サンスベリアの葉が曲がる原因と復活法!切るべきか判断する基準

サンスベリアの葉が曲がる原因と復活法アイキャッチ。「曲がった葉、切る?〜復活できる境界線はココ!〜」の文字入り画像

こんにちは!「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。

サンスベリアの葉が倒れた時の診断と処置をまとめたガイドの表紙イラスト

お部屋のインテリアとして飾っている大切なサンスベリアの葉が曲がることや、気づけば元気がなくなりサンスベリアの葉が倒れること、あるいは横にだらしなく葉が広がるような姿を見て、どうしたらいいんだろうと悩んでいませんか?

シュッとした立ち姿が魅力なだけに、形が崩れるとすごく心配になりますよね。

実はその変化、植物からのSOSかもしれません。

例えば、葉が丸まるのは水不足の症状の可能性がありますし、もっと深刻なケースだと根腐れで葉がふにゃふにゃになり切る処置が必要になることもあります。

でも、焦らなくて大丈夫ですよ。原因さえわかれば、復活させる方法はちゃんとあります。

この記事では、どうしても戻らない場合にサンスベリアの葉を切る判断基準や、曲がった葉への対処法を私の経験も交えて丁寧にお話しします。

また、倒れてくるサンスベリアを固定するにはどんな道具を使えばいいか、思い切って行う剪定はどこを切るのがベストなのか、さらにはカットした葉を活用した葉挿しの方法まで詳しく解説していきますね。

一緒に原因を突き止めて、元気な姿を取り戻してあげましょう!

この記事でわかること
  • 葉の状態(シワ、変色、軟化)から「水不足」か「根腐れ」かを見分ける診断ポイント
  • 光不足でヒョロヒョロに徒長してしまった株を、美しく仕立て直す方法
  • 腐ってしまった部分を外科手術のように切除し、株を守る緊急処置の手順
  • 剪定した元気な葉を無駄にせず、「葉挿し」で新しい株を増やす楽しみ方
目次

サンスベリアの葉が曲がる原因とサイン

「昨日までは元気だったのに、急に葉が倒れてきた気がする…」
「なんだか最近、葉っぱ全体がだらしなく広がってきたような…」

あんなに真っ直ぐで凛としていた葉っぱが、なぜかあちこちを向いてしまったり、元気がなくなってしまったり。

その変化には、必ず理由があります。それは環境の変化かもしれませんし、日々のケアの積み重ねかもしれません。

まずは、今のサンスベリアがどんな状態なのか、お医者さんになったつもりでじっくり観察して、原因を探っていきましょう。

葉のシワは水不足、徒長は光不足、根元の軟化は根腐れなど、症状から原因を判断するイラストチャート

スタッキーなど品種特有の形状

まず最初に確認しておきたいのが、あなたが育てているサンスベリアの「品種」についてです。

一口にサンスベリアと言っても、実は世界中にたくさんの種類が存在することをご存知でしょうか?

一般的にサンスベリアと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、「虎の尾」とも呼ばれる「ローレンティ(Sansevieria trifasciata ‘Laurentii’)」という品種だと思います。

