こんにちは!「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。
外の寒さが厳しくなると同時に、お部屋のモンステラの成長も止まって、なんとなく元気がなさそうに見えることってありますよね。
それとは逆に、夏場に勢いよく伸びすぎた茎が生活スペースにはみ出してきて、「冬の間にすっきり整えたいけれど、今剪定して枯れたらどうしよう…」と、ハサミを持ったまま悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
その「ちょっと待って!」という慎重な気持ち、実は大正解なんです。
冬のモンステラは休眠期間に入って体力を温存しているため、バッサリ切り戻す強剪定や、カットした茎の水差しなどは失敗するリスクがとても高い時期。
ヒメモンステラも同様に、冬は葉っぱを切るのを最小限にして、断水気味に見守るのが一番の薬だったりします。
この記事では、なぜ冬の剪定がNGなのかという理由から、どうしても切りたい場合の対処法、そして葉が黄色くなったりひょろひょろと徒長してしまったりした時のケアについて詳しくお話しします。
モンステラは冬どこに置くべきかという基本や、ビニールを使った保温対策など、切らずに冬を乗り切るためのコツをたっぷり詰め込みましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 冬にモンステラを剪定すると枯れやすくなる理由とリスク
- どうしても切りたい場合に許容される範囲と正しい切り方
- 剪定せずに株の広がりや見た目の乱れを解決する方法
- 寒さに負けさせないための冬の水やりや置き場所のコツ
モンステラの剪定を冬に行うと失敗しやすい理由

「ちょっと形が乱れてきたから整えたいな」と思ってハサミを入れたくなる気持ち、すごくよく分かります。
でも、冬のモンステラにとって剪定は、私たちが想像する以上に大きな負担になってしまうんです。
ここでは、なぜ冬のカットがリスクになるのか、その理由を私の経験も交えてお話ししますね。
冬の剪定で失敗する原因とは
冬にモンステラの剪定を行うと失敗しやすい最大の原因は、植物自体が「お休みモード」、つまり休眠に近い状態に入っているからです。
春から秋にかけての成長期とは違い、冬のモンステラは寒さに耐えるためにエネルギーを温存し、成長活動をほぼストップさせています。
植物が傷口を治すためには、細胞分裂をして「カルス」というカサブタのような組織を作る必要がありますが、冬はこの細胞分裂のスピードが極端に落ちています。
そのため、ハサミを入れると傷口がなかなか塞がらず、そこから細菌が入って茎が腐ってしまったり、水分が蒸発し続けて株全体が衰弱したりするリスクが高まるのです。
momo私も以前、少し邪魔だった葉を冬に切ってしまったことがあるのですが、切り口がいつまでも乾かずに黒ずんでしまい、そこから茎の半分くらいまで枯れ込んでしまった苦い経験があります。
「良かれと思って切ったのに、逆に調子を崩してしまった」という悲しい結果にならないよう、基本的には冬の剪定は控えるのが安心かなと思います。
ヒメモンステラも冬は安静に
普通のモンステラ(デリシオーサ)よりも葉が小さくて扱いやすい「ヒメモンステラ(ラフィドフォラ・テトラスペルマやモンステラ・ミニマ)」も人気ですよね。
私も育てていますが、この子たちも基本的には大きなモンステラと同じ性質を持っています。
ただ、ヒメモンステラは茎が細い分、寒さや乾燥の影響をよりダイレクトに受けやすい印象があります。
太い茎に水分をたっぷり蓄えられるデリシオーサに比べて、ヒメモンステラの細い茎は保水力が低いため、冬場に剪定を行うと、切った部分から急速に水分が抜けてシワシワになりやすいんです。
また、耐寒性もデリシオーサよりやや劣る場合が多いので、冬のダメージからの回復にはさらに時間がかかります。
「小さいから大丈夫かな?」と思ってチョキンと切ってしまうと、あっという間に株全体が元気をなくしてしまうことも。
小さな株だからといって油断せず、春暖かくなるまではとにかく安静にさせてあげましょう。
ダメージの大きい強剪定は避ける
「天井につきそうなくらい大きくなりすぎたから、半分くらいの高さまで切りたい」「バランスが悪いから、一度茎だけの状態にしてリセットしたい」
長く育てていると、そんなふうに大胆に形を整えたくなるタイミングがありますよね。
でも、茎を途中でバッサリと切り落としたり、葉をほとんど残さずに丸坊主にするようないわゆる「強剪定(きょうせんてい)」や「切り戻し」は、冬の間は絶対にNGです。
これを冬にやってしまうと、取り返しがつかないことになる可能性が非常に高いんです。
なぜ冬の強剪定が命取りになるのか
冬の強剪定が危険な理由は、モンステラの体力が「ギリギリの省エネモード」で維持されているからです。
具体的には、以下のようなリスクがあります。
- エネルギー工場の閉鎖:
植物にとって葉っぱは、光合成をしてエネルギーを作り出す大切な「ソーラーパネル」です。日照時間が短く光も弱い冬場に、このパネルをごっそり捨ててしまうと、モンステラは生きていくためのエネルギーを作れなくなり、そのまま餓死するように弱ってしまいます。 - 傷口が塞がらずに腐る:
太い茎を切断するということは、人間で言えば大手術のようなもの。成長期ならすぐにカサブタを作って治せますが、代謝が落ちている冬は傷口がいつまでもジクジクと湿ったままになりがちです。そこからカビや細菌が侵入し、切った場所からどんどん黒く腐敗が進んで、最終的には株元まで枯れ込んでしまうことが多いのです。
「邪魔だなあ」と思っても、冬の間はその大きさこそが、モンステラがこれまでに蓄えてきた体力の証拠でもあります。
大胆なカットや仕立て直しは、気温が上がり、植物が「もっと成長したい!」とウズウズし始める5月のゴールデンウィーク明け以降にとっておきましょう。
その時期なら、バッサリ切っても驚くようなスピードで回復してくれますよ。
枯れた葉っぱだけ切るのが鉄則


