成長を楽しみにしていたモンステラの新しい葉がくるくると巻いたまま一向に開かない、という悩みをお持ちではありませんか。せっかく出てきた新芽が広がらないと、「葉が開かないのはなぜ?」「このまま枯れてしまうのでは?」と不安になりますよね。葉っぱがぐるぐる丸まるのはなぜか、原因を知りたい方も多いでしょう。
モンステラは、熱帯アメリカ原産のつる性植物で、その特徴的な葉の形から、インテリアとしても高い人気を誇ります。
生命力が強く、初心者でも比較的育てやすい植物です。しかし、適切な育て方や環境が整っていないと、新芽の成長が滞ることがあります。
特に、葉が丸まるのは、水不足だと分かるサインや、夏や冬の季節による環境変化が関係していることが多いです。
この問題の解決には、乾燥対策として霧吹きをしたらどうなるか、そして日常の水やり頻度をどうするかといった管理方法の見直しが不可欠です。
また、新芽のトラブルだけでなく、モンステラの葉が割れない、茎が不自然にうねうねするといった他の生育上の問題や、新しい葉はどこから出るのかという成長の仕組みを理解することも、健康な株を育てる上で大切になります。
この記事を最後まで読むことで、モンステラの葉が曲がる・波打つといった異常も含め、新芽のトラブルを解決し、長く美しいモンステラを楽しむためのヒントが得られるでしょう。
- 新しい葉が丸まったまま開かない主な原因と環境ストレスの見分け方
- 水やり、湿度、温度など季節に合わせた管理の正しい知識
- 根詰まりやその他の生育異常への具体的な対処法
- 新芽を健康にするための日々の育て方のコツ
モンステラの新しい葉がくるくるになるのはなぜ?主な原因と症状の見分け方

- 葉っぱがぐるぐる丸まるのはなぜ?葉が開かない根本的な理由
- 水不足だと分かるサインは?
- 葉が丸まる夏・冬の時期別の原因
- 葉が曲がる・波打つ時の確認ポイント
- 新しい葉はどこから出てくる?成長の仕組み
葉っぱがぐるぐる丸まるのはなぜ?葉が開かない根本的な理由

モンステラの新しい葉がくるくると巻いたまま開かなかったり、既存の葉が内側に丸まったりするのは、植物が環境ストレスから身を守ろうとする防御反応であることが主な理由です。
葉が内側に巻くのは、葉の表面積を小さくすることで、葉からの蒸散(水分蒸発)を抑えようとしているサインなのです。この現象の根本的な原因は、水分、湿度、エネルギーの不足に集約されます。
1.水分・湿度バランスの乱れ
モンステラは熱帯雨林原産であり、本来は70%前後の高い湿度を好む性質を持っています。このため、日本の一般的な室内、特にエアコンや暖房を使用する冬場などは湿度が極度に低下し、新芽が乾燥ストレスを強く受けます。
- 湿度不足:
湿度が低い環境では、新芽の組織が柔らかいため水分が奪われやすく、展開がスムーズに進みません。乾燥した状態が続くと、新芽の組織が硬化してしまい、結果的に開かずに茶色く変色して枯れてしまうことさえあるのです。開葉を促すには、霧吹きなどで新芽の周囲の湿度をこまめに高める必要があります。 - 水分不足:
土の水分が不足している場合、根が十分な水を吸い上げられず、葉の水分が失われて丸まってしまいます。これは最も一般的な原因の一つです。
2.根の健康問題と光・温度の不足によるエネルギー欠乏
新芽が開くためには、根から吸収した大量の水分と栄養(エネルギー)が必要です。そのため、根の健康状態や環境によるエネルギー供給の不足も、葉が開かない大きな原因となります。
- 根のトラブル(根腐れ・根詰まり):
土に水分が足りているにもかかわらず葉が丸まる場合、根腐れや根詰まりを疑うべきです。根腐れによって根が傷んでいる状態では、いくら水を与えても水や栄養が新芽まで届きません。また、根詰まりを起こしていると、鉢の中で根がぎゅうぎゅうに詰まり、水や空気の通りが悪くなるため、栄養供給が滞ってしまいます。これらの根のトラブルは、新芽の成長に必要な活力を奪ってしまうのです。根のトラブルが疑われる場合は、植え替えを行うことも検討してください。 - 光不足:
暗い場所に長時間置かれると、光合成が十分に行われず、葉の展開に必要なエネルギーが不足し、新芽の成長が滞ってしまいます。 - 低温ストレス:
室内温度が低温であることも葉の成長を遅らせ、新芽が巻いたままの状態が続く要因になります。低温により葉の水分循環が滞ると、新芽がダメージを受け、黒く変色してしまうこともあるため、特に冬場は注意が必要です。
水不足だと分かるサインは?