剣のような葉が黄色い縁取りを持ち、上に向かってスッと直立するのが特徴ですよね。

このタイプが横に広がっていたら、確かに何らかの不調のサインです。

しかし、中にはもともと葉が広がるように育つ品種や、成長過程で湾曲するのが正常な品種も存在します。

これを「葉が倒れた!」と勘違いして、無理に矯正しようとしたり、心配しすぎたりする必要はありません。代表的なものをいくつか挙げてみますね。

扇状に広がるボンセレンシスやハニーなど、もともと葉が広がっている品種のイラスト
品種名正常な形状の特徴
サンスベリア・ボンセレンシス(Sansevieria-boncellensis)
ボンセレンシス
(S. cylindrica ‘Boncel’)
太い棒状の葉が、まるで手の指を広げたように左右交互に扇状xに開きます。横に寝ているように見えますが、これが正常な姿です。
サンスベリア・サムライ(Sansevieria-ehrenbergii-Samurai-Dwarf)
サムライ・ドワーフ
(S. ehrenbergii ‘Samurai Dwarf’)
肉厚で硬い葉が、螺旋を描くように旋回しながら積み重なって育ちます。葉先が下向きにカーブすることもありますが、「兜」のような美しいフォルムの一部です。
サンスベリア・ハニー(Sansevieria-Hahnii)
ハニー
(S. trifasciata ‘Hahnii’)
背が低い矮性品種で、バラの花のようにロゼット状に葉を広げます。上ではなく斜め横に葉が展開しますが、これも正常です。
サンスベリア・キリンドリカ(Sansevieria-cylindrica)
スタッキー / キリンドリカ
(S. cylindrica / S. stuckyi)
円筒形の棒状の葉が特徴。お店では真っ直ぐな棒状で売られていますが、本来は扇状に広がる性質があります。新芽が斜めに生えてきても、それは元気な証拠です。

日本国内で「スタッキー」という名前で販売されている商品の9割以上は、実は「キリンドリカ(S. cylindrica)」です。本物のスタッキー(S. stuckyi)は一本の巨大な角のように育つ希少種で、流通は稀です。

もし、お持ちのサンスベリアの名前がわからない場合は、購入時のタグを確認するか、Googleレンズなどの画像検索アプリを使って調べてみるのがおすすめです。

「なんだ、こういう形の子だったんだ!」と分かれば、それだけで安心できますよね。まずは品種本来の姿を知ることから始めましょう。

葉が倒れる・葉が広がる時

品種の特性ではないのに、本来直立すべき剣状の葉がだらしなく外側に倒れ込んでしまったり、四方八方に広がってしまったりする場合、それは株自体の「体を支える力」が落ちているサインであることが多いです。

少し難しい話になりますが、植物が重力に逆らってシャキッと立っていられるのは、主に2つの力のおかげなんです。

一つは、細胞の中に水分がパンパンに詰まっていることによる圧力(これを「膨圧」と言います)。

もう一つは、葉の繊維組織が硬く発達していることによる物理的な強度です。

葉が倒れるということは、このどちらか、あるいは両方が崩れてしまっている証拠。

具体的には、以下のような原因が考えられます。

葉が倒れる主な3つの原因
  • 光線不足による軟弱化:
    光が足りないと、植物は体を支えるための「セルロース」や「リグニン」といった硬い成分を十分に作れません。その結果、葉が柔らかくなり、自重に耐えられずに倒れてしまいます。
  • 水不足による張りの低下:
    風船の空気が抜けるとフニャフニャになるのと同じで、細胞内の水分が減ると葉の張りがなくなり、重力に負けて垂れ下がります。
  • 根張りの悪さ:
    植え替えたばかりだったり、根腐れで根が減っていたりすると、土の中で体を固定できず、株元からグラグラして葉が広がって見えることがあります。

特に、「部屋の隅っこの、あまり光が当たらない場所に置いている」というケースが非常に多いです。

サンスベリアは暗い場所にも耐える(耐陰性がある)とよく言われますが、それはあくまで「枯れない」というレベルの話。

本来の美しい直立した姿を保つためには、やはりある程度の光が必要不可欠なんです。

まずは置き場所を見直してみるだけでも、改善することがありますよ。

葉が丸まるのは水不足の症状?

葉っぱを近くでよーく観察してみてください。

平たいはずの葉が、筒状にくるっと丸まっていたり、表面に縦方向の深い溝(シワ)が走っていたりしませんか?

もしそうなら、それは典型的な「水不足」の初期〜中期症状である可能性が非常に高いです。

「えっ、サンスベリアって乾燥に強いんじゃないの?」と思われるかもしれませんね。

確かに乾燥には最強クラスに強い植物ですが、それでも生き物ですから、限界を超えれば水切れを起こします。

サンスベリアの葉は、いわば「貯水タンク」の役割を果たしています。

健康な時は水分たっぷりでプックリとしていますが、根からの給水がストップすると、生き延びるために葉に蓄えた水分を使い始めます。

タンクの中身が減っていくと、体積が減って葉が収縮し、内側に巻き込んだり、表面がデコボコしたりするわけです。

水不足の進行レベル別サイン
  • レベル1(初期):
    葉の艶がなくなり、触ると少し柔らかい感じがする。
  • レベル2(中期):
    葉に縦ジワが入り、少し内側に丸まってくる。この段階なら、水をあげれば数日で元のハリが戻ります。
  • レベル3(末期):
    葉が完全にシワシワになり、硬く乾燥している。葉先が茶色く枯れ込む(ウィザリング)。ここまでくると、回復には時間がかかります。

