モンステラの茎伏せは水苔で決まり!腐らせない水分量の黄金比と成功手順

モンステラの茎伏せは水苔で決まり!腐らせない水分量の黄金比と成功手順

こんにちは。「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。

モンステラの茎伏せに挑戦したいけれど、水苔を使うやり方で本当にうまくいくのか不安に感じていませんか。

大切なモンステラの茎が黒くなることや、根腐れして失敗してしまうのは絶対に避けたいですよね。

実は、土やベラボンではなく水苔を使うことには大きなメリットがあり、気根の処理やメネデールの活用など、いくつかのコツを押さえるだけで成功率はぐっと高まります。

この記事では、冬の時期の管理や根が出ないときの対処法、そして植え替えのタイミングまで、初心者の方が抱きがちな疑問を解消し、安心して繁殖に取り組めるよう丁寧に解説していきます。

この記事でわかること
  • モンステラの茎伏せに水苔が適している理由と具体的な手順
  • 失敗を防ぐための水苔の水分調整と気根の扱い方
  • 茎が黒変したりカビが生えたりしたときのトラブル対処法
  • 発根後の管理から土への植え替えまでの流れ
目次

モンステラの茎伏せを水苔で成功させる準備と手順

モンステラの茎伏せを水苔で成功させる準備と手順

モンステラを増やすなら、水苔を使った茎伏せがとてもおすすめです。

なぜなら、水苔は保水性と通気性のバランスが絶妙で、土に比べて雑菌が繁殖しにくい環境を作れるからです。

ここでは、実際に私が実践している準備の手順や、失敗しないためのポイントを詳しくご紹介しますね。

茎伏せは水苔でできる?正しいやり方

結論から言うと、モンステラの茎伏せは水苔で行うのが最も成功率が高い方法の一つだと私は確信しています。

実際に私も何度も試していますが、土に植えるよりも圧倒的に失敗が少ないんです。

そもそも「茎伏せ(くきふせ)」とは、葉が付いていない茎の断片や、徒長してしまった茎を切り分けて、新しい芽を出させる繁殖方法のことを指します。

この時、植物にとって最も過酷なのが「根がない状態で水分を確保しなければならない」という点と、「呼吸のための酸素が必要」という相反する条件をクリアすることです。

ここで水苔の出番です。水だけで育てる「水挿し」は手軽ですが、水中の酸素濃度が低いため、茎が窒息状態になりやすく、発根してもその根が「水生根」という弱い根になりがちです。

逆に、いきなり「観葉植物の土」に茎を埋めると、土中の雑菌が多く、過湿状態が続いて腐敗(茎が黒くドロドロになること)するリスクが非常に高くなります。

その点、水苔は「湿ったスポンジ」のような構造をしていて、たっぷりと水分を含みながらも、繊維と繊維の間にたくさんの空気(酸素)を抱え込むことができます

これが、モンステラの自生地である熱帯雨林の環境(木や岩に着生している状態)に非常に近く、茎にとってストレスのない「最高のベッド」になるわけですね。

特に、まだ根が十分に機能していない茎だけの状態からスタートする場合、優しく湿度を保ちながら腐敗菌の繁殖も抑えてくれる水苔は、最強のパートナーになります。

初めて挑戦する方こそ、土ではなく水苔を選んでほしいなと思います。

momo

実は私も、最初は「いつもの土で大丈夫でしょ」と思って挿し木をしたことがあるんです。

でも、数日後には茎が黒くドロドロになってしまって…。

あんなに元気だったモンステラが溶けていく姿を見るのは本当にショックでした。

でも、水苔に変えてからは嘘みたいに成功率が上がったんです。

茎伏せに適した時期と冬の管理に関する注意点

モンステラ 茎伏せに適した時期と冬の管理に関する注意点

茎伏せを成功させるためには、テクニック以上に「いつやるか」というタイミングが成否を分けます。

ベストシーズンは、モンステラの生育期にあたる5月から9月の暖かい時期です。

具体的には、室温が安定して20℃〜25℃以上ある状態が望ましいですね。

植物には「代謝」のリズムがあります。

気温が高い時期は、細胞分裂が活発で、傷口を修復したり新しい根を出したりするエネルギーに満ち溢れています。

しかし、気温が下がる秋以降は、植物が「休眠モード」に入り始め、活動を停止して冬を耐えようとします。

この時期に茎を切って茎伏せをスタートしても、発根するパワーが残っておらず、湿った水苔の中でただ腐っていくのを待つだけ…という悲しい結果になりがちです。

冬の実施は絶対に避けましょう
日本の冬(特に11月〜3月)は、室内であっても夜間の温度が下がりやすく、茎伏せには不向きです。ヒートマットなどの温室設備がない限り、冬場の繁殖はリスクしかありません。

