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【SOSサイン】モンステラの気根が黒い!原因と復活法を解説

【SOSサイン】モンステラの気根が黒い!原因と復活法を解説

大切に育てているモンステラの気根が黒い状態になっていると、とても心配になりますよね。

「この気根は腐るのだろうか」
「気根は切るべきか」
「気根が枯れたのかもしれない」
「気根が折れた部分は大丈夫か」

など、様々な疑問が浮かぶかもしれません。

momo

私も初めてこの症状に直面した時、「この気根は腐るのだろうか」「気根は切るべきか」と、夜な夜な検索しては不安になった経験があります。

中には、茎まで黒いように見えたり、気根が伸びないと感じたりすることもあるでしょう。

モンステラが黒くなる原因は一つではなく、根腐れの見た目はどうなっているのか、あるいはモンステラに黒すす病が発生したのか、見極めが必要です。

そこでこの記事では、モンステラの気根が黒い原因を突き止め、根腐れした場合の水挿しによる復活方法から、元気な気根から増やす方法まで、詳しく解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること
  • 気根が黒くなる主な原因(根腐れや病気など)の特定
  • 黒くなった気根や茎への具体的な対処法
  • 根腐れしたモンステラを復活させる手順
  • 健康な気根を管理し、増やすためのヒント
目次

モンステラの気根が黒い原因は根腐れ?

モンステラの気根が黒い原因は根腐れ?
  • 気根が黒い状態と症状の確認
  • モンステラが黒くなる原因は主に2つ
  • 気根が腐るサインと見分け方
  • 茎が黒い場合は重度のサイン
  • モンステラの黒すす病の可能性
  • 根腐れの見た目は?土の中も確認

気根が黒いのはなぜ?症状を確認!

モンステラ 気根が黒いのはなぜ?症状を確認!

大切に育てているモンステラの気根が黒くなっているのを見つけると、病気や枯死のサインではないかと不安になりますよね。

しかし、気根が黒くなること自体が、必ずしも即座に問題であるとは限りません。

モンステラの気根が黒く見える場合、主に4つの異なる状態が考えられます。

そのうち危険な状態は一部であり、多くは自然な現象や、別の原因によるものです。

重要なのは、見た目の色だけでなく「感触」や「匂い」も併せて確認し、その黒さの正体を見極めることです。

筆者も最初の頃は、この「木質化」と「根腐れ」の区別がつかず、ただ黒いというだけで慌てて切ってしまったことがありました。

しかし、決定的な違いはやはり「感触」です。健康な木質化は硬く、危険な腐敗は指で押すと嫌な柔らかさがあります。

1. 心配ない黒さ:「木質化(もくしつか)」

最も一般的なケースが、この「木質化」です。これは、気根が成長し、空気に長く触れることで起こる自然な老化現象です。

  • プロセス:
    生えたばかりの気根はみずみずしい白や薄緑色をしています。その後、成長とともに空気中の湿度を求めたり、体を支えるために強度を増したりする必要から、次第に茶褐色に変化します。さらに時間が経つと、表面がコルクのように硬くなり、色が黒っぽく変色します。

  • 症状:
    見た目は黒っぽくても、触るとしっかりとした硬さ(コルクのような弾力のある硬さ)があります。腐敗臭なども一切ありません。

これはモンステラが順調に成長し、株を支えるために物理的に強くなっている証拠です。病気ではないため、特に心配する必要はありません。

2. 最も危険な黒さ:「根腐れ(腐敗)」

注意が最も必要なのは、黒い部分が「ブヨブヨ」と柔らかい状態です。

これは内部で腐敗が始まっている危険なサインです。

  • 原因:
    水のやりすぎや鉢土の排水不良により、土の中が常に過湿状態になると、酸素不足で根が腐る「根腐れ」が発生します。この土中の腐敗菌が、土に触れている気根や、場合によっては株本体を伝って地上部の気根にまで影響を及ぼした状態です。