「じゃあ、冬は一切ハサミを使ってはいけないの?」と心配になるかもしれませんが、例外もあります。
それは、明らかに茶色く枯れてしまった葉っぱや、カリカリになった部分のカットです。
これらはもう光合成をしていない「死んだ組織」なので、取り除いても株へのダメージはありません。
むしろ、枯れた葉をそのままにしておくと、湿気を含んでカビが生えたり、病害虫の隠れ家になったりすることもあるので、衛生面を考えると見つけ次第早めに取り除いてあげるのが正解です。これを「衛生剪定」と呼ぶこともあります。
ただし、判断基準は厳しめにしてください。
「ちょっと黄色っぽいかな?」とか「端っこが少し茶色いけど緑の部分が多い」という葉は、まだ生きていて、株のために懸命に栄養を作ってくれています。
完全に茶色くなって、触るとカサカサ音がするくらいになってから切るのが、植物への優しさかなと思います。
剪定する時はどこを切るのが正解か
もし枯れてしまった葉をカットしたり、春になっていざ剪定を行ったりする時、一番迷うのが「茎のどこにハサミを入れるか」ですよね。
適当に切ってしまうと、新しい芽が出なくなったり、切り口から腐ってしまったりすることがあるので、ここだけはしっかり覚えておいてくださいね。
「節(フシ)」を見つけるのがポイント
モンステラの茎をよーく観察してみてください。竹のように横線が入っていて、少しボコッと膨らんでいる部分がありませんか?
これが「節(フシ)」と呼ばれる部分です。
そして、この節のすぐ上にあるポチッとした部分(隠れていることもあります)が、将来新しい葉っぱや根っこが出てくる「成長点」になります。
剪定をする時の正解ラインは、この「節」から2cm〜3cmほど上の部分(葉っぱ側)です。


