モンステラの水差しは茎だけでも成功!気根なしでも発根させる方法を解説

モンステラの水差しは茎だけでも成功!気根なしでも発根させる方法を解説

こんにちは!「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。

長く育てて愛着のあるモンステラ。でもある日、不注意で茎を折ってしまったり、冬場の寒さや根腐れで葉っぱがすべて落ちてしまったり…そんな悲しい経験はありませんか?

あるいは、株の形を整えるために剪定をしたけれど、「この切り落とした茎、捨てるにはあまりにも立派だな…」と躊躇してしまうこと、ありますよね。

「葉っぱが一枚もない、ただの棒のような茎になってしまったけれど、これってまだ生きているのかな?」

「茎だけを水につけておくだけで、本当に新しい芽が出てくるの?」

そんな疑問や不安を抱えているあなたに、朗報です。

実はモンステラは、観葉植物の中でもトップクラスの生命力を持つ植物。葉がまったくない「茎だけ」の状態からでも、正しい手順で水差しを行えば、しっかりと根を張り、可愛い新芽を出して完全復活することができるんです。

この記事では、モンステラの茎だけを使った水差し(水挿し)繁殖について、私の実体験や数々の失敗から学んだコツを余すところなくお伝えします。

気根がない場合の対処法や、失敗を防ぐための「節」の見分け方、茎が黒く変色してしまった時の緊急処置まで、初心者の方がつまずきやすいポイントを網羅しました。

「モンステラを茎だけで増やす方法は?」「切る場所はどこがベスト?」「水差しのままでも育つの?」といった疑問をひとつひとつ解決して、あなたのモンステラを次の世代へと繋いでいきましょう。

この記事でわかること
  • 葉のない「茎だけモンステラ」が水差しで復活する仕組みと成功条件
  • 絶対に間違えてはいけない「節(成長点)」の有無と「茎の上下」の見分け方
  • 腐敗を防ぎ発根率を高める「乾燥」と「水換え」のプロトコル
  • 根が出た後の鉢上げタイミングや、土を使わず水耕栽培で育て続ける方法
目次

モンステラの水差しは茎だけでも成功する?

モンステラの水差しは茎だけでも成功する?

「葉っぱがないと光合成ができなくて枯れてしまうのでは?」と思う方も多いはず。

確かに葉がある状態に比べれば体力は劣りますが、モンステラの茎には、次の命を芽吹かせるためのエネルギーと機能が備わっています。

まずは、茎だけの水差しがなぜ成功するのか、その可能性とメカニズムについて深掘りしていきましょう。

モンステラは水差しで増やせる?

結論から言うと、モンステラは水差しで増やすことが十分に可能です。

それは、葉がついた茎に限った話ではありません。

園芸用語では「茎伏せ(くきふせ)」や、海外では「Wet Stick Propagation(ウェットスティック・プロパゲーション)」と呼ばれるように、葉を持たない茎の断片から新しい個体を作り出す方法は、モンステラ属の繁殖において非常に有名なテクニックなのです。

モンステラの原産地は熱帯雨林。そこでは、強風や動物の接触によって茎が折れ、地面に落ちることが日常的に起こります。

そんな過酷な環境でも生き残るため、モンステラは茎の節々から根を出し、再び木に這い上がっていく生命力を獲得しました。

私たちが家庭で行う「水差し」は、この野生のたくましさを利用したものなのです。

私自身、初めて茎だけの水差しに挑戦したときは、「本当にこんな茶色い棒から芽が出るの…?」と半信半疑でした。

毎日水を変え、祈るような気持ちで観察すること約1ヶ月。硬い茎の皮を破って、白い根と小さな緑色の突起(新芽)が出てきたときの感動は、言葉では言い表せません。

まるで死んでしまったかのように見えた植物が、静かに息を吹き返す瞬間。

これこそが、モンステラ繁殖の醍醐味だと言えますね。

モンステラを茎だけで増やす方法は?