  • 症状:
    気根が湿ったように黒ずみ、指で軽く押すと弾力がなく、水っぽく崩れるような感触があります。生ゴミが腐ったような酸っぱい異臭や、ドブのような不快な匂いを伴うことも多いです。

この症状が見られる場合、土の中の根が広範囲にわたって壊死している可能性が極めて高いです。早急な対処が必要な、最も危険な状態と言えます。

3. 害虫が原因の黒さ:「黒すす病」

もし黒さが「汚れ」のように表面に付着している場合は、黒すす病の可能性があります。

  • 原因:
    これは植物自体が腐っているのではなく、カイガラムシやアブラムシなどの害虫の排泄物(甘露)を栄養源にして、カビ(すす病菌)が繁殖したものです。

  • 症状:
    表面が黒い「すす」や「粉」で覆われたようになり、ザラザラ、あるいは害虫の甘露でベタベタします。湿らせたティッシュや布でこすると、黒い汚れが拭き取れるのが最大の特徴です。

植物の内部の問題ではないため、すぐに枯れるわけではありませんが、光合成を妨げるため、早めに汚れを拭き取り、原因となる害虫を駆除する必要があります。

4. 乾燥による黒さ:「枯死」

最後に、黒くて「カサカサ」に乾燥しきっている状態です。

  • 原因:
    エアコンの風が直撃する場所や、冬場の暖房で極度に湿度が低い環境に置かれると、気根が水分を失い枯死してしまうことがあります。

  • 症状:
    触ると水分が全く感じられず、中身がスカスカで、非常に脆く簡単に折れてしまいます。

厚生労働省HP「建築物環境衛生管理基準について」によると、健康を維持するための室内湿度「40%~70%」を推奨しており、これを下回る冬場の乾燥した室内(暖房使用時で20%台になることも)は、人間だけでなく熱帯原産のモンステラにとっても過酷な環境と言えます

腐敗とは異なり、乾燥によるものです。

枯れた気根は元に戻りませんが、株本体への直接的な害は少ないです。

ただし、モンステラが乾燥ストレスを感じているサインでもあるため、置き場所や湿度の見直しが推奨されます。


このように、まずは慌てずに「触診」してみることが原因特定の第一歩となります。

気根の状態セルフチェックリスト

  • 危険なサイン(要対処)
    • 色:湿ったような濁った黒色
    • 感触:ブヨブヨ、水っぽい、指で押すと崩れる、皮が剥ける
    • 匂い:腐敗臭(酸っぱい匂い、ドブのような匂い)
    • 状況:土が常に湿っている、茎の根元も柔らかい

  • 多くの場合問題なし(自然現象)
    • 色:濃い茶色、黒褐色、またはまだら模様
    • 感触:硬い、コルク質、乾燥しているが張りがある
    • 匂い:特になし(土や植物本来の匂い)
    • 状況:古くから生えている気根である

  • その他のサイン(原因特定)
    • 感触:表面がザラザラ・ベタベタ、こすると黒く拭き取れる → 黒すす病(害虫を確認)
    • 感触:カサカサ、脆い、中身がスカスカで軽く折れる → 乾燥による枯れ(湿度不足を確認)

モンステラが黒くなる原因は主に2つ

モンステラが黒くなる原因は主に2つ

モンステラの気根や茎といった株の一部が黒く変色する場合、その原因は根本的に異なる二つのパターンに大別されます。

どちらの原因かを見誤ると、対処法も全く変わってしまうため、慎重な判断が求められます。

1. 根腐れ(内部からの問題)

最も一般的で、かつ深刻な原因が「根腐れ」です。これは、水のやりすぎや鉢の排水不良によって土の中が常に湿った状態(過湿)になることで発生します。

土が過湿になると、根が呼吸できなくなり酸素不足に陥ります。

すると、酸素を嫌う嫌気性細菌が増殖し、根の細胞を破壊し始めます。

この腐敗が土中の根全体に広がり、さらには地上部の気根や茎にまで影響を及ぼし、黒く変色させてしまうのです。

これは植物の内部、土の中から発生する問題です。

2. 黒すす病(外部からの問題)

