こんにちは!「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。
大切に育てている観葉植物のモンステラ、ふと気づくと葉の一部が変色していてドキッとしたことはありませんか?
「もしかしてこれってモンステラの葉焼けかな?」「昨日までは元気だったのに…」と不安になりますよね。
特に、春から夏にかけて日差しが強くなる時期や、良かれと思って窓辺に移動させた直後に、強い日差しで葉が白や茶色、あるいは黒く焦げてしまうトラブルは本当によくあることなんです。
私自身も初心者の頃、大事にしていたモンステラを「日光浴させよう!」とベランダに出して、たった半日で葉を真っ茶色にしてしまい、落ち込んだ経験があります。
一度変色してしまった葉は復活するのか、それとも今の状態から直す方法があるのか、気になっている方も多いはずです。
また、葉が黄色くなるのは葉焼けなのか他の原因なのか、展開したばかりの柔らかな新芽や、デリケートな斑入り品種(ホワイトタイガーやタイコンステレーションなど)ならどう対処すべきかなど、悩みは尽きません。
もし葉焼けしてしまった場合、どこから切るのが正解なのか、見た目を損なわない剪定や切り方も知っておきたいポイントです。
そこでこの記事では、そんなモンステラの葉焼けに関する原因や見分け方、そして二度と繰り返さないための予防策まで、私の経験も交えながら徹底的に分かりやすくお話しします。
- 葉焼けと病気や根腐れなどの症状を正しく見分ける方法
- 変色してしまった葉の対処法とダメージを最小限にする切り方
- 斑入りモンステラ特有の繊細なケアと守り方のコツ
- 美しい葉を維持するための置き場所や日頃の予防管理
モンステラの葉焼けの原因と症状の見分け方
「葉の色がおかしいな」と思ったとき、それが本当に葉焼けなのか、それとも他のお世話の失敗(水やりや肥料など)や病気なのかを見極めることが、回復への第一歩です。
実は「葉焼けだと思っていたら根腐れだった」というケースも意外と多いんですよ。まずは、葉焼けがなぜ起こるのかというメカニズムと、色別の症状の特徴について詳しく見ていきましょう。
葉焼けが発生する主な原因

モンステラの葉焼けは、人間でいう「ひどい日焼け」や「火傷」のような状態です。
主な原因は、植物が耐えられる限界を超えた強い光を浴びてしまうことにあります。
モンステラはもともと熱帯雨林のジャングルで、巨木の幹に張り付いて育つ植物です。
頭上には高い木の葉が生い茂っているので、自然界では「木漏れ日(レースカーテン越しのような光)」の中で生きています。
そのため、真夏のギラギラした直射日光や、西日などの強烈な光には遺伝的にあまり強くありません。
気象庁のデータでも、2025年の年間UVインデックスにおいて5月中旬から平均値が「強い」に到達しており、紫外線は真夏だけでなく5月頃から徐々に強まっていることが示されています。

特に葉焼けが起こりやすいのは、以下のようなタイミングです。
1. 「順化(じゅんか)」ができていない時の急な移動
植物には、置かれた環境に合わせて葉の質を変える「順化」という能力があります。
ずっと暗い部屋に置いていたモンステラの葉は、少ない光でも生きられるように薄くて柔らかい「陰葉(いんよう)」になっています。
これを急に「天気がいいから」と明るいベランダや直射日光の当たる窓辺に出すと、葉が強い光に対応できず、ほんの1〜2時間であっという間に焼けてしまいます。これが一番多い失敗パターンです。
momo私も過去にこれで大失敗をしたことがあります。
5月のとても天気が良い休日に「5月でそこまで暑いわけじゃないし、せっかくだから日光浴させてあげよう!」と張り切ってベランダに出したんです。
お昼ごはんを食べて数時間後に見に行くと……ツヤツヤだった緑の葉が、真っ白に色が抜けていて「え?!」とショックを受けました。
「良かれと思ったのにそれが仇となるなんて・・・」という気持ちと「5月でも油断できないんだな・・・」ということを身をもって経験しました。
2. 水滴によるレンズ効果
水やりや葉水をした後、葉の上に水滴が残った状態で日光が当たると、水滴が虫眼鏡のレンズのような役割をして光を一点に集めてしまい、そこだけがスポット状に焼けてしまうことがあります。
3. 水切れによる体温上昇
植物は根から吸った水を葉から蒸発させる(蒸散)ことで、葉の温度を下げています。
しかし、水切れを起こしていると蒸散ができず、直射日光で葉の温度がどんどん上がり、高温で煮えたようになって細胞が死んでしまいます。
- 強すぎる直射日光(特に5月〜9月の強い日差しと西日)
- 急激な環境の変化(暗い場所→明るい場所への移動)
- 水切れ(水分不足で冷却機能がダウンしている状態)
直射日光によるダメージの仕組み