なぜ節のすぐ上で切ってはいけないの?
「見た目をスッキリさせたいから、節のギリギリで切りたい!」と思うかもしれませんが、これはNGなんです。
植物の茎を切ると、切り口から水分が抜けて、乾燥しながら数センチほど枯れ込んでいく(茶色く縮む)性質があります。
もし節のギリギリで切ってしまうと、この「枯れ込み」が節にまで到達してしまいます。
そうすると、大切な成長点まで乾燥して死んでしまい、二度とそこから新芽が出てこなくなる恐れがあるんです。
特に冬場は空気が乾燥しているので、この枯れ込みが深く進みやすい傾向があります。
葉っぱ(葉柄)だけを切る場合
茎ではなく、黄色くなった葉っぱだけを切り落としたい場合は、葉の付け根(茎から分岐している部分)でカットします。
この時も、無理に手で引きちぎったりせず、清潔なハサミを使ってください。
葉の根元は茎を包み込むようになっていることが多いので、茎本体を傷つけないように、少しだけ葉柄(ようへい)を残して切るのが安全ですよ。


剪定した茎の水差しは春まで待つ
剪定した枝を水に挿して根を出させる「水差し」や「水耕栽培」も、モンステラを増やす楽しい方法ですよね。
「冬に剪定した枝を捨てずに水に挿しておけば増えるんじゃない?」と考える方も多いのですが、残念ながら冬の水差しは成功率が極めて低いです。
モンステラが発根するために必要な水温は、最低でも20℃以上と言われています。
日本の冬の室温では水温が低すぎて、植物の代謝が上がらず、なかなか根が出てくれません。
それどころか、冷たい水に浸かり続けることで切り口の細胞が死滅し、水が腐ってドロドロになり、そのまま失敗してしまうことがほとんどです。
「どうしても今すぐ増やしたい!」という特別な事情がない限り、増やす目的での剪定も、気温が安定して暖かくなる春まで待つのが成功への近道ですよ。
春になれば、水に挿しておくだけで嘘のようにニョキニョキ根っこが出てきますから!
モンステラの剪定より冬に行うべき管理と対策


冬は「切る」ことよりも、「守る」ことに集中してあげるのがモンステラを元気に冬越しさせる秘訣です。
剪定を我慢する代わりに、私たちがしてあげられるケアや対策はたくさんあります。
ここでは、冬の間に行うべき具体的な管理方法についてご紹介しますね。
日光不足や寒さへの対策と適切な置き場所
モンステラは熱帯アメリカ原産の植物なので、寒さが大の苦手です。
冬の置き場所として最適なのは、室内の明るくて、かつ最低温度を10℃以上に保てる場所です。
公的機関の資料などを見ても、熱帯性の観葉植物が安全に冬越しするためには、最低でも10℃、できれば15℃程度を維持することが推奨されています(出典:四日市市農業センター「冬の園芸カレンダー」)。
ここで注意したいのが「窓際」です。
日中はポカポカしていても、日が落ちると窓際は外気と同じくらい急激に冷え込みます。
「コールドドラフト」と呼ばれる冷たい下降気流が発生し、窓辺に置いた植物を直撃することがあるんです。



