室内のモンステラに虫がわく原因と虫食いへの対策を徹底解説!

こんにちは。「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。

お部屋のインテリアとして大人気のモンステラですが、ある日ふと見ると「葉っぱに何かついている…」「土の周りを小さな黒い虫が飛んでいる」なんてことに気づいて、背筋が凍るような思いをしたことはありませんか?

せっかく室内で大切に育てているモンステラに虫がわくなんて、本当にショックですよね。私自身も過去に、葉の裏についた小さい虫や、いつの間にか増えてしまった虫食いの跡に悩まされた経験があります。

「室内だし、清潔にしていたはずなのにどうして?」と、途方に暮れてしまったこともありました。

特にリビングや寝室など、普段生活している空間だと、強力な殺虫剤を撒くのにも抵抗がありますし、どう対処すればいいのか悩んでしまいますよね。

でも、安心してください。モンステラに虫が発生するのには、必ず「原因」があります。

そして、その原因さえ分かってしまえば、室内でも安全に、そして効果的な「対策」をとることが可能です

この記事では、モンステラの天敵ともいえる害虫たちの正体や、なぜ湧いてしまうのかという根本的な理由、そして室内でも安心してできる駆除や予防の方法について、私の失敗談や経験も交えながら詳しくお話ししていきますね。

この記事でわかること
  • モンステラに発生するコバエやハダニなどの害虫の正体と見分け方
  • 室内で虫がわく根本的な原因である「土」と「環境」の問題
  • 薬剤を使わない駆除方法から、確実に退治するための薬剤の使い分け
  • 虫が一切湧かないようにするための「土の選び方」と予防テクニック
目次

室内モンステラの虫対策 | 虫食い・虫がわく原因

室内モンステラの虫対策 | 虫食い・虫がわく原因

「どこからともなく現れた」ように感じる害虫たちですが、実は彼らが好む環境が室内に整ってしまっていることが多いんです。

まずは、なぜモンステラに虫がついてしまうのか、その根本原因と、症状から犯人を特定する方法を見ていきましょう。

モンステラは虫がわく(つきやすい)植物?

まず最初にお伝えしたいのは、モンステラ自体が特別「虫がつきやすい植物」というわけではないということです。

モンステラは本来、樹液に毒性(シュウ酸カルシウム)を含んでいることもあり、他の植物に比べて極端に虫に好かれるわけではありません。

しかし、あの魅力的な「大きな葉」が、葉の裏側を隠れ家にする虫たちにとって格好の住処になってしまうことや、室内という「風通しの悪い環境」に置かれがちであることが、結果として虫のターゲットになる原因を作っています。

つまり、植物のせいではなく「置き場所」や「環境」のミスマッチが大きな要因なんですね。

モンステラに虫が出るのはなぜ?

モンステラに虫が出るのはなぜ?

室内でモンステラに虫が発生する主な理由は、大きく分けて以下の3つが考えられます。これらが重なったとき、虫は爆発的に増殖します。

要因 詳細
1. 土壌の有機質 腐葉土や有機肥料などの栄養豊富な土は、コバエやトビムシにとって美味しい餌場であり、最高の産卵場所になります。
2. 環境の不調和 「乾燥しすぎ」はハダニを、「湿りすぎ」はコバエを、そして「風通しの悪さ」はカイガラムシやカビを呼び寄せます。
3. 外部からの侵入 購入時にすでに卵がついていたり、網戸の隙間から成虫が侵入したりします。

特に多いのが、良かれと思って使っている「ふかふかの有機質な土」が、実は虫の温床になっているケースです。

植物の成長にとって良い土が、室内では虫にとっても居心地が良いというジレンマがあるんですね。

観葉植物を室内に入れると虫がつく?