モンステラを茎だけで増やすためのアプローチには、大きく分けて2つのやり方があります。

1. 水差し

今回メインでご紹介する方法です。透明なガラス瓶やプラスチック容器に水を張り、茎を浸して管理します。

最大のメリットは「視認性」。発根のプロセスや、逆に茎が傷んで腐りかけている兆候を、リアルタイムで目で見て確認できます。

土や水苔を使わないため、部屋を汚さず、準備も片付けも簡単。

初心者の方が最初にトライするなら、断然この水差しがおすすめです。

2. 茎伏せ

湿らせた水苔(ミズゴケ)や土の上に茎を横たえ、湿度を保って管理する方法です。

自然界の環境に近く、根がしっかりと張りやすいのが特徴ですが、密閉容器で管理することが多いため、「カビが生えてしまった」「いつの間にか中で腐っていた」というトラブルも起きがち。水管理のバランス感覚が少し求められる方法です。

「茎だけ」という頼りない状態だからこそ、まずは変化にすぐ気づける「水差し」でスタートし、根が充実してから土や水苔に移行するというステップを踏むのが、最も失敗の少ない「黄金ルート」だと私は考えています。

モンステラは水差しで発根する?

モンステラは水差しで発根する?

「水につけておくだけで根が出るなんて、不思議ですよね」。

でも、これには植物生理学的なちゃんとした理由があります。

植物には、本来根が出るはずのない組織(茎や葉)から、環境の変化に応じて根を作り出す能力があります。

これを「不定根(ふていこん)」と呼びます。

モンステラの茎には、潜在的にこの不定根の元となる細胞が備わっており、水分という刺激を受けることで「よし、ここから水分を吸収するために根を出そう!」とスイッチが入るのです。

不定根は特別でない限り、維管束のあるどんな植物でも発生し、その機能は本来の根と同じ働きをします(出典:日本植物生理学会「みんなのひろば」)。

特にモンステラなどのサトイモ科植物は、このスイッチが入るのがとても早いのが特徴。

水温が20℃〜25℃程度あり、水中の酸素が十分に供給されていれば、切断面の近くや節の部分から、白くて太い根がニョキニョキと伸びてきます。

ただし、注意点もあります。

水差しで出た根は「水根(みずね)」とも呼ばれ、土の中で育つ根よりも白く、少し脆い性質を持っています。

水中で呼吸することに特化した根なので、水切れには強い反面、乾燥には弱いという特徴があることも覚えておいてくださいね。

葉だけの状態で水に挿しても増えない

ここで、初心者の方が最も陥りやすい「落とし穴」について詳しくお話しさせてください。

それは、「葉っぱと葉柄(葉がついている軸)」だけのパーツを水挿ししてしまうことです。

剪定の際、茎を残さずに葉っぱの付け根ギリギリでカットしてしまい、それを花瓶に生けるように水に挿しているケースをよく見かけます。

確かに、モンステラの葉は丈夫なので、水につけておけば数ヶ月、長いと半年以上も枯れずに青々としていることがあります。

時には、切り口から根っこ(不定根)が生えてくることさえあります。

「やった!根が出たから成功だ!」と喜びたくなりますが、残念ながらその葉っぱからは、永遠に新しい新芽が出ることはありません。

なぜ葉だけでは増えないの?

植物が新しい茎や葉を作り出すための「成長点(メリステム)」は、茎の「節(ふし)」の部分にしか存在しないからです。

葉柄や葉そのものには、新しい個体を作るための細胞セットが含まれていないのです。

海外ではこれを「ゾンビリーフ」と呼ぶことがあります。

生きているけれど成長しない、悲しい呼び名ですよね。

繁殖を目的とするなら、必ず「茎の節」を含んだ状態でカットすることが絶対条件になります。

節なしの茎では発根しないため注意

「じゃあ茎ならどこでもいいのね?」というと、それもまた違います。

茎だけの水差しで失敗する原因のNo.1は、「節(ふし)が含まれていない、ただの茎(節間)を使ってしまうこと」なんです。

モンステラの茎をよく見てみてください。竹のように「節」がある部分と、その間のツルッとした「節間(せっかん)」の部分がありますよね。

節間は、あくまで水分や養分を運ぶパイプラインであり、新しい器官を作る能力を持っていません。

節を含まない「ただの棒」をいくら大切に水につけても、切り口から徐々に腐っていき、最後はドロドロに溶けて終わってしまいます。

剪定で茎を切り分けるときは、必ず「1つのカットにつき、最低1つの節」が含まれるようにしましょう。これが成功への最低ラインです。

成功の鍵は節と芽が出る位置の確認

では、その肝心な「節」と、新芽が出てくる「成長点」はどこにあるのでしょうか?茎だけの状態だと見分けるのが難しいこともありますが、以下の特徴を探してみてください。

部位 特徴・見分け方
茎を一周するような線(環状の跡)があります。ここはかつて葉柄がくっついていた場所の名残です。少し膨らんでいることが多いです。
成長点 節の線のすぐ上あたりにある、小さな膨らみや「目」のような突起。これが将来、新しい茎と葉になります。
気根 節の付近から生えている、茶色や緑色の根っこ。これがある場所は確実に「節」です。

