こんにちは。「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。
モンステラって、ぐんぐん育ってくれるのは嬉しいけど、気づいたら伸びすぎたり、形が崩れてきたりしますよね。
「剪定した方が良さそうだけど、モンステラのどこを切るのが正解なの?」
「変な場所を切って枯らしてしまったらどうしよう…」
そんな不安から、ハサミを入れるのをためらっていませんか?
私も最初は、モンステラの剪定で切る場所が分からず、すごく悩みました。
リビングのモンステラが成長しすぎて、なんだかアンバランスになってきたり、葉が茂りすぎて部屋が暗く感じたり…。
特に、茎から飛び出す「気根」の扱いはどうすればいいのか、まだ「小さい」株の場合はどこから手をつければいいのか、分からないことだらけでした。
剪定の「やりすぎ」で「丸坊主」にしてしまっても大丈夫なのか、勇気を出して切ったのに「剪定後に新芽が出ない」ときの対処法など、心配は尽きないですよね。
この記事では、そんなお悩みを解決するために、モンステラの剪定で「どこを切るべきか」を、私の経験も踏まえながら分かりやすく解説していきます。
また、剪定の基本的なルールから、伸びすぎた茎の立て直し(切り戻し)、葉の間引き、さらには剪定した枝を使った増やし方まで、この一本でまるっと理解できるようになっています。
剪定に最適な「時期」や、注意すべき「樹液」が手についた時の対処法もしっかりお伝えするので、安心してチャレンジできますよ。
- モンステラの剪定で切るべき「節」という基本の場所
- 目的別の剪定方法(仕立て直し・間引き・増殖)の違い
- 剪定のベストな時期と、揃えておきたい道具
- 剪定後のケアと「新芽が出ない」などトラブル解決法
モンステラの剪定ではどこを切るべき?切る場所の基本

まずは、モンステラの剪定で絶対に失敗しないための、いちばん大事な基本ルールから見ていきましょう。
どこを切るか、その「切る場所」さえ間違えなければ、モンステラはちゃんと応えてくれます。
剪定の時期や、気になる気根の扱い方など、基本的な疑問をここでスッキリ解決しちゃいましょう!
剪定の基本は「節」の3〜5cm上
モンステラの剪定でどこを切るか迷ったら、答えはいつも「節(ふし)」にあります。
ここが、モンステラの再生のスタート地点になるんです。
でも、「節ってどこ?」となりますよね。まずは節の見つけ方からマスターしましょう。
節(ふし)と成長点の見つけ方
「節」は、モンステラの茎(幹)をよーく観察すると見つかります。
竹の節のように、少しポコッと膨らんでいたり、色が違ったりする部分です。具体的には、以下のような特徴があります。
- 葉柄(葉の軸)が茎から分岐していた跡
- 気根(茶色い根)が生えている付け根
- 茎の表面が少し膨らんでいるか、シワが寄っている部分
そして、その「節」の周りには、「成長点」という、とっても大事な部分が隠れています。
これは「腋芽(えきが)」とも呼ばれ、次の新しい芽のタネになる場所です。
小さくポチッとした突起や、古い皮に隠れた膨らみとして確認できることがあります。
剪定前には、この成長点がどこにあるかをしっかり確認することが成功の鍵です。