「室内だから虫はいないはず」「高層階だから虫は来ないはず」というのは、残念ながら誤解かもしれません。

実は、室内での害虫トラブルで最も多いのが「購入時にすでに虫がついていた」というケースなんです。

園芸店やホームセンターの屋外売り場で管理されていた植物には、目に見えないほどの小さな卵や幼虫が葉の裏や土の中に潜んでいることがよくあります。

これをそのまま暖かい室内に持ち込むことで、天敵のいない快適な環境下で孵化し、爆発的に増えてしまうのです。

momo

実は私、以前ひとめ惚れして買ったモンステラを、嬉しくてそのままリビングの特等席(他の植物の隣)に置いてしまったことがあるんです。

翌週、隣の植物にまでハダニが広がってしまったようで・・・(泣)。

あの時、ちゃんとチェックしておけばと深く後悔しました。だからこそ、皆さんには「検疫」を強くおすすめしたいです。

土に虫がいる場合の発生源の特定

もし、お部屋の中でふと小さな虫を見かけたら、まずは慌てずに「どこから湧いているのか」という発生源(アジト)を特定することが先決です。

ここを間違えると、いくらスプレーを撒いても意味がない…なんてことになりかねません。

最も疑わしいのは、やはり栄養分が豊富な「土」です。以下の手順で、確認をしてみてください。

発生源を特定する3つのチェックポイント

発生源を特定する3つのチェックポイント

  • 鉢をトントンと叩く: 鉢の縁を指で軽く叩いて振動を与えてみてください。この時、土の表面からふわっと黒い影が舞い上がれば、土の中に潜んでいたコバエ(成虫)が発生源である可能性が濃厚です。
  • 息を吹きかける: 土の表面に「フッ」と息を吹きかけてみましょう。土の粒の間をササッと逃げ回ったり、ピョンと跳ねたりする動きがあれば、それはトビムシなどの土壌性害虫です。
  • 水やり直後の観察: 水をたっぷりあげた直後は、土の中の空洞が水で埋まるため、呼吸できなくなった虫たちが一斉に表面に出てきやすくなります。このタイミングが観察の最大のチャンスです。

特に注意が必要なのは、現在使用している土の種類です。

もしあなたが使っているのが、ホームセンターなどで売られている一般的な「観葉植物の土(花と野菜の土)」で、見た目が黒っぽく、繊維質や木の破片(腐葉土やバーク堆肥)が混ざっているタイプなら要注意です。

これらの有機質な土は、植物にとっては栄養満点ですが、虫にとっても「食事付きの高級マンション」のようなもの。

さらに、水やりをしてから数日経っても土が黒く湿っている状態が続くなら、そこはすでに害虫の繁殖パラダイス(天国)になっている可能性が極めて高いと言えるでしょう。

また、意外な盲点になりやすいのが「鉢の底」や「受け皿の裏」です。

ナメクジやダンゴムシなどは、日中の明るい時間帯はこういった暗くて湿った場所に身を潜めています。

土の表面に異常がなくても、一度鉢を持ち上げて裏側までしっかりチェックするのを忘れないでくださいね。

モンステラの土から発生するコバエの原因

室内で顔の周りをブンブン飛び回る不快なコバエ。この主な原因は、土に含まれる「有機物(餌)」「湿気(環境)」のセットです。

一般的な「観葉植物の土」には、植物を大きく育てるために腐葉土や堆肥が混ぜられています。

これらは分解される過程で匂いを出し、コバエ(特にキノコバエ類)の成虫を誘引します。

そして、湿った土の表面に卵を産み付け、孵化した幼虫が土の中の有機物を食べて育つのです。

このサイクルを断たない限り、どれだけ成虫を退治しても次から次へと湧いてきてしまいます。

飛んでいる黒い虫「コバエ」の特定

モンステラ 飛んでいる黒い虫「コバエ」の特定

室内を黒っぽく、蚊よりも小さな虫が不規則に飛び回っていたら、それは十中八九「キノコバエ(クロバネキノコバエ)」です。

キノコバエ(クロバネキノコバエ)の特徴

体長は1〜2mm程度。黒くて細長い体をしています。

人を刺すことはありませんが、光に向かう習性があるため、窓辺や照明、そして人の顔の周りを飛び回り、精神的にかなり不快です。

土の表面から深さ2〜3cmの場所に卵を産みます。

放置すると、増えすぎた幼虫がモンステラの柔らかい根を食べてしまい、生育不良を引き起こすこともあるので、単なる不快害虫と侮ってはいけません。

土に湧く白い虫「トビムシ」の発生原因

水やりをした後、受け皿の水面や土の表面で、白い粉のようなものがピョンピョンと跳ねているのを見たことはありませんか?それは「トビムシ」です。

トビムシもコバエと同様に、「湿った有機質の土」が大好物です。

特に、古い土を使っていて水はけが悪くなっていたり、日当たりが悪くて土がいつまでも乾かなかったりすると発生しやすくなります。

彼らは土の中のバクテリアやカビを食べる「分解者(お掃除屋さん)」としての側面もあるのですが、室内で虫が跳ね回っているのは衛生的にも精神的にも良いものではありません。