もう一つの原因は「黒すす病(すす病)」という病気です。これは根腐れとは全く異なり、植物の表面で発生する問題です。

カイガラムシやアブラムシ、コナジラミといった害虫がモンステラに寄生し、その排泄物(甘露と呼ばれるベタベタした液体)を栄養源にして、カビ(すす病菌)が繁殖します。

このカビが黒いすすのように見えるため、黒すす病と呼ばれます。

この場合、モンステラの組織自体が腐っているわけではなく、表面が黒いカビで覆われている状態です。


これら二つは「内部の腐敗」か「外部のカビ」かという決定的な違いがあります。

気根が腐るサインと見分け方

モンステラ 気根が腐るサインと見分け方

気根が「黒くなる」症状の中でも、特に「腐る」という状態には明確なサインがあります。

これらは根腐れが進行していることを示す重要な手がかりとなります。

  • 色と感触:
    最大の見分け方は、色と感触の組み合わせです。前述の通り、単なる木質化による黒褐色とは異なり、腐敗した気根は「湿ったような黒色」で、触ると「ブヨブヨと柔らかい」のが特徴です。指で軽くつまむと、皮がむけたり、中身が溶けたように崩れたりすることもあります。健康な気根の持つ張りや弾力は完全に失われています。

  • 異臭:
    腐敗が進行すると、細菌の活動によって特有の異臭が発生します。生ゴミが腐ったような酸っぱい匂いや、ドブのような不快な匂いがする場合は、腐敗が起きている証拠です。

  • 発生場所:
    土に近い部分の気根や、土に触れている気根から症状が出始めることが多いです。

これらの「黒い」「柔らかい」「異臭」という3つのサインが揃った場合、気根が腐っていると判断できます。

そして、気根が腐っているということは、目に見えない土の中でも、根腐れが同時に進行している可能性が極めて高いことを示しています。

momo

私の経験では、これは土の生乾きのような匂いとは明らかに異なり、ツンとくる酸っぱいような独特の匂いでした。この匂いがしたら、ほぼ根腐れを疑って間違いありません。

茎が黒い場合は重度のサイン

モンステラ 茎が黒い場合は重度のサイン

気根の変色だけでなく、モンステラの「茎」本体、特に土に近い根元の部分まで黒くなっている場合、これは非常に危険な状態であり、重度のサインと受け止めるべきです。

これは、土の中で始まった根腐れが、根の吸収能力を完全に奪い、腐敗菌が根を伝って茎の導管(水分や養分を運ぶ管)にまで侵入・増殖していることを意味します。

植物にとっての「大動脈」が腐敗菌に侵されている状態と言えます。

茎が黒い場合の症状
  • 茎の根元が黒く変色している。
  • 触るとブヨブヨと柔らかく、張りがない。
  • 症状が進行すると、黒い部分が徐々に上部へと広がっていく。
  • 株全体がグラグラし、やがて自立できずに倒れる。

この段階になると、土の中の根は広範囲にわたって壊死している可能性が高いです。

植物全体としての生命維持機能が失われつつあるため、葉が元気そうに見えても、時間経過とともに次々としおれていきます。

この状態からの株全体の復活は極めて困難であり、放置すれば確実に枯死に至ります。

対処法としては、後述する「水挿し」のように、まだ腐敗が及んでいない健康な上部の茎を切り取り、株の一部だけでも救出する(仕立て直す)という選択肢を検討する必要があります。