特に斑入りモンステラ(モンステラ・ボルシギアナ・アルボなど)の場合、この成長点がある位置の茎の色(白か緑か)が、将来出てくる葉の模様を決定づける重要な要素になります。

茎をカットする前に、虫眼鏡などで「ここに確かにプックリとした芽の赤ちゃんがいるな」と確認しておくと、自信を持って水差しをスタートできますよ。

失敗を防ぐ茎の上下の見分け方

葉がついているときは一目瞭然だった「上」と「下」ですが、茎だけの棒状にしてしまうと、途端に分からなくなることがあります。

これを間違えて「逆さ挿し」にしてしまうと、植物は維管束(いかんそく)の逆流に耐えられず、水を吸い上げることができずに枯れてしまいます。

上下を見分けるポイントは2つあります。

「茎の上下」の見分け方
  1. 葉痕(ようこん)の形を見る
    節にある葉っぱが落ちた跡(葉痕)を正面から見てみてください。多くの場合、半月型や「D」のような形をしています。この形の「膨らんでいるカーブ側」が下、「平らな側」や窪んでいる側が上になることが一般的です。また、成長点(芽)は必ず葉痕の「上」に位置します
  1. 気根の伸びる方向を見る
    もし気根が残っていれば、それが大きなヒントになります。気根は重力に従って「下」に向かって伸びようとする性質があります。気根が斜め下に向いている方向が、植物にとっての「下」です。

それでも不安な場合は、無理に立てて水挿しせず、浅い皿のような容器に水を張り、茎を横に寝かせて半分だけ水に浸かるようにするのが安全策です。

これなら上下を気にする必要がなく、発根もスムーズに行われます。

モンステラの気根は発根の成功を左右する

モンステラの気根は発根の成功を左右する

茎からぶら下がっている茶色くて硬い「気根」。見た目がちょっとグロテスクだからといって、カットしてしまっていませんか?

茎だけの水差しにおいて、この気根はまさに「命綱」とも言える重要な役割を果たします。

気根は、本来は空気中の水分を吸ったり、木にしがみついたりするための根ですが、水につかると即座にその役割を変え、効率よく水分を吸収する「水中根」として機能し始めます。

そして、その気根の表面から白いフワフワとした側根(そっこん)を無数に展開させます。

気根がついている茎は、カットされた直後からすぐに水分補給を開始できるため、茎本体の体力消耗を最小限に抑えることができます。

私の経験上、気根がある茎の水差し成功率は90%以上。発根のスピードも、気根なしの場合に比べて2〜3倍速い感覚です。

もし茎に気根がついているなら、それは「ラッキーな茎」。絶対に切らずに、そのまま水に入れてあげてください。

気根なしの茎でも発根させるポイント

「剪定した茎に気根がなかった…」「気根が腐っていて取り除いてしまった」という場合も、諦める必要はありません。

気根なしの茎でも、茎内部に蓄えられたエネルギーを使って、ゼロから不定根を作り出すことは可能です。

ただし、気根ありの場合よりもハードルは少し上がります。ポイントは以下の3点です。

  1. 切り口のケアを徹底する: 気根がない分、茎の切り口から雑菌が侵入すると致命傷になりやすいです。カット後は半日ほどしっかり乾燥させて「カルス(癒傷組織)」を作り、蓋をしてから水に入れましょう。
  2. 温度を高く保つ: 植物の代謝を上げて発根を促すため、室温は20℃〜25℃をキープします。冬場ならヒーターマットや冷蔵庫の上など、暖かい場所を活用しましょう。
  3. 清潔な水を維持する: 水の腐敗は茎の腐敗に直結します。毎日水を換え、少しでも水が濁ったら容器も洗剤で洗うくらいの徹底ぶりが必要です。

