独特な切れ込みが入った大きな葉が魅力のモンステラ。農林水産省の「花きの現状について」によると、観葉植物を含む鉢もの類の国内出荷額は年間数百億円規模にのぼり、私たちの生活にグリーンインテリアが深く浸透していることがうかがえます。
中でも人気の高いモンステラをお部屋に迎えたものの、「なぜか上には伸びず、横にばかり広がってしまう」と悩んでいませんか?
「伸びすぎた茎葉をどうにかして、まっすぐにしたい」「そもそも支柱なしで育てる方法はないの?」といった疑問や、「支柱を使うにしても、インテリアに馴染むおしゃれなものが良い」「できるなら100均のダイソーやセリアの商品で安く済ませたい」といった具体的なお悩みまで、モンステラの樹形に関する悩みは尽きないものです。
この記事では、モンステラを理想の姿である「縦」に伸ばすための、効果的な広がり防止策を徹底的に解説します。
横に広がるモンステラに支柱をどう使えば良いのか、その基本的な立て方はもちろん、元気な成長に欠かせない「枯れた葉の切り方は?」「水不足だと分かるサインは?」といった日々のメンテナンスの疑問にも、分かりやすくお答えしていきます。ぜひ最後まで御覧ください。
- モンステラが横に広がる根本的な原因
- 縦に伸ばすための正しい支柱の選び方と立て方
- 100均グッズを活用した支柱のアイデア
- 樹形を美しく保つための剪定や水やりのコツ
モンステラを縦に伸ばすには?倒れる原因を知ろう

- 横に広がるのはなぜ?支柱で解決
- 支柱なしで育てるメリット・デメリット
- モンステラをまっすぐにしたい時の対処法
- 広がらないようにするには?広がり防止策
横に広がるのはなぜ?支柱で解決

モンステラが思うように縦に伸びず、横へ横へと広がってしまうのは、生育不良や病気が原因ではありません。
これは、モンステラが持つ本来の性質によるものです。モンステラは「半つる性の着生植物」に分類され、原産地である熱帯雨林のジャングルでは、他の高木に気根(きこん)と呼ばれる根を張り付かせながら、太陽の光を求めて上方へ成長していくという特徴があります。
家庭で鉢植えとして育てる環境では、本来張り付くべき樹木が存在しません。そのため、モンステラは支えとなるものを探して、地面を這うように茎を横方向へと伸ばしていくのです。
これは植物として非常に自然な行動と言えます。しかし、この性質を理解せずに育てていると、株が大きく成長するにつれて葉や茎の重みで鉢のバランスが崩れて転倒しやすくなったり、限られた室内空間を大きく占領してしまったりする問題が生じます。
この問題を解決し、モンステラを理想の縦方向へ導く最も確実で効果的な方法が「支柱を立てる」ことです。
支柱は、モンステラにとってジャングルの樹木の代わりとなる重要な役割を果たします。支柱という登るべき対象を与えることで、モンステラは本来の習性に従って上へ向かって成長を始めます。
これにより、横への無秩序な広がりが抑制され、すっきりとまとまりのある美しい樹形を維持することが可能になります。
さらに、葉が重なり合うことなく上へ伸びるため、株全体の風通しと日当たりが劇的に改善します。これは、光合成を効率的に行えるようにするだけでなく、湿度が高い環境を好む病気や害虫の発生リスクを低減させるという、衛生面での大きなメリットにも繋がります。
モンステラをまっすぐにしたい時の対処法