では、植物の体の中では具体的に何が起きているのでしょうか。少しだけ専門的なお話になりますが、これを知っておくと予防の意識が変わります。
植物は光合成をするために光エネルギーを吸収しますが、それぞれの植物には「処理できる光の許容量」が決まっています。
この許容量を超えた過剰な光エネルギーが葉っぱに入ってくると、処理しきれずに余ったエネルギーが暴走してしまいます。
この暴走したエネルギーは、「活性酸素(ROS)」という強力な酸化物質を作り出します。
活性酸素は非常に毒性が強く、葉っぱの細胞膜や葉緑体(クロロフィル)を内側から破壊してしまいます。これを専門用語で「光阻害(ひかりそがい)」と呼んだりします。
つまり、葉焼けとは「光のエネルギーを受け止めきれずに、細胞が内側から破壊されて壊死(えし)してしまった状態」なのです。
一度壊れてしまった細胞は、残念ながら元に戻ることはありません。
葉が白く色が抜ける症状
葉焼けには段階があります。
初期段階や、光がそこまで強くないけれど長時間当たってしまった場合、葉の一部が白っぽく色が抜けたようになることがあります。
「あれ、緑色が薄くなって白っぽくなったかな?」と感じたら、それは葉焼けの初期サインです。
これは、強い光によって葉の緑色成分である「葉緑素(クロロフィル)」が分解され始めている状態です。
まだ茶色く枯れ込んでいない状態であれば、すぐに日陰に移してあげることで、細胞の死滅(壊死)までは食い止められるかもしれません。
ただし、一度白く色が抜けてしまった部分は、葉緑素が失われているため、残念ながら元の濃い緑色には戻らないことがほとんどです。
ハダニとの違いに注意!
葉が白っぽく見える場合、害虫の「ハダニ」がついている可能性もあります。見分け方は以下の通りです。
- 葉焼け:光が当たっていた面だけが、面として広く色が抜ける。
- ハダニ:葉の裏を見ると、微細な赤い虫や白い粉(抜け殻)がついている。色は「カスリ状」に細かく抜ける。
もしハダニだった場合は、早急に薬剤散布や葉水での対処が必要です。
葉が茶色に変色した時の見分け方


葉焼けがさらに進行すると、白っぽかった部分や、直射日光が強く当たった部分がはっきりとした茶色に変色します。
この茶色い部分は、触るとカサカサ、パリパリと乾燥して、お煎餅のように脆くなっているのが最大の特徴です。
この「乾燥してパリパリ」というのが、他の病気との大きな違いです。
例えば、「炭疽病(たんそびょう)」などの病気でも茶色い斑点ができますが、病気の場合は斑点の周りに黄色い縁取りができたり、ジメッとしていたりすることが多いです。
葉焼けの場合は、「窓の方を向いている葉の、一番出っ張っている部分」や「太陽の光が当たっていた面」だけに集中して症状が出ます。
「影になっていた下の葉は無事なのに、上の葉だけ茶色い」という場合は、ほぼ間違いなく葉焼けと断定して良いでしょう。
葉が黄色くなるのは根腐れの可能性


「葉が黄色くなってきたけど、これも葉焼け?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
もちろん、葉焼けした部分の周辺がグラデーションで黄色くなることもありますが、注意が必要なのは別のケースです。
もし、葉全体がぼんやりと黄色くなってきたり、下の方の古い葉から順番に黄色くなって落ちていく場合は、葉焼けではなく「根腐れ」や「根詰まり」を起こしている可能性が非常に高いです。
葉焼けは「外からのダメージ」なので局所的に発生しますが、根腐れは「内側の不調」なので、株全体の顔色が悪くなるイメージです。
特に、土が常に湿っていたり、受け皿に水を溜めっぱなしにしている場合は根腐れを疑いましょう。
根腐れについては、対処が遅れると株ごと枯れてしまうため、早めの確認が必要です。詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。