気根なしの茎からの発根は、いわば「持久戦」。茎がシワシワにならず、硬さを保っている限り、水面下では必死に根を作る準備が進んでいます。

信じて待ってあげてくださいね。

モンステラの茎伏せと水差しの比較

先ほど少し触れた「茎伏せ」と「水差し」。どちらの方法で進めるべきか迷っている方のために、さらに詳細な比較表を作成しました。

ご自身の環境や性格に合わせて選んでみてください。

項目 水差し(水耕) 茎伏せ(水苔・土)
難易度 ★☆☆(初心者向き) ★★☆(水分管理のコツが必要)
観察のしやすさ ◎ 非常に良い

毎日根の様子が見えるので安心感がある。腐敗の発見も早い。

△ 見えにくい

掘り起こさないと根の状態が分からず、気づいたら腐っていたということも。

根の質 水根(白くて脆い)。土への植え替え時に少しストレスがかかる。 土根に近い丈夫な根が生える。植え替え後の定着が良い。
腐敗リスク 水温上昇による酸欠で腐りやすい。夏場は注意。 過湿(蒸れ)によるカビや腐敗が起きやすい。密閉時の換気が必須。

私のおすすめは、「発根を確認するまでは水差し、根がしっかり出たら水苔や無機質の用土へ移行する」というハイブリッド方式です。

これなら、一番不安な初期段階を視覚的にクリアできます。

発根までの期間はどれくらい必要?

「水につけて3日経ったけど、変化がない…失敗かな?」と焦る必要はありません。

モンステラの茎だけの水差しにおいて、発根までにかかる期間は、私たちが思っているよりもずっと長いです。

一般的な目安としては、以下の通りです。

  • 気根あり・適温(20-25℃)の場合: 早ければ1週間〜2週間で気根から白い側根が出始めます。
  • 気根なし・適温の場合: 茎の切り口付近が盛り上がり(カルス形成)、白い突起が出るまでに3週間〜1ヶ月以上かかります。
  • 冬場や温度不足の場合: 2ヶ月〜3ヶ月沈黙を守ることも珍しくありません。

植物にとって、根を作る作業は多大なエネルギーを使う大仕事。

茎が緑色で、触っても硬ければ、その子はまだ頑張っています。

「見守ることも園芸のうち」と割り切って、気長に付き合ってあげてください。

モンステラの茎だけを使った水差しの手順

モンステラの茎だけを使った水差しの手順

理論が分かったところで、いよいよ実践編です。

ここでは、失敗のリスクを極限まで減らした私自身の経験則を順番に解説します。

特別な高価な道具は必要ありませんが、手順ひとつひとつを丁寧に行うことが成功への近道です。

モンステラの茎を水挿しするにはどうする?

まずは環境と道具を整えましょう。料理と同じで、下準備が8割です。

準備するもの
  • よく切れるハサミまたはカッター: 切れ味が悪いと茎の組織を押しつぶしてしまい、そこから腐りやすくなります。
  • 消毒用アルコールまたはライター: 刃物の消毒に使います。
  • 透明な容器: ジャムの空き瓶、コップ、プラスチックカップなど。口が広めのものが洗いやすくておすすめ。
  • 水: 通常の水道水でOKです。
  • メネデールなどの活力剤(推奨) 発根成功率を上げたいなら必須アイテムです。