私も経験があるのですが、窓辺に置きっぱなしにしていて、朝起きたら葉っぱが黒く変色してしまっていたことがありました。
仕事から帰ってきて、暖房の効いた部屋でぬくぬくしていたので油断していました。
翌朝、カーテンを開けたら、窓に張り付いていた葉っぱが「凍傷」のように真っ黒になっていて…。
あの時の申し訳なさとショックは今でも忘れられません。
夕方になったら、窓から離して部屋の中央寄りの暖かい場所に移動させてあげるか、厚手のカーテンをしっかり閉めて冷気を遮断する工夫をしてあげてくださいね。
冬の寒さはビニールで保温する
お部屋の構造上どうしても温度が下がってしまう場合や、寒冷地にお住まいの場合は、物理的に囲ってあげることで寒さを防ぐ方法があります。
園芸店で売っているビニール温室を使っても良いですし、もっと手軽な方法としては、大きめの透明なビニール袋をふんわり被せてあげるだけでも効果的です。
自分の息で少し膨らませたビニール袋を被せるだけで、冷たい隙間風が直接当たるのを防ぎ、湿度も保つことができます。
ただし、完全に密閉してしまうと内部が蒸れてカビが発生する原因になるので、数箇所に小さな穴を開けておくか、袋の下を少し開けて空気の通り道は確保しておいてくださいね。
また、夜間だけダンボール箱を上から被せたり、発泡スチロールの板を鉢の下に敷いたりするのも、保温効果が非常に高くておすすめです。
冬は断水気味に育てて根を守る
冬のモンステラ管理において、最も失敗が多く、かつ致命傷になりやすいのが「水のやりすぎ」です。
夏の間は毎日あんなにゴクゴク水を飲んでいたモンステラも、気温が下がると活動が鈍り、根っこからの吸水力がガクンと落ちます。
それなのに、「乾いてきたかな?」と夏と同じ感覚で水を与え続けてしまうとどうなるでしょうか?
土の中が常にジメジメと湿った状態になり、冷たい水に浸かり続けた根っこは呼吸ができなくなって窒息し、やがて腐ってしまいます。
これが恐怖の「根腐れ」です。
合言葉は「断水気味」!愛があるからこそ焦らす
冬の水やりの鉄則は、意識的に水やりの回数を減らす「断水気味」の管理です。
「水を与えないと枯れちゃう!」と心配になるかもしれませんが、モンステラは乾燥には比較的強い植物です。
冬に関しては、水切れで枯れることよりも、水のやりすぎで枯れることの方が圧倒的に多いんですよ。
具体的なタイミングとしては、土の表面が白っぽく乾いているのを確認してから、すぐに水やりをするのではなく、そこからさらに3〜4日(大きな鉢なら1週間程度)我慢してから与えるくらいがベストです。
「ちょっと放置しすぎかな?」と思うくらいで丁度いいのです。



冬、自分の肌が乾燥して喉が渇くと、つい「モンステラも喉乾いてるんじゃないかな?」って心配になっちゃうんですよね。
土の表面が乾いていると、ついジョウロに手が伸びそうになります。
でも、そこで「今は我慢!」と自分に言い聞かせて、グッと堪えています(笑)。
この我慢こそが、一番の愛情なんですよね。
土の中の乾燥具合をチェックする方法
「表面は乾いているけど、中はまだ湿っているかも…」と不安な時は、以下の方法で土の中の状態をチェックしてみてください。
| チェック方法 | やり方と判断基準 |
|---|---|
| 指チェック | 人差し指を第一関節(約2〜3cm)まで土にズボッと挿してみてください。指先に湿り気を感じたり、土がくっついてくるようならまだ早いです。パサパサしていたらGOサインです。 |
| 割り箸チェック | 乾いた割り箸や竹串を土の深くまで挿しておき、引き抜いてみます。箸が湿っていたり、土がついてきたりすればまだ水分が残っています。 |
| 重さチェック | 水やり前の「軽い状態」の鉢の重さを覚えておき、持ち上げてみて「軽い!」と感じたら乾いている証拠です。 |
水やりの「時間帯」と「温度」が成功の鍵
いざ水やりをするぞ!という時も、冬ならではの重要なルールがあります。
- タイミングは「晴れた暖かい日の午前中」:
夕方や夜に水やりをするのは厳禁です。夜間の冷え込みで鉢内の水分が冷たくなり、根を痛める原因になります。午前中に与えて、夜までに余分な水分が抜けるようにしましょう。 - 水温は「人肌より少し低いぬるま湯」:
冬の水道水は驚くほど冷たいです(5℃近くになることも!)。これをそのまま熱帯植物にかけるのは、私たちが真冬に冷水を浴びせられるようなもの。お湯を少し足して、20℃〜25℃くらいの「ぬるま湯」を作って与えてあげてください。これだけで根への負担が劇的に減ります。
「土は乾燥、葉は保湿」のメリハリ管理
土への水やりは控えますが、空気の乾燥はモンステラにとってストレスになります。
暖房の効いた室内は砂漠のように乾燥しているので、土への水やりとは別に、霧吹きで葉っぱに水をかける「葉水(はみず)」はこまめに行ってあげましょう。
葉水は毎日やってもOKです。これにより、葉の乾燥を防ぐだけでなく、ハダニなどの害虫予防にもなります。
「根っこは乾かし気味に、葉っぱは潤す」。このメリハリこそが、冬のモンステラ管理の極意ですよ。