「でも、冬に不注意で茎を折ってしまった!」という緊急事態もあるかと思います。

そんな時は、無理に発根させようとして水苔に埋めるのはやめましょう。

代わりに、暖かいリビングなどで、茎をただ水に挿しておく「水挿し」で春を待つのが正解です。

これを私は「冬の現状維持作戦」と呼んでいます。肥料も活力剤も与えず、ただ水を替えて腐らせないようにし、5月になって暖かくなったら水苔に伏せる。

この「待ち」の姿勢が、大切なモンステラを守ることにつながります。

失敗しない水苔の戻し方と水分量の黄金比

水苔を使うときに一番大切なのが、水分量の調整です。ここを適当にやってしまうと、どんなに良い茎を使っても失敗します。

よくある失敗が、「水で戻した水苔を、あまり絞らずにビチャビチャのまま使ってしまう」ことです。

これでは水没しているのと同じで、茎が呼吸できずに窒息し、腐敗菌の温床になってしまいます。

私が実践している、失敗しない水苔の戻し方は以下の通りです。

  1. 乾燥水苔をバケツやボウルに入れ、たっぷりの水(またはぬるま湯)に浸します。最低でも15分〜30分は置いて、芯までしっかり吸水させます。
  2. 十分に水を吸ったら、水苔を両手でつかみ、「これ以上水が出ない!」というくらい固く絞ります。
  3. 固く絞った塊を、指でふんわりとほぐします。

この時の状態が「黄金比」です。具体的には「握っても水は滴り落ちないけれど、手のひらがしっとりと冷たく濡れる」くらいが理想的。

この状態であれば、必要な水分は保持しつつ、繊維の隙間に新鮮な空気がたっぷりと入っているため、発根に最適な環境になります。

決して「水浸し」にはしないこと。これを守るだけで、成功率は飛躍的に上がりますよ。

momo

以前の私は「可哀想かな?」と思って優しく絞っていたんですが、それが失敗の原因でした。

今はもう、「これでもか!」と手が震えるくらい強く絞っています。

おにぎりを握るような優しさではなく、濡れたタオルを限界まで絞り切るイメージですね。

成功率を上げるなら「メネデール」が有効

必須ではありませんが、発根をより確実にサポートするために「メネデール」のような活力剤を使うのも非常に効果的です。

「メネデール」は肥料ではなく、鉄分を主成分とした植物のサプリメントのようなものです。

切り口の保護や、発根・発芽のスイッチを入れる手助けをしてくれるので、繁殖のマストアイテムと言っても過言ではありません。

使い方はとても簡単です。乾燥水苔を戻すときの水に、規定量(通常は100倍希釈)のメネデールを混ぜておくだけです。

こうすることで、水苔全体が「発根促進ベッド」に早変わりします。

茎が水を吸い上げる力が弱い初期段階でも、切り口からイオン化された鉄分が吸収され、光合成や呼吸の効率を高めてくれます。

注意:肥料は与えないで!

発根していない段階で、ハイポネックスなどの「液体肥料(チッ素・リン酸・カリ)」を与えるのは厳禁です。

根がない状態で肥料を与えると、浸透圧の関係で茎の水分が奪われたり、肥料焼けを起こして腐敗を早めてしまいます。

使うなら必ず「活力剤(アンプルやメネデール)」に留めておきましょう。

特に、少し元気がない茎や、古い株から切り取った木質化した茎を使う場合、あるいは斑入りモンステラのようなデリケートな品種を扱う場合には、お守り代わりに使ってみる価値は大いにありますよ。