葉の裏にいる小さい虫は「ハダニ」?その症状や特定方法

「葉っぱの色がなんだか悪くなったな…」「ツヤがないな」と思ったら、葉の裏側をよーくチェックしてみてください。

もし、葉の裏に赤いような黒いような、小さな点々が動いていたり、薄い蜘蛛の巣のようなものが張っていたりしたら、それは「ハダニ」です。

ハダニは「高温乾燥」の環境が大好きです。特にエアコンの風が直接当たる場所や、暖房で乾燥した冬場の室内では爆発的に増えます。

彼らは鋭い口で葉の裏から細胞内の汁を吸うため、被害に遭った葉は白っぽくカスリ状に色が抜け、美観を損なうだけでなく、最悪の場合は枯れてしまいます。

葉がベタベタするのは「カイガラムシ」が原因

モンステラの葉の表面や、鉢を置いている床が、なぜかベタベタしている…そんな怪奇現象に遭遇したら、犯人は「カイガラムシ」の可能性が極めて高いです。

カイガラムシは植物の汁を吸い、余分な糖分を「甘露(かんろ)」という透明でベタベタした排泄物として出します。

これがベタつきの正体です。さらに、この甘露を栄養源にして黒いカビが生えると、葉がススで覆われたようになる「黒すす病」を併発してしまいます。

茎や葉の付け根、葉脈の裏などを探してみてください。白い綿のような塊や、茶色い硬い殻のようなものが張り付いていませんか?それがカイガラムシです。

成虫になると足を失って固着する種類もいるため、一見すると虫ではなく「ゴミ」や「傷」に見えるのが厄介な点です。

新芽が開かない被害は「アザミウマ」を疑う

待ちに待ったモンステラの新芽が出てきたのに、茶色く変色していつまで経っても開かない、あるいは開いたと思ったら最初から傷だらけだった…。

そんな悲しい時は「アザミウマ(スリップス)」を疑ってください。

アザミウマは1〜2mmほどの非常に小さな虫で、なんとモンステラの「まだ丸まっている新芽の内部」や隙間に入り込んで汁を吸ってしまいます。

葉が展開する前の柔らかい組織を傷つけられるので、葉が開いた時にはすでに穴あきや変形、茶色いひきつれ傷といったダメージが確定してしまっているんです。

ヒメモンステラの虫食いの原因とは

モンステラより小型で人気の「ヒメモンステラ(ラフィドフォラ・テトラスペルマ)」でも同様ですが、葉に不規則な穴が開いていたり、葉の縁が大きくかじられていたりする場合、それは病気ではなく何かしらが食べている可能性があります。

室内であっても、網戸の隙間や購入時の鉢底に隠れて侵入した「ナメクジ」や、甲虫の仲間である「ゾウムシ」が発生することがあります。

特にナメクジは夜行性なので、昼間いくら探しても見つからないことが多いんです。

「夜中にこっそり活動している犯人がいる」と思うとちょっと怖いですが、鉢の裏や受け皿の下、土の表面などを夜間に懐中電灯でチェックしてみると、犯人が見つかるかもしれません。

葉に穴が開く虫食いは「ナメクジ」等の仕業

モンステラの葉に物理的な大きな穴が開いている場合、それは汁を吸う害虫(ハダニなど)ではなく、葉をバリバリと食べる「咀嚼(そしゃく)性」の害虫による食害です。

主な犯人と痕跡

  • ナメクジ: 葉に不規則な穴が開くほか、這った跡にキラキラした粘液の筋が残っていれば確定です。柔らかい新芽を好みます。
  • イモムシ・ケムシ類: 稀ですが、蛾が侵入して卵を産むことがあります。葉の裏や土の上に黒い粒状の糞が落ちていないか確認しましょう。