モンステラが水不足だと分かるサインは、葉の状態や土の様子を注意深く観察することで明確に把握できます。
土が乾いているのに水やりを怠ると、葉先まで水分が行き渡らなくなり、葉の張り(ハリ)が失われることでしおれて垂れ下がることがあります。
これは植物が水分を求めている、非常に分かりやすいサインです。
土が乾きすぎている場合は、鉢を軽く持ち上げると、水を与えた時と比べて極端に軽く感じるはずです。これも重要な判断基準になります。
さらに症状が進行すると、葉の縁や先端から茶色く枯れることが始まります。
そして、新しい葉がくるくると丸まったまま開かない状態が続くのも、水不足のサインの一つです。
このサインを見逃し水不足が続くと、葉が乾燥して紙のようにパリパリになり、回復させるのが非常に難しくなってしまいます。
水不足と、見た目の症状が似ている根腐れとを区別するためには、土の状態や鉢の重さを確認することが重要です。
症状 | 水不足の可能性が高い場合 | 根腐れの可能性が高い場合 |
---|---|---|
土の状態 | 表面だけでなく中まで完全に乾いている | 土がいつまでも湿ったままで乾かない |
葉のハリ | 葉が薄く柔らかく、しおれる | 葉が黄色く変色し、ふにゃふにゃになる |
鉢の重さ | 極端に軽い | ずっしりと重い |
根の状態 | 根のチェックで白い根が多い | 根が黒く軟化し、腐敗臭がすることがある |
葉が丸まる夏・冬の時期別の原因

葉が丸まる夏・冬の時期別の原因を突き止めるには、季節ごとの環境条件と、モンステラの生育サイクルを理解することが非常に重要です。
季節特有のストレスを知ることで、水やり頻度や置き場所などの管理方法を適切に調整できます。
夏(乾燥、葉焼け、根の蒸れ)
夏は気温が非常に高くなるため、水の蒸発速度が速くなり、モンステラが水切れを起こしやすく、その結果として葉が丸まります。
たとえ鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水を与えても、土がすぐに乾いてしまうため、水やりの間隔が開きすぎないように注意が必要となります。
一方、水を与えすぎた場合も問題が発生します。
水のやりすぎは鉢内の土を常に湿った状態にし、根腐れにつながります。根腐れを起こすと、根が傷つき、機能が停止してしまうため、水があるにもかかわらず吸水できなくなり、葉が丸まるという症状が出てしまうのです。
このため、夏場は「水切れ」と「根腐れ」のどちらの可能性も考慮して対処することが大切になります。
さらに、室内の場合は特に、エアコンの使用で空気が乾燥し、葉から水分が奪われやすくなります。
加えて、窓越しであっても直射日光が長時間葉に当たると、葉の温度が上がりすぎるのを防ごうとして葉が丸まったり、葉焼けを起こしたりします。また、エアコンの風が直接当たって急激な乾燥にさらされると、葉が反り返ることもあります。
冬(低温、乾燥)
冬はモンステラの生育が緩慢になり、ほとんど活動を停止する時期です。
この時期に葉が丸まる主な原因は、低温ストレスです。モンステラは耐寒性が弱い熱帯植物であり、気温が最低10℃を下回るような環境に長時間さらされると、根の活動が鈍り、水分の吸収ができなくなります。
結果として、葉先まで水分が行き渡らない生理的な水不足の状態になり、葉が丸まります。
気象庁HPのデータを参考にすると、2024年の東京における最低気温は以下のとおりとなっており、1月最低気温が2.9℃まで下がっています。
これでは耐寒性の弱いモンステラは活動することが困難になることが容易に想像できると思います。