肥料焼けを防ぐ活力剤の活用


「モンステラの元気がないから、栄養ドリンク(肥料)をあげなきゃ!」と思ってしまいがちですが、これは冬には逆効果です。
肥料に含まれるチッ素・リン酸・カリといった成分は、成長するために使うエネルギー源です。
成長が止まっている冬にこれを与えると、吸収されずに土の中に残り、根の水分を奪って「肥料焼け」を起こしてしまいます。
冬の間は固形肥料も液体肥料もストップしましょう。もし土の上に置肥が残っているなら、取り除いてしまっても良いくらいです。
その代わりにおすすめなのが「植物活力剤(活力液)」です。
これは人間でいうとサプリメントのようなもので、アミノ酸やミネラルなどを含み、光合成を助けたり根の張りを良くしたりする効果があります。
肥料成分を含まない活力剤(リキダスやメネデールなど)なら、冬に与えても根への負担が少なく、寒さへの抵抗力をサポートしてくれます。
規定量よりも少し薄めに作って、水やりの代わりに与えると安心ですね。
冬に葉が黄色くなる原因と対処
冬の朝、ふとモンステラを見たら、大切にしていた葉っぱが黄色く変色していて「えっ!もしかして枯れちゃうの!?」と青ざめた経験、ありませんか?
緑色が魅力のモンステラだけに、黄色い葉を見つけると本当にドキッとしてしまいますよね。
でも、焦らなくて大丈夫です。実は、冬に葉が黄色くなる現象には、植物が生き残るための「戦略的な生理現象」と、トラブルを知らせる「SOSサイン」の2種類があるんです。
この2つを見極めることができれば、冷静に対処することができますよ。
1. 心配いらない「生理的な新陳代謝」
最も多いケースが、株の一番下にある古い葉(土に近い部分の葉)だけが、1枚〜2枚ほど黄色くなってくるパターンです。
これは人間でいうと髪の毛が生え変わるのと同じようなもので、「新陳代謝」による自然な現象です。
特に冬場は、モンステラにとって厳しい季節。
植物は本能的に「今はエネルギーが足りないから、古い葉をリストラして、その養分を本体や若い葉に回収しよう」と判断します。
つまり、これは枯れているというよりは、冬越しのために身軽になろうとしている「賢い生存戦略」なんですね。
【対処法】
これは病気ではないので、特に対処する必要はありません。自然に茶色くカラカラになるまで待ってからカットしてあげればOKです。緑色の部分が残っているうちはまだ養分を回収中なので、無理に引きちぎらないであげてくださいね。
2. 要注意!寒さによる「冷害(低温障害)」
もし、特定の葉だけでなく、窓側に向いている葉が変色したり、葉のフチから徐々に黄色〜茶色に変わってきたりしている場合は、寒さ(冷害)が原因の可能性が高いです。
「室内だから大丈夫」と思っていても、夜間の窓際は外気と同じくらい冷え込みます。
冷気は下へと溜まる性質があるため、床置きしている場合も要注意です。
寒さに当たると、葉の細胞が壊れてしまい、葉緑素が抜けて黄色く見えてしまうのです。
【対処法】
すぐに暖かい場所へ避難させましょう。窓から最低でも1メートルは離し、できれば部屋の中央や高い位置(棚の上など)に移動させます。すでに黄色くなってしまった部分は元には戻りませんが、これ以上の進行を食い止めることはできます。
3. 緊急事態!水のやりすぎによる「根腐れ」
一番怖いのが、このケースです。以下の症状に当てはまる場合は、根腐れを起こしている可能性が非常に高いです。
- 土が湿っているのに葉が黄色くなる
- 下葉だけでなく、新しい葉や中間の葉も変色する
- 黄色い部分に黒っぽいシミや斑点がある
- 茎にハリがなく、シワが寄っている
冬は根が水を吸わないため、土が湿ったままだと根が窒息し、腐敗菌が繁殖します。
根が機能しなくなると、水分や養分を吸い上げることができず、結果として葉が黄色く変色してSOSを出しているのです。
【対処法】
ただちに水やりをストップし、風通しの良い暖かい場所で土を乾燥させてください。「葉水」も一時停止して、とにかく湿度を下げます。もし腐敗臭がするなど症状が深刻な場合は、冬であっても緊急植え替え(腐った根の切除)が必要になります。
一目でわかる!「良い黄色」と「悪い黄色」の見分け方
判断に迷った時は、以下の表を参考にしてみてください。
| 症状の特徴 | 考えられる原因 | 緊急度・対処 |
|---|---|---|
| 一番下の葉だけが黄色い | 新陳代謝(老化) | 【低】 そのまま放置でOK。完全に枯れたら切る。 |
| 窓側の葉やフチが変色 | 冷害(寒さ) | 【中】 暖かい場所へ移動。夜間の保温対策を強化。 |
| 土が濡れていて葉が黄色 | 根腐れ初期 | 【高】 水やり停止。乾燥させる。サーキュレーター活用。 |
| 葉の色が全体的に薄い | 日照不足 | 【中】 明るい窓辺へ(夜は移動)。育成ライトの導入。 |
葉っぱが黄色くなると悲しい気持ちになりますが、それはモンステラがあなたに伝えているメッセージでもあります。
「寒かったよ」「お水が多すぎるよ」という声に耳を傾けて、環境を微調整してあげれば、きっと持ち直してくれますよ。
根腐れによる変色は緊急対応
冬に一番怖いトラブルが「根腐れ」です。これは放置すると株全体が枯死してしまう緊急事態です。
もし以下のような症状が見られたら、根腐れを疑ってください。
- 土が湿っているのに葉がしおれている
- 茎の根元が黒ずんでブヨブヨしている
- 土からドブのような腐った臭いがする
- 幹を持って揺らすとグラグラする
このような場合に限り、時期を問わず「緊急手術」が必要です。
鉢から株を抜き、土を全て洗い流して、黒く腐って溶けたような根をすべてハサミで切り落とします。
健康な白い根だけを残し、新しい清潔で乾いた土に植え替えてください。
この時ばかりは、腐敗菌が全身に回らないように思い切った処置が植物の命を救います。
ただし、処置後の株は体力を使い果たしているので、水やりは控えめにし、できるだけ暖かい場所で静養させてあげましょう。
なお、根腐れの対処法については以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ見てみてください。