これらは体が比較的大きいため、見つけ次第、割り箸などで物理的に捕獲して退治するのが一番確実で手っ取り早い対策になります。

室内モンステラの虫対策 | 虫食い・虫がわく時の対処・予防法

室内モンステラの虫対策 | 虫食い・虫がわく時の対処・予防法

さて、敵の正体が分かったところで、ここからは具体的な「対策」のお話です。

室内だからこそ、できるだけ安全に、でも確実に虫を退治したいですよね。

薬剤を使わないオーガニックな方法から、プロも実践する最強の予防策まで、順を追って解説します。

薬剤なしでカイガラムシ等を退治する方法

「室内で殺虫剤を撒くのは、ペットや赤ちゃんへの影響が心配…」「食事をするリビングで薬を使うのは抵抗がある」

そう考えるのは当然のことです。特に気密性の高い室内では、化学薬品を使わない「物理的な駆除」が、最も安全で、かつ確実な選択肢になることも多いのです。

確かにスプレーをシュッとかけるより手間はかかりますが、愛するモンステラを自分の手で守ってあげる感覚は、園芸の醍醐味でもあります。

ここでは、薬剤に頼らずに害虫を撃退する3つの具体的なテクニックを深掘りしてご紹介します。

1. 捕殺(通称:テデトール)

園芸愛好家の間で冗談交じりに「最強の薬剤はテデトール(手で取る)」と言われるほど、物理的な除去は効果絶大です。

特に、殻を被って薬剤が効きにくい成虫のカイガラムシには、この方法が一番効きます。

おすすめの「三種の神器」

  • 使い古した柔らかい歯ブラシ: 茎や葉の表面についた虫を優しくこすり落とします。硬いブラシは植物を傷つけるのでNGです。
  • 竹串や爪楊枝: 歯ブラシが届かない「葉の付け根」や「茎の隙間」に入り込んだ虫を、ピンポイントで掻き出すのに重宝します。
  • 粘着テープ: 葉の裏に密集したハダニや、飛び回る前の小さな虫をペタペタと貼り付けて一網打尽にします。粘着力が強すぎると葉を傷めるので、一度服などでペタッとして粘着力を弱めてから使うのがコツです。

注意点: 
こすり落とす際は、下にティッシュやビニールを敷くのを忘れずに。落ちた虫が土の上に逃げ込み、そこで復活するのを防ぐためです。

momo

正直に言いますが、この作業、かなり地味で根気がいります(笑)。

私も以前、大発生したカイガラムシを歯ブラシで一つひとつ落とした時は、1時間以上かかって肩がパンパンになりました。

でも、全て取り除いてシャワーでピカピカになったモンステラを見た時、「守ってあげられた!」という凄い愛着が湧きました。

大変ですが、やる価値はありますよ。

2. シャワー洗浄(水攻め)

ハダニやアブラムシなど、細かくて手では取りきれない害虫には「水流」が最強の武器になります。浴室やベランダにモンステラを運び、シャワーで洗い流してしまいましょう。

ただ水をかけるだけでなく、以下の手順で行うと効果が倍増します。

  1. 土をガードする: そのままシャワーを浴びせると、虫が土の中に逃げ込んだり、泥水が溢れたりします。株元(土の表面)をビニール袋で覆い、ガムテープなどで軽く止めて「養生」しましょう。
  2. 葉の裏を狙い撃ち: 多くの害虫は「葉の裏」に潜んでいます。鉢を少し傾け、下から上へ向かって、強めのシャワー(葉が破れない程度)を当てて弾き飛ばします。
  3. 室温の水を使う: 冬場に冷たすぎる水をかけると、モンステラがショックを受けてしまいます。必ず「ぬるま湯(20〜30度)」を使いましょう。

3. アルコールによる拭き取り

「手で取るのは気持ち悪いし、取りきれない…」という場合に有効なのが、市販の消毒用アルコール(70%程度のイソプロピルアルコール等)を使った化学的な物理攻撃です。

綿棒やティッシュにアルコールを染み込ませ、カイガラムシに直接押し当てたり、優しく拭き取ったりします。

アルコールには、カイガラムシの体を守っているワックス成分や殻を溶かし、殺虫する効果があります。

アルコール使用時の注意点(重要)

