすく、疑いようのない確実なサインですね。
モンステラの根は、成長するために新しいスペースを探しています。
鉢の中が根でいっぱいになると、根が伸びる物理的なスペースを失い、唯一の出口である鉢底の排水穴から顔を出してしまいます。
「ちょっと根の先が見えてるだけなら平気かな?」と油断しがちですが、これは危険信号です。
鉢底から根が出ているということは、鉢の中はすでに行き場のない根でパンパンになっている可能性が非常に高いんです。
見た目が悪いだけでなく、植物の生命維持活動に影響が出始めている証拠と捉えるべきですね。
鉢底以外の物理的サイン
鉢底だけでなく、以下のようなサインも根詰まりを示しています。
- 土の表面(表土)に根が浮き出てくる:
鉢の下部だけでなく、上部にも根が張り巡らされ、土の表面にまで根が露出してくる状態です。 - 鉢の変形:
特に柔軟性のあるプラスチック鉢の場合、内部からの根の圧力によって鉢自体がパンパンに膨らんだり、カチカチに硬くなって歪んだりすることがあります。
あまり多くはありませんが、生育旺盛なモンステラの場合、根の力が強すぎて陶器鉢にヒビを入れたり、割ってしまったりすることさえあります。
こうなる前に対処してあげたいですね。
水やりの際、水が染み込まない
毎日のルーティンである水やり。その時の「水の挙動」に異常が現れるのも、根詰まりの典型的な初期〜中期サインです。
主な症状としては、以下の2点が挙げられます。
- 土の表面で水が弾かれて、なかなか土に染み込んでいかない。
- 水やりを始めてすぐに、鉢底からジャーっと水が流れ出てきてしまう。
なぜこうなるかというと、鉢の中が土よりも根の緻密な層で満たされてしまい、水が浸透して保水されるべき「土の粒子間の隙間」が存在しなくなっているからです。
水は土の内部に浸透・保水されることなく、固くなった根鉢(根と土の塊)と鉢の隙間を素通りして、そのまま鉢底から排出されてしまっているだけなんですね。これでは、植物は全く水分を吸収できません。
矛盾するサイン「水切れしやすくなる」
「水はけが良すぎる(素通りする)」のに、「土がすぐ乾いて水切れを起こしやすくなる」という、一見すると矛盾した症状が出るのも根詰まりの大きな特徴です。
これは、鉢の中に存在する「土の絶対量」が極端に減少しているため。
水やりをしても内部は湿っておらず、そもそも植物が利用できる水分を蓄えておける物理的な容量(保水できる土)が失われている状態なんです。
結果として、植物本体はすぐに乾燥(水切れ)状態に陥り、葉がしんなりしやすくなります。
momoこれ、私も最初は本当に混乱しました。「水はけが良すぎるのになんで!?土の配合間違えたかな?」って。
でも、ある日思い切って鉢から引っこ抜いてみて、その理由が分かったんです。
鉢の中が、もう土じゃなくて、カチカチに固まった「根のスポンジ」みたいになっていたんですね。
あれでは水が染み込むスペースなんてあるわけない、と納得しました。
葉が黄色いのは栄養不足?


モンステラ特有の深い緑色と、健康な葉が持つ光沢(ハリ)が失われ、全体的に色つやが悪くくすんできたり、葉が黄色く変色し始めたりするのも、根詰まりが進行した中期症状の一つです。
これは、鉢の中で根が飽和状態になり、新しい根(特に水分や養分吸収の役割を担う細根)を伸ばすスペースが完全になくなってしまったために起こります。
その結果、土から窒素などの植物の成長に不可欠な栄養素を正常に吸収できなくなるため、葉が黄色くなってしまうんです(これはクロロシス=黄化 と呼ばれる症状です)。
警告:葉が黄色い時の「追肥」は厳禁!