すでに茎が大きくカーブしてしまったり、片側に倒れるように育ってしまったモンステラでも、諦める必要はありません。
支柱をうまく利用することで、その樹形を時間をかけてまっすぐに矯正することが可能です。モンステラの茎、特に若い部分は柔軟性を持っているため、優しく誘導することで理想の姿に仕立て直すことができます。
この作業を行うのに最も適したタイミングは、株への負担が少なく、作業もしやすい「植え替え時」です。
植え替え時の作業手順
- 株の取り出しと根の整理:
 まずはモンステラを鉢から慎重に取り出します。固まった古い土を優しくほぐし、傷んだり黒ずんだりした根があれば清潔なハサミでカットします。
- 向きの調整と支柱の設置:
 新しい一回り大きな鉢に、まっすぐにしたい茎の向きを意識しながら株を配置します。このとき、茎の背面に寄り添わせるように、支柱を鉢底までしっかりと、ぐらつかないように深く差し込みます。
- 植え付けと固定:
 向きと位置が決まったら、新しい土を入れながら株と支柱を固定していきます。植え付けが終わったら、モンステラの茎と支柱を麻紐や園芸用のビニールタイなどで結びつけます。
この固定する作業には、植物を傷めにくい「8の字結び」という方法が推奨されます。
8の字結びは、紐を8の字にねじり、できた2つの輪の一方に茎を、もう一方に支柱を通して結ぶ方法です。これにより、茎と支柱の間に空間が生まれ、紐が茎に直接食い込むのを防ぎます。茎が太く成長しても締め付けすぎることがなく、風で揺れても擦れによるダメージを軽減できるため、植物にとても優しい固定方法です。結ぶ際は、少し余裕を持たせることを意識してください。
最も重要な注意点は、焦って一度に無理やりまっすぐにしようとしないことです。特に年月が経ち、木質化して硬くなった茎は、強い力を加えると簡単に折れてしまいます。
数週間から数ヶ月という長いスパンで、株の成長に合わせて結び直しながら、少しずつ理想の形に近づけていくという意識を持つことが成功の秘訣です。
広がらないようにするには?広がり防止策

モンステラが横に広がるのを効果的に防ぎ、コンパクトで美しい縦長の樹形を維持するためには、「支柱の活用」と「定期的な剪定」という2つのアプローチを組み合わせることが最も有効です。これらは、いわば車の両輪のような関係にあります。
1. 支柱による成長方向のコントロール
まず、これまで述べてきた通り、最も基本的な広がり防止策は支柱を立て、モンステラの成長方向を上へと誘導することです。
つる性の性質を持つモンステラは、登るべき支柱があれば、それに沿って素直に上へ向かって成長していきます。これが、横方向への無計画な広がりを抑制する土台となります。
2. 剪定による物理的なボリューム調整
次に、支柱だけではコントロールしきれない部分を整えるのが剪定の役割です。
モンステラは非常に生育旺盛で、特に春から秋にかけては次々と新しい葉や茎を生やします。
放置していると、支柱に沿って上に伸びつつも、横からも新しい茎が伸びてきて、結果的にボリュームが出すぎてしまうことがあります。
理想の樹形からはみ出して横に伸びすぎた茎や、葉が密集して風通しを悪くしている部分は、思い切って剪定しましょう。剪定すべき茎の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 内側に向かって伸び、他の茎や葉と干渉している茎
- 明らかにひょろひょろとして弱々しい茎
- 葉が密集しすぎているエリアの古い茎
剪定に最適な時期は、モンステラの活動が最も活発になる成長期の5月から9月頃です。この時期ならば、剪定によるダメージからの回復も早く、切った箇所からすぐに新しい芽が吹きやすくなります。
逆に、成長が緩やかになる秋以降の寒い時期に大きな剪定を行うと、株に大きな負担をかけてしまい、回復が遅れたり、最悪の場合枯れ込んだりする原因にもなるため、避けるのが賢明です。
このように、支柱で縦への成長軸を作り、剪定で横への広がりや過密を物理的にコントロールすることで、モンステラを理想のサイズ感と美しい形で長く楽しむことが可能になります。
支柱なしで育てるメリット・デメリット