湿度を保つ容器選びと密閉管理のポイント

モンステラ 湿度を保つ容器選びと密閉管理のポイント

茎伏せに使う容器は、専用の育苗箱である必要はありません。

100円ショップで手に入る透明なプラスチック容器や食品保存用のタッパー、深めのトレイなどが非常に便利です。

私が特に推奨しているのは「透明な容器」を使うことです。

透明な容器を使う最大のメリットは、「外から根の動きや水苔の状態が見える」ことです。

「あ、白い根が見えてきた!」「底の方の水苔が乾いてきたな」といった情報が、蓋を開けなくても一目瞭然です。

これは初心者の方にとって大きな安心材料になります。

密閉管理(茎伏せ密閉)のやり方

茎伏せを始めたばかりの初期段階(最初の1ヶ月程度)は、湿度を高く保つ「密閉管理」が極めて有効です。

根がない茎は自力で水を吸い上げる力が弱いため、葉や茎の表面からの蒸散を抑える必要があるからです。

容器に蓋をするか、ふんわりとラップをかけることで、容器内部の湿度を90%以上に保ちます。

こうすると、まるで熱帯雨林のような高湿度環境(簡易温室)ができあがり、茎が干からびるのを防げます。

ただし、ここで注意点があります。完全に密閉しっぱなしにすると、空気が淀んでしまい、カビが大発生したり、嫌気性菌(酸素を嫌う菌)が増えて腐敗の原因になります。

必ず「1日1回は蓋を開けて、新鮮な空気と入れ替える(換気)」を行ってください。

容器の中に息を吹きかけたり、パタパタと仰ぐだけでもOKです。

この「高湿度」と「毎日の換気」のセットが、成功への近道です。

成功率を上げる茎の切り方と気根の処理方法

茎を用意するときは、必ず「節(ふし)」が含まれるようにカットすることが大前提です。

モンステラの成長点(新しい芽が出る場所)はこの節の部分にしかありません。

節のない、つるっとした茎の部分だけをいくら丁寧に植えても、そこから芽が出ることは生物学的にあり得ないのです。

カットする際は、節と節の中間(節間)にハサミを入れます。

切り口から節までの距離(余白)は、短すぎるとそこから腐りが入った時にすぐに節まで到達してしまうので、できれば1〜2cm程度は残しておくと安心です。

そして何より重要なのが、「消毒した清潔なハサミを使うこと」

ライターの火で炙るか、アルコールで拭いてから切る癖をつけましょう。

切り口からの雑菌感染が、失敗の最大の原因だからです。

momo

慣れた今でも、ハサミを入れる瞬間は少しドキドキします。

「ジョキン」という音と共に茎が離れると、「もう後戻りできない…!」と緊張しますよね。

でも大丈夫、その勇気が新しい命につながります。

気根(きこん)は命綱!

そして、意外と見落としがちなのが「気根(きこん)」の存在です。

茎から出ている茶色い紐のような根っこですね。「邪魔だから」と切ってしまう方がいますが、これは非常にもったいないです!

茎伏せにおいて、気根は「初期の生命維持装置」として機能します。

まだ新しい根がない茎にとって、気根は唯一水分を吸収できるパイプラインです。

気根を付けたまま茎伏せを行うと、気根がすぐに水を吸い上げて茎に供給してくれるため、脱水症状になりにくく、生存率が劇的に向上します。

長すぎて容器に収まらない場合はカットしても構いませんが、可能な限り残し、水苔の中に優しく埋め込んであげてください。

気根から新しい白い根(給水根)が分岐して生えてくる様子も見られますよ。

樹液には要注意!

モンステラを含むサトイモ科の植物の樹液には、「シュウ酸カルシウム」という針状の結晶成分が含まれています。

これが皮膚の薄い部分や粘膜に触れると、チクチクとした痛みやかぶれを引き起こすことがあります。

剪定の際は手袋を着用し、もし樹液が手に付いたらすぐに水で洗い流してください。

※参考:厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:クワズイモ」 ※モンステラと同じサトイモ科の植物で、同様の毒性を持ちます