ひょろひょろに伸びる徒長対策


冬の日照時間が短い日本では、モンステラが光を求めて茎をひょろひょろと長く伸ばしてしまうことがあります。これを「徒長(とちょう)」と言います。
葉と葉の間隔が間延びしてしまい、見た目が少し格好悪くなってしまいますが、これを冬に切って修正するのは我慢です。
徒長を防ぐための最善策は、やはり「光」です。できるだけ日当たりの良い窓辺(夜は移動!)に置くのが基本ですが、どうしても暗いお部屋の場合は、植物育成用のLEDライトを導入するのも一つの手です。
最近はおしゃれなインテリアライトのような製品も増えています。
すでに徒長して伸びてしまった部分は元には戻りませんが、春になってからその部分を切り戻し(剪定)して、挿し木に使うことができます。
今は「春になったらどこで切ろうかな」と計画を立てる期間だと割り切りましょう。


邪魔な気根を切る前の対処法
モンステラ特有の、茎の途中からヒモのように伸びてくる「気根」。
「不気味だから切りたい」「掃除の邪魔」と感じる方も多いですよね。
冬の間もこの気根は伸び続けることがありますが、できれば切らずに残しておきたいところです。
気根には、空気中の水分を吸収したり、現地では他の木にしがみついて株を支えたりする重要な役割があります。
特に根の活動が弱まる冬場は、気根からの水分補給が意外と助けになっていたりするんです。
切る代わりに、気根を優しく曲げて鉢の中の土に誘導して埋めてあげたり、支柱に巻きつけてあげたりすると、見た目もすっきりしますし、株の安定感も増します。
どうしても邪魔で仕方ない場合のみ、根元から清潔なハサミでカットしても大丈夫ですが、株へのダメージを最小限にするため、必要最小限に留めておくのが無難です。