葉が黄色いのを見ると、「あ、肥料が足りないんだ!」と直感的に思い、慌てて肥料(特に即効性のある液体肥料)をあげたくなりますよね。ですが、根詰まりが原因の場合、これは絶対にNGです!
この時の問題は「土に肥料がない」ことではなく、「根が肥料を吸収できない」ことにあります。
根詰まりした土の中は、根の呼吸に必要な酸素も不足しています(酸欠状態)。
根の機能が著しく低下しているこの状態で肥料を与えると、どうなるでしょうか?
吸収されない肥料の成分が土の中に蓄積して塩類濃度が上昇し、弱った根をさらに傷めてしまいます(いわゆる「肥料焼け」)。
最悪の場合、これが引き金となって、致命的な根腐れを引き起こす原因になるんです。



私も以前、葉が黄色くなったモンステラを見て「栄養が足りないんだ!」と焦り、良かれと思って液体肥料をせっせとあげ続けたことがあるんです。
でも、症状は一向に良くならず、むしろ悪化して…。
慌てて鉢から抜いてみたら、弱った根が吸収しきれなかった肥料で「肥料焼け」を起こしかけていました。
元気づけるつもりが、弱った根にとどめを刺すところだったんです。あの時のショックは今でも忘れられません。
葉がしおれる原因の見極め
葉が全体的にしおれて、ハリ(張り)がなくなり、ぐったりしてくる…。
これも根詰まりによる慢性的な栄養不足が原因で起こります。
理由はとてもシンプルで、根が水を吸えないからです。
前述の通り、水やりをしても水が土に染み込まず、さらに保水できる土の量自体も少ないため、植物全体が常に水分不足の状態に陥ってしまいます。
単純な水不足との決定的な違い
この症状が出た時、「単純な水切れ(水やり忘れ)」なのか、「根詰まりや根腐れによる機能不全」なのかを見極める必要があります。
見極めのポイントは、「水やりをした後に、葉が回復するかどうか」です。
- 単純な水不足:
土がカラカラに乾いていて、水を与えれば数時間から1日程度で葉がシャキッと元のハリを取り戻します。 - 根詰まり・根腐れ:
土に水を与えても、根が機能不全を起こしているため水分を吸い上げられません。そのため、いつまでもしおれたままで回復しないのが特徴です。
水を与えても回復しない場合は、根に何らかの重大なトラブル(根詰まり or 根腐れ)が発生していると判断できます。
モンステラの成長が止まり新芽が出ない
モンステラは、春から秋にかけての生育期(だいたい5月~9月頃)には、次々と新しい葉(ドリル)を出して目に見えて成長します。
それなのに、こんな症状はありませんか?
- 生育期のはずなのに、新しい芽(ドリル)が全然出てこない。
- 成長が目に見えて遅くなった、または完全に止まってしまった。
- 新芽(ドリル)が出てきても、なかなか開かない。あるいは、そのまま茶色く変色して枯れてしまう。
これらも、根からの水分・養分吸収がストップしている典型的なサインです。
植物は、新しい組織(葉や茎)を作り出すためのエネルギーや材料を得られなくなり、成長に急ブレーキをかけてしまいます。
特に、あの美しいドリル状の新芽を展開させるためには、大量の水分とエネルギーが必要です。
そのため、リソース不足の影響が真っ先に現れやすい部分なんですね。
根詰まりと根腐れ、症状の見分け方
さて、ここがこの記事で一番重要なポイントかもしれません。モンステラの不調で最も怖く、対処を急がなければならないのが「根腐れ」です。
厄介なことに、根詰まりと根腐れは、地上部に見える症状がとてもよく似ています。
共通する症状(=混乱の原因)
- 葉が黄色く変色する
- 葉がしおれる・ハリがなくなる
- 新芽が開かない・成長が止まる
なぜなら、どちらも「根の機能不全(吸水・吸肥能力の低下)」という点で共通しているからです。
しかし、対処法は根本的に「真逆」です。ここで診断を間違えると、モンステラを枯らしてしまうことになりかねません。
対処法が「真逆」とは?