葉が黒くなるのは寒さか葉焼けか


葉が黒く変色する場合、二つの全く異なる原因が考えられます。ここを間違えると対処法が逆になってしまうので注意してください。
1. 重度の葉焼け(夏場など)
真夏の強烈な西日などが当たると、茶色を通り越して「黒く焦げる」ことがあります。この場合、葉は乾燥してカチカチに固まっています。
2. 冷害・寒さによるダメージ(冬場)
冬場、窓際に置いていて葉が黒くなった場合は、寒さによる「冷害(れいがい)」の可能性が高いです。窓際は夜間に急激に冷え込むため、植物の細胞が凍結・破裂して黒くなります。
寒さでやられた場合の特徴は、葉焼けとは対照的に「水っぽくブヨブヨしている」「ドロっとして溶けたような質感」になることです。
「冬だから日光浴させよう」と窓際に置いたまま夜を越すと、この冷害になりやすいので、夜は部屋の中央に移動させるのが鉄則です。
展開前の新芽が焦げる理由
まだ開いていない、ドリル状にクルクルと巻かれた状態の新芽が、先の方から黒く焦げて枯れてしまうことがあります。
これから開くのを楽しみにしていただけに、これは本当にショックですよね。
新芽は、大人の葉っぱ(硬化した葉)に比べて水分を多く含んでおり、組織が非常に柔らかくデリケートです。
そのため、ほんの少しの直射日光や乾燥でもすぐにダメージを受けてしまいます。
また、新芽が黒くなる原因は光だけではありません。
- 水切れ:展開するための水分が足りず、途中で枯れてしまう。
- 物理的接触:人が触ったり、カーテンに擦れたりした傷から黒くなる。
- 蒸れ:霧吹きの水が新芽の中に溜まり、そこから腐ってしまう。
新芽の時期は、特に直射日光を避けて、風通しの良い場所で優しく見守ってあげることが大切です。
斑入りモンステラが変色する理由
最近SNSなどでも大人気の「斑入り(ふいり)」のモンステラ。
白い模様が散りばめられた姿は芸術的ですが、実はこの白い部分は葉緑素(クロロフィル)をほとんど持っていないため、光合成ができず非常に弱い組織なのです。
緑色の部分は光合成でエネルギーを作れるので丈夫ですが、白い部分はエネルギーを作るどころか、消費する一方です。
そのため、強い光が当たるとすぐに細胞が耐えきれずに壊死して茶色くなります(葉焼け)。
逆に、光が弱すぎても、白い部分を維持するエネルギーが足りずに茶色く枯れ込んでいくことがあります。
斑入り品種は、「強すぎず、弱すぎない、絶妙な光加減」が求められるため、通常のモンステラよりもさらに遮光を強め(遮光率30~50%)にして、優しい光で育ててあげる必要があります。
モンステラが葉焼けした時の対処と切り方
「やってしまった!葉焼けしてる!」と気づいたとき、焦ってどうすればいいか迷ってしまいますよね。
ここからは、葉焼けしてしまった直後の緊急応急処置と、変色してしまった葉の剪定(カット)方法について、私が実践している方法を含めて詳しく解説します
葉焼けしたらまず行うべき対処法