モンステラを縦に伸ばすには支柱が有効ですが、必ずしも支柱を使わなければならないわけではありません。あえて支柱を使わずに、自然な樹形を活かして育てる方法もあります。
ここでは、支柱なしで育てる場合のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
| メリット | デメリット | 
|---|---|
| モンステラが持つ本来の野性的な生命力を存分に楽しめる | スペースが必要になる。 重心が不安定になり鉢が転倒しやすくなる 自重に耐え切れず茎が折れてしまうリスクがある。 病害虫が繁殖しやすくなる。 下葉が枯れやすくなる。 | 
支柱なしのメリット
最大の魅力は、モンステラが持つ本来の野性的な生命力を存分に楽しめる点にあります。
人の手を加えられず、自由に伸びる茎や鉢の外にまで伸び出す気根が作り出すダイナミックなフォルムは、一つとして同じものがないユニークなアート作品のようです。
このような自然樹形は、人工的な整形では決して表現できない魅力を持っています。
また、支柱やそれを固定するための紐といった資材が一切不要なため、コストを抑えられるという実用的なメリットもあります。見た目もよりシンプルになり、植物そのものの存在感を際立たせることができます。
支柱なしのデメリット
一方で、支柱を使わないことによるデメリットは複数存在し、注意深い管理が求められます。
最も大きな問題点は、株の成長に伴い横へ大きく広がり、かなりの設置スペースが必要になることです。ワンルームや限られたスペースでの栽培には不向きと言えるでしょう。
また、葉や茎が鉢の中心から大きくはみ出して成長するため、全体の重心が不安定になり、少しの衝撃で鉢ごと転倒してしまうリスクが常に伴います。重くなった茎が自重に耐えきれず、途中で折れてしまう悲しい事態も起こり得ます。
衛生面でも懸念があります。葉が地面近くで密集するため、株元の風通しが悪化しがちです。これは、湿った環境を好むカイガラムシやハダニなどの害虫にとって格好の住処となり、一度発生すると駆除が難しくなります。
日当たりも株元まで届きにくくなるため、下葉が枯れやすくなるなど、健全な生育が妨げられてしまいます。
支柱なしでモンステラを安定して自立させるには、茎(幹)を十分に太く頑丈に育てる「幹上がり」という状態を目指す必要があります。そのためには、成長期に屋外の明るい場所でたっぷりと日光を浴びさせ、適度な風に当てるなど、植物にとって最適な環境を長期間提供することが鍵となります。室内のみでの育成でこれを実現するのは、かなり難しいと言えるでしょう。
モンステラを縦に伸ばす支柱の立て方と育て方のコツ

- インテリアに合うおしゃれな支柱の選び方
- 支柱は100均のダイソーやセリアでも買える?
- 初心者でも簡単な支柱の立て方のコツ
- 枯れた葉の切り方は?剪定で樹形を整える
- 水不足だと分かるサインは?水やりの基本
- まとめ:ポイントを押さえてモンステラを縦に伸ばす
インテリアに合うおしゃれな支柱の選び方

近年、在宅時間が増えたことなどを背景に、住空間をより快適にしたいというニーズが高まっています。
総務省「令和6年度テレワーク人口実態調査」によると、コロナ渦を機に雇用型・自営型テレワーカーを問わずテレワークを行う人の割合が増えており、快適な住空間ニーズが高まっていることがうかがえます。