- 根詰まりの対処:新しい土(水分・養分)とスペースを「与える」(=植え替え)
- 根腐れの対処:腐った根を取り除き、水やりを厳しく控えて徹底的に「乾燥させる」
もし、すでに根腐れを起こしている株を「根詰まりによる水不足だ!」と誤解して、水やりを続けたり、栄養豊富な新しい土に植え替えたりしたら…どうなるか想像できますよね。
症状は急速に悪化し、ほぼ確実に枯死に至ります。
では、どうやって見分けるか? 葉の症状だけでは判断できません。
答えは「土」と「株元」にあります。鉢から抜かなくてもできる診断ステップを見ていきましょう。
診断STEP 1:土の状態(乾きと匂い)を確認する
- 根詰まり:
水が染み込まず、土がすぐに乾きます。匂いは、通常の土の匂いか、乾燥した匂いです。 - 根腐れ:
土が常にジメジメと湿っています。水やりから何日経っても乾きません。土からカビ臭、腐敗臭、ドブのようなツンとした異臭がしたら、かなり危険なサインです。
診断STEP 2:茎の根元(株元)を確認する
- 根詰まり:
葉はしおれていても、株元(土から出ている茎)は硬く、しっかりしています。 - 根腐れ:
茎の根元が黒く変色し、触ると柔らかくブヨブヨしています。症状が進行すると、株元が腐って株全体がグラグラと不安定になります。
その他の類似症状との見分け方
根詰まり・根腐れ以外にも、似た症状が出る場合があります。
- 単純な水不足:葉がしおれますが、土は乾燥しています。水やりで回復します。
- 日照不足:徐々に色が薄く(軟弱に)黄色くなります。葉の切れ込みが減ることもあります。最終的には養分が作れなくなり、葉がしおれてしまいます。
- 新陳代謝(生理現象):一番古い下葉1枚だけが徐々に黄色くなり枯れ落ちます。その後に新芽が出てくるなら、これは正常な生理現象で心配不要です。
- 葉焼け:直射日光により、葉が茶色く(または黒く)パリパリに焦げたように枯れます。場所を移動させれば止まります。
これらの違いを表にまとめてみますね。
| 観察される症状 | 根詰まり | 根腐れ | 単純な水不足 | 日照不足 | 新陳代謝 |
|---|---|---|---|---|---|
| 葉が黄色い | ◎ (全体的にくすみ黄変) | ◎ (湿った土と共に発生) | △ (末期) | 〇 (色が抜ける) | ◎ (下葉1枚だけ) |
| 葉がしおれる | ◎ (水を与えても回復しない) | ◎ (土が湿っていても発生) | ◎ (水やりで回復) | ◎(光合成できないため) | × |
| 新芽が開かない | 〇 (エネルギー不足) | 〇 (根の機能停止) | △ | 〇 (徒長する) | × |
| 土がすぐ乾く | ◎ (決定的) | × | 〇 | × | × |
| 土が常に湿っている | × | ◎ (決定的) | × | △ (乾きにくい) | × |
| 土が臭う | × | ◎ (腐敗臭・決定的) | × | × | × |
| 茎の根元が黒い・柔らかい | × | ◎ (決定的) | × | × | × |
| 鉢底から根が出る | ◎ (決定的) | × | × | × | × |
特に、「土がずっと湿っていて変な匂いがする」「株元がブヨブヨ」この2点が当てはまったら、根腐れの可能性が極めて高いです。
その場合の緊急対処法は、「モンステラの根腐れは水挿しで復活!症状の見分け方や対処法を紹介!」の記事で詳しく説明していますので、急いで確認してください。
根詰まりの放置は根腐れを招く


「根詰まりは、根腐れと違って直ちに枯れるわけじゃないから…」と、植え替えを先延ばしにして放置してしまうのは、とても危険です。
根詰まりは、確実にモンステラを衰弱させる「時限爆弾」のようなものなんです。
根詰まりを放置する最大のリスクは、それ自体による衰弱だけでなく、最終的に最も致命的な「根腐れ」を誘発してしまう点にあります。