水苔に茎を埋める深さと上下の向き

いよいよセット本番、水苔に茎を埋める深さと上下の向きについてです。ここにもちょっとしたコツがあります。

まず「向き」ですが、基本的には「気根が出ている側を下」に向けます。

モンステラは背中側に気根を出し、お腹側(反対側)から芽を出す性質があるため、気根を下にして水苔に接するように置けば、自然と芽が出る部分が上を向くようになります。

もし気根がない場合でも、かつて葉が付いていた跡(葉痕)がある方を上にすれば大丈夫です。

次に「埋める深さ」ですが、茎全体を水苔の中に完全に埋めてしまう「完全埋没」はおすすめしません。

私が推奨するのは「半埋没(はんまいぼつ)」スタイルです。

茎の下半分(気根がある部分や切断面)はしっかりと水苔に密着させて埋めますが、茎の上半分(背中の部分)は空気中に露出させておくのです。

半埋没スタイルのメリット
  • 通気性の確保:茎全体が濡れた状態にならないため、蒸れによる腐敗を防げる。
  • 観察の容易さ:茎の色が悪くなっていないか(黒変していないか)を毎日目視できる。
  • 新芽の保護:新芽が出てきた時に、湿った水苔に阻害されず、スムーズに展開できる。

この「見える化」こそが、トラブルを早期発見する鍵になります。

もし茎が黒くなり始めても、露出していればすぐに気づいて対処できますよね。

水苔の上に「寝かせる」ようなイメージでセットしてあげてください。

水苔で行うモンステラの茎伏せ後の管理と植え替え

水苔で行うモンステラの茎伏せ後の管理と植え替え

茎伏せをセットしたら、あとは発根と発芽を待つ期間に入ります。「果報は寝て待て」と言いますが、ただ放置しているだけでは失敗してしまうこともあります。

ここでは、日々の水やり管理や、もしものトラブルが起きたときの対処法、そして待ちに待った鉢上げのタイミングについて、私の経験談を交えてお話しします。

茎が腐るのを防ぐ管理のコツ

茎伏せで一番怖いのが、やはり「腐敗」です。昨日まで元気そうだったのに、急に茎が黒くなって溶けてしまう…。

この悲劇を防ぐための最大のコツは、水やりのタイミングにあります。

多くの失敗は「水のやりすぎ(過保護)」によるものです。

常に水苔がビショビショの状態だと、根が必要とする酸素が供給されず、腐敗菌が喜ぶ環境になってしまいます。

これを防ぐためには、「乾湿のメリハリ」をつけることが大切です。

具体的には、水苔の表面を指で触ってみて、少し乾いてきたなと感じてから、霧吹きでたっぷりと湿らせるようにします。

容器の底に水が溜まっている状態は絶対にNGです。もし溜まってしまったら、容器を傾けて余分な水を捨ててください。

「水やり」というよりは、「湿度の補給」という感覚に近いかもしれません。

また、置き場所も重要です。

直射日光は水苔の温度を急上昇させて「蒸し風呂」状態にしてしまうので厳禁です。

レースカーテン越しの柔らかな光が当たる「明るい日陰」に置き、風通しを確保してあげましょう。

心地よい微風と適度な光が、健康な根を育てます。

根が出ない時の原因と対策

「初めてから2週間経つのに、全然根が出ない…」と不安になることもあるでしょう。

でも、焦らないでください。モンステラの茎伏せは、環境や個体差によっては、動き出すまでに1ヶ月〜2ヶ月かかることも決して珍しくありません。

根が出ない時にチェックすべきポイント

温度は足りていますか?(20℃〜25℃をキープできているか)
茎は古すぎませんか?(木質化した古い茎は発根に時間がかかります
水苔は乾燥しすぎていませんか?(中までカラカラになっていないか)
光は足りていますか?(真っ暗な場所ではホルモンが活性化しません)

もし茎が鮮やかな緑色で、触った時に硬いハリがあるなら、植物の内部では着々と準備が進んでいます。じっくり待ってあげましょう。

逆に、茎に縦ジワが入ってシワシワになっている場合は、水分不足のサインです。

この場合は、密閉度を高めて湿度を上げてあげることで、ふっくらと回復することがあります。

momo

茎伏せを始めたばかりの頃は、毎朝起きてすぐに透明カップを覗き込むのが日課でした。

「まだかな、まだかな」と焦るあまり、1日に何度も見てしまったり・・・(笑)。

でも、ある日突然、水苔の隙間から真っ白な根っこがひょこっと見えた時は、とても嬉しかったのを今でも覚えています。

モンステラの根腐れのサインは?

モンステラの根腐れのサインは?