モンステラを美しく縦に伸ばすための支柱も、単なる機能品としてだけでなく、お部屋の雰囲気を高めるインテリアアイテムとしての役割がより重視されるようになっています。
モンステラ全体の印象は、素材やデザインにこだわることで格段に良くなります。お部屋のスタイルに合わせて、最適な一本を選びましょう。
| 支柱の種類 | 特徴 | メリット | デメリット | おすすめのインテリアスタイル | 
|---|---|---|---|---|
| ヘゴ棒 | シダ植物の幹を乾燥させた天然素材。表面に自然な凹凸がある。 | 植物との一体感があり、気根が絡みやすい。適度な保水性も持つ。 | 天然素材のため価格が比較的高めで、経年で劣化することがある。 | ナチュラル、ボタニカル、和モダン | 
| ココスティック | ココヤシの硬い繊維で作られた棒状の支柱。 | ヘゴ棒と同様に自然な見た目で植物に優しく、気根が活着しやすい。 | 使用しているうちに繊維がポロポロと落ちることがある。 | ナチュラル、アジアン、リゾート | 
| 流木・木材 | 自然が作り出したユニークな形状の流木や、加工された木材。 | 一つとして同じ形がなく、オブジェのような存在感。オリジナリティを出しやすい。 | 形状によっては安定させにくく、土に埋まる部分が腐る可能性も考慮が必要。 | インダストリアル、西海岸、ラスティック | 
| プラヘゴ | ヘゴ棒を模して作られたプラスチック製のネット状支柱。 | 軽量で耐久性が高い。長さを自由にカットできるため、植物の成長に合わせやすい。 | 天然素材に比べると、どうしても人工的な見た目になりがち。 | モダン、シンプル、ミニマル | 
これらの選択肢の中から、お部屋のテイストや目指す雰囲気に合わせて選ぶのがおすすめです。
例えば、木の家具や天然素材の多いナチュラルで温かみのある空間には、ヘゴ棒やココスティック、流木が美しく溶け込みます。
一方で、白や黒を基調としたモダンでクリーンな印象のインテリアには、主張の少ないシンプルな棒状支柱や機能的なプラヘゴが適しているでしょう。
さらに一歩進んだテクニックとして、支柱をおしゃれな鉢カバーの色や素材とリンクさせることで、植物と鉢、支柱が一体となった、より洗練されたグリーンスタイリングを楽しむことができます。
支柱は100均のダイソーやセリアでも買える?

モンステラの支柱は、専門の園芸店やホームセンターに足を運ばなくても、ダイソーやセリアといった100円ショップで手軽に、そして非常に経済的に揃えることができます。
コストを最小限に抑えたい方や、まずは気軽に支柱立てを試してみたいという方にとって、これ以上ないほど便利な選択肢と言えるでしょう。
100円ショップの園芸コーナーでは、プラスチック製やビニールコーティングされたスチール製の緑色の棒状支柱が様々な長さで販売されています。
また、複数の茎を円で囲むようにして支えるリング支柱なども見つけることができます。これらは、まだ小さな株を支えたり、一時的な応急処置として支えが必要になったりした場合に、十分にその役割を果たしてくれます。
さらに、100円ショップで手に入るいくつかのアイテムを組み合わせることで、より機能的なオリジナルの支柱を自作することも可能です。
特に、モンステラの気根が張り付きやすく、成長を促進する効果も期待できる「モスポール」は、以下の材料で簡単に作ることができます。
▼材料
- 鉢底ネット(加工しやすいロールタイプがおすすめ)
- 水苔(乾燥状態で販売されています)
- 結束バンド(または麻紐)
- 芯にする棒(園芸用支柱や、なければ割り箸を繋げてもOK)
▼作り方の手順
- まず、鉢底ネットをモンステラの高さに合わせて、作りたいポールの円周と高さを考慮しながらハサミでカットします。
- 次に、バケツなどを使って水苔を十分に水で戻し、軽く絞ります。
- カットしたネットの上に、戻した水苔を均一に広げます。このとき、あまり厚くしすぎないのがポイントです。
- 水苔の中心に芯となる棒を置き、これを軸にして巻き寿司のようにネットを丁寧に筒状に丸めていきます。
- ネットが開いてこないように、筒の合わせ目を数カ所、結束バンドや紐でしっかりと固定すれば完成です。
この自作モスポールは、モンステラの大きさに合わせて直径や高さを自由に調整できるのが最大のメリットです。また、水苔が適度な湿度を保つため、気根が活着しやすく、植物の健全な成長をサポートしてくれます。