なぜ節の「すぐ上」で切らないの?
剪定するときは、この成長点を傷つけないように、残したい節の3〜5cmほど「上」をカットするのが黄金ルールです。
「どうして節のギリギリ上じゃダメなの?」と疑問に思うかもしれません。
もし節のすぐ上で切ってしまうと、切り口が乾燥したり、そこから病原菌が侵入したりして「枯れ込み」が起きた時、いちばん重要な「成長点」までダメージが達してしまうリスクがあります。
新芽のタネがダメになってしまったら、元も子もないですよね。
この「3〜5cm」という余裕は、大事な成長点を守るための余白、あるいは「捨て茎」として機能します。
万が一切り口から枯れ込みが始まっても、そのダメージを節の上の部分で食い止め、生命線である成長点を確実に保護するための、重要なリスク管理テクニックなんです。
一番やっちゃダメなこと:節のない場所で切る
剪定における最大の失敗は、この「節」を意識せず、節と節の間のツルツルした部分(節間)で切ってしまうことです。
そこには成長点が存在しないので、新しい芽は二度と出てきません。
最悪の場合、切った茎全体が枯れてしまう可能性もあるので、必ず「節を残す」ことを徹底してくださいね。
momo私も昔やらかしたことがあるんです。
元気のない茎の途中をパチンと切ったんですが、いつまで経っても新芽は出ず…。
それどころか、その茎は上からどんどん元気がなくなって、結局その一本はダメになってしまいました。
「あ、節を残さなかったからだ!」と気づいたのは、ずいぶん後になってからです。
剪定の時期は5月から9月が最適
剪定は、モンステラにとって一種の手術のようなもの。だからこそ、回復力がいちばん高まっている時期に行うのがベストです。
なぜ「生育期」がベストなのか?
具体的には、成長が活発になる5月〜9月の「生育期」が剪定のベストシーズン。日本の多くの地域で、気温が安定して20℃以上になる時期ですね。
この時期はモンステラの生命力が最も旺盛で、剪定によるダメージからの回復が非常に早いです。
カットした部分からすぐに新しい芽が出てきやすいですし、株全体の体力的な負担も最小限に抑えられます。
特に、梅雨の時期(6月〜7月)は空中湿度が高く、新しい根や芽が動くのに適した環境とも言えます。
ただし、湿度が高い分、切り口から雑菌が入らないよう、ハサミは清潔なものを使うよう一層注意が必要ですね。
「休眠期(秋・冬)」の剪定はNG
逆に、気温が下がってくる秋以降(10月頃から)や冬は、モンステラの成長がゆっくりになる「休眠期」に入ります。
この時期に剪定してしまうと、回復が遅れて新芽も出にくく、切り口がうまく塞がらずに乾燥して枯れ込んでしまうリスクが高まります。
冬にできるのは、寒さで傷んでしまった葉や、完全に枯れた葉を「間引き剪定」で取り除くくらいのお手入れに留めておくのが安心です。
樹形を大きく変えるような「切り戻し剪定」は、必ず春まで待ってください。
小さいモンステラの剪定場所は?
「うちのモンステラはまだ小さくて、茎もあまり伸びてないんだけど…」という場合、つまり、まだ茎が立ち上がっていない(幹上がりしていない)ような若い株の場合ですね。
こういった株は、無理に茎を切る「切り戻し剪定」をする必要はまったくありません。
もし、葉の数が増えすぎて少しスッキリさせたいな、という「間引き剪定」が目的なら、減らしたい葉の「葉柄(葉の軸)」の根元からカットしてあげましょう。
ただし、小さな株でも、株元からドリルのような新しい芽(次の葉っぱ)が準備されていることがあります。
この新芽は非常にデリケートなので、ハサミを入れる際に絶対に傷つけないよう、細心の注意を払ってくださいね。
小さな株は、まずは元気に大きく育ってもらうのが一番です。
切れ目のない葉っぱだけの剪定方法


モンステラは、幼い株のうちは切れ込みのないハート型の可愛らしい葉を出します。
これは「幼葉(ようよう)」と呼ばれるものです。
株が成熟して体力がついてくると、ようやく、あのカッコいい切れ込みや穴の入った「成葉(せいよう)」が出てくるようになるんですね。
「切れ込みのある葉で統一したいな」「古い幼葉が邪魔になってきた」という理由で、この切れ目のない葉だけを剪定しても、全く問題ありません。
株の健康に影響して枯れてしまうようなことはないので、理想の樹形をイメージしながら剪定して大丈夫です。
この場合も「間引き剪定」と同じ要領で、取り除きたい葉の「葉柄の付け根」からカットしてあげてください。
伸びすぎた茎の立て直し剪定
モンステラが伸びすぎてアンバランスになってきたり、天井に届きそうになったりした時に行うのが「切り戻し剪定」です。これは樹形を仕立て直すための、最も基本的な剪定ですね。
切り戻し剪定の簡単3ステップ
やり方はとてもシンプルで、基本ルールさえ守れば誰でもできます。
- STEP1:理想の形をイメージする
まず、剪定後に「このくらいの高さにしたいな」「ここから新しい芽を出させたいな」という理想の形を具体的にイメージします。 - STEP2:「節」を見つける
次に、その理想の高さより少し下にある「節(成長点)」を見つけます。ここが、新しい芽のスタート地点になります。 - STEP3:節の「3〜5cm上」でカットする
見つけた節を傷つけないよう、その節の「3〜5cm上」の「節間」を、清潔な剪定ハサミでパチンとカットします。
たったこれだけです。
カットした後、残った株(根っこに近い方)は、数週間〜数ヶ月すると、残した節の成長点から新しい芽がにょきにょきと伸びてきてくれますよ。
切った上部の茎も、「挿し穂」として増やすのに使えるので、捨てずに取っておきましょう!
邪魔な気根は切っても大丈夫?