前述の通り、モンステラは寒いのが苦手です。低温により葉の細胞がダメージを受けることで、この現象が顕著になります。
また、暖房を使用することで室内の空気が乾燥し、湿度不足になることも葉が丸まる大きな原因です。
乾燥した空気に葉がさらされると、植物は水分放出を防ぐために葉を丸めて、自らを守ろうとします。
しかし、この時期に水やりを増やしても、根が低温で活動していないため、水のやりすぎとなり根腐れのリスクを高めてしまうだけです。
そのため、冬場は水やりを控えめにしつつ、葉水などで湿度を補うバランスの取れた管理が重要となります。
葉が曲がる・波打つ時の確認ポイント

モンステラの葉が曲がる、あるいは波打つという変形が見られた場合、それが「一過性の生育上の現象」なのか、「持続的な環境ストレス」によるものなのかを、正確に見極めることが問題解決への第一歩となります。
この葉の変形は、モンステラからの非常に重要なサインと考えることができます。
葉の縁全体が不自然に波打つように曲がる現象は、主に水分バランスの乱れや肥料の過剰(肥料焼け)が原因であると考えられます。
葉が展開する際に、水分や養分が葉の組織全体に均一に行き渡らないと、成長速度にばらつきが生じ、結果として葉が波打ったような不規則な形になってしまいます。
この症状が出た場合、肥料を規定量より濃く与えていないか、あるいは土の乾湿のサイクルが極端に乱れていないかを確認してください。
特に、液体肥料を希釈せずに与えることは肥料焼けを引き起こし、根を傷める原因となるため避けるべきです。
一方で、葉先や葉全体が外側へ反り返るように曲がる場合は、強い光(強光障害)やエアコンの風による乾燥ダメージ、あるいは急激な温度変化のサインである可能性が高いです。
空調の風が一定方向から強く当たると、葉が急激に乾燥するのを防ぐために、自衛反応として内側や外側に葉を反らし始めます。
これは、葉の表面積を減らして水分の蒸発を抑えようとする試みなのです。
この場合は、まずモンステラを空調の風が直接当たらない場所に移動させ、葉水などで湿度を高める対策を講じる必要があります。
また、これらの環境要因とは別に、病害虫の被害も葉の変形を引き起こします。
例えば、乾燥を好むハダニや、新芽に集まりやすいアブラムシなどの害虫が葉の栄養を吸汁すると、葉の生育が阻害され、不自然にねじれたり、曲がったりすることがあります。
このため、葉の変形を見つけたら、必ず葉裏や茎の付け根を丁寧にチェックし、小さな虫やベタつきがないかを確認することが大切になります。
以上の点を踏まえると、葉の変形は、水、光、栄養、害虫のいずれかに問題があることを示していると言えるでしょう。
新しい葉はどこから出てくる?成長の仕組み

モンステラの新しい葉はどこから出てくるかというと、主に茎の節にある成長点から発生します。この成長の仕組みを理解すると、新芽のトラブルにも落ち着いて対応できます。
モンステラの茎をよく観察すると、葉が付いている部分に「節(ノード)」と呼ばれるわずかに膨らんだ箇所が存在します。
新しい葉や茎を生み出す能力を持つ成長点は、この節の部分や茎の最も先端に潜んでいます。
通常、新芽は既存の葉の葉柄(葉と茎をつなぐ部分)の付け根から、あるいは茎の最上部の成長点から、特徴的なドリル状に巻かれた状態で姿を現します。
新芽が最初に巻いているのは、まだ柔らかい組織を外部の乾燥や物理的なダメージから守るための自己防衛の仕組みです。

成長期(春から夏)に入ると、適切な光、水、温度という環境条件が整うことで、この成長点が活発になります。
環境が良ければ、モンステラは約1〜2ヶ月に1枚のペースで新芽を展開することが多いです。
新芽は最初は巻かれた状態でゆっくりと伸びていき、環境が整っていれば通常1〜2週間ほどで広がります。
しかし、前述の通り、湿度不足や低温、根のトラブルなどがあると、この開葉のプロセスが停滞してしまうのです。
ここで注目すべきは、モンステラの持つ生命力の強さです。
例えば、徒長した茎を切り戻す剪定を行った際、先端の成長点を切断したとしても、心配する必要はありません。
モンステラは、茎の節の別の場所に休眠していた成長点を活性化させ、そこから「脇芽(わきめ)」として新しい葉を出す能力を備えているからです。
そのため、樹形を整えるために剪定を行っても、再び生長を再開することができるのです。
モンステラの新しい葉がくるくるになる状態を改善!具体的な対策と予防の育て方

- 適切な水やり頻度・量・タイミングは?
- 霧吹きをしたらどうなる?その効果
- うねうねした茎や気根への対処法
- モンステラの葉が割れないのはなぜ?原因と対策
- 健康に育てるための基本的な育て方
適切な水やり頻度・量・タイミングは?