初心者でも簡単な支柱の立て方のコツ

モンステラに支柱を立てる作業は、いくつかの基本的なコツを押さえるだけで、初心者の方でも植物に負担をかけることなく、簡単かつ安全に行うことができます。
最も重要な心構えは、可能な限り「植え替え」と同時に作業を行うことです。これにより、根へのダメージを劇的に減らすことができます。
1. 太い支柱を使う場合(植え替えとの同時作業が最適)
ヘゴ棒や自作のモスポールのような、ある程度の太さがある支柱は、植え替え時に立てるのが基本中の基本です。
後から無理に差し込もうとすると、鉢の中でびっしりと張った根を傷つけ、株を弱らせる大きな原因となります。
- 土台作り:
 まず、新しい鉢の底に鉢底石を敷き、水はけを良くします。その上に新しい培養土を鉢の3分の1ほどの高さまで入れます。
- 支柱の固定:
 次に、鉢の中心に支柱をまっすぐと立て、ぐらつかないように土を少し足して支柱の根元を固めます。この段階で支柱をしっかりと自立させることが後の作業を楽にします。
- モンステラの配置:
 その後、モンステラの株を、茎の背面が支柱に優しく寄り添うような、バランスの良い位置に配置します。必要であれば、この時点で茎を支柱に緩く仮止めしておくと良いでしょう。
- 植え付け完了:
 最後に、株と支柱の周りに残りの土を丁寧に入れていきます。鉢の縁から数センチ下まで土を入れ、株を安定させれば完了です。
この手順を踏むことで、根を一切傷つけることなく、理想的な位置に支柱を設置できます。
2. 細い棒状支柱を後から立てる場合
すでに元気に育っている鉢に、補助的に細い支柱を追加したい場合は、根へのダメージを最小限に抑えるための細心の注意が必要です。
支柱を差し込む際は、必ず鉢の縁に沿わせるように、できるだけ根が少なそうな場所を選びます。
そして、一気に突き刺すのではなく、ゆっくりと回すようにしながら少しずつ差し込んでいくのがコツです。
途中で「ゴリッ」というような硬い感触があった場合、それは太い根に当たっている可能性が高いです。無理に押し込まず、潔く一度抜いて、少し位置をずらして再度試しましょう。
支柱を無事に立てられた後は、茎と支柱を紐で結びつけます。
このとき、茎に紐が食い込まないよう、「8の字結び」で固定するのがポイントです。これは、支柱と茎のそれぞれに輪をかけるようにして結ぶ方法で、植物の成長を妨げにくく、摩擦による傷も防げるため、優しく確実に支えることができます。
枯れた葉の切り方は?剪定で樹形を整える

モンステラの健康を保ち、美しい樹形を長期的に維持するためには、枯れた葉や古くなった葉を適切に取り除く「剪定」が非常に重要なメンテナンス作業となります。
葉が全体的に黄色や茶色に変色してしまった場合、それは葉の寿命であったり、水やりや日照条件が合わなかった結果であったりしますが、いずれにせよその葉が再び緑色に戻ることはありません。
光合成の能力を失ったこれらの葉をそのままにしておくと、見た目が悪いだけでなく、風通しを悪化させて病気や害虫の温床になったり、まだ生きている株本体から無駄にエネルギーを奪い続けたりする可能性があります。
剪定作業は、よく切れる清潔なハサミや園芸用の剪定バサミを用意して行います。
- 完全に枯れた葉:
 切る場所は、枯れた葉の付け根部分、つまり葉と茎をつなぐ「葉柄(ようへい)」の根元です。茎本体を誤って傷つけないように注意しながら、付け根から切り取りましょう。
- 部分的に枯れた葉:
 葉の先だけが茶色くなっているような場合は、枯れた部分だけを切り取ることもできます。このとき、健康な緑色の部分を数ミリ残すように、葉の形に沿ってハサミを入れると、切り口から枯れ込みが広がるのを防ぎやすくなります。
モンステラはサトイモ科の植物であり、その茎や葉の切り口から出る透明な樹液には、「シュウ酸カルシウム」という針状の結晶成分が含まれています。
この樹液が皮膚に直接触れると、人によっては強いかゆみやかぶれ、炎症といったアレルギー反応を引き起こすことがあります。
特に肌が敏感な方は、作業前に必ず園芸用の手袋を着用し、樹液から皮膚を保護するようにしてください。
また、作業後は道具をきれいに洗い流すことも忘れないようにしましょう。
適切な剪定は、モンステラを縦に伸ばしていく過程で乱れがちな樹形を整え、風通しを確保し、新しい芽の成長を促すための、愛情のこもった大切な手入れの一つなのです。
水不足だと分かるサインは?水やりの基本