モンステラから伸びてくる、茶色くてヒョロヒョロした根っこ、これが「気根(きこん)」です。見た目がちょっと…と悩む方も多いですよね。
気根の本来の役割とは?
この気根、実はモンステラが自生地(熱帯雨林)で生き抜くために発達させた、重要な器官なんです。主な役割は2つあります。
- 体を支える(支持): つる性のモンステラが、他の木や岩に張り付いて、大きくなる体を支えるアンカーの役割。
- 水分・養分の吸収: 空気中の水分や養分を吸収したり、地面に到達して根になったりする役割。
お部屋の中で育てる場合は、こうした役割は必須ではありません。結論から言うと、邪魔な気根は切っても大丈夫です!
切る場合の注意点と、切らない対処法
見た目が気になる場合は、清潔なハサミで根元からカットしてOKです。
ただし、気根も水分や養分を吸収する役割を担っているため、一度にたくさんの気根を切り落とすと、モンステラが少しストレスを感じて調子を崩すかもしれません。
剪定するのは1〜2本程度に留めておくのが無難かなと思います。
切る以外の選択肢「誘導」
切るのに抵抗がある場合は、気根を優しく曲げて「誘導」してあげるのもおすすめです。
- 鉢土に誘導する: 気根の先端をくるっと丸めて鉢の土の中に導きます。土に触れた気根は、やがて通常の根として機能し始め、株をさらに安定させてくれます。
- 支柱に誘引する: ヘゴ支柱(コケが巻かれた棒)などを使っている場合、そこに沿わせたり、軽く巻き付けたりして上方に誘導します。
植え替えのタイミングで、伸びた気根を一緒に土に埋め込んでしまうのも簡単で良い方法ですよ。
葉の剪定はどこを切る?間引きのコツ
葉っぱが密集して風通しが悪くなってきたな、と感じた時に行うのが「間引き剪定」です。これは茎を切る「切り戻し」とは目的が全く異なります。
間引き剪定のメリット
間引き剪定には、主に3つのメリットがあります。
- 光合成の効率化: 重なった葉を取り除くことで、残った葉にまんべんなく光が当たるようになります。
- 病害虫の予防: 風通しが良くなり、湿気がこもりにくくなるため、カビや害虫(特にカイガラムシやハダニ)の発生を予防できます。
- 美観の向上: 黄色くなった葉や、バランスの悪い葉を取り除き、見た目をスッキリ整えられます。
間引き剪定で切るべき葉は、主に「葉焼けや病気で変色した葉」「古くなって元気がなくなった下葉」「他の葉と重なって光を遮っている葉」などです。
「切り戻し」との決定的な違い
ここで大事なのが、「切り戻し剪定」と「間引き剪定」の違いをハッキリ理解しておくことです。
検索している方が混乱する最大のポイントがここかなと思います。
- 切り戻し剪定: 「再生」が目的。茎の「節の上」で切り、残した節から新芽を出させる。
- 間引き剪定: 「除去」が目的。葉の「葉柄の付け根」で切り、その葉を永久に取り除く。(切った付け根から新芽は出ません)
間引きの場合、切る場所は取り除きたい葉の「葉柄(ようへい=葉の軸)の付け根」です。
茎から直接生えている部分を、茎を傷つけないようにカットしてください。ここから切ることで、見た目もスッキリしますよ。


風通しが悪くなると、モンステラに発生しやすい害虫(カイガラムシなど)の格好の住処になってしまうので、定期的な間引きはとても大切です。
モンステラの剪定ではどこを切るべき?目的別の切る場所の答え