モンステラを健康に育てるためには、水やり頻度・量・タイミングを季節や株の状態に応じて繊細に調整することが、最も重要な要素です。
水やりの基本は「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」ことですが、この「乾き具合」を把握することが上手に育てるための鍵となります。
水の量に関しては、鉢底から水が流れ出るまで与えることで、土全体に水が行き渡り、同時に土中の古い空気や老廃物を押し出すことができます。
しかし、この後に必ず守っていただきたいのが、受け皿に溜まった水をすぐに捨てるという点です。
溜め水は鉢底の穴を塞ぎ、根が水に浸かったままになるため、酸素不足を引き起こし、根腐れの原因となります。
季節ごとの水やり調整のポイント
水やりのタイミングは、季節によって根の吸水能力と水の蒸発量が大きく変わるため、特に注意が必要です。
季節 | 頻度(目安) | 水の量とタイミング | 注意点 |
---|---|---|---|
春・夏 | 土の表面が乾いたら(週1~2回程度) | 鉢底から出るまでたっぷりと。朝か夕方の涼しい時間帯に与えます。 | 夏の日中は土中の水が熱湯になるリスクがあるため避けてください。水切れには要注意です。 |
秋・冬 | 土が完全に乾いてから2~3日後(10日に1回程度) | 控えめに。日中の暖かい時間帯に与えます。 | 寒い時期の水のやりすぎは根腐れの主な原因となります。土が冷たいと根が傷むため、常温の水を使用します。 |
夏場はモンステラの成長が最も活発になる時期です。このため、水分の要求量が多く、水切れを起こしやすいです。
水をたっぷり与える際は、気温が下がる朝の早い時間か、夕方を選ぶようにしてください。日中の暑い時間に水やりをすると、鉢の中の温度が急上昇し、根にダメージを与えるリスクが高まります。
一方、冬場は生育が緩慢になり、水の吸収量が大幅に減少します。このため、土が完全に乾いてからさらに数日待ってから、控えめに水を与えるのが基本です。
この時期に冷たい水道水をそのまま与えると、根が急激に冷やされて傷む原因となります。したがって、汲み置きしておいた常温の水を使うのが理想的です。
また、土の乾燥が進みすぎ、土がカチカチに硬くなっている場合は、水やりをしても水が土に染み込まず、鉢と土の隙間を通り抜けてしまうことがあります。
このような極度の水不足状態にある場合は、バケツなどに水を溜めて鉢全体を浸し、鉢底からゆっくりと水を吸水させる「腰水(こしみず)」を行うことで、土全体に水を均一に行き渡らせるようにしましょう。
このひと手間が、乾燥で弱った株を復活させるきっかけとなる場合があります。
霧吹きをしたらどうなる?その効果

モンステラの葉がくるくると巻いている状態の改善や予防のために霧吹きをすることは、モンステラが好む湿度を直接供給し、新芽が広がるのを促すという、非常に大きな効果があります。
なぜなら、モンステラは熱帯原産の植物であり、本質的に高い湿度を好む性質を持っているからです。
葉水(霧吹き)を行うことで、葉の表面に薄い水膜が形成されます。これにより、葉からの水分の蒸散を一時的に抑えることができるため、葉の乾燥を防ぐことができます。
特に、新しい葉がくるくると巻いたまま開かない場合、霧吹きをこまめに行い新芽の周りの湿度を物理的に高めることで、新芽の組織が柔らかくなり、葉が開きやすくなる効果が期待できるのです。
さらに、葉水には湿度補給以外にも、以下のような多くのメリットがあります。
葉水によるメリット
- ハダニ予防:
乾燥を好むハダニなどの害虫は、湿度の高い環境を嫌います。葉水を日常的に行うことで、ハダニの発生を抑制し、予防する効果が期待できます。 - 病害虫の早期発見:
葉の表裏に霧吹きをかける際、葉の異常を間近でチェックできるため、害虫の付着や病気の兆候を早期に発見しやすくなります。 - 光合成促進:
葉の表面にホコリが溜まると、日光の吸収を妨げ、光合成の効率が低下します。霧吹きによってホコリを洗い流すことで、葉を清潔に保ち、光合成の効率を高めることにも繋がります。
葉水は毎日行っても問題ありませんが、実施するタイミングには注意が必要です。
夜間に葉が濡れたままだと、気温が低い環境では葉が冷えたり、湿気がこもりカビや細菌性の病気の原因になることがあります。
したがって、葉水は日中の暖かい時間帯に行い、夜になる前には葉の水分が乾いている状態を目指すようにしましょう。
うねうねした茎や気根への対処法