モンステラの黒すす病の可能性

モンステラの黒すす病の可能性

気根や茎の黒ずみが、内部からの腐敗(ブヨブヨ)とは異なり、表面に付着した「黒いすす」や「粉」のように見える場合、それは黒すす病の可能性が高いです。

黒すす病は、モンステラの組織自体が病気になるのではなく、特定の条件下でカビが繁殖する現象です。

黒すす病のメカニズム

  1. 害虫の寄生:カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミなどの吸汁害虫がモンステラに寄生します。
  2. 甘露の排泄:これらの害虫は、植物の汁を吸った後に、糖分を多く含むベタベタした排泄物(甘露)を出します。
  3. カビの繁殖:空気中を浮遊している「すす病菌」というカビが、この甘露を栄養源にして付着・繁殖します。
  4. 黒変:繁殖したカビが黒いすすのように見えるため、葉や茎、気根の表面が黒く覆われます。

根腐れとの見分け方

黒すす病と根腐れの最大の違いは、その黒ずみが「表面のみ」である点です。

根腐れ vs 黒すす病 チェックリスト

チェック項目 根腐れ(腐敗) 黒すす病(カビ)
感触 ブヨブヨと柔らかい 表面がザラザラ・ベタベタする
拭き取り 拭き取れない(組織内部が変色) 湿らせた布でこすると黒く拭き取れる
異臭 腐敗臭(酸っぱい匂い) 特になし(またはカビ臭)
併発症状 土が常に湿っている、株がグラつく カイガラムシ等の害虫がいる、株がベタつく

黒すす病自体が直接モンステラを枯らすことは稀ですが、葉の表面を覆って光合成を妨げるため、徐々に生育が悪くなります。

見つけた場合は、まず湿らせたティッシュなどで黒いすすを優しく拭き取り、同時に原因となっている害虫を駆除する必要があります。

根腐れの見た目は?土の中も確認

モンステラ 根腐れの見た目は?土の中も確認

気根や茎の症状(黒くブヨブヨ、異臭)、あるいは土が常に湿っているといった状況から根腐れが強く疑われる場合、最終的な診断を下すためには、鉢から株を抜き取り、土の中の根の状態を直接確認することが不可欠です。

根の状態の確認手順

  1. 鉢から抜く: モンステラの株元をしっかり持ち、鉢の縁をトントンと叩きながら、根鉢(根と土が一体化したもの)を慎重に引き抜きます。根詰まりしていると抜けにくい場合がありますが、無理に茎を引っ張らないよう注意してください。
  2. 土を落とす: 根鉢の外側の古い土を優しく手でほぐし落とし、根の状態を観察します。

健康な根と腐った根の見分け方

  • 健康な根:
    • 色は白っぽく、みずみずしい。
    • 太さがあり、触るとしっかりとした張りがある。
    • 新しい根は半透明な白色をしている。
  • 根腐れした根:
    • 色は黒や濃い茶色に変色している。
    • 触るとブヨブヨと柔らかく、張りがない。
    • ドロドロと溶けるように崩れる。
    • 根の皮(表皮)だけがズルッと抜け、中心の細い芯(中心柱)だけが残ることがある。
    • 土全体から、生ゴミやドブが腐ったような強い異臭がする。

これらの「根腐れした根」の症状が広範囲に確認できた場合は、診断は確定です。

腐敗した根は再生することがないため、この後すぐに、後述する「水挿しによる復活方法」や、腐った根をすべて取り除く「植え替え」作業に移る必要があります。

また、根が鉢の形に沿ってパンパンに詰まっている「根詰まり」を起こしている場合もあります。

根詰まりは土の通気性や排水性を悪化させ、根腐れを誘発する主な原因の一つです。

momo

株を鉢から抜くのは勇気がいりますし、私も「かえって弱らせてしまうのでは」とためらいました。しかし、気根が黒くブヨブヨしている時点で、土の中は想像以上に悪化していることがほとんどです。思い切って確認することで、手遅れになる前に対処できます。

モンステラの気根が黒い時の対処と管理法

モンステラの気根が黒い時の対処と管理法
  • 黒い気根は切るべき?正しい処理
  • 気根が枯れた場合の適切な対処
  • 気根が折れた時のダメージとケア
  • 気根が伸びないのはなぜ?
  • 根腐れしても大丈夫!水挿しによる復活方法
  • 気根から株を増やす!挿し木のコツ
  • まとめ:モンステラの気根が黒い場合