「最近、忙しくて水やりを忘れていたかも…」という心当たりがある場合は、まずはたっぷりと水をあげて様子を見てください。

ただし、土がまだ湿っているのに葉が丸まっている場合は、逆に「根腐れ」の可能性があるので要注意です。

土の状態とセットで判断するのがポイントですよ。

詳しい水不足のサインや水やりのタイミングについては、以下の記事でも解説していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。

【画像解説】サンスベリアの水やりサインとタイミング!しわや根腐れを防ぐ

水のやりすぎで起きる根腐れ

「葉が曲がる」トラブルの中で、最も深刻で、かつ最も頻繁に起こる原因。

それが「根腐れ」です。サンスベリアを枯らしてしまう原因のNo.1と言っても過言ではありません。

サンスベリアはアフリカなどの乾燥地帯が故郷なので、根っこが常に湿っている状態が大の苦手。

土が水でジメジメした状態が続くと、根が必要な酸素を吸えなくなり、窒息死してしまいます。

さらに悪いことに、弱った根に土の中の腐敗菌が侵入し、組織をドロドロに溶かしてしまうのです。

ここで矛盾した現象が起きます。「土は水でびちゃびちゃなのに、葉っぱは脱水症状を起こしている」という状態です。

なぜなら、水を吸い上げるための根っこが腐って機能していないから。

いくら水をあげても、植物の体内には届かないんですね。

だから、葉が水分を失ってシワシワになったり、倒れたりするんです。

こんな症状は根腐れ確定かも!緊急チェック
  • 葉の根元が、黄色〜茶色に変色している。
  • 根元を触ると、「ブヨブヨ」「グニュグニュ」と柔らかく、水っぽい。
  • 土から、ドブのような、あるいは腐った玉ねぎのような嫌な臭いがする。
  • 葉を軽く引っ張ると、抵抗なくスポッと抜けてしまう。

特に、「葉が根元から水っぽく柔らかくなって倒れる」というのは、根腐れ特有の症状です。

この場合、水をあげるのは逆効果どころかトドメを刺すことになります。

もしこのサインが出ていたら、一刻も早く処置が必要です(詳しい対処法は後半で解説しますね!)。

日照不足で徒長して垂れ下がる

「水やりは適切にしているはずなのに、なんだか葉っぱがヒョロヒョロと長くて、だらんと垂れ下がってしまう…」

そんな悩みをお持ちの方は、置き場所の明るさを確認してみてください。

もしかして、一日中薄暗い場所や、窓から離れた部屋の奥に置いていませんか?

サンスベリアは本来、アフリカの強い日差しの下で育つ植物です。

日本の室内、特に光の入らない場所では、光合成をするためのエネルギーが圧倒的に足りません。

すると植物は、限られた光を求めて、「質より量」の成長を始めます。

つまり、体を頑丈にすることよりも、とにかく背を伸ばして光に近づこうとするのです。

これを「徒長(とちょう)」と呼びます。

徒長した葉は、一見すると成長しているように見えますが、実は中身がスカスカです。

細胞壁を厚く硬くするための炭水化物が不足しているため、組織が非常に軟弱。

例えるなら、骨粗鬆症のような状態ですね。そのため、ある程度の高さまで伸びると、自分の重さを支えきれなくなり、中間部分から「ペニャッ」と折れ曲がったり、全体が放射状に倒れ込んだりしてしまうのです。

特に、幅の狭い細長い葉を持つ品種(ミカドなど)や、新しい葉っぱ(新芽)は徒長しやすい傾向にあります。

「葉の色が薄緑色で、厚みがなくてペラペラしている」と感じたら、それは光不足のSOS。

ただし、急に直射日光に当てると葉焼けしてしまうので、数週間かけて少しずつ明るい場所へ移動させてあげる必要があります。

冬の寒さが招く葉の倒伏

日本の冬は、サンスベリアにとって生死をかけた試練の季節です。

彼らの適温は20℃〜30℃。10℃を下回ると成長が止まり、さらに寒くなると細胞レベルでのダメージを受け始めます。

「室内なら大丈夫」と思っていませんか?

