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モンステラ植え替え時の鉢の大きさの目安と注意点【失敗しない選び方】

モンステラ植え替え時の鉢の大きさの目安と注意点【失敗しない選び方】

モンステラが成長し、モンステラ植え替え時の鉢の大きさに悩んでいませんか。

鉢底から根が見えるなど、植え替えサインが出ているかもしれません。根詰まりしたら植え替えるべきか、植え替え時に根っこは切っても大丈夫か、冬に植え替えてもいいのか、など疑問は尽きないものです。

植え替え失敗を避け、鉢の大きさが大きすぎ、あるいは大きめの場合のリスクを知ることは大切です。

この記事では、モンステラに合う鉢の選び方をはじめ、鉢の縦長や深さの基準、インテリアに合うおしゃれな鉢まで、網羅的に解説します。

この記事でわかること
  • モンステラに適した鉢のサイズ(号数)の目安がわかる
  • 植え替えが必要な具体的なサインと最適な時期が理解できる
  • 大きすぎる鉢を選ぶリスクと正しい鉢選びの理由がわかる
  • 植え替え時の根の扱いや失敗しないための注意点が明確になる
目次

モンステラ植え替え時の鉢の大きさの選び方・ポイント

モンステラ植え替え時の鉢の大きさの選び方・ポイント
  • 見逃せないモンステラの植え替えサイン
  • 根詰まりしたら植え替えるべき?
  • モンステラに合う鉢の選び方の基本
  • 鉢の大きさは大きすぎ・大きめでもいい?
  • 鉢は縦長で深さがあるものがおすすめ
  • インテリアに合うおしゃれな鉢も人気

見逃せないモンステラの植え替えサイン

見逃せないモンステラの植え替えサイン

モンステラが健康に成長し続けるためには、適切なタイミングでの植え替えが不可欠です。

植え替えが必要かどうかを判断するために、モンステラが発するいくつかの明確なサインに注意を払いましょう。

これらのサインを見逃すと、生育が停滞したり、最悪の場合枯れてしまったりする可能性があります。

これらのサインが1つでも当てはまれば、植え替えを検討する最適なタイミングです。

  • 鉢底の穴から根が飛び出している
  • 水やりをしても、水が土に染み込みにくい
  • 水やり後、土が乾くのが極端に早くなった
  • 鉢に対して株(葉や茎)が大きくなりすぎ、バランスが悪い
  • 購入または前回の植え替えから2〜3年以上経過している
  • 生育期(5月~9月)なのに、新芽が出ない、または成長が遅い
  • 下葉が頻繁に黄色くなって枯れ落ちる

最も分かりやすく、緊急性の高いサインは、鉢底の排水穴から根がはっきりと飛び出している状態です。これは、鉢の中が既に根でいっぱいになり、新しいスペースを求めて根が外に伸び出している明らかな証拠です。

次に確認すべきは、水やり時の土の状態です。水やりをした際、水が土の表面に溜まってなかなか染み込んでいかない場合、または逆に、土の表面を通ってすぐに鉢底から水が流れ出てしまう場合も注意が必要です。

前者は根が密集しすぎて(根詰まり)、水の通り道がなくなっていることを示します。後者は、土が古くなって団粒構造が崩れ、保水力や排水性のバランスが悪くなっている可能性があります。

また、見た目の変化も重要な判断基準です。

購入時や前回の植え替えから2〜3年が経過している場合、モンステラの成長速度を考えると、鉢の中は根でいっぱいになっている可能性が非常に高いです。

さらに、鉢の大きさに対して株が明らかに大きくなりすぎている、葉が茂りすぎてバランスが悪く倒れやすくなっている場合も、地下部の根も同様に成長していると考えられます。

生育期である春から夏にかけて、十分な光や水を与えているにもかかわらず、新しい芽がなかなか出てこない、または新しく出てくる葉が以前より小さい場合も、根詰まりによる栄養不足が疑われます。

根詰まりしたら植え替えるべき?