黒い気根は切るべき?正しい処理

モンステラ 黒い気根は切るべき?正しい処理

モンステラの気根が黒くなった場合、それを切るべきかどうかは、その「黒くなった原因」によって判断が異なります。

適切な処理を行わないと、かえって株にダメージを与えてしまうこともあるため、慎重な見極めが必要です。

腐敗している場合(黒くてブヨブヨ)

気根が黒く、かつ柔らかく腐敗している状態(根腐れの症状)である場合は、迷わず「切るべき」です。

腐敗した部分を放置すると、腐敗菌がそこから健康な茎本体へと侵入を広げる温床となるためです。

処理方法

  1. ハサミやカッターをアルコール(消毒用エタノールなど)やライターの火で炙るなどして、必ず消毒します。
  2. 腐敗している部分と、健康な部分の境目を見極めます。
  3. 菌の残存を防ぐため、境目よりも少し(数ミリ~1cm程度)健康な茎側で切断します。
  4. 切り口が気になる場合は、殺菌剤(トップジンMペーストなど)を塗布しておくと、二次感染の予防になります。

木質化している場合(黒くて硬い)

気根が黒っぽく見えても、触ると硬く、木質化している(自然な老化)だけの場合は、健康上の問題はないため「無理に切る必要はありません」。

ただし、以下の理由で切ることも選択肢となります。

  • 見た目: 伸びすぎた気根が見た目を損ねていると感じる場合。
  • 風通し: 気根が密集しすぎて、株元の風通しが悪くなっている場合。
  • 邪魔になる: 生活動線上で邪魔になる場合。

この場合は、株元(茎との付け根)から清潔なハサミでカットしても構いません。

気根を剪定する際の注意点

モンステラの気根は、株の体を支える支柱の役割や、空気中の水分を吸収する補助的な役割を担っています。

そのため、健康な気根も含めて全てを一度に切り落としてしまうと、株のバランスが崩れて倒れやすくなったり、乾燥に弱くなったりと、生育に悪影響が出る可能性があります

剪定は、腐敗した部分の除去や、見た目を整えるために必要な最小限の数に留めましょう。

気根が枯れた場合の適切な対処

モンステラ 気根が枯れた場合の適切な対処

気根が黒や茶色く変色し、水分が抜けてカサカサに乾燥し、触ると簡単に折れるような「枯れた」状態になることもあります。

これは主に、エアコンの風が直接当たる場所や、冬場の暖房などで室内の空気が極度に乾燥していることが原因で起こります。

枯れてしまった気根は、残念ながら水分を与えても復活することはありません。

  • 対処法:
    枯れた気根をそのままにしておいても、株本体の健康に直接的な害はありません。しかし、見た目が気になる場合は、腐敗した気根と同様に、清潔なハサミで付け根から切り取っても問題ありません。

  • 予防(管理法の見直し):
    気根が枯れやすいということは、モンステラ本体も乾燥ストレスを感じているサインです。予防策として、以下のような環境改善が効果的です。
    • 霧吹きで葉や茎、気根に水をかける「葉水」の頻度を増やす(特に乾燥する時期は1日に数回)。
    • 加湿器を設置して、部屋全体の湿度を50%~60%程度に保つ。
    • エアコンの風が直接当たらない場所に置き場所を変える。

これらの対策により、モンステラが好む多湿な環境に近づけることで、新しく生えてくる気根が健康に育ちやすくなります。

気根が折れた時のダメージとケア

モンステラ 気根が折れた時のダメージとケア

モンステラの気根は、特に乾燥していると柔軟性を失い、掃除中や植え替え時、あるいは何かが当たった拍子に「ポキッ」と簡単に折れてしまうことがあります。

気根が折れたのを見ると心配になるかもしれませんが、株本体が致命的なダメージを受けることはほとんどありませんので安心してください

気根はあくまで補助的な器官であり、土の中の根がしっかりと生きていれば、生育に大きな支障は出にくいです。

  • ケア方法:
    折れてしまった部分は、そのままにしておくと見栄えが悪いため、整理しましょう。
    1. 折れた箇所の少し上(株に近い側)、または気根の付け根から、清潔なハサミで切り口をきれいに整えます。
    2. 中途半端に折れ曲がって残すよりも、きれいにカットした方が衛生的です。