実は、気象庁のデータによると、東京などの都市部でも厳冬期の最低気温は氷点下や一桁台になることが珍しくありません。

データで見る日本の冬の寒さ
気象庁の観測データ(東京・2025年1月)によると、日最低気温の月平均は「2.6℃」です。これはサンスベリアが枯死する危険のある5℃を大きく下回っています。夜間、暖房を切った室内の窓際は、外気と同じくらい冷え込むため非常に危険です。(出典:気象庁「過去の気象データ検索」)

寒さによるダメージ(冷害)を受けると、葉の細胞内の水分が冷やされ、細胞膜が破壊されてしまいます。

すると、中の水分が漏れ出し、葉が急に透き通ったような「水浸状(すいしんじょう)」になったり、解凍した冷凍野菜のように「ふにゃふにゃ」に軟化して倒れ込んだりします。

窓際から離す、断水気味にするなど、寒さ対策として重要な冬の管理方法のイラスト
冬場に特に注意したいNGアクション
  • 夜間の窓際に置きっぱなし:
    昼間は暖かくても、夜の窓際は外気と同じくらい冷え込みます。夜だけは部屋の中央や高い場所(冷気は床に溜まるので)に移動させましょう。
  • 冬の水やり:
    寒い時期に水を与えると、根が冷えてさらにダメージを受けますし、吸水能力も落ちているので即座に根腐れします。室温が常に15℃以上保てる環境でない限り、冬は「断水(水やりストップ)」が基本です。
momo

私も昔、「今日は暖かいから大丈夫かな?」と思って冬にたっぷり水をあげてしまい、翌朝サンスベリアをぶよぶよにして泣く泣くサヨナラした経験があります…。

あの時のショックは忘れられません。

冬は「構いすぎない」のが一番の優しさですよ!

「朝起きたら、昨日まで元気だったサンスベリアが倒れていた!」という悲劇は、冬の寒い日の翌朝によく起こります。

もし冬に葉が倒れてしまったら、慌てて水をあげたり暖房の風を直接当てたりせず、まずは暖かい部屋(15℃以上)に移して、そっとしておいてあげることが大切です。

病気や害虫による葉の変形

ここまで環境や管理方法による原因を見てきましたが、稀に「病気」や「虫」が原因で葉が曲がったりねじれたりすることもあります。

これらは放置すると他の植物にも移ってしまうので、早期発見がカギとなります。

1. 吸汁性害虫による奇形

特に注意したいのが「アザミウマ(スリップス)」「カイガラムシ」といった小さな虫たちです。

彼らは新芽や柔らかい葉に取り付き、植物の汁を吸います。

この時、成長点(細胞分裂が活発な部分)を傷つけられると、葉が成長するにつれて傷跡がひきつれ、いびつにねじれたり、カールしたりする原因になります。

葉の表面に白いカスリ状の跡があったり、ベタベタした液(排泄物)がついていたりしたら、虫がいる証拠です。

アザミウマ類は多くの植物に被害を及ぼす重要害虫として、農林水産省や各自治体でも注意喚起されています(参考:農林水産省「指定有害動植物について」)。

見つけ次第、粘着シートで捕獲するか、専用の薬剤などで徹底的に駆除しましょう。

2. 病気による組織の崩壊

「軟腐病(なんぷびょう)」「炭疽病(たんそびょう)」などの病原菌に感染すると、葉の強度が失われて曲がってしまいます。

  • 軟腐病: 細菌が原因で、葉の根元がドロドロに溶けて強烈な腐敗臭を放ちながら倒れます。 高温多湿な環境で発生しやすい病気です。
  • 炭疽病: カビ(糸状菌)が原因で、葉に茶色い斑点ができ、そこから穴が開いたり枯れ込んだりして折れ曲がります。

病気の主な原因の多くは「風通しの悪さ」と「多湿」。

葉が密集しすぎている場合は、少し間引いて風通しを良くしてあげることも、葉の健康を守るためには重要なんですよ。


ここまで、サンスベリアの葉が曲がる原因を詳しく見てきました。

あなたのサンスベリアに当てはまる症状はありましたか?原因がわかれば、あとは対処するだけです!