モンステラ 根詰まりしたら植え替えるべき?

鉢の中で根がパンパンに詰まってしまう「根詰まり」は、モンステラの健康にとって非常に良くない状態です。

したがって、根詰まりのサインが見られた場合は、適切な時期(生育期)にできるだけ早く植え替えるべきです。

モンステラは生育が旺盛な植物であり、鉢という限られたスペースの中では、時間とともに必ず根が詰まっていきます。

根詰まりを放置すると、まず土の中の通気性や排水性が極端に悪化します。根が密集しすぎることで、新しい根が伸びるための物理的なスペースが失われるだけでなく、土も次第に固く締まっていきます。

その結果、根が酸素をうまく取り込めなくなり(酸欠状態)、水分や養分の吸収効率も著しく低下します。

水やりをしても、新鮮な水や空気が鉢の中心部まで届かず、古い水分が停滞しやすくなります。

この「常に土が湿った状態」は、根が呼吸できずに腐ってしまう「根腐れ」を引き起こす最大の原因となります。

  • 葉の色が薄くなる
  • 葉にツヤがなくなったり
  • 葉が黄色くなる
  • 新芽の成長が止まる
  • 新しい葉が出ても切れ込みが入らない
  • 葉が小さいまま成長しない 等

上記症状がさらに進行すると、下葉から次々と枯れ上がり、最悪の場合、株全体が枯れてしまうことにもつながります。

根詰まりは、モンステラの健康を根本から脅かす深刻な問題なのです。

モンステラに合う鉢の選び方の基本

モンステラに合う鉢の選び方の基本

モンステラに合う鉢を選ぶ際は、植物の健康な生育を支える機能面と、インテリアとしてのデザイン面の両方から考える必要があります。

基本となるのは「鉢底穴の有無」「素材」「サイズ」の3点です。

鉢底穴の有無

まず最も重要なのが鉢底穴です。モンステラを土で育てる場合、必ず鉢底に排水用の穴が開いている鉢を選んでください。

鉢底穴がないと、水やり後の余分な水が鉢の底に溜まり続け、土が常に湿った状態になります。これはモンステラの根が呼吸するのを妨げ、ほぼ確実に根腐れを引き起こします。

デザインが気に入った鉢に穴がない場合は、直接土を入れるのではなく、「鉢カバー」として使用しましょう。

穴の開いたプラスチックポットなどに植えたモンステラを、その中に入れて飾ります。

ただし、鉢カバーの底に水が溜まらないよう、水やりのたびに確認し、溜まった水は必ず捨てる管理が必要です。

素材

鉢の素材にはそれぞれ一長一短があり、育てる環境に合わせて選ぶことが大切です。

スクロールできます
種類特徴メリットデメリット
素焼き鉢・テラコッタ鉢鉢の表面に目に見えない無数の微細な穴が開いている。気性や排水性に最も優れており、土が乾きやすく、根腐れのリスクを大幅に減らせる。
鉢自体に重さがあるため、大きくなったモンステラを安定させやすい。
土が乾燥しやすいため水やりの頻度はやや増える傾向がある。
重くて割れやすい。
プラスチック鉢(プラ鉢)プラスチックや樹脂などを原料とし製造されている。軽量で持ち運びやすい。
様々な形状や色がある。

お手頃価格のものが多い。
保湿性が高いため、水やり頻度を抑えられる。
素焼き鉢に比べて通気性や排水性が劣るため、水を与えすぎると過湿になりやすい(夏は特に注意)。
陶器鉢(釉薬あり)素焼き鉢に釉薬(うわぐすり)をコーティングしたもの。デザイン性が高く、高級感がある。

汚れにくい。
鉢自体に重さがあり安定している。
釉薬が表面を覆っているため通気性・排水性はほぼ無い(プラスチック鉢以上に注意が必要)。
高価なものが多い。
FRP(繊維強化プラスチック)などガラス繊維などで形成したプラスチック製鉢。軽量でありながら陶器のような重厚な質感がある。