基本的な切り方がわかったところで、次はもう少しステップアップしたお話です。
剪定は、株を整えるだけでなく、「増やす」ための絶好のチャンスでもあります。
剪定した枝を使ってモンステラを増やしたい場合や、剪定後のトラブル対処法など、目的別の剪定について解説していきます。
これを知っておけば、モンステラの剪定がもっと楽しくなりますよ!
剪定で増やすなら気根を残すのがコツ
剪定でカットした茎(挿し穂)を使えば、モンステラは比較的簡単に増やすことができます。挑戦してみたい方も多いですよね。
そして、この「増殖」を成功させるための、ちょっとした裏技があります。
それが、「気根」をつけたままの茎をカットすることです。
なぜ気根があると有利なのか?
観賞目的の親株にとっては「邪魔なら切ってもいい」存在だった気根ですが、増やすための挿し穂にとっては、発根成功率をぐーんと上げてくれる「最強のボーナスパーツ」に変わります。
なぜなら、気根はすでに根としての機能(水分を吸収する準備)が半分できている状態だからです。
水や土に入れると、ゼロから新しい根を発生させるよりもずっと早く、元気に成長を始めてくれるんです。
3つの増殖カット方法
増やすために茎をカットする方法は、切り取る部位によって大きく3つに分けられます。
| カット方法 | 切る場所(定義) | 管理方法(カット直後) | 難易度 | 成長速度 |
|---|---|---|---|---|
| トップカット | 先端(頂芽)の葉を1〜3枚残してカット | 水挿し推奨 | 簡単 | 早い |
| ミドルカット | トップと株元の間の茎(節を含む) | 水挿し推奨(発根促進剤も) | 難しい | 遅い |
| ボトムカット | 根が残った株元(親株) | そのまま鉢植えで管理 | 簡単(発芽) | 早い |
- トップカット: 植物の成長が最も活発な「頂芽」を含むため、一番成功率が高く、成長も早いです。初心者の方に一番おすすめ。
- ミドルカット: 成長点(節)はありますが頂芽も根もないため、発根・発芽の難易度は高めです。
- ボトムカット: これは親株のこと。根が残っているので管理は一番楽で、残った節から元気に新芽が出てきます。



もし将来的に増やしてみたいな、という気持ちが少しでもあるなら、見栄えのために気根を切らずに、残しておくことを強くおすすめします!
剪定した枝を使ったモンステラの増やし方(挿し木や水挿し)については、別の記事で詳しく解説しているので、ぜひそちらも参考にしてみてくださいね。
剪定のやりすぎは大丈夫?丸坊主になってしまった時
「思い切って剪定したら、葉っぱが全部なくなって丸坊主になっちゃった!」…なんてこと、あるかもしれません。
私も初めて大胆な剪定をした時は、本当に復活するかドキドキしました。



当時、切った直後は、床に散らばった葉っぱの山を見て「本当にやりすぎたかも…」と、正直ちょっと青ざめました(笑)。
でも、安心してください。モンステラは生命力がとっても強いので、茎に健康な「節(成長点)」さえ残っていれば、またそこから新芽を出して復活してくれます。
丸坊主剪定の注意点
ただし、丸坊主にするような大胆な剪定(強剪定)は、株にとってかなりの負担になります。光合成をする葉がゼロになるわけですからね。
そのため、実行するには「時期」が命です。
必ず、回復力が一番高い生育期の初期(5月〜6月頃)に行ってください。
7月後半や8月など、生育期でも遅い時期に強剪定すると、冬が来るまでに十分な葉を展開して体力を回復できず、そのまま枯れてしまうリスクが非常に高まるので注意が必要です。
丸坊主にした後は、株の体力回復が最優先です。
モンステラの基本的な育て方(置き場所や水やり)の基本に立ち返り、特に水のやりすぎに注意しながら、慎重に管理しましょう。
関連記事:モンステラの葉水頻度はどれくらい?季節ごとの適切な間隔を徹底解説!
剪定後に新芽が出ない時の原因
「ちゃんと剪定したはずなのに、ぜんぜん新芽が出てこない…」と不安になることもありますよね。
そんな時は、慌てずに以下のポイントをチェックしてみてください。
1. 時期は合っていますか?(休眠期ではないか)
最もよくある原因です。もし秋や冬などの休眠期に剪定した場合、モンステラは活動をお休みしているので、新芽は出てきません。
春になって暖かくなるまで、気長に待ってみましょう。
2. 「節(成長点)」は残っていますか?
これが一番大事なポイントです。新芽は「節」にある成長点からしか出てきません。
もし間違えて節のない茎の真ん中(節間)で切ってしまった場合、残念ながらそこから新芽が出ることはありません。
3. もう少し待ってみる(株の体力不足)
適切な時期に、正しく剪定できていても、株の体力や個体差によっては、新芽が動き出すまでに数週間、時には数ヶ月かかることもあります。
茎がブヨブヨに腐っていなければ、諦めずに見守ってあげてください。