モンステラの茎や気根がうねうねと曲がりくねってしまう現象は、この植物が元々持っているつる性の性質と、光の方向を本能的に求めて成長する特性によるものです。
本来、モンステラは熱帯のジャングルで、他の樹木や岩に太い気根をしっかりと絡みつけながら、より明るい場所を目指して上へ上へと伸びていく植物なのです。
室内で管理していると、この習性から窓などの光が当たる一方向に偏って茎が伸びることが一般的です。
結果として、茎や気根が不規則に曲がったり、株全体が斜めに傾いたりして、見た目のバランスが悪くなってしまいます。
樹形を整えるための具体的な対処法
このような傾きやうねうねを解消し、まっすぐな樹形を保つためには、支柱を立てて固定することが最も有効な対処法となります。
- 支柱の種類:
ホームセンターなどで手に入るヘゴ棒(ヘゴ支柱)やココスティック(ヤシの繊維を巻いた支柱)を使うのがおすすめです。これらの支柱は表面がざらざらしており、モンステラの気根が絡みつきやすいため、株が安定しやすいというメリットがあります。 - 固定方法:
成長期(春から秋)に、傾きを直すように支柱を土に深く差し込みます。茎を支柱に沿わせ、麻ひもなどで「8の字」に緩く固定してまっすぐな樹形を保つようにしましょう。この固定は茎を締め付けすぎないようにすることが大切です。
また、定期的に鉢の向きを回転させるという予防策も非常に有効です。
鉢を1~2週間に一度回すことで、株全体に均等に光が当たるようになり、一方向に偏って茎が曲がるのを予防できます。
伸びすぎた気根の扱い方
伸びすぎた気根については、切るか切らないかで迷う方も多いですが、結論から言えば、切っても大きな問題はありません。
しかし、本来気根は株を支えたり、空気中の水分や養分を吸収したりする大切な役割を担っています。
そのため、可能であれば見栄えが悪いと感じても、切らずに土の中に誘導してあげるのが理想的です。気根が土に根付けば、株の安定につながり、さらなる成長を促すことができます。
もし切り取る場合は、清潔なハサミを使い、切り口から病気が入らないように注意してください。
モンステラの葉が割れないのはなぜ?原因と対策

モンステラの葉が割れない(特徴的な切れ込みや穴が開かない)のはなぜかというと、葉に切れ込みを入れるという現象が、モンステラが成熟した株に成長し、適切な生育環境下にあるときに初めて発現するサインだからです。
葉が割れるのはモンステラの野生での生き残り戦略です。
諸説ありますが、葉を大きく広げても、下の葉にも光と風を行き渡らせるために進化した結果と考えられています。
したがって、葉が割れない主な理由は、株がまだ未熟であるか、その進化の機能を発揮する必要がない環境(光や栄養が足りない環境)に置かれていることにあるのです。
葉が割れない原因 | 対策 |
---|---|
日照不足 | レースカーテン越しの明るい場所へ移動し、光合成を促進します。日光の角度を変えるため、定期的に鉢の向きを回転させるのも有効です。 |
株の未成熟・栄養不足 | 成長期(春~秋)に液体肥料や緩効性肥料を定期的に与え、株全体を充実させる時間を与えます。焦らず生育を見守ることが大切です。 |
根詰まり・土壌劣化 | 根詰まりが疑われる場合は、生育期に一回り大きな鉢に植え替えを行い、通気性の良い新しい土に更新します。 |
注意点として、一度割れなかった葉が後から時間が経って自然に割れることは基本的にありません。
葉の切れ込みは、葉が巻いた状態から開くまでの間に形成されるものです。したがって、現在割れていない葉はそのままの形で固定されます。
このため、私たちが今できることとしては、生育環境を改善し次に生えてくる新しい葉が割れるように株の活力を最大限に高めてあげることです。
ただし、生育環境を改善しても割れない場合、品種によってはそもそも葉が割れにくい種類や、成熟しても切れ込みが入らない種類(例:モンステラ・スタンデリアナなど)である可能性も考えられます。
健康に育てるための基本的な育て方