次からは、いよいよ具体的な「直し方」と「復活テクニック」について解説していきます。

ハサミを使った外科手術のような方法から、日々のちょっとしたケアまで、症状別に詳しくお伝えしますので、ぜひ読み進めてくださいね。

サンスベリアの葉が曲がる時の対処法

原因がある程度特定できたら、次はいよいよ治療の時間です。

「原因はわかったけど、もう曲がっちゃった葉っぱはどうにもならないの?」「腐っているとしたら、どうやって手術すればいいの?」と不安に思うことも多いはず。

でも、諦めないでください。

「もうダメかも…」と思われるような状態からでも、サンスベリアの生命力は凄まじいものがあります。

私自身、根腐れで葉が全部倒れてしまった株を、植え替えと剪定で復活させた経験が何度もあります。

ここでは、症状のレベルや原因に合わせて、植物に負担をかけずに復活させるための具体的な手順を解説します。

初心者の方でも失敗しないよう、ステップバイステップで見ていきましょう。

曲がった葉はどうする?

一度曲がってしまった葉をどうするか、悩みますよね。

これには「復活できるケース」と「諦めて切るべきケース」の2つのパターンがあります。

まずは自分のサンスベリアがどちらなのかを見極めることが大切です。

  1. 復活できる可能性があるケース
    • 原因:水不足(乾燥)
    • 症状:葉に縦ジワが入っている、少し丸まっている、倒れてはいないが張りがなく垂れている。
    • 判定:細胞内の水分が減っているだけなので、水を吸わせればパンと張りが戻る可能性が高いです。
  1. 元には戻らない(切るべき)ケース
    • 原因:徒長(光不足)、根腐れ、物理的な折れ
    • 症状:葉が真ん中でポッキリ折れている、ヒョロヒョロと細長く伸びて倒れている、根元がブヨブヨに溶けている。
    • 判定:植物の組織構造そのものが壊れているか、未発達な状態です。これらはいくら水をあげても、光に当てても、真っ直ぐで太い葉に戻ることはありません。

「せっかく伸びた葉を切るのはもったいない…」という気持ち、痛いほどわかります。

でも、機能しなくなった葉をそのままにしておくと、見た目が悪いだけでなく、風通しが悪くなって病害虫の原因になったり、腐敗が進行して株全体を枯らせてしまったりするリスクがあります。

「曲がった葉は、これまでの環境の履歴書」と割り切って、新しい葉を美しく育てるための「リセット(剪定)」を行う勇気を持つことが、結果的にサンスベリアを長く楽しむ秘訣なんです。

状態に合わせた正しい水やり方法

診断の結果、「これは水不足だ!」とわかった場合は、適切な水分補給をしてあげましょう。

ただし、ただジョウロで水をかけるだけでは不十分な場合があります。

なぜなら、極限まで乾燥した土は水を弾いてしまい、水が根まで届かずに鉢の脇を通り抜けてしまうことがあるからです。

そこでおすすめなのが、「底面給水(ていめんきゅうすい)」という方法です。

バケツに水を張り鉢ごと浸けて吸水させる、底面給水の手順を示したイラスト解説
カラカラに乾いたサンスベリアを救う「底面給水」の手順
  1. バケツや洗面器に、室温に近い温度の水を張ります(冷たすぎる水は根にショックを与えます)。
  2. サンスベリアの鉢を、そのまま水の中に沈めます(鉢の高さの半分くらいまで浸かればOK)。
  3. そのまま10分〜15分ほど放置します。毛細管現象で土が下から水を吸い上げ、表面まで湿ってくるのを待ちます。
  4. 鉢を水から引き上げ、鉢底から水が垂れなくなるまでしっかりと水を切ります。
  5. 風通しの良い、明るい日陰(レースカーテン越し)に戻して休ませます。