耐久性・対候性に優れいている。
高価なものが多い。
塗装が出来ないため汚れが目立ちやすい。

3. サイズ(号数)

サイズはモンステラの生育に直結する重要な要素です。鉢の大きさは「号」という単位で表され、1号は直径約3cmに相当します。例えば、5号鉢であれば直径約15cmです。

植え替えの際は、現在植えられている鉢よりも「一回りから二回り大きい」サイズを選ぶのが基本となります。なお、具体的な号数の目安は以下の表を参考にしてください。

号数植木鉢の直径土の量の目安置く場所の目安
4号12cm0.6L小さな苗、テーブルサイズ
5号15cm1.3Lキッチン
6号18cm2.2Lキッチン、リビング
7号21cm3.5Lリビング
8号24cm5.2Lリビング、玄関
10号30cm8.5Lリビングの床

鉢の大きさは大きすぎ・大きめでもいい?

モンステラ 鉢の大きさは大きすぎ・大きめでもいい?

モンステラの植え替えを行う際、鉢の大きさ選びは失敗を左右する非常に重要なポイントです。

成長が早いからといって、手間を省くためにいきなり二回り以上も大きすぎる鉢に植え替えることは、かえってモンステラの健康を損ねるため推奨されません

最大の理由は、鉢が大きすぎると土の量がモンステラの根の量に対して過剰になるためです。

植物は根から水分を吸収しますが、大きすぎる鉢では、根が吸収しきれない大量の水分が土の中に長期間留まることになります。

この「常に土が湿った状態」は、土の中の酸素不足を招き、根が呼吸するのを妨げます。

結果として、モンステラの根が腐ってしまう「根腐れ」を引き起こす最大の原因となります。

また、もう一つのデメリットとして、根張りの悪さが挙げられます。

植物の根は、鉢という限られたスペースの中で、鉢の壁にぶつかることで細かく分岐し、鉢全体に密に張っていく性質があります。

大きすぎる鉢では、根がなかなか鉢壁に到達できず、分岐を促されません。そのため、数が少なく、ひょろひょろと頼りない根に育ってしまう可能性があります。健全な根が張らなければ、地上部(葉や茎)もそれに比例して貧弱になりがちです。

では、どれくらいの大きさが適切かというと、基本は「一回り大きい鉢」です。

これは現在の鉢の号数(直径)を1号(約3cm)大きくすることを指します。例えば、現在4号鉢に植えられているなら、次は5号鉢が最適です。

ただし、モンステラは成長が非常に早い植物です。そのため、株が既に5号以上と大きい場合や、鉢から抜いた際に根がびっしりと回っている旺盛な株の場合は、「二回り大きい鉢」(2号アップ)を選ぶこともあります

例えば、5号鉢から7号鉢へ植え替えるといった具合です。

「大きめ」の鉢を選べば、次の植え替えまでの期間を延ばせるのではないか(植え替えの頻度を減らせるのではないか)と考えるかもしれませんが、それは常に根腐れのリスクと隣り合わせになります。

特に園芸に慣れていない方にとっては、大きすぎる鉢の水分管理(水やりの頻度調整)は非常に難しくなります。

リスクの低い「一回り」または、株の状態を見た上で「二回り」のサイズアップを守ることが、失敗しないための最も重要な鍵となります。

鉢のサイズ選びのリスク比較

  • 小さすぎる(同じサイズ):
    すぐに根詰まりを起こし、植え替えの手間が再度発生する。成長が抑制される。
  • 適切(一~二回り大きい):
    根が適度に伸びるスペースがあり、健全な成長を促せる。土の乾きも適切で、根腐れのリスクが低い。
  • 大きすぎる(三回り以上大きい):
    土が常に過湿状態になり、根腐れのリスクが極めて高い。根が健全に張らず、株が弱る可能性がある。