これ、すごくよく分かります。私も剪定した後、気になって毎日毎日「まだ出ない…」「大丈夫かな…」って切り口を眺めてはソワソワしていました。
でも、モンステラにも準備期間が必要なんですよね。忘れた頃に、ひょっこり緑色の小さなドリル(新芽)が顔を出すんです。
茎がブヨブヨに腐っていなければ、モンステラのペースを信じて、気長に待ってあげるのも大事なケアだなって学びました。
対処法:切り口が黒く腐ってきたら?
もし、剪定した切り口が黒っぽくなったり、ブヨブヨして腐ってきた場合は、すぐに対処が必要です。
腐敗が茎を伝って広がっている可能性があります。
清潔なハサミで、腐った部分をすべて取り除き、健康な緑色の組織が見えるまで切り直す必要があります。
この時、必ず「健康な節」が残るように、その節の3〜5cm上で切り直してください。
作業後は、切り口に癒合剤を塗布して、しっかり保護してあげましょう。
剪定後の正しいケアと管理方法


剪定後のモンステラは、手術を終えたばかりの患者さんのようなもの。
少しデリケートになっているので、優しくケアして、回復をサポートしてあげましょう。
親株(残った株)のケア
- 癒合剤: 特に太い茎を切った場合は、切り口から病原菌が入らないように「癒合剤(ゆごうざい)」という保護剤を塗ってあげると安心です。ホームセンターの園芸コーナーなどで手に入ります。
- 置き場所: 剪定後は株がダメージを受けています。回復に集中できるよう、1〜2週間は直射日光の当たらない「明るい日陰」で静かに休ませてあげてください。
- 水やり: 葉の量が減った分、水の蒸散量も減っています。土が乾くのが遅くなるので、「いつも通り」ではなく、「土が乾いたら」という基本を守り、水のやりすぎ(根腐れ)に注意してください。
- 肥料: 剪定直後は、根が肥料を吸う力も弱っています。肥料は与えず、残した節から新しい芽が元気に動き出したら、通常の肥料やりを再開します。
切った側(挿し穂)のケア
切り取った側の茎(挿し穂)は、水を入れた容器に挿して「水挿し」にするか、湿らせた水苔で根元を巻く、あるいは直接土に挿して「挿し木」にして増やすことができます。
この時も、必ず「節」が水や土に触れるようにするのがポイントです。
剪定に必要なハサミと道具
剪定をスムーズに行うために、事前に道具を揃えておくと便利です。
私がいつも使っているのは、だいたいこんな感じです。
剪定準備リスト
- 剪定ハサミ: 清潔で切れ味の良いもの。モンステラの茎は繊維質で硬いので、よく切れる園芸専用のハサミが断然おすすめです。普通の文房具のハサミだと、茎の細胞を潰してしまい、枯れ込みの原因になることがあるので避けましょう。使用前後にアルコールスプレーなどで消毒すると、病気の予防になって完璧です。
- 園芸用手袋: 後述しますが、モンステラの樹液は肌に触れるとかぶれることがあるので、必須アイテムです。
- 癒合剤(ゆごうざい): 太い茎を切った時の保護用に。チューブタイプが使いやすいです。
- 園芸シートや新聞紙、ゴミ袋: 床が汚れたり、樹液がついたりするのを防ぎます。後片付けが格段に楽ちんになりますよ。