アルコール成分が長時間葉に残ると、葉の気孔が塞がれたり、化学熱傷(薬害)を起こして葉が茶色く変色したりすることがあります。

処置をした後は、必ず「濡れた布で清拭する」か「たっぷりの水で洗い流す」工程をセットで行ってください。

「塗って終わり」は絶対にNGです。

オルトラン等の薬剤で確実に駆除する方法

発生してしまった虫を根こそぎ退治し、さらに今後の予防もしたいなら、やはり薬剤の力は偉大です。

私が室内栽培で「これさえあれば!」と信頼しているのが、浸透移行性(しんとういこうせい)の粒剤です。

代表的なのが「オルトランDX粒剤」ですね。使い方は非常に簡単で、土の表面にパラパラと撒くだけ。薬剤の成分が水やりと共に根から吸収され、植物全体に行き渡ります。

その植物の汁を吸った虫(アブラムシやカイガラムシなど)や、土の中のコバエの幼虫が成分を取り込んで死滅するという仕組みです。効果も約1ヶ月間続くので、忙しい方にもぴったりです。

農薬や殺虫剤を使用する際は、必ずラベルに記載された使用量や使用方法を守ってください。また、住宅地や室内での使用に関しては、農林水産省のガイドラインなども参考になります。(出典:農林水産省『住宅地等における農薬使用について』


室内でスプレー薬剤を使う際の注意点

モンステラ 室内でスプレー薬剤を使う際の注意点

目の前の虫をすぐに退治したい場合、スプレータイプの殺虫剤は便利ですが、室内ならではの注意が必要です。

室内スプレーの鉄則

  • 必ず換気をする: 薬剤を吸い込まないよう、窓を開けて風通しを良くしてから使用しましょう。
  • 距離をとる: 至近距離で噴射すると、ガスの気化熱で葉が凍傷を起こす「冷害」になり、黒く変色してしまうことがあります。必ず30cm以上離してふんわりとかけましょう。
  • 「園芸用」を使う: 一般的なゴキブリ用やハエ用の殺虫剤には、植物にダメージを与える油分などが含まれていることがあります。必ず「観葉植物用」や「農耕地用」と書かれたものを選んでください。

コバエ対策には表面の土の交換が効果的

コバエが発生してしまったけれど、季節的に今すぐ植え替えはできない…という時の応急処置としておすすめなのが、「表面の土の交換」です。

コバエは主に、土の表面から深さ2〜3cmの有機質の層に卵を産みます。

なので、この部分の土をごっそり取り除き(捨てて)、代わりに「赤玉土(小粒)」や「化粧砂」などの無機質な土を敷き詰めるのです。

深さ3〜5cmほど無機質の層を作るだけで、コバエが卵を産む場所がなくなり、発生を劇的に抑えることができます。

無機質の土(虫が湧かない土)への植え替えで虫を予防する

モンステラ 無機質の土(虫が湧かない土)への植え替えで虫を予防する

この記事の中で、私が最も力を込めてお伝えしたい「最強の虫対策」。それが、「土そのものを無機質に変えてしまうこと」です。

はっきり言ってしまうと、コバエやトビムシ、キノコ類との戦いは、どれだけ表面的な駆除を繰り返しても、彼らの「餌」と「住処」がある限り終わりません。

しかし、この根本原因を物理的に排除してしまえば、戦わずして勝つことができるのです。

momo

以前は、夏になるたびに「またコバエが出るんじゃ…」とビクビクしながら霧吹きをしていました。

でも、思い切って全ての鉢をこの「無機質の土」に変えてからは、本当に一匹も見ていません。

「土を変えるだけで、こんなにストレスがなくなるんだ!」と感動しました。もっと早くやっておけばよかったと心から思った対策です。

なぜ「無機質の土」だと虫が湧かないのか?