この二つは無関係ではなく、根詰まりは根腐れの直接的な引き金となるんです。
成長の停止(栄養・水分)
まず、鉢内が古い根で飽和すると、新しい細根が伸びるスペースがなくなり、植物は水分と養分を吸収できなくなります。
その結果、成長は完全に停止し(新芽が出ない)、既存の葉を維持するためのリソースも不足するため、葉の黄変や落葉が始まります。
根の窒息(酸欠)による機能不全
根が密集しすぎると、土の団粒構造(土の粒子が適度な隙間を持つ状態)が破壊され、通気性が著しく悪化します。
植物の根も、私たちと同じように呼吸のために酸素を必要とします。
土壌が酸欠状態に陥ると、根の細胞は活力を失い、やがて壊死し始めます。
(参考)根が酸欠状態になるメカニズム(タップして詳細を表示)
根を構成する細胞も呼吸をしていますので、酸素を吸収し、二酸化炭素を排出しています。根の細胞への酸素(空気)の供給には二つの経路があります。根の表皮、内皮、維管束以外の細胞の多くは柔細胞で、ふつう大きな細胞間隙を持っています。この細胞間隙はお互いにつながり、葉の気孔内腔へと続いていますので、常に空気の供給源となっています。また、根の細胞間隙は、土壌粒子の間隙にある空気とも表皮の間隙を介して接しています。さらに、根の表皮細胞の細胞壁はクチクラやワックスなどの沈積がほとんどなく、土壌間隙から酸素を直接取り込んでいます。地上植物の根では、このような状態で可能な酸素呼吸で十分です。しかし、根が冠水した場合、土壌の間隙は水で満たされ、根の表面全体が水と直接接することになります。水に溶解している酸素を吸収することは出来ますが、根表面に接する水の酸素濃度はすぐに低下します。酸素の供給は、拡散に頼ることになりますが、水の中での酸素拡散の速さは遅いため土壌からの酸素の供給がほとんどなくなり、根は柔細胞間隙からだけの酸素供給に頼ることになります。この状態が長く続くと、植物種によっては酸素欠乏をきたし「窒息状態」になります。(引用:一般社団法人日本植物生理学会「みんなのひろば『根における呼吸について』」)
根詰まり → 根腐れ
そして、これが最悪のシナリオです。
- (Step 1) 土壌環境の悪化
根詰まりにより、土の水はけと通気性が極度に悪化します。 - (Step 2) ユーザーの誤った対処
植物がしおれるのを見て、栽培者は「水不足だ!」と誤認し、良かれと思って水やりの頻度と量を増やしてしまいます。 - (Step 3) 根の窒息と衰弱
通気性のない土壌に過剰な水分が停滞し、根が深刻な酸欠状態に陥り、急速に衰弱・壊死します。 - (Step 4) 根腐れの発生
酸素を嫌う嫌気性の腐敗菌が、衰弱した根や壊死した根に繁殖し、まだ健康だった根にも感染が広がり「根腐れ」が併発します。
この「根詰まり+根腐れ」という複合的な問題に陥ると、復活は極めて困難になります。
そうなる前に、根詰まりのサインに気づいたら早めに対処してあげましょう。
モンステラの根詰まり症状の正しい対処法


根詰まりのサインに気づいたら、やるべきことは一つです。
それは、モンステラが再び元気に成長できる環境を取り戻してあげること。
ここでは、モンステラを元気に復活させるための具体的な対処法、「植え替え」について詳しく見ていきましょう。
植え替えは植物にとって「手術」のようなもの。その後の「術後ケア(養生)」もとても大切ですよ。
根詰まり解消は植え替えが唯一の方法
いろいろな症状を見てきましたが、根詰まりを根本的に解決する方法は、「植え替え」以外にありません。
肥料を与えたり、置き場所を変えたりする対症療法では、物理的にスペースがないという問題は解決しないんですね。
窮屈な鉢から、新しい土と一回り大きな鉢に引っ越しさせてあげることで、根が再び伸びるスペースを確保し、水分や養分をしっかり吸収できるように環境をリセットしてあげます。