鉢は縦長で深さがあるものがおすすめ

モンステラ 鉢は縦長で深さがあるものがおすすめ

モンステラの鉢を選ぶ際、サイズ(直径)だけでなく「深さ」も非常に重要な考慮点です。

一般的に、モンステラには浅い形状の鉢(平鉢など)よりも、ある程度の深さを持つ縦長の鉢が適しています

主な理由は、株の安定性を確保するためです。

モンステラは成長するにつれて、特徴的な切れ込みの入った大きな葉を広げ、茎も太く長く伸びていきます。その結果、株全体の重心が徐々に高くなりがちな植物です。

浅い鉢では、この大きくなった地上部を株元でしっかりと支えきれず、少しの振動や窓からの風などでバランスを崩し、簡単に倒れてしまう危険性があります。

縦長で深さのある鉢は、十分な量の土が入ることで鉢全体の重量が増し、株を物理的に安定させることができます。

また、モンステラの根は太く、下方向にもしっかりと伸びる性質があります。深い鉢は、これらの健康な根がストレスなく伸びるための垂直方向のスペースを十分に確保できるという生育上のメリットもあります。

さらに、モンステラは本来、他の樹木に絡みつきながら成長するつる性の植物です。室内で大きく育てる場合、自立が難しくなるため、支柱(ヘゴ支柱など)を立てて株を支えることが多くなります。

深さのある鉢であれば、この支柱を土の中に深く、安定して挿すことが可能です。浅い鉢では支柱がぐらつきやすく、株を支えるという本来の役割を十分に果たせない場合があります。

ただし、注意点もあります。深すぎる鉢は、その分、鉢底付近の土が乾きにくいというデメリットも併せ持ちます。

このリスクを軽減するため、植え替えの際は鉢底石(軽石など)を通常よりも多めに敷き、鉢底の排水性と通気性をしっかり確保する工夫が大切です。

インテリアに合うおしゃれな鉢も人気

モンステラ インテリアに合うおしゃれな鉢も人気

近年、室内で観葉植物を楽しむ人が増えています。

その背景には、コロナ渦をきっかけとした「在宅勤務」などの増加など、ライフスタイルの変化があります。総務省「令和6年度テレワーク人口実態調査」によると、コロナ渦を機に雇用型・自営型テレワーカーを問わずテレワークを行う人の割合が増えており、快適な住空間ニーズが高まっています。

総務省資料より抜粋

また、農林水産省の調査によると、観葉植物を含む鉢物の出荷額も近年安定して推移しており、室内でグリーンを楽しむ文化が定着していることがうかがえます。

その中でも、モンステラは、そのユニークで力強い葉の形から、単体でも非常にインテリア性の高い観葉植物として人気です。

しかし、どのような鉢に植えるかによって、その見栄えやお部屋全体に与える印象は劇的に変わります。

植物の生育を支える機能性はもちろん重要ですが、デザインにもこだわって鉢を選ぶことで、モンステラの魅力を最大限に引き出し、理想の空間を演出することができます。

市場には多様な素材やデザインの鉢が溢れており、選ぶ楽しみも格別です。

例えば、素焼きやテラコッタの鉢は、その素朴な質感と土の色合いが、ナチュラルテイストやカントリー調のインテリアに温かみを加えてくれます。


一方、釉薬のかかった陶器鉢は、選ぶ色や質感によって全く異なる表情を見せます。

マットな質感の白や黒、グレーの鉢は、モダンでシャープな印象を与え、シンプルな空間を引き締めます。

逆に、温かみのあるアースカラーや手仕事感のある和柄の鉢は、和モダンやアジアンテイストの部屋にもしっくりと馴染みます。


軽量で安価なイメージだったプラスチック鉢も、近年では技術が進み、まるで本物の陶器や石のような重厚な質感を持つもの、スタイリッシュなマット仕上げのものなど、デザイン性が格段に向上しています。


他にも、アンティーク調の空間に深みを出すモスポット(苔のついた素焼き鉢)、インダストリアルな雰囲気やジャンクガーデン風に合うブリキ鉢、北欧インテリアと相性の良い木製鉢ラタン(籐)製のバスケットなど、選択肢は無限にあります。