  • 予防:
    気根が頻繁に折れる場合は、前述の「枯れた場合」と同様に、室内の湿度が低すぎることが根本的な原因である可能性が高いです。葉水をこまめに行い、気根にも潤いを与えることで、しなやかさを保ちやすくなります。また、物理的な対策として、気根が伸びてきたら支柱に誘引したり生活動線から外れた場所に鉢を置いたりすることも有効です。

気根が伸びないのはなぜ?

モンステラ 気根が伸びないのはなぜ?

「他の家のモンステラは気根がたくさん出ているのに、うちのは気根が伸びない」という悩みも聞かれます。

気根はモンステラの健康と環境のバロメーターであり、伸びない場合にはいくつかの原因が考えられます。

1. 湿度が低い

最も一般的な原因です。モンステラは原産地の熱帯雨林のような、湿度の高い環境を好みます。

空気中から水分を吸収するために気根を伸ばすため、空気中が乾燥している(例:湿度が40%以下)と、「気根を伸ばすメリットがない」と判断し、成長を鈍らせたり、生えてこなかったりします。

2. 時期(休眠期)

モンステラの成長期は、気温が暖かい春から秋(特に5月~9月)です。

気温が15℃を下回るような冬場は休眠期に入り、株全体の成長が緩やかになります

当然、気根の成長もストップするため、冬に気根が伸びないのは自然なことです。

3. 株の健康状態が悪い

気根を伸ばすにはエネルギーが必要です。もし株本体の健康状態が万全でない場合、気根を伸ばす余力がありません。

  • 根腐れ: 前述の通り、土の中の根がダメージを受けていると、地上部の成長(葉や気根)は止まります。
  • 根詰まり: 鉢の中で根がパンパンになり、新しい根を張るスペースがない場合。
  • 栄養不足: 長期間植え替えをしておらず、土の中の栄養分が枯渇している場合。
  • 日照不足: 光合成が十分にできず、エネルギー自体を生み出せていない場合。

気根が伸びないだけでなく、新しい葉が出てこない、葉の色が薄いなどの他のサインがある場合は、これらの健康状態の悪化を疑う必要があります。

根腐れしても大丈夫!水挿しによる復活方法

モンステラ 根腐れしても大丈夫!水挿しによる復活方法

根腐れが進行し、茎まで黒くブヨブヨになってしまった場合でも、諦めるのはまだ早いかもしれません。

モンステラは非常に生命力が強い植物です。もし茎の一部(特に先端側)に、まだ緑色で硬く、健康な部分が残っていれば、「水挿し」によって株を仕立て直し、復活させられる可能性があります。