ただし、先ほども触れたように、植え替えはモンステラにとっても体力を消耗する「手術」のようなものなので、少なからず負担がかかります。
だからこそ、正しい時期と正しい手順で行うことが、成功の鍵を握っています。
観葉植物の植え替えの基本については、「モンステラ植え替え時の鉢の大きさの目安と注意点【失敗しない選び方】」でも詳しく解説していますので、初めての方はぜひ一度目を通してみてくださいね。
失敗しない植え替えの時期とは
植え替えの成否は「時期」で8割決まる、と言ってもいいくらい重要です。
体力が万全な時に手術(植え替え)をすれば、その後の回復も早いですよね。
最適期:5月~7月(生育旺盛期)
モンステラの生育が最も旺盛になる時期、気温が安定して20℃以上になる頃がベストタイミングです。
日本ではだいたい5月後半から7月頃(梅雨時期)が該当しますね。
この時期なら、植え替え作業で根が多少傷んだとしても、植物本体の回復力が非常に高いため、すぐに新しい根を伸ばし始め、ダメージを最小限に抑えられます。
特に梅雨時期は空気中の湿度も高いため、葉からの水分蒸散が抑えられ、植物がバテにくいというメリットもありますよ。
避けるべき時期:冬(11月~3月頃)
逆に、絶対に避けるべきなのが「冬」です。
モンステラは熱帯の植物なので寒さに弱く、冬(最低気温が10℃を下回る頃)は生育が緩慢になるか、休眠状態に入ります。
この時期に植え替えで根をいじってしまうと、回復するための体力が残っておらず、傷んだ根から雑菌が入ったり、そのまま枯れ込んでしまったりするリスクが非常に高いです。
冬の植え替えは原則NGと覚えておいてください。
冬に根詰まりサインが出たらどうする?
とても悩ましいですが、原則として「春(5月)」まで待ちます。
根詰まりは直ちに枯死するものではありません。それよりも、冬に植え替えるリスクの方がはるかに高いです。
冬の間は、水やりの頻度を通常よりもさらに控えめにして(土の乾燥を徹底的に確認してから)、なんとか現状維持で冬を越させ、暖かくなる5月を待ってから植え替えてあげるのが最も安全な策です。



これが一番悩ましく、じれったいんですよね…。
私も2月頃に鉢底から根が飛び出しているのを見つけて、「今すぐ植え替えたい!」とウズウズしたことがあります。
でも、そこはグッと我慢。水やりを本当に控えめにして(まさに断水する勢いで)、なんとか冬を越してもらいました。
そして5月に植え替えたら、待ってましたとばかりに新しい葉(ドリル)を広げ始めてくれて…あの時は本当にホッとしました。待った甲斐があったな、と。
根鉢のほぐし方と古い根の処理


植え替え作業の中で、最も緊張するけれど重要なのが「根鉢(ねばち=根と土が固まった塊)」の処理です。
鉢から引き抜いたら、想像以上に根がカチカチに固まっていることも多いですよね。
ここで「どこまでほぐすべきか」を迷う方がとても多いと思います。
根鉢をほぐす具体的な手順
まずは株元を持ち、古い鉢から慎重に引き抜きます。抜けない場合は、鉢の側面を軽く叩いたり、鉢と根鉢の隙間に棒を差し込んで少し剥がしたりすると抜けやすくなります。
引き抜いた根鉢を見て、どれくらい根が回っているか確認します。
カチカチに固まっているか、まだ土に余裕があるかで、ほぐし方を変えます。
ガチガチに固まっている場合、無理に手で引きちぎってはなりません。
健康な根まで傷つけてしまいます。
- 底面の処理:清潔なハサミやカッターで、根鉢の底面に「十文字」に切り込みを入れます。これだけでも、新しい根が下に向かって伸びるのを助ける効果があります。
- 肩と側面の処理:根鉢の肩の部分(上部)や側面の古い土を、割り箸などの細い棒で軽く突きながら、優しく落としていきます。
- 古い根のカット:黒ずんでブヨブヨした古い根や、腐った根があれば、ハサミでカットして整理します。
どのくらいほぐすか?