鉢を選ぶ際は、まずモンステラを置く部屋のインテリアテイスト(モダン、北欧風、ナチュラル、ヴィンテージ、和モダンなど)や、壁、床、主要な家具の色と調和するものを選ぶと、空間全体に統一感が生まれます。

鉢カバーという選択肢

ただし、前述の通り、デザイン性を最優先するあまり「鉢底穴」が開いていない鉢を選んでしまうと、直接土を植え込むことはできません。これは根腐れに直結します。

もし鉢底穴のないデザインの鉢を使いたい場合は、それを「鉢カバー」として利用するのが賢明な方法です。

鉢底穴のある機能的な鉢(多くの場合、安価なプラスチックポット)に植えたモンステラを、その鉢カバーにすっぽりと入れて使用します。

鉢カバー活用のメリット・デメリット

メリットデメリット
鉢底穴の有無を気にせず、好きなデザインの容器(カゴ、ブリキ缶、陶器など)を使える。

植え替えをせずに、季節や気分に合わせて手軽にインテリアの雰囲気を変えられる。

二重構造になるため、床が汚れにくい。
水やり後、カバーの底に溜まった水を毎回必ず捨てる必要がある。これを怠ると、根腐れの原因になる。

鉢とカバーの間に隙間がないと、通気性が悪くなり蒸れやすい。一回り大きいサイズのカバーを選ぶ必要がある。

コストが二重にかかる場合がある。

モンステラ植え替え時の鉢の大きさに関する注意点

モンステラ植え替え時の鉢の大きさに関する注意点
  • 植え替えで根っこは切っても大丈夫?
  • 植え替えに失敗しないためのポイント
  • モンステラは冬に植え替えてもいい?
  • まとめ:モンステラ植え替え時の鉢の大きさ

植え替えで根っこは切っても大丈夫?

モンステラ 植え替えで根っこは切っても大丈夫?

モンステラの植え替えの際、鉢から株を取り出してみると、根が鉢の形に沿ってびっしりと回り、固まっていることがあります。

この根をどの程度整理すべきか、また切っても良いのか、不安に思うかもしれません。

結論として、古い根や傷んだ根、過度に密集した根は適切に整理(剪定)しても大丈夫です。

むしろ、これらの根を整理することで、新しい土に新しい根が伸びるスペースを作り、植え替え後の健全な生育を促すことにつながります。

切るべき根の見分け方

植え替えの際には、まず古い土を肩や底の部分から優しく手でほぐしながら3分の1程度落とします。

その過程で、以下のような根が見つかったら、清潔な園芸用のハサミで切り落としましょう。

  • 黒く変色している根:
    健康な根は白や薄いクリーム色をしていますが、黒ずんでいる根は既に機能していないか、腐り始めています。
  • 腐った根:
    触るとブヨブヨと柔らかかったり、逆にスカスカで中身がなかったりする根は、根腐れの症状です。迷わず取り除きます。
  • 鉢底でぐるぐる巻いている太い根:
    鉢底で何周もとぐろを巻いているような古い根は、新しい根の成長を妨げることがあるため、適度に切り詰めます。