これは、腐敗した下部を切り離し、健康な部分だけをクローンとして再生させる作業です。

水挿しによる復活(仕立て直し)の手順

STEP
道具の準備

清潔なカッターナイフまたは剪定バサミ(アルコールで消毒済)、挿し穂を入れるための清潔な瓶やコップを準備します。

STEP
健康な茎のカット

茎の黒く腐敗している部分と、健康な緑色の部分の境目を確認します。腐敗菌が残らないよう、境目よりも数センチ上の健康な部分で、茎をスパッと切断します。

筆者の場合、黒い部分と緑の部分の境目から、さらに2~3cmほど上の健康な緑色の茎でカットしました。

「もったいない」と感じるかもしれませんが、腐敗菌が残っていると水挿し中に腐敗が再発するため、ここは思い切りが肝心です。

STEP
挿し穂の準備

切り出した健康な茎に、「節(ふし)」と呼ばれる、葉や気根が出ていた跡の盛り上がった部分が最低1つは含まれていることを確認します。

この節から新しい根が生えてきます。もし健康な気根が残っていれば、それは切らずに付けたままにします。

大きすぎる葉は、水分の蒸散を防ぐために半分ほどの大きさにカットしても構いません。

STEP
水に挿す

切り口を数時間乾燥させる方法もありますが、すぐに清潔な水(水道水で可)を入れた容器に挿します。

メネデールなどの植物活力剤を規定量水に混ぜると、発根が促進される場合があります。

STEP
管理

直射日光の当たらない明るい日陰(レースカーテン越しなど)に置きます。

水は最低でも2~3日に一度、夏場は毎日交換し、常に清潔を保ちます。

STEP
発根と植え替え

順調にいけば、数週間から数ヶ月で節や気根の途中から、白く新しい根(水中根)が伸びてきます。

根が5~10cmほど十分に伸びたら、水はけの良い新しい土に植え替えるか、そのまま水耕栽培(ハイドロカルチャー)として育てることも可能です。

気根から株を増やす!挿し木のコツ

モンステラ 気根から株を増やす!挿し木のコツ

モンステラの気根は、株を「復活」させるだけでなく、健康な株を「増やす(挿し木)」際にも非常に役立ちます。

気根が付いている茎(挿し穂)を使うと、発根の成功率が格段に上がります。

気根を使った挿し木のメリット

気根はすでに根としての機能の一部を持っているため、挿し穂自体の体力が維持されやすく、土や水に適応するスピードが早いです。

気根が水分を吸収し、そこからさらに新しい根を展開させる起点となるため、気根がない挿し穂に比べて圧倒的に早く発根・活着します

挿し木のコツ

  1. 挿し穂の準備:
    元気な気根が1本以上付いている茎を選びます。葉や気根の付け根である「節」を1〜2節含めるようにカットします。

  2. 挿し方(土の場合):
    清潔な挿し木用土や赤玉土(小粒)を鉢に入れ、気根ごと土に埋めるように挿します。気根が長すぎる場合は、無理に押し込まず、土の表面に這わせるようにU字ピンなどで固定しても構いません。

  3. 挿し方(水挿しの場合):
    前述の「水挿しによる復活方法」と同様に、気根ごと水に浸けます。

  4. 適期:
    これらの増やす作業は、モンステラの活動が最も活発な成長期、特に気温と湿度が安定して高い5月下旬から7月頃に行うのが最も成功しやすいタイミングです。

豆知識:気根の誘導

株分けや挿し木をしない場合でも、長く伸びた健康な気根を、そのまま今植わっている鉢の土の表面に誘導し、U字ピンなどで固定して土に触れさせておく方法もおすすめです。

土に触れた気根は、やがて地中根としての性質を帯び、水分や養分を吸収し始めます。これにより、株はさらに安定し、生育が旺盛になる効果が期待できます。

まとめ:モンステラの気根が黒い場合

  • モンステラの気根が黒いのは異常のサイン
  • 健康な気根は白や茶褐色で硬さがある
  • 黒くなる主な原因は「根腐れ」か「黒すす病」
  • 黒くブヨブヨしている場合は根腐れの可能性が高い
  • 土から異臭がする場合も根腐れを疑う
  • 茎まで黒い場合は根腐れが進行した重篤な状態
  • 黒い粉や斑点は「黒すす病」のサイン
  • 黒すす病はカイガラムシなどの排泄物が原因
  • 根腐れの根は土中で黒くドロドロになっている
  • 黒く腐った気根は清潔なハサミで付け根から切る
  • カサカサに枯れた気根は乾燥が原因で切っても良い
  • 気根が折れても本体への影響は少ない
  • 気根が伸びないのは湿度不足や休眠期が考えられる
  • 根腐れしても元気な茎があれば水挿しで復活できる
  • 気根を付けて挿し木をすると成功率が上がる

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