これも経験談なんですが、私も最初は家にある工作バサミで切ろうとしたんです。
そしたら、モンステラの茎って思った以上に繊維質で硬くて、切り口が「グシャッ」と潰れてしまったんですよね…。
結局、その切り口はキレイじゃなかったせいか、少し黒っぽく枯れ込んできてしまいました。
慌てて園芸用のハサミで切り直した苦い経験があります。
切れ味のいいハサミは、モンステラへのダメージを最小限にするためにも必須だなって痛感しました。
樹液が手についた時の対処法
モンステラを切ると、切り口から透明〜半透明の樹液が出てきます。
この樹液には「シュウ酸カルシウム」という成分の、針のような形の結晶が含まれています。
これが肌に刺さることで、かぶれたり、痒みが出たりすることがあります。
特に肌が弱い人は注意が必要です。モンステラはサトイモ科の植物で、同じサトイモ科のクワズイモなどにも同様の毒性成分が含まれています。(参考:厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:クワズイモ」)
剪定の際は、必ず手袋(ゴム手袋などがおすすめ)をしてくださいね。
もし樹液が素手についてしまったら…
もしうっかり素手で触ってしまったら、慌てずにすぐ洗い流しましょう。
この場合は、多量の水と石鹸で洗い流すようにしてください(参考:厚生労働省「職場のあんぜんサイト:シュウ酸カルシウム」)。
ただ、もし症状がひどい場合や、痛みが続く場合は、我慢せずに皮膚科を受診してくださいね。
剪定しないとどうなる?放置のリスク


「剪定って、そもそも絶対に必要なの?」と思うかもしれません。
もちろん、しなくてもすぐに枯れるわけではありませんが、お部屋の中で美しく健康に育てたい場合、放置しておくといくつかのデメリットが出てくる可能性があります。
リスク1:樹形が乱れ、自立できなくなる
モンステラは本来つる性の植物。支えがないと、茎がどんどん横に伸びたり、重みで垂れ下がったりして、バランスが悪く不格好になってしまいます。最終的には自立できなくなり、倒れてしまうことも。
リスク2:病害虫のリスクが高まる
葉が密集しすぎると風通しが悪くなり、鉢土も乾きにくくなります。
湿気がこもった薄暗い環境は、カビや病気、そしてカイガラムシやハダニといった害虫にとって格好の住処になってしまいます。
リスク3:下葉が枯れやすくなる
上の方の葉ばかりが茂ると、株元にある古い葉(下葉)に光が当たらなくなります。
光合成ができなくなった下葉は、やがて黄色くなって枯れ落ちやすくなり、茎ばかりが間延びした「腰高」な姿になってしまいます。
剪定は「株の若返り」
定期的に剪定してあげることは、こうしたリスクを回避するだけでなく、株の新陳代謝を促し、新しい芽の成長を促す「若返り」の効果も期待できます。
モンステラを美しく、そして健康に保つために、剪定はとても大切な作業なんですね。
モンステラの剪定ではどこを切るべき?切る場所の総まとめ
最後に、モンステラの剪定で「どこを切るか」、その「切る場所」についてのポイントを、目的別におさらいしましょう。ここが一番大事なポイントです。
【目的別】モンステラ剪定・切る場所の結論
目的1:仕立て直し(切り戻し剪定)
どこを切るか? → 伸びすぎた茎の、新芽を出したい位置にある「節の3〜5cm上」で切る。
結果 → 残った株の節から新芽が出て、背が低くなる。
目的2:葉を減らす(間引き剪定)
どこを切るか? → 黄色い葉や古い葉、邪魔な葉の「葉柄の付け根」で切る。
結果 → その葉が取り除かれ、風通しが良くなる。(そこから新芽は出ない)
目的3:増やす(挿し木・水挿し)
どこを切るか? → 切り取った茎に、必ず「節(成長点)」と、できれば「気根」もつけて切る。
結果 → 切り取った茎から新しい根と芽が出て、新しい株になる。
このように、モンステラの剪定は「何のために切るのか」という目的によって、切る場所が全く変わってきます。
この違いをしっかり理解することが、失敗しないための最大のコツです。
「どこを切るか」という不安は、この「節」と「目的」のルールさえ分かれば、もう怖くありません。
最初は少しドキドキするかもしれませんが、正しい場所と時期さえ守れば、モンステラは驚くほどの生命力で、きっと元気に新しい芽を出してくれます。
この記事を参考に、ぜひあなたのモンステラを、理想の姿にスタイリングしてあげてくださいね!
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