これらの不要な根を取り除くことで、鉢の中の通気性が改善され、新しい根が伸びる余地が生まれます。

切る際の注意点

ただし、モンステラの生命線である、白くてみずみずしい健康な根は、なるべく傷つけないように細心の注意を払ってください。

むやみに切りすぎたり、健康な根をブチブチと引きちぎったりすると、株が大きなダメージを受けてしまいます。

根鉢がガチガチに固まっている場合でも、無理に全てをほぐそうとせず、全体の3分の1程度をほぐすに留めるのが安全です。

気根の扱い

地上部に出ている「気根」が長く伸びすぎている場合、これも植え替えのタイミングで整理できます。

見た目が気になる場合は、付け根から切ってしまってもモンステラの生育に大きな問題はありません

しかし、気根は本来、体を支えたり空気中の水分を吸収したりする役割を持っています。

可能であれば、新しい鉢の土の中に誘導するように一緒に植え込んであげると、株がより安定し、水分吸収の助けにもなります。

根を切った後の処置

根をある程度整理した(切った)場合は、植物全体の水分バランスを保つことが重要です。

根の量が減ったことで、吸い上げる水の量も一時的に減少します。

それに対して葉の枚数が多すぎると、葉からの蒸散(水分が失われること)が吸水量を上回り、株が弱る原因になります。

そのため、根を切った量に応じて、古い葉や茂りすぎている葉を数枚剪定し、葉の量を減らしてあげる(蒸散を抑制する)と、植え替え後の回復がスムーズになります。

植え替えに失敗しないためのポイント

モンステラ 植え替えに失敗しないためのポイント

モンステラの植え替えは、株にとって少なからずストレスがかかる大仕事です。

手順を誤ると、最悪の場合枯らしてしまうことにもなりかねません。

失敗しないために、以下の4つの重要なポイントを必ず押さえておきましょう。

植え替えの最適な時期を守る

これが最も重要なポイントです。モンステラの植え替えは、必ず生育期である5月〜9月頃に行ってください

この時期は気温も高く(室温で常に20℃以上を保てるのが理想)、モンステラの生命力が最も活発なため、植え替えによる根へのダメージからの回復が非常に早くなります。

逆に、成長が止まる寒い冬(10月~4月)の植え替えは厳禁です。

また、気温が35℃を超えるような猛暑日も、株が極度に疲弊するため避けた方が賢明です。

事前の準備を徹底する

作業をスムーズに行い、株への負担を最小限にするために、必要な道具と材料はすべて事前に揃えておきます。

  • 新しい鉢:
    前述の通り、一回り(または二回り)大きい、鉢底穴のある鉢。
  • 新しい土:
    必ず新しい「観葉植物用の培養土」を用意します。水はけと保水性のバランスが良く、初期肥料が配合されているものが手軽でおすすめです。古い土の再利用は、病気や害虫、栄養不足の原因となるため絶対に避けてください。
  • 鉢底石と鉢底ネット:
    鉢底穴から土が流れ出るのを防ぐ「鉢底ネット」と、鉢底の排水性・通気性を高める「鉢底石(軽石など)」は必須です。
  • 清潔なハサミ:
    根や茎を切るために、よく切れる清潔な園芸用ハサミを準備します。使用前にアルコールなどで消毒しておくと、切り口からの病原菌の侵入を防げます。

丁寧な植え付け作業

植え付けの際は、まず新しい鉢に鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石を鉢の高さの5分の1程度敷き詰めます。次に新しい土を少し入れます。

根を整理したモンステラを鉢の中央に置き、高さを調整します。この時、株の根元が鉢の縁(鉢の中で一番上の部分)よりも数センチ低くなるように位置を決めるのがポイントです。

この空間が「ウォータースペース」となり、水やりの際に水が溢れ出るのを防ぎます。

高さを決めたら、株の周りから隙間なく土を入れていきます。割り箸などの細い棒で土を優しく突きながら入れると、根と根の間の隙間にもしっかりと土が入ります。

最後に鉢の縁を軽く叩いて土を馴染ませます。

植え替え後の養生(管理)

植え替えが完了したら、鉢底から水が勢いよく流れ出るまで、たっぷりと水を与えます。

これは土の中の微塵を洗い流し、根と土を密着させるためです。

その後が肝心です。植え替え直後のモンステラは、いわば「手術後」のデリケートな状態です。すぐに元の場所や直射日光の当たる場所に置くのは絶対に避けてください。

約2週間は、直射日光が当たらない「明るい日陰」(レースカーテン越しや、普段より暗めの室内など)で静かに休ませる(養生する)期間を設けます。

この間、根は新しい環境に適応しようと必死になっています。風通しを良くし、土の表面が乾いたら水を与える程度にし、過度な水やりは控えます。

また、新しい土には元々肥料が含まれていることが多いため、植え替え後1〜2ヶ月は追肥(肥料を与えること)は厳禁です。

弱った根が肥料成分によって「肥料焼け」を起こし、かえってダメージを受ける可能性があります。

モンステラは冬に植え替えてもいい?