根腐れや茎の腐敗が始まると、モンステラは必ずサインを出します。これを見逃さないことが、被害を最小限に食い止める唯一の方法です。

初期段階のサインとしては、茎の切り口(断面)が茶色く変色し、少し水っぽくなる現象が見られます。

健康な切り口は乾燥してコルク状になりますが、腐敗菌が入ると濡れたような見た目になります。

さらに進行すると、茎の一部や気根の付け根が黒ずんで変色し、指で押すとブヨブヨと柔らかい感触になります。

また、酸っぱいような腐敗臭がすることもあります。

もし葉が付いている茎伏せ(トップカットなど)の場合は、葉が黄色く変色したり、葉のハリが失われてダランと垂れ下がってくるのも危険信号です。

「水を与えているのに葉が萎れる」というのは、根が機能していない(根腐れしている)証拠なのです。

モンステラの茎が黒くなる原因と対処法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

モンステラの茎が茶色くなる原因は?

「茎の切り口が茶色くなってきたけれど、これって腐ってる?」と心配になる方も多いと思います。

ここで見極めが必要なのが、「腐敗」なのか「カルス(癒傷組織)」なのか、という点です。

植物は傷つくと、その傷口を塞ぐために「カルス」という茶色いかさぶたのような組織を作ります

※参考:理化学研究所「植物が傷口で茎葉を再生させる仕組み」日本植物生理学会「みんなのひろば」

これは正常な防御反応であり、カルスの周辺から発根することも多いので、全く心配いりません。

カルスの特徴は、茶色くても硬く、乾燥していることです。

一方、危険な「茶色」は、色が濃く、水を含んでグズグズしている場合です。

また、茶色が切り口だけでなく、茎の側面や節の方へ向かって広がっている場合も要注意です。

この場合は、過湿による細菌感染(軟腐病など)の可能性が高いため、環境を見直すか、処置が必要になります。

茎が黒くなる場合の緊急処置

もし観察中に、茎の一部が明らかに黒く変色し、腐り始めているのを発見したら、一刻も早い「外科手術」が必要です。

「様子を見よう」と放置すると、菌はどんどん健康な部分へ侵攻し、最終的には茎全体が溶けて枯れてしまいます。

黒くなった組織は、残念ながら二度と元には戻りません。

緊急処置の手順

  1. 清潔なナイフやカッターを用意し、消毒します。
  2. 黒く変色した腐敗部分を、ためらわずに切り落とします。この時、黒い部分ギリギリではなく、健康な緑色の組織が数ミリ含まれる位置まで、大きめにカットするのがコツです。目に見えない菌糸を取り除くためです。
  3. 切り口に、トップジンMペーストなどの癒合剤や、殺菌剤を塗布して保護します。なければ、切り口をよく乾かすだけでも構いません。
  4. 今まで使っていた水苔は菌に汚染されている可能性が高いため廃棄し、新しい清潔な水苔を使って植え直します。

早期発見できれば、この処置で腐敗をストップさせ、残った健康な部分から復活させられる可能性は十分にあります。諦めずにトライしてみてください。

茎伏せ中にカビが生えた場合の原因と対処法

密閉管理をしていると、水苔の表面や茎に、白いフワフワした綿あめのようなカビが生えることがあります。

見た目はショッキングですが、実はこの白カビ自体がすぐに植物を枯らすわけではありません。

カビが生える主な原因は、「通気不足(空気の淀み)」です。

密閉容器の中で空気が動かず、湿度が高すぎる状態が続くと発生します。

カビを見つけたら、まずは水道水で優しく洗い流すか、湿らせたティッシュで拭き取ってください。

カビが生えてしまった部分の水苔は取り除き、新しいものと交換します。

その後は、容器の蓋を開ける時間を増やして風通しを良くし、これまでよりも少し乾燥気味に管理するように調整しましょう。

サーキュレーターの風を遠くから当てて、空気を循環させるのも効果的です。

「もう少し風通しを良くしてね」という植物からのメッセージだと捉えましょう。

植え替えの適切なタイミング

モンステラ 植え替えの適切なタイミング

順調にいけば、水苔の中に白い根がどんどん伸び、やがて節にある成長点が膨らんで、タケノコのような可愛い新芽が顔を出します。

では、いつまで水苔で育てればいいのでしょうか?