これまでの一般的な培養土には、植物を育てるために「腐葉土」や「堆肥」といった有機物が混ぜられていました。

これらは言わば「森の落ち葉」や「動物のフン」を発酵させたもので、栄養満点ですが、同時に虫たちにとっても最高の「ご馳走」であり、コバエが卵を産み付けるための「ふかふかのベッド」でもあります。

一方で、赤玉土や鹿沼土、軽石といった「無機質の土」は、基本的には粘土を焼いたものや、砕いた石です。

ここには虫が食べる「餌(有機物)」もなければ、発酵による匂いもありません。

つまり、虫にとっては砂漠のような環境であり、卵を産むメリットが全くないのです。

momo流!虫が湧かない「室内専用土」の黄金比率

「無機質の土って何を買えばいいの?」という方へ、私が実践している簡単な配合レシピをご紹介します。

ホームセンターで安価に手に入る材料だけで作れますよ。

最強の無機質ブレンド(基本配合)

  • 赤玉土(小粒):7 ベースとなる土です。保水性と排水性のバランスが良く、植物の根をしっかり支えます。
  • パーライト または 軽石(小粒):3 水はけを良くし、土の中に空気を取り込むために混ぜます。パーライトは非常に軽いので、ハンギング(吊り下げ)にする場合にもおすすめです。

「配合なんて面倒くさい!」という方は、市販されている「室内向けの観葉植物の土」を選べばOKです。

例えば、あかぎ園芸の『虫を寄せ付けないクリーン培養土』や、プロトリーフの『室内向け観葉・多肉の土』などは、最初から虫が湧きにくいように設計されているので、袋から出してそのまま使えます。

【超重要】肥料の選び方を間違えると意味がない!

ここで一つ、絶対に気をつけてほしい落とし穴があります。

せっかく土を無機質に変えても、与える「肥料」を間違えると、結局虫を呼び寄せてしまうんです。

有機肥料は封印を!

「油粕(あぶらかす)」や「鶏糞(けいふん)」、「魚粉」などの有機肥料は、虫を強烈に引き寄せる匂いを放ちます。

室内栽培ではこれらを使わず、必ず「化学肥料(化成肥料)」を使ってください。

  • 元肥(植え替え時): 「マグァンプK」などの緩効性肥料を土に混ぜ込む。
  • 追肥(成長期): 「ハイポネックス原液」などの液体肥料を水やりの代わりに与える。

無機質の土には、もともと栄養分(ご飯)が含まれていません。

そのため、この「化成肥料」での栄養補給が植物の生命線になります。

清潔な土と、匂いのない化学肥料。この組み合わせこそが、虫の悩みから解放されるための「室内栽培の最適解」なのです。

虫対策としてモンステラの葉は何で拭くと良い?

日々のケアとして「葉拭き(リーフクリーン)」も重要です。

大きな葉に埃が溜まると、光合成が妨げられるだけでなく、ハダニが発生しやすい乾燥した環境を作ってしまいます。

基本的には、水で濡らした柔らかい布やティッシュで優しく拭くだけで十分です。

さらに効果を高めたい場合は、ニームオイルを薄めた水や、市販のリーフクリーナーを使うと、美しい艶が出ると同時に虫の忌避効果も期待できます。

軍手をはめて、指先で葉を挟むようにして拭くと、裏側も同時に拭けて効率的ですよ。

葉水や風通しでハダニの発生を防ぐコツ

ハダニは「乾燥」が大好きで「水」が苦手です。つまり、毎日霧吹きで「葉水(はみず)」をしてあげるだけで、ハダニの発生を劇的に防ぐことができます。

ポイントは、葉の表面だけでなく、ハダニが潜んでいる「葉の裏側」にもしっかりと滴るくらい水をかけること。

そして、サーキュレーターなどで室内の空気を循環させ、空気が淀まないようにすることです。風通しが良いと、カイガラムシやうどんこ病(カビ)の予防にもなり、モンステラが驚くほど元気になります。

関連記事:モンステラの葉水頻度はどれくらい?季節ごとの適切な間隔を徹底解説!