目安として、全体の1/3程度の古い土と根を整理するイメージです。すべての土を洗い流したり、神経質にほぐしすぎたりすると、かえって根へのダメージが大きくなるので注意してくださいね。
ある程度ほぐして、新しい土が入るスペースを作ってあげることが目的です。



初めての植え替えの時、私もこのカチカチの根鉢を前に固まってしまいました。
「え、これ、ほぐすって言ってもどこから?」「こんなに大事な根を切っちゃって本当に大丈夫なの?」って、ハサミを持つ手が震えたのを覚えています(笑)。
でも、知人に教わったとおり思い切って清潔なハサミで底に十字の切り込みを入れ、肩の土を優しく落としてあげたら…。
その後の新芽の出方が、それまでと全然違ったんです。
古い根を整理してあげるのは、新しい根が伸びるスペースを作るための「お手伝い」なんですよね。
植え替え後の水やりは控えるべき?
植え替え後の管理で、初心者の頃の私が一番混乱したのが「水やり」です。「植え替え直後はたっぷりあげる」という情報と、「植え替え後は控える」という情報があって…。
これはどちらも正解で、「タイミング」と「目的」が違うだけなんです。
ここを理解するのがとても大切です。
1回目(植え替え「直後・当日」)の水やり
これは、鉢底から透明な水が流れ出るまで「たっぷり」と与えます。
1回目の水やりの目的は、植物に水を吸わせるためではありません。
主な目的は、新しい土と根の隙間を埋めてしっかり密着させ、土の中の細かい塵(みじん)を洗い流し、土の中に正常な水の通り道(水脈)を確保するためです。この作業は必ず行ってください。
2回目「以降」の水やり
ここからは、一転して「徹底的に控えます」。つまり、土がしっかり乾くまであげません。
理由は、根が傷んでいて吸水能力が著しく低下しているからです。
植え替えという手術で傷ついた根は、すぐに水を吸えません。
この状態で土が常にジメジメと湿っていると、傷んだ根が回復できず、そこから雑菌が入って即座に「根腐れ」を起こしてしまいます。
土の表面だけでなく、指を土に差し込んでみて、中までしっかり乾いたのを確認してから、次の水やりをしてください。
植え替え前より、水やりの間隔(日数)は長くなるはずです。
植え替え後の置き場所と肥料(養生管理)
植え替え直後のモンステラは、人間でいうと「集中治療室」にいるようなものです。
静かな環境で「養生」させてあげる必要があります。
- 置き場所:
直射日光が絶対NGです。根がまだ土に張っておらず、ストレスがかかっている状態なので、レースのカーテン越しの柔らかな光が当たる「明るい日陰」で、最低1~2週間は静かに休ませてください。 - 肥料:
植え替え後、最低2週間~1ヶ月は一切の肥料を与えてはなりません。弱った根にとって、肥料の成分は「負担」でしかなく、さらなる根傷み(肥料焼け)を引き起こします。新芽が動き出すなど、植物が回復し始めた兆候が見えてから、通常の規定よりも薄めた液体肥料から与え始めるようにしてくださいね。
大きくしたくない時の植え替え術
「根詰まりは解消したいけど、これ以上モンステラを大きくしたくない…」「置くスペースがない」という場合も多いですよね。
私もリビングのスペース問題で悩んでいます(笑)。
その場合は、鉢のサイズを大きくしない「サイズ維持(リフレッシュ)」のための植え替えを行います。
手順は以下の通りです。
- 鉢から根鉢を取り出します。
- 根鉢の底や側面を、清潔なハサミでカット(トリミング)します。全体の1/3程度を目安に、古い根をザクザクと切り落として整理します。