焦ってはいけません。私がおすすめするベストな鉢上げタイミングは、「新芽が開き、しっかりとした葉(1枚目)が展開しきった後」です。

根が数センチ出ただけの段階で土に植え替えてしまうと、環境の激変(水苔と土では保水性が全く違う)に根が適応できず、せっかくの新芽が枯れてしまうことがあるからです。

葉が1枚開くころには、水苔の中では根が十分に張り巡らされ、株自体にも体力がついています。

ここまで我慢すれば、その後の土への定着も非常にスムーズになります。

水苔栽培は居心地が良いので、多少長く置いてしまっても問題ありません。十分に根を育ててから、「卒業」させてあげましょう。

土やベラボンなど用土の選び方

いよいよ水苔からの卒業、鉢上げです。

この時に使う「用土」選びも、その後の成長を左右する重要なポイントです。

水苔で育った根は、通気性の良い環境に慣れ親しんでいます。

そのため、いきなり重たくて水はけの悪い土に植えると、窒息して根腐れを起こしやすくなります。

水苔からの移行におすすめの用土パターン

観葉植物用の土

(ゴールデン粒状培養土など)

【初心者向け】

元肥が入っているものが多く、買ってきてすぐに使えます。選ぶ際は、粒がしっかりしていて「水はけが良い」と書かれているものを選びましょう。

ベラボン

(ヤシの実チップ)

【特におすすめ】

ヤシの実をチップ状に加工した用土です。水苔に近い「保水性」と「通気性」を併せ持っているため、水苔からの移行が最もスムーズで、根へのストレスが少ないのが特徴です。清潔で虫が湧きにくいのもメリット。

無機質用土

(赤玉土・鹿沼土・軽石)

【清潔重視】

赤玉土などをブレンドした土です。有機物を含まないため虫が湧きにくく、室内管理に最適です。ただし肥料分がないので、マグァンプKなどの元肥を混ぜる必要があります。

植え替えの際の裏技として、「根に絡まった水苔は無理に取らない」ことをおすすめします。

水苔は根にびっしりと張り付いているため、綺麗に取ろうとすると、大切な根毛や細い根をブチブチと切ってしまいます。

軽くほぐす程度にして、水苔がついたまま新しい土に植え込んでしまって大丈夫です。

むしろ、根の周りに水苔が残っていることで保水性が保たれ、新しい土への馴染みが良くなるという緩衝材の役割も果たしてくれます。

まとめ:モンステラの茎伏せは水苔で確実に成功させよう

今回は、水苔を使ったモンステラの茎伏せについて、準備からその後の管理まで徹底解説しました。

少し長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

水苔は、モンステラが本来求めている「湿り気」と「空気」のバランスを、誰でも簡単に再現できる素晴らしい素材です。

土を使うよりも圧倒的に腐敗リスクが低く、透明容器を使えば根の成長も楽しめる、まさに一石二鳥の方法です。

「難しそう…」と躊躇していた方も、今回ご紹介した「水分の黄金比」と「温度管理」さえ気をつければ、きっと成功させることができるはずです。

成功のための重要ポイントおさらい

  • 時期を守る:5月〜9月の成長期に行うこと。冬は「待ち」に徹する。
  • 水苔の調整:水で戻した後は「親の敵」ほど固く絞り、空気を含ませる。
  • 気根を活かす:気根は切らずに水苔に埋め込み、初期の水分供給源にする。
  • 観察と早期発見:半埋没にして毎日様子を見て、黒変があれば即座にカットする。

ただの茎の切れ端から、白く美しい根が伸び、やがて小さな緑色の芽が顔を出した瞬間の喜びは、何物にも代えがたいものがあります。

それは植物の驚異的な生命力を目の当たりにする瞬間でもあります。

ぜひこの記事を参考に、モンステラの茎伏せにチャレンジしてみてくださいね。

あなたのモンステラが元気に育ち、素敵なインテリアグリーンになることを心から応援しています!

momo
「観葉植物の育て方ナビ」運営者
これまでに20種類以上の観葉植物を栽培してきた経験から、初心者の方へ「育て方」「インテリアグリーンの活用方法」などをわかりやすく情報発信しています。普段はOLをしている20代後半の社会人。
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