もし愛するモンステラの葉が変色しているのを見つけたら、ショックでどうしていいか分からなくなってしまうかもしれません。
でも、ここであなたがどう動くかによって、その後の回復スピードや、他の健康な葉を守れるかが決まります。
葉焼けは、植物にとっては「重度の火傷(やけど)」と「熱中症」を同時に起こしているような緊急事態です。
発見したら、一刻も早く以下のステップで応急処置を行ってください。文字通り、スピードが命です!
【STEP 1】日陰のあるところへ即移動させる
何はともあれ、原因となっている強い光からモンステラを避難させます。
ただし、ここで慌てて真っ暗な押入れや浴室などに移動させるのはNGです。
急激に環境が変わりすぎると、植物はパニック(ショック状態)を起こしてしまいます。
「今より一段階暗い場所」、例えばレースカーテンの内側や、部屋の中央など、直射日光は当たらないけれど文字が読める程度の明るさがある場所へ移動させましょう。
【STEP 2】葉の熱を取り除く(夕方以降)
葉焼けした直後の葉は、強い光エネルギーによって高温になり、熱を持っています。
人間が火傷をした時に冷水で冷やすのと同じように、物理的に葉の温度を下げてあげる必要があります。
霧吹きを使って、葉の表と裏にたっぷりと葉水(はみず)を与えてください。
水が蒸発する時の「気化熱」で葉の温度が下がります。
この時、氷水のような冷たすぎる水を使うと温度差でダメージを受けてしまうので、常温の水を使うのがポイントです。
また、日中に行うと葉焼けを悪化させる可能性があるため、夕方以降に行います。
【STEP 3】水分補給を行う
葉焼けを起こしている時は、根からの吸水が蒸散(水分の放出)に追いつかず、脱水症状になっていることが多いです。
土の表面を触ってみて乾いているようなら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えてください。
これにより、根から水分を行き渡らせ、植物の体温調節機能をサポートします。
| 手順 | 行うべきアクション | 理由と注意点 |
|---|---|---|
| 1. 退避 | 直射日光の当たらない明るい日陰へ移動。 | 追加ダメージを防ぐため。 ※暗すぎる場所はストレスになるので避ける。 |
| 2. 冷却 | 常温の水で葉全体に霧吹きをする。 | 気化熱で葉の温度を下げる。 ※冷水は温度差ショックの原因になるのでNG。 ※日中に行うと葉焼けをさらに悪化させる可能性があるため、夕方以降に行う。 |
| 3. 保水 | 土が乾いていればたっぷりと水やり。 | 脱水状態の解消。 ※土が湿っている場合は根腐れ防止のため控える。 |
回復を助ける「活力剤」の活用テクニック
ここで一つ、プロも実践する回復テクニックをご紹介します。
後述する通り「肥料」は厳禁ですが、「活力剤」であれば、弱ったモンステラの助けになります。
メネデールやHB-101といった、肥料成分(窒素・リン酸・カリ)を含まない、あるいは極微量しか含まない活力剤は、人間で言うところの「点滴」や「サプリメント」のような役割を果たします。
水やりの際、規定量に薄めた活力剤を与えることで、ダメージを受けた根のケアや、光合成のサポートが期待できます。
「肥料はダメだけど、活力剤ならOK」と覚えておいてくださいね。
【絶対NG】弱っている時の「肥料」と「植え替え」は毒!
焦るあまりやってしまいがちなのが、以下の2つの行動です。これらは弱った株にトドメを刺しかねないので、絶対にやめてください。
すぐに植え替えをする:
「土が悪いのかな?」と植え替えしたくなりますが、手術と同じで植物には体力が要ります。葉焼け直後の弱った状態で根を触ると、そのまま枯れてしまうリスクが高いです。
肥料を与える:
「栄養をつけて元気になってもらおう」と化成肥料や液体肥料を与えるのは逆効果です。弱った根が高濃度の栄養を吸収できず、逆に傷んでしまう「肥料焼け」を起こします。肥料は、新しい葉が出て完全に復活してからの「ご褒美」にとっておきましょう。
一度葉焼けした葉を復活させることはできない
これはとても残念な事実ですが、正直にお伝えしなければなりません。
一度葉焼けして茶色や黒に変色してしまった細胞(組織)は、どんな薬を使っても、二度と元の緑色には戻りません。
動物の皮膚と違って、植物の葉の細胞は一度「壊死(えし)」してしまうと再生・修復する機能がないため、変色した部分はそのまま茶色い跡として残ります。
ですが、どうか落ち込まないでください。葉の一部が焼けてしまっても、株全体が枯れたわけではありません。
茎や根が生きていれば、モンステラはまた次々と美しい新しい葉を出してくれます。「今回の葉は、株を守るための盾になってくれたんだ」と考えて、次の新芽に期待しましょう。
傷んだ葉はどこから切る?剪定による切り方のコツ


「葉焼けしてしまった葉を見るたびに落ち込んでしまう…」「この汚くなった葉、切ってもいいの?それとも残すべき?」というのは、多くのモンステラオーナーさんが直面する悩みです。
結論からお伝えすると、「見た目が気になるなら切ってもOK」ですが、株の回復を優先するなら「切り方」に工夫が必要です。
葉っぱは植物にとって「ソーラーパネル(エネルギー工場)」です。焦げてしまった部分があっても、緑色の部分が残っていれば、そこで光合成をして回復のためのエネルギーを作ることができます。
そのため、モンステラの「今の体力」と「傷み具合」を見て、以下の2つの切り方を使い分けるのがベストです。