この方法なら、しぼんでしまった根の細胞にもしっかりと水が行き渡ります。

早ければ翌日、遅くても数日以内には、シワシワだった葉にツヤと張りが戻ってくるはずです。

ただし、冬場(気温10℃以下)の場合は絶対にこの方法を行わないでください。

寒さで休眠している時に大量の水を与えると、吸い上げきれずに鉢の中に水が残り、夜間の冷え込みで根が凍ったり、根腐れを即発させたりします。

冬に葉がシワシワになっても、春まで我慢して「断水」を続けるのが、枯らさないための鉄則です。

倒れるサンスベリアを固定するには

「光不足で少し広がってしまったけれど、まだ緑色で元気だし、切りたくはない…」

そんな時は、物理的に矯正してあげる方法が有効です。

広がった葉をまとめて固定してあげることで、だらしない見た目を整えるだけでなく、葉同士が支え合うことで安定し、光合成もしやすくなります。

光不足で広がったサンスベリアの葉を麻紐などで優しく束ねて固定するイラスト
おすすめの固定アイテム
  • 麻紐(あさひも): 植物に優しく、見た目もナチュラルでおしゃれです。きつく縛りすぎず、ふんわりとまとめるのがコツ。
  • リング支柱(あんどん支柱): 朝顔の栽培などで使う、輪っかがついた支柱です。100円ショップの園芸コーナーでも手に入ります。輪の中に葉を収めるだけで簡単に整います。
  • 園芸用ベルクロテープ(マジックテープ): 巻き直しが簡単なので、葉の成長に合わせて締め具合を調整できます。

固定する際は、無理に真っ直ぐにしようとして葉を折らないように注意してください。

そして、少しずつ日当たりの良い場所へ移動させて、次に生えてくる新芽が徒長しないように環境を改善してあげることが大切です。

葉がふにゃふにゃなら切る

ここからは、緊急事態への対処法です。

葉の根元を触ってみて、「ブヨブヨ」「ふにゃふにゃ」と水っぽく柔らかくなっている。

そして、鼻を近づけると腐った玉ねぎのような、あるいはドブのような異臭がする…。

これは「軟腐病(なんぷびょう)」や重度の根腐れによる組織壊死であり、一刻を争います。

腐敗菌は、水分を介して健康な組織へと猛スピードで移動します。

「かわいそうだから」と躊躇していると、数日のうちに株全体がドロドロに溶けて全滅してしまいます。

心を鬼にして、柔らかくなった葉は根元からすべて切り落としてください。

緊急切除と再発防止のルール
  • ハサミの消毒:ハサミは必ずアルコール消毒するか、火で炙って消毒してから使う(菌を移さないため)。
  • 大きめに切除:腐っている部分だけでなく、境界線の少し上の「硬くて健康な部分」も含めて大きく切り取る(見えない菌を残さないため)。
  • 土は全捨て:ここが重要です。病気が発生した鉢の土には菌が蔓延しています。絶対に再利用せず、すべて捨ててください。鉢も洗って塩素系漂白剤などで消毒するか、新しいものに変えましょう。
  • 隔離する:他の元気な植物に伝染しないよう、治療中の株は別の場所に隔離して様子を見ましょう。

根腐れした根は植え替えで切除

葉が腐っているということは、十中八九、土の中の根っこも腐っています。

地上部の葉を切っただけでは解決になりません。鉢から抜いて、根本治療を行う必要があります。

初めてだと怖いかもしれませんが、以下の手順通りに行えば大丈夫です。

腐った根や葉を切り落とし、土を捨てて乾燥させてから植え替える手順のイラスト
momo

初めて根っこをハサミで切った時は、手が震えるくらい怖かったです(笑)。

でも、腐った部分を残しておくと本当にあっという間に全滅しちゃうんです。

「手術して助けるんだ!」という気持ちで、思い切って悪い部分は全部カットしてあげてくださいね。

根腐れ治療のステップ

STEP
株の引き抜き

鉢からサンスベリアを慎重に引き抜きます。土が濡れていて抜けない場合は、鉢の側面を叩いて緩めます。

STEP
根の洗浄

根についている土を、シャワーの水流ですべて洗い流します。古い土には腐敗菌がいるので使い回してはいけません。

STEP
根の切除

根を観察します。黒くてスカスカの根、触るとズルッと皮が剥ける根は死んでいます。清潔なハサミで、健康な白い根が見えるところまで全て切り落とします。

もし地下茎(太い芋のような部分)までヌルヌルしていたら、その部分もナイフで削り取ります。

※重要:切った断面が赤茶色に変色している場合は、菌が奥まで回っています。断面がきれいな白や薄緑色になるまで、ためらわずに切り進めてください。

STEP
乾燥(とても重要!)