モンステラが元気に成長し、美しい葉を展開するためには、適切な水分管理、つまり「水やり」が不可欠です。
水が不足すると、モンステラは私たちに分かりやすいサインを送ってくれます。それらのサインを見逃さないことが、健康維持の第一歩です。
最も顕著で分かりやすい水不足のサインは、葉全体のハリがなくなり、力なく垂れ下がることです。植物は体内の水分圧(膨圧)によってピンとした状態を保っているため、水が足りなくなると細胞がしぼみ、葉がしおれてしまいます。
その他にも、以下のようなサインが見られます。
- 葉の変化:
 葉の縁が内側にクルンと丸まってきたり、葉の色が少し薄くなったりします。
- 成長の停滞:
 新しい葉の成長が止まったり、出てきた新芽がなかなか開かなかったりします。
- 土の状態:
 鉢の表面だけでなく、指を第二関節くらいまで入れてみて、土がサラサラと乾いている場合は水が必要です。
- 鉢の重さ: 水を十分に含んだ鉢は重いですが、乾くと軽くなります。毎日持ち上げてみることで、その重さの変化から水やりのタイミングを感覚的に掴むこともできます。
また、モンステラの基本的な水やり方法は、季節のリズムに合わせて頻度を調整することが鍵となります。
- 春から秋(成長期):
 モンステラの活動が最も活発になる時期です。「土の表面が乾いたことを確認したら、鉢底から水が勢いよく流れ出るまでたっぷりと与える」のが基本です。この「たっぷりと与える」行為は、根に水分を供給するだけでなく、土の中に溜まった古い空気を新しい空気と入れ替え、根の呼吸を助けるという重要な役割も担っています。
- 冬(休眠期):
 気温が下がるとモンステラの成長は緩やかになり、水の必要量もぐっと減ります。この時期に成長期と同じペースで水やりを続けると、根腐れを起こす最大の原因となります。「土の表面が乾いてから2~3日後、あるいは土の中までしっかりと乾いたのを確認してから与える」くらい、乾燥気味に管理することが、元気に冬を越すための大切なコツです。
なお、水やりをした後、受け皿に溜まった水は、必ず毎回捨てるようにしてください。「後で捨てよう」と放置しておくと、鉢底が常に水に浸かった状態になり、根が呼吸できずに窒息し、根腐れを引き起こします。
水のやりすぎによる根腐れは、水不足からの回復よりもはるかに難しいため、「土が乾いてから与える」そして「受け皿の水はすぐに捨てる」という2つの原則を徹底することが、モンステラを健康に育てる上で最も重要なポイントとなります。
まとめ:ポイントを押さえてモンステラを縦に伸ばす
この記事で解説した、モンステラを縦に美しく伸ばすための重要なポイントを以下にまとめます。
- モンステラは半つる性の着生植物
- 支えがないと横に広がってしまう性質を持つ
- 縦に伸ばすには支柱の利用が最も効果的
- 支柱は見た目を整え病害虫を予防する
- 支柱なしで育てるには十分な日光が必要
- 曲がった茎は支柱で優しく誘引して矯正する
- 支柱を立てる最適な時期は成長期の5月から9月
- 植え替えと同時に支柱を立てると根を傷めにくい
- おしゃれな支柱にはヘゴ棒やココスティックがある
- 100均グッズで支柱を自作することも可能
- 支柱と茎は8の字で緩めに結ぶのがコツ
- 広がりすぎた部分は剪定で整える
- 剪定する際は樹液に触れないよう手袋を着用する
- 葉が垂れていたら水不足のサイン
- 水のやりすぎは根腐れの原因になるので注意する
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