モンステラを健康に育てるための基本的な育て方は、熱帯植物であるモンステラが好む「光」「温度」「水」「風通し」の4つのバランスを、日常の管理の中で意識して整えることが鍵となります。
これらの要素を適切に管理することで、新芽のトラブルを防ぎ、美しい姿を保つことができるでしょう。
光と温度の管理
モンステラは本来、ジャングルの中で大きな木の葉の隙間から差し込む光を受けて育つため、明るい場所を好みますが、直射日光は苦手です。
そのため、夏の強い直射日光に当てると、葉の組織が壊れて葉焼けの原因となります。
葉焼けすると茶色や白に変色してしまい、元に戻ることはありません。
したがって、室内で管理する際は、レースカーテン越しの柔らかい光が当たる場所に置くのが理想的です。
日当たりが悪いと、徒長(とちょう)といって茎がひょろひょろと間延びし、葉の切れ込みも少なくなってしまいます。
温度については、モンステラは温暖な気候を好むため、冬場でも最低10℃以上を保てる場所で管理する必要があります。
理想的な生育温度は20℃から30℃の間です。特に冬は、夜間に窓際が外気の影響で冷え込み、葉や根に低温障害を与える可能性があるため、夜間は窓から少し離して設置してください。
また、エアコンや暖房の風が直接葉に当たると、急激な乾燥を引き起こし、葉が傷んだり、害虫(特にハダニ)が発生したりする原因となるため、風が当たらない場所に置くことも大切です。
剪定と植え替えの重要性
モンステラは生命力が強く、成長が早い植物であるため、剪定と植え替えの適切なケアが欠かせません。
この定期的な手入れを行うことで、株の健康と美しい樹形を維持できます。
まず、剪定は、葉が茂りすぎ、密集するのを防ぎ、風通しを良くするために行います。風通しを良くすることで、カビなどの病気や病害虫の発生を予防する効果があります。
傷んだ葉や茂りすぎた葉は、モンステラの成長期(5月~9月)に、清潔なハサミを使って付け根から切り落としましょう。剪定は、株のエネルギーを新しい成長点に集中させる役割も果たします。
次に、植え替えの重要性です。
モンステラは根の成長も早いため、鉢の中で根がぎゅうぎゅうに詰まる根詰まりを起こしやすいです。
根詰まりが起こると、水や栄養の吸収が滞り、葉が丸まったり、新芽が開かなくなったりといった生育不良の原因となります。
そのため、2~3年に一度は、根詰まりを解消し、新しい土に更新するために一回り大きな鉢へ植え替えることが、株の活力を保つ鍵となります。
植え替えは、植物のダメージが少ない春から初夏にかけて行うのが最適です。
秋や冬の植え替えは、株が休眠期に入っているため、回復が遅れるリスクがあるので避けてください。
植え替えの際は、排水性と通気性の良い観葉植物用の土を選ぶようにします。
まとめ:モンステラの新しい葉がくるくるするになる時の対処法
- モンステラの新しい葉がくるくるするのは水分不足や乾燥に対する防御反応である
- 新芽が開かない場合はまず霧吹きで湿度を上げることが効果的
- 水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと与え受け皿の水を必ず捨てる
- 葉が丸まる原因として低温や日光不足、根詰まりも考えられるため環境をチェックする
- 水不足のサインは葉のしおれや鉢が極端に軽くなることで判断できる
- 葉が曲がったり波打ったりするのは水分や肥料のバランスを見直す必要がある
- モンステラは茎の節にある成長点から新しい葉を出す
- うねうねした茎には支柱を立ててまっすぐな樹形に整える
- モンステラの葉が割れないのは株が未成熟または日照不足が原因である
- 葉が丸まる夏は水切れと乾燥冬は低温と乾燥対策が重要である
- 根詰まりや根腐れを防ぐため適切な時期に植え替えを行う
- 生育期(春から秋)には定期的に肥料を与えて株を充実させる
- 葉水はハダニ予防や光合成促進にもつながるため日常的に行う
- 葉の変色や変形が見られたら病害虫がいないか葉裏を観察する
- 健康に育てるための基本的な育て方は光・温度・水・風通しのバランスを保つこと