すぐに植えてはいけません。切り口が濡れているとまた腐ります。風通しの良い日陰に、新聞紙などを敷いて1日〜3日ほど放置し、切り口を完全に乾かして「かさぶた」を作ります。サンスベリアは1週間くらい土がなくても枯れませんので安心してください。

STEP
植え付け

新しい清潔な土(サンスベリア専用土や、多肉植物用の土)に植え付けます。

STEP
養生

植え替え直後は水をやりません。1週間〜10日ほど断水し、根が伸びようとする力を引き出してから、ごく少量の水やりを再開します。

より詳しい植え替えの手順や、失敗しない土の選び方については、サンスベリアの植え替えサインと手順を徹底解説の記事で図解付きで紹介しています。

作業前にぜひ一度目を通してみてくださいね。

徒長した葉を切ることで再生させる

光不足でひょろひょろに伸びてしまった葉や、折れ曲がってしまった葉。

これらは光に当てても太く戻ることはありません。見栄えを取り戻すには、思い切って「仕立て直し(リセット)」をするのが一番の近道です。

「全部切っちゃって大丈夫なの?」と不安になりますよね。

でも、サンスベリアの本体は、土の中に埋まっている「地下茎(ちかけい)」という部分なんです。

地上に出ている葉っぱは、言わばソーラーパネルのようなもの。

地下茎さえ生きていて、エネルギーが残っていれば、地上の葉をカットしても、しばらくすると土の中からタケノコのように元気な新芽(子株)が顔を出します。

この新芽を、今度は最初から日当たりの良い場所で育てることで、がっちりとした本来の美しい姿に育て直すことができるんです。

失敗しないコツ:1枚だけ残す「保険」

もし株が弱っていそうで心配な場合は、葉を全て切らずに、一番元気な葉を1〜2枚だけ残しておきましょう。

残した葉がソーラーパネルとして光合成を行い、新芽が出るためのエネルギーを作ってくれるので、丸坊主にするよりも回復が早くなりますよ。

新芽が立派に育ってから、古い葉をカットすれば完璧です。

剪定はどこを切る?

剪定をする際、「葉のどの部分で切ればいいの?」と迷う方が多いです。

結論から言うと、「土の際」で切るのが最も見た目が良く、植物への負担も少ないです。

サンスベリアの葉を切る際は、中途半端な位置ではなく土の際で水平にカットすることを推奨する図解
剪定のポイントと注意点
  • 切る位置: 中途半端に残さず、できるだけ土に近い根元の部分でカットします。葉の途中で切っても枯れはしませんが、切り口が茶色く残ってしまい、インテリアとしての美観を損ねてしまいます。
  • ハサミの清潔さ: 必ずアルコール消毒などをした清潔なハサミを使ってください。汚れたハサミは「軟腐病」などの細菌感染の原因になります。
  • 切り口の処理: 切った直後は水分が出ますが、そのまま風通しの良い場所で自然乾燥させればOKです。切り口が大きい場合や心配な場合は、「トップジンMペースト」などの癒合剤を塗ると安心です。

ちなみに、剪定のベストシーズンは、成長期である5月〜9月頃です。

冬場にバッサリ切ってしまうと、傷口が乾きにくく、そこから傷んでしまうことがあるので、暖かくなるまで待ってあげてくださいね。

切った葉で葉挿しする

さて、剪定して切り落とした元気な葉。「ゴミとして捨てるのは心が痛む…」という優しいあなたへ。

実はその葉っぱ、捨てずにリサイクルして、新しい株を増やすことができるんです!これを「葉挿し(はざし)」と言います。

葉をカットして乾燥させ、上下を間違えないように土に挿すまでの葉挿しの流れを描いたイラスト

まるで魔法のようですが、葉っぱの断片から根っこが出て、新しい芽が生まれるんですよ。

お子さんと一緒に実験感覚でやってみるのも楽しいですね。

捨てないで!サンスベリアの葉挿し手順
  1. 切り取った葉の中で、傷んでいない元気な部分を選び、10cm〜15cmくらいの長さに切り分けます。
  2. 【最重要】上下を間違えない! 植物には極性(上と下の決まり)があります。逆さまに挿すと絶対に根が出ません。マジックで印をつけるなどして、どちらが下だったかわかるようにしておきましょう。
  3. 切り口を風通しの良い日陰で3日〜1週間ほど乾燥させます。切り口をしっかり乾かさないと、土の中で腐ってしまいます。
  4. 切り口が乾いたら、サンスベリア用の土や赤玉土(小粒)に、葉の下部分を3cm〜5cmほど挿します。
  5. 直射日光の当たらない明るい日陰に置きます。水やりはすぐにはせず、1週間後くらいから土が湿る程度に与えます。