紐や支柱で広がりを抑えるコツ


剪定できない冬の間、大きく広がったモンステラが場所を取って困る…という時は、支柱や紐を使って物理的にまとめてしまいましょう。
ちょっとした工夫でスリムになります。
| 方法 | やり方とコツ |
|---|---|
| 支柱で縦に伸ばす | 鉢に支柱(ココヤシポールや園芸用支柱)を立て、茎を麻紐などで優しく結びつけます。横に広がる茎を縦方向に矯正することで、劇的に省スペースになります。 |
| 紐でふんわり束ねる | 広がった葉柄(茎のような部分)同士を、麻紐や太めのリボンで緩く束ねます。きつく縛りすぎるとストレスになるので、緩くまとめるくらいがちょうど良いです。 |
| 壁に誘引する | 壁際に置いているなら、フックなどを使って茎を壁側に寄せるように紐で固定するのもアリです。 |
この時、植物を傷つけないように、食い込みにくい太めの紐や、園芸用のビニールタイを使うのがおすすめです。
これなら葉を切ることなく、春まで快適に共存できますよ。



実は私も以前、冬の間に伸び放題になった茎がリビングの通路を塞いでしまって…。
通るたびに葉っぱが顔に当たったり、掃除機をかけるのが大変だったりして、「もう切っちゃいたい!」と何度も思いました(苦笑)。
でも、そこで麻紐でふんわり束ねてあげるだけで、驚くほど部屋が広くなってストレスが消えたんです。


植え替えなどの増やし方は春に行う
鉢の底から根っこが出てきて窮屈そうだったり、株分けをして増やしたかったりすることもあると思いますが、植え替えや株分けも剪定と同様に春(ゴールデンウィーク頃〜9月)が適期です。
冬に根をいじると、ダメージから回復できずにそのまま弱ってしまいます。「今は春の準備期間」と割り切って、暖かい季節が来るのをワクワクしながら待ちましょう。
春になって最低気温が15℃を安定して超えるようになったら、一回り大きな鉢に植え替えたり、伸びすぎた茎をカットして水差しで増やしたりと、園芸作業のベストシーズンが到来します。
それまでは、新しい鉢を選んだり、どんな樹形にしようか妄想したりして楽しんでくださいね!



冬のメンテナンスは「現状維持」が目標です。
焦って形を整えようとせず、春の成長期に向けて体力を温存させてあげてください。
まとめ:モンステラの剪定は冬を避けて安全に育てよう
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
今回は「冬のモンステラ剪定のリスク」について、少し耳の痛いお話もあったかもしれません。
でも、人間だって真冬の寒い時期に大きな手術をされたら、回復するのにとても体力が要りますよね。
熱帯生まれのモンステラにとって、日本の冬はただでさえ過酷な環境。
今はぐっすり眠って体力を温存している「冬眠期間」だと考えてあげてください。
この記事にたどり着いてくださったあなたは、きっと植物のちょっとした変化にも気づける、とても愛情深い方だと思います。
その優しさで、冬の間だけはハサミを置いて、暖かく見守ることに専念してあげましょう。
- 剪定は我慢:生きている葉や茎は切らない。「強剪定」は春までお預け。
- 水やりは焦らす:土が乾いてから数日待つ。愛があるからこその「断水気味」。
- 場所で守る:窓際の冷気を避け、部屋の暖かい特等席へ。
多少の乱れは「春のリセット」で解決!
「でも、やっぱり形が気になる…」「あばれて邪魔だなあ」と思うこともあるでしょう。
でも大丈夫です!
植物は生き物なので、多少格好が悪くなったり、葉が落ちたりするのは自然なこと。
暖かくなってゴールデンウィークが過ぎる頃(5月中旬以降)になれば、モンステラは驚くような生命力で再び成長を始めます。
その時こそ、あなたの出番です!
- 伸びすぎた茎をバッサリ切って仕立て直す
- 切った茎を水に挿してどんどん増やす
- 窮屈な鉢から植え替えてリフレッシュさせる
これら全ての楽しみが待っています。
「春になったらどんな形にしようかな?」とワクワク計画を立てながら、この冬をモンステラと一緒にのんびりと乗り越えていってくださいね。
春にはきっと、元気いっぱいの新芽で応えてくれるはずですよ!