置き場所は、「直射日光の当たらない、明るい窓辺」がベストです。

直射日光が当たると、水温が上がって容器内が「煮えた」状態になり、バクテリアが爆発的に繁殖してしまいます。

レースのカーテン越し程度の、柔らかな光が当たる場所を確保してください。

葉を失った株を茎だけ残す方法

根腐れや寒さで葉が枯れ落ちてしまった株を再生する場合、まずは「掃除」から始めます。

枯れて茶色くなった葉っぱや葉柄は、手で優しく取り除くか、ハサミでカットしてください。

この時、茎に残っている乾燥した皮(袴・ハカマといいます)も、できるだけ剥がしておきましょう。

この皮と茎の隙間に水が溜まると、そこから腐敗菌が繁殖しやすくなるからです。

ただし、無理に剥がそうとして茎本体を傷つけてしまっては本末転倒。

自然に剥がれる範囲で、ツルッとしたきれいな茎の状態にしてあげるのがコツです。

水差し成功の鍵となる茎を切る場所

茎を切り分けるときは、必ず「節」を中心に考えます。

理想的なカットの長さは、節の上下にそれぞれ2cm〜3cm程度の余裕を持たせることです。

節ギリギリで切ってしまうと、切り口から入った菌がすぐに成長点(芽が出る場所)に到達してしまったり、乾燥によるダメージが節に及んだりするリスクがあります。

逆に長すぎると、不要な部分を維持するためにエネルギーを使ってしまいます。

「節を真ん中にした、長さ5〜6cmの小さな丸太」を作るイメージでカットしてみてください。

この「余白」が、茎を守る防波堤の役割を果たしてくれます。

モンステラの増やし方で水差しを成功させる手順

では、具体的な手順を見ていきましょう。

STEP 1:消毒とカット

ハサミを火で炙るかアルコールで拭き、完全に殺菌します。

狙った位置でスパッと潔く茎をカットしましょう。

切断面がスパゲッティのように潰れず、綺麗な円形になっていればOKです。

momo

ハサミを入れる瞬間って、何度やっても手が震えますよね。

「ここを切って本当に大丈夫?」って。

実は私、一度切れ味の悪いハサミを使ってしまって、茎の断面をグチャッと潰してしまったことがあるんです。

その時は、そこからすぐに腐って黒くなってしまいました…。

なので、皆さんには「スパッと切れるハサミ」を使うことだけは、強くオススメしたいんです!

STEP 2:乾燥(超重要!)

ここが最大のポイントです。

切った茎をすぐに水に入れてはいけません。

風通しの良い日陰に置き、半日〜1日ほど切り口を乾かしてください。

切り口が乾くと、植物は自ら薄い膜(保護膜)を作ります。

これによって、水中での雑菌の侵入を防ぎ、中の成分が水に溶け出すのを防ぐことができます。

「乾かしたら枯れちゃうんじゃ?」と不安になるかもしれませんが、モンステラの茎は水分をたっぷり含んでいるので、1日程度では全く問題ありません。

STEP 3:セッティング

容器に水を入れ、茎をセットします。

この時、私がおすすめするのは「茎本体をなるべく水につけない」というテクニックです。

気根がある場合は、気根の先端だけを水につけ、茎本体は容器の縁に引っ掛けるなどして空中に浮かせます。

これなら茎が腐るリスクはほぼゼロになります。

気根がない場合は、茎の下半分(または下3分の1)だけが水に浸かるように水位を調整します。

決して茎全体をドボンと沈めないように注意してください。呼吸ができなくなって窒息してしまいます。

水挿しで失敗しない水換えの頻度

「水につけたら終わり」ではなく、そこからが管理のスタートです。

水換えは、基本的には2〜3日に1回、夏場は毎日行いましょう。

水は静止していると酸素が抜け、嫌気性(酸素を嫌う)の腐敗菌が増殖しやすい環境になります。

水をジャバジャバと入れ替えることで、新鮮な酸素を供給し、菌の濃度をリセットすることができます。

また、水換えのタイミングで、茎のぬめりを指で優しく洗い流してあげてください。

このぬめりはバイオフィルムと呼ばれる細菌の巣窟。これを取り除くだけで、腐敗率は劇的に下がります。

メネデール等の発根促進剤の効果

モンステラ メネデール等の発根促進剤の効果

「少しでも確率を上げたい」「早く根が見たい」という方は、市販の活力剤を味方につけましょう。

特に有名なのが「メネデール」です。

メネデールに含まれる二価鉄イオンは、植物の光合成や呼吸を助け、切り口の回復を早める効果があります。

また、水を腐りにくくする効果も期待できます。

使い方は簡単で、水換えのたびに規定量(水100mlに対してキャップ1杯程度など、製品の指示に従ってください)を混ぜるだけ。

肥料ではないので、根がない状態でも安心して使えます。

私の場合、真水だけでやるよりも、メネデール水を使った方が明らかに根の初動が早いと感じています。


茎が黒くなる腐敗のサインと対処

モンステラ 茎が黒くなる腐敗のサインと対処

どれだけ気をつけていても、腐るときは腐ります。

大切なのは、そのサインを早期に発見し、リカバリーすることです。

危険なサイン
  • 切り口が黒く変色し、徐々に範囲が広がっている。
  • 茎を指で押すと、ブヨブヨと柔らかく崩れる(Mushy)。
  • 水が白く濁り、ドブのような異臭がする。