いざ切ろうと思っても、ハサミを持つ手が止まってしまいますよね。
初めて剪定した時は、私も震える手でカットしました。
でも、このカットが、株の命を救うことにつながるんです。
【ケース1】葉を「根元から」切り落とすべき状態
以下のような「重症」の場合は、思い切って葉を茎(葉柄)の付け根からカットすることをおすすめします。
- 葉の面積の半分以上が黒や茶色に変色している
- 葉柄(茎)が変色したり、ぐったりと垂れ下がってハリがない
- 新しい葉が展開し始めている(古い葉の役目が終わっている)
こうなってしまった葉は、光合成でエネルギーを作る量よりも、生命維持のためにエネルギーを消費する量の方が多くなるお荷物状態になりがちです。
株全体の負担を減らすためにも、清潔なハサミで茎の根元からスパッと切り落としてあげましょう。風通しも良くなり、新しい芽が出やすくなります。
【ケース2】茶色い部分だけを「トリミング」する場合
「フチだけが茶色い」「真ん中にシミができた」程度で、まだ緑色の部分が多く元気な場合は、葉を丸ごと切るのはもったいないです!
残った緑の部分は貴重なエネルギー源になります。この場合は、変色した部分だけをハサミで切り取る「トリミング(部分剪定)」を行いましょう。
【超重要】プロも実践する「マージン」を残す切り方
茶色い部分を切り取る時、多くの人がやってしまう失敗が「茶色い部分を全部なくそうとして、緑色の組織まで切ってしまう」ことです。
生きている緑色の部分にハサミを入れると、そこが新たな「傷口」となります。
植物はその傷を塞ぐためにエネルギーを使い、結局その切り口が乾燥して、また茶色いフチができてしまいます(これを「枯れ込み」と言います)。
これを防ぐためのコツが、「茶色く枯れた部分をあえて1〜3ミリほど残して切る」ことです。
すでに死んでいる組織(茶色い部分)の中で切れば、植物本体にはダメージがなく、それ以上変色が広がることもありません。
見た目を自然に見せる「デザインカット」
トリミングをする際、ただ真っ直ぐに切ってしまうと、「いかにも切りました!」という人工的な不自然さが目立ってしまいます。
モンステラの葉の丸みや、切れ込みのカーブに合わせて、打つように丸くカット(シェイピング)してあげると、遠目には葉焼けしていたことが分からないくらい自然な仕上がりになりますよ。
ハサミの消毒は忘れずに!
剪定に使うハサミは、必ず清潔なものを使ってください。
汚れたハサミを使うと、切り口から細菌が入って病気になったり、ウイルスを他の植物から移してしまうリスクがあります。
使う前にアルコール除菌シートで拭くか、ライターの火で数秒炙って消毒してから使うのが鉄則です。
ホワイトタイガーやタイコンステレーションなどの斑入り品種は特に注意が必要