モンステラは冬に植え替えてもいい?

モンステラの植え替えを冬に行うことは、原則として避けるべきです。株に深刻なダメージを与え、枯らしてしまうリスクが極めて高くなります。

その最大の理由は、モンステラが熱帯原産の植物であり、日本の冬は「休眠期」にあたるためです。

気温が15℃を下回るあたりから成長活動が非常に緩慢になり、10℃近くになるとほぼ成長を停止します。

この状態では、新しい根を伸ばす力も、傷を回復させる力もほとんど残っていません。

このような休眠期に、植え替えという最も大きなストレスのかかる作業(根をほぐされ、時には切られ、新しい環境に移される)を行うとどうなるでしょうか。

根についた傷は回復せず、そこから腐敗が始まる可能性があります。

また、新しい土に根を張ることができないため、水分や養分をうまく吸収できません。

その結果、株は急速に体力を失い、葉が次々と黄色くなって落ちたり、株全体がしおれたりして、最悪の場合はそのまま枯れてしまいます。

「鉢底から根が見えている」「鉢がパンパンに見える」といった植え替えサインが冬に見つかったとしても、慌てて植え替えるのは得策ではありません。

株が枯れかかっているなどの緊急事態でない限り、春になり、気温が安定して20℃を超える日が続く5月頃まで待つ方がはるかに安全です。

なお、唯一の例外は、冬場にひどい根腐れ(異臭がする、株元がブヨブヨしている等)を起こし、このまま春まで放置すれば確実に枯れてしまうと判断できる緊急の場合です。

この「救命措置」として冬に植え替える場合は、以下の点に最大限配慮してください。

  • 必ず暖房の効いた暖かい部屋(最低でも15℃以上、できれば20℃以上)で作業し、作業時間をできるだけ短く済ませる。
  • 根鉢を崩すのは最小限にし、腐った根だけを清潔なハサミで取り除く。
  • 植え替え後は、室温と同じくらいの温度の水をごく少量与え、その後は土がしっかり乾くまで水やりを控える。
  • 植え替え後も、常に15℃以上を保てる暖かい部屋で管理する。

注意: このような緊急の植え替えは、株にとって最後の賭けであり、それでも回復せずに枯れてしまうリスクが高いことを理解した上で実行してください。

まとめ:モンステラ植え替え時の鉢の大きさ

  • モンステラ植え替え時の鉢の大きさは生育を左右する重要な判断基準
  • 植え替えサインは鉢底からの根の飛び出しや水の染み込みにくさで判断
  • 2〜3年に一度の植え替えが一般的な目安
  • 根詰まりを放置すると根腐れや生育不良を招く
  • 植え替えの鉢は「一回り(1号)」大きいサイズが基本
  • 株が5号以上で旺盛な場合は「二回り(2号)」大きくしてもよい
  • いきなり大きすぎる鉢に植え替えるのは失敗の元
  • 大きすぎる鉢は土が過湿になり根腐れのリスクが極めて高い
  • モンステラには株が安定する「縦長で深さのある鉢」が適している
  • 深い鉢は支柱を安定して立てやすいメリットもある
  • 鉢の素材(素焼き、プラスチック等)は通気性やデザインで選ぶ
  • デザイン重視の場合は「鉢カバー」を活用し鉢底穴の問題を回避
  • 植え替えで古い根や黒く腐った根は切っても大丈夫
  • 植え替えの最適時期は生育が活発な5月~9月
  • 冬の植え替えは株が枯れるリスクが高いため絶対に避ける
  • 植え替え直後は明るい日陰で管理し肥料は1〜2ヶ月控える

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