もしこれらを発見したら、速やかに処置をする必要があります。

腐って柔らかくなった黒い部分を、健康な緑色の組織が見えるところまで完全に切り落とします。

「もったいない」と思って腐敗菌を残すと、すぐに再発します。

そして、切り口をオキシドール(過酸化水素水)で消毒するか、30分ほど薄めたオキシドール水に浸漬して殺菌し、再び乾燥させてから、新しい容器と水で再スタートします。

早期発見なら、この方法で十分に助けられます。

momo

腐敗に気づいたのは、朝の水換えの時でした。

瓶の蓋を開けた瞬間、「ウッ」となるような、古くなった雑巾のような生臭いニオイがしたんです。

恐る恐る茎を触ってみると、健康なときはカチカチに硬かった茎が、まるで茹でた野菜みたいにブヨブヨと柔らかくなっていて…。

あの時のショックは今でも忘れられません。

葉は出るが根が出ない時の対策

時々、「根っこがまだ1mmも出ていないのに、芽が動き出して葉っぱが開こうとしている」というケースに遭遇します。

これは茎にとって非常に危険な状態です。

根からの給水がない状態で葉が開くと、葉からの蒸散(水分の放出)に給水が追いつかず、茎本体の水分が一気に奪われます。

結果、茎がシワシワになり、エネルギー切れで共倒れしてしまいます。

これを防ぐには、「湿度ドーム」を作ってあげましょう。

透明なビニール袋を株全体にふんわりとかぶせ、内部の湿度をほぼ100%に保ちます。

こうすることで葉からの蒸散を抑え、少ない吸水量でもバランスが取れるようにサポートします。根がしっかり伸びるまでは、この高湿度環境で保護してあげてください。

モンステラの水差しで根が出たらすること

長い見守り期間を経て、ついに白い根が伸びてきたら…!まずは自分を褒めてあげてください。でも、焦ってすぐに土に植えるのは禁物です。

出たばかりの根はまだ短く、機能も未熟です。土という新しい環境に適応するには、もっと体力が必要です。

目安としては、「根の長さが5cm〜10cmになり、さらにその根から細かい枝分かれ(二次根)が出てきた頃」が、鉢上げ(土への植え替え)のベストタイミングです。

根の量が増えれば増えるほど、土に植えた後の失敗が少なくなります。

「根っこがカップの中で窮屈そうかな?」と思うくらいまで、水の中で育ててしまって大丈夫ですよ。

土に植えず水差しのまま育てる管理法

「土を使いたくない」「虫が湧くのが嫌だ」という方は、そのまま水耕栽培(ハイドロカルチャー)として育て続ける選択肢もあります。

ただし、水道水だけでは植物に必要な栄養素(窒素・リン酸・カリなど)が含まれていないため、長期的には栄養失調で葉が黄色くなってしまいます。

根が充実してきたら、水耕栽培用の液体肥料(ハイポネックス微粉など)を、規定よりもかなり薄くして与えるようにしましょう。

また、容器の底に「根腐れ防止剤(ゼオライトミリオンA)」を入れておくと、水質浄化作用で管理が楽になります。

まとめ:モンステラの水差しは茎だけでも成功する?ポイント

モンステラの茎だけを使った水差し繁殖について、詳しく解説してきました。

一見するとただの枯れ枝のように見える茎の中に、爆発的な生命力が眠っていることを感じていただけたでしょうか。

最後に、成功のための重要ポイントをおさらいしておきましょう。

茎だけ水差し・成功の4箇条
  • 必ず「節(成長点)」を含んだ茎を使うこと。節のない棒は育たない。
  • 気根があるなら絶対に切らず、それを水につけて給水ルートを確保する。
  • 切り口は乾燥させてから水へ。水換えはこまめに行い、腐敗菌との戦いに勝つ。
  • 根が出るまでには1ヶ月以上かかることもある。腐っていない限り、信じて待つ。

たとえ茎だけの姿になってしまっても、モンステラは生きています。

捨ててしまう前に、ぜひ一度、コップの水につけてみてください。

数週間後、小さな緑の芽が顔を出したとき、きっとあなたは植物のすごさに改めて感動するはずです。

この記事が、あなたのモンステラ復活の助けになればとても嬉しいです。

※本記事で紹介した方法は、一般的な環境での成功例に基づきますが、植物の状態や環境(特に冬場の低温など)によってはうまくいかない場合もあります。実施する際は植物の様子を毎日観察しながら、自己責任で楽しんでくださいね。

momo
「観葉植物の育て方ナビ」運営者
これまでに20種類以上の観葉植物を栽培してきた経験から、初心者の方へ「育て方」「インテリアグリーンの活用方法」などをわかりやすく情報発信しています。普段はOLをしている20代後半の社会人。
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