芽が出るまでは気長に待つこと
早ければ1ヶ月ほどで根が出ますが、そこから新芽(子株)が土から顔を出すまでは、3ヶ月〜半年以上かかることもあります。「失敗したかな?」と思っても、葉が緑色をしているなら生きている証拠。忘れた頃にひょっこりと出てくるので、気長に待ってあげてください。

momo

私が葉挿しに挑戦した時は、3ヶ月経っても何も変化がなくて「失敗したかな…」と諦めかけていました。

でも4ヶ月目に土からひょっこり小さなツノみたいな新芽が出てきて、思わず「出たー!」って叫んじゃいました(笑)。

あの感動をぜひ味わってほしいです!

【簡単】水につけるだけの「水挿し」もおすすめ

土を用意するのが面倒なら、コップや空き瓶に少量の水を入れて、乾燥させた葉を挿しておくだけの「水挿し」もおすすめです。

水は毎日交換する必要がありますが、透明なガラス越しに白い根っこがニョキニョキ伸びてくる様子が観察できるので、とても楽しいですよ!

根が十分に伸びたら、土に植えてあげましょう。

ローレンティ(トラノオ)の注意点

葉の縁が黄色い「ローレンチー」を葉挿しすると、生まれた子供は黄色い斑(ふ)が消えて、緑色一色の「先祖返り」した姿になります。

黄色い模様は遺伝しない特性があるんです。

「あれ?色が違う!」と驚かないでくださいね。でも、緑一色のサンスベリアも野性的でとてもカッコいいですよ!

まとめ:サンスベリアの葉が曲がる時の対策

ここまで、サンスベリアの葉が曲がってしまう原因と、その対処法について詳しく見てきました。

最後に、もう一度大切なポイントを振り返っておきましょう。

診断、処置、決断、忍耐の4つのポイントでまとめたサンスベリア復活のための要点まとめ
サンスベリアを復活させるための4つの掟
  • 診断する: 葉が「シワシワ」なら水不足、「ブヨブヨ」なら根腐れ、「ヒョロヒョロ」なら光不足。まずは触って、見て、原因を特定しましょう。
  • メリハリをつける: 水不足ならたっぷりあげる。根腐れなら一切あげない。中途半端なケアが一番植物を苦しめます。
  • 外科手術を恐れない: 腐った部分は毒です。ためらわずに切除することが、株全体の命を救います。
  • 待つ勇気: 植え替えたり剪定したりした後は、すぐに結果を求めず、植物の回復力を信じて静かに見守りましょう。特に冬は何もしないことが最大の愛情です。

サンスベリアの葉が曲がってしまうのは、決してあなたのせいだけではありません。

日本の気候、特に湿度の高さや冬の寒さは、彼らにとって少し過酷な環境だからです。

でも、彼らはとても強靭な生命力を持っています。

「葉が曲がっちゃった…ごめんね」と落ち込むよりも、「教えてくれてありがとう!今から直すね!」と前向きに捉えて、ケアしてあげてください。

手をかけた分だけ、サンスベリアはきっと応えてくれます。

そして、復活した時の喜びは、何にも代えがたいものですよ。

この記事が、あなたとサンスベリアのこれからの長い付き合いの助けになれば、とても嬉しいです。

もし「うちの子はどうかな?」と迷うことがあれば、またこの記事に戻ってきて確認してみてくださいね。

momo
「観葉植物の育て方ナビ」運営者
これまでに20種類以上の観葉植物を栽培してきた経験から、初心者の方へ「育て方」「インテリアグリーンの活用方法」などをわかりやすく情報発信しています。普段はOLをしている20代後半の社会人。
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