SNSでも大人気の「モンステラ・ボルシギアナ・ホワイトタイガー」や「イエローモンスター」、「タイコンステレーション」などの斑入り品種。その美しい白い模様は、まるで芸術作品のようですよね。
しかし、白い部分の変色は株の命に関わる死活問題です。
通常の緑色のモンステラと同じ感覚で扱っていると、あっという間に葉焼けしてしまったり、逆に光不足で弱ってしまったりします。
ここでは、斑入り品種だからこそ気をつけなければならない、特別なケアのポイントを深掘りします。
なぜ斑入りは「圧倒的に」葉焼けしやすいのか?
美しい白い斑(ふ)の部分は、植物生理学的に見ると「欠陥のある組織」と言えます。
白い部分には、光合成を行うための「葉緑素(クロロフィル)」が全く、あるいはほとんど含まれていません。
つまり、白い部分は自分でエネルギーを作り出せず、隣接する緑色の部分から栄養を分けてもらって生きている状態なのです。
そのため、以下の2つの理由で非常に葉焼け(変色)しやすくなります。
- 防御力がない:葉緑素がないため、強い光エネルギーを受け止める術がなく、少しの直射日光でもすぐに細胞が破壊されます。
- エネルギー不足:逆に光が弱すぎると、緑色の部分が白い部分を養いきれなくなり、コストカットのために白い部分を枯らす生理現象が起きます。
剪定の鉄則:見た目よりも「光合成量」を守る
斑入りモンステラが葉焼けしてしまった場合、剪定には細心の注意が必要です。
通常のモンステラなら「見た目が悪いから切っちゃおう」でも耐えられますが、斑入り品種にとって緑色の部分は生命を維持するための大切な場所なのです。
もし葉焼け部分をカットする際、少しでも緑色の部分が残っているなら、どんなに不恰好でも残すようにしてください。
緑色の面積を減らしすぎると、光合成ができずに株全体の体力が落ち、最悪の場合はそのまま枯れてしまう(全滅する)リスクがあります。
【上級者向け】「ケイ酸(シリカ)」で細胞を強化する裏技
ここで、海外の斑入りモンステラ愛好家の間では常識となりつつある、とっておきのテクニックをご紹介します。
それは、「ケイ酸(シリカ)」を与えることです。
植物は根からケイ酸を吸収すると、それを葉の細胞壁に蓄積してガラス質化させ、物理的に硬く丈夫にする性質があります。
通常の肥料(窒素・リン酸・カリ)とは別に、ケイ酸を含む活力剤(「珪酸カリ」など)を定期的に与えることで、光合成能力のない弱い白い部分の細胞壁が強化され、葉焼けや乾燥による変色(ブラウニング)に耐える力がアップすると言われています。
茨城県農業総合センターHPでは、水稲(イネ)の高温障害対策としてケイ酸質肥料の施用を推奨しています。
ケイ酸の施用は稲体組織を強くし、いもち病などの病害や風害に対する抵抗性をつけるほかに、穂温上昇防止や葉の光合成能を維持するなどの効果が確認されています。
「どうしても白い部分を綺麗に保ちたい!」という方は、ぜひ試してみる価値があるケア方法です。
照明環境の最適化:育成ライトの活用
斑入り品種は「強い光はNGだけど、光量は必要」というジレンマがあります。
窓辺の自然光だけでは、季節によってこのバランスを取るのが非常に難しいのが現実です。
そこでおすすめなのが、「植物育成ライト」の導入です。
LEDライトなら葉焼けの原因となる熱をあまり出さずに、光合成に必要な光だけを安定して供給できます。
窓から離した安全な場所で、育成ライトを使って光量をコントロールするのが、高価な斑入りモンステラを美しく保つ一番の近道かもしれません。
直射日光を防ぐ置き場所と対策


回復を待つ間、そして今後新しい葉を二度と焼かないためには、置き場所の環境改善が不可欠です。「なんとなく窓辺」はやめて、モンステラにとって快適な光環境を作りましょう。
理想的な光環境
ベストな環境は、「レースカーテン越しの日光が当たる、風通しの良い場所」です。
具体的には、本が読めるくらいの明るさは必要ですが、肌にジリジリくるような直射日光はNGです。
南向きの窓辺ならレースカーテン必須、東向きの窓辺なら午前中の柔らかい光が当たる場所が最高です。
窓ガラス越しの注意点
「ガラス越しだから大丈夫」と思うのは危険です。
透明なガラスは直射日光をほぼそのまま通しますし、ペアガラスでない場合は熱がこもりやすく、窓際がサウナ状態になることがあります。
夏場は窓から1メートルほど離すか、必ず遮光カーテンやブラインドで光を和らげてください。
屋外管理の場合
春〜秋にベランダや庭に出す場合は、必ず遮光ネット(遮光率30%~50%)を使用しましょう。
ホームセンターや100円ショップでも手に入ります。
また、コンクリートの床に直置きすると、照り返しの熱で「下からの葉焼け」や根のダメージが起きるので、スノコやフラワースタンドを使って鉢を地面から離すことも重要です。
まとめ:二度とモンステラを葉焼けさせないために
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
モンステラの葉焼けは、植物からの「光が強すぎるよ!」「暑すぎるよ!」という必死のSOSサインです。
一度焼けてしまった葉は元には戻りませんが、それはモンステラが枯れてしまうことを意味するわけではありません。
大切なのは、「早めに気づいて環境を変えること」と「適切な剪定で株の負担を減らすこと」です。
私自身も失敗を繰り返しましたが、葉焼けを経験した株は、その後適切な環境に移してあげることで、以前よりも立派な新しい葉を出して復活してくれました。
焦らず適切な処置をして、環境を整えてあげれば、モンステラは必ずまた元気な姿を見せてくれます。
特にこれからの季節、日差しの角度や温度の変化には気をつけて、あの美しい切れ込みのある葉っぱを楽しんでくださいね。