- (ここが重要!)根を減らした分、植物本体(地上部)もアンバランスにならないよう、古い葉や伸びすぎた茎を剪定して、全体の大きさを調整します。根(吸う力)と葉(蒸散する力)のバランスを取るためです。
- 「同じサイズ」の鉢に、新しい土で植え直します。
こうすることで、株のサイズ感を維持しながら、根が伸びる新しいスペースを確保(リフレッシュ)することができますよ。
なお、モンステラを大きくしたくない時の育て方については、以下記事でも紹介していますので、ぜひ見てみてください。
関連記事:【初心者必見】モンステラを大きくしたくない!育て方と剪定のコツ
気根の役割と正しい剪定方法


モンステラが元気に成長すると、茎の節から「気根(きこん)」という太い根が空気中に出てきますよね。
これがニョロニョロと伸びすぎて「見た目が悪い」「邪魔だ」と困る、という声もよく聞きます。
気根とは? その役割
気根は、その名の通り空気中に出る根です。本来、モンステラが自生地で他の樹木に張り付いてよじ登るために体を支えたり、空気中の水分や養分を吸収したりする役割があります。
根詰まりと気根の関係
実はこの気根、鉢の中の環境と連動していることがあります。
鉢の中が根詰まりや根腐れを起こして根が正常に機能しなくなると、モンステラは生き残るために、空気中から水分や養分を得ようとして、気根を活発に伸ばすことがあるんです。
気根が異常に伸び始めたら、鉢の中の環境悪化を疑うサインの一つかもしれません。
気根の対処法:切る vs 活かす
- 切ってもいい?
結論、切ってしまっても植物本体の生育に大きな問題はありません。見苦しい場合や、邪魔になる場合は、茎の付け根でカットしてしまって大丈夫です。 - 活かす方法は?
もし可能であれば、切らずに活かす方法もあります。伸びてきた気根を、支柱(よく使われるのはヘゴ支柱など)に誘引したり、そのまま鉢土の中に誘導して根付かせてあげる方法です。こうすることで、株が安定して倒れにくくなったり、水分・養分吸収の補助器官として機能したりするメリットもありますよ。
気根の詳しい管理方法については、以下記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
まとめ:モンステラの根詰まり症状のポイント
お疲れ様でした。今回は、モンステラの根詰まり症状について、初期サインの見分け方から、危険な根腐れとの違い、そして具体的な対処法までを詳しく見てきました。
根詰まりのサインは、モンステラからの「助けて!」の合図であると同時に、「元気に成長してるよ!」という証でもあります。
サインを見逃さず、適切な対処をしてあげれば、また元気に美しい葉を展開してくれるはずです。
大切なポイントのおさらい
- 初期サイン:鉢底から根が出る、水が染み込まない(すぐ乾く)。
- 中期サイン:葉が黄色い、葉がしおれる(水やりで回復しない)、成長が止まる。
- 根腐れとの違い:「土が常に湿って臭い」「株元がブヨブヨ」なら根腐れ。根詰まりは「土がすぐ乾き」「株元は硬い」。
- 対処法:唯一の解決策は「植え替え」。最適期は5月~7月。
- 術後ケア:植え替え直後の水やりは「1回目だけたっぷり、2回目以降は徹底的に乾燥」。肥料は1ヶ月禁止。
根詰まりは、モンステラが元気に育っている証拠です。
「大きくなったね!」と褒めてあげながら、ぜひ最適な時期に、一回り大きな新しいお家(鉢)に引っ越しさせてあげてくださいね。
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