虫を防ぐモンステラの育て方

害虫対策の最終仕上げは、モンステラ自身を「虫が寄り付かない、強靭な体」に育てることです。

人間が風邪をひかないために免疫力を高めるのと同じで、植物も健康であればあるほど、害虫に対する抵抗力が高まります。

逆に、ひょろひょろと弱った株は、害虫にとって「柔らかくて食べやすい格好の餌食」になってしまうのです。

ここでは、今日からすぐに実践できる、鉄壁のモンステラを作るための3つの習慣をご紹介します。

1. 水やりのメリハリが「バリア」を作る

「土が常に湿っている」状態は、根腐れの原因になるだけでなく、コバエやトビムシを招待し続けているのと同じです。

水やりは「土の表面が白っぽく乾いてから、さらに1〜2日待ってからあげる」くらいのスパルタ気味で丁度良いです。

土が完全に乾く時間(ドライ期間)を作ることで、湿気を好む虫の繁殖サイクルを強制的に断ち切ることができます。

「受け皿の水」は即捨てが鉄則!

水やり後、受け皿に溜まった水を「あとで捨てよう」と放置していませんか?その水は、ボウフラ(蚊の幼虫)や雑菌の温床になります。

必ずその場で捨てるか、シンクやベランダに鉢を持って行って水を切り、受け皿に戻す習慣をつけましょう。

2. 日光と風で「皮膚」を厚くする

日照不足でヒョロヒョロと徒長(とちょう)したモンステラの葉や茎は、組織が柔らかく、アブラムシやハダニが針を刺しやすい状態です。

レースカーテン越しの明るい光をしっかりと当てて光合成を促すと、葉の表面のクチクラ層(人間でいう皮膚)が発達し、分厚く硬くなります。

こうなると、虫たちは「この葉っぱは硬くて美味しくないな」と敬遠するようになります。

光が強い条件にある陽葉の表皮、一枚の葉のなかでは表側の表皮、の細胞壁やクチクラ層が厚くなるのは、乾燥条件の厳しさと関係しているようです。(引用:日本植物生理学会「みんなの広場:葉の表と裏の表皮の厚さ」

また、サーキュレーターで常に空気を動かしておくことも重要です。

多くの害虫は風を嫌い、静止した空気を好むため、風通しを良くするだけで物理的な「飛行妨害」になります。

3. 葉の「ホコリ」はハダニの招待状

モンステラの大きな葉は、どうしても部屋のホコリを被りやすいですよね。

実はこのホコリ、ハダニが糸を張る足場になったり、隠れ家になったりするんです。

週に一度で構いません。ハンディモップでササッと払うか、濡れたタオルで優しく拭き取ってあげてください。

「葉がピカピカで清潔」という状態を保つことは、光合成効率を上げるだけでなく、ハダニに対する最強の予防線になります。

毎朝1分の「防衛パトロール」

特別な点検時間は必要ありません。朝のコーヒーを飲むついでに、以下の3箇所をチラッと見るだけでOKです。

  • 新芽: 傷や変形がないか(アザミウマ対策)
  • 葉の裏: 小さな粒が動いていないか(ハダニ対策)
  • 土の表面: 何か動いたりカビが生えたりしていないか(コバエ対策)

「早期発見」こそが、薬剤を使わずに被害を最小限に抑える最大の秘訣ですよ。

まとめ:室内モンステラの虫対策 | 虫食い・虫がわく時にやるべきポイント

いかがでしたか?モンステラに虫がわくと焦ってしまいますが、原因は植物そのものではなく「環境」や「土」にあることがほとんどです。

今回のまとめ

  • 早期発見が鍵: 葉の裏のハダニ、新芽のアザミウマ、土のコバエをこまめにチェックしましょう。
  • 土を見直す: 室内なら有機質を含まない「無機質の土」+「化成肥料」が最強の予防策です。
  • 環境を整える: 「葉水」で葉の乾燥を防ぎ、「風通し」で湿気を飛ばして虫が住みにくい環境を作りましょう。
  • 適切な駆除: 初期なら水流や拭き取り、大量発生ならオルトランなどの薬剤を適切に頼りましょう。

まずは「無機質の土」への植え替えや、日々の「葉水」を取り入れることから始めてみてください。

それだけで、あの不快な虫たちとの戦いに終止符を打ち、モンステラとの快適なグリーンライフを取り戻すことができるはずです!

momo
「観葉植物の育て方ナビ」運営者
これまでに20種類以上の観葉植物を栽培してきた経験から、初心者の方へ「育て方」「インテリアグリーンの活用方法」などをわかりやすく情報発信しています。普段はOLをしている20代後半の社会人。
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