こんにちは!「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。
モンステラを元気に育てたいけれど、結局のところモンステラの土は何がいいのか、情報が多すぎて迷ってしまいませんか?
植え替え時の土の配合を考える際、手軽にモンステラの土として市販の観葉植物用を使うべきか、それともコスト重視で100均で揃えるか、悩みは尽きませんよね。
中には赤玉土と鹿沼土をブレンドするこだわり派の方や、シンプルに赤玉土だけ・鹿沼土だけで管理したい方もいるかもしれません。
また、モンステラの土を室内で清潔に保ちたい、虫が苦手だから土を使わない方法を知りたい、という声もよく耳にします。
この記事では、基本となるモンステラの土の配合はもちろん、人気のヒメモンステラの土の配合や、デリケートな斑入りモンステラの土の配合、さらには実生用の用土はどうすべきかまで、私の経験を交えて徹底解説します。
- 室内でも虫がわきにくく清潔に管理できる無機質の土の配合
- モンステラの成長速度や目的に合わせた最適な用土の選び方
- 100均の土や市販の培養土を使う際の注意点と改良テクニック
- 植え替え時の手順や土の劣化サインなど長く健康に育てるコツ

モンステラの土の配合で理想的な生育環境を作る
モンステラはとっても丈夫な植物ですが、土の環境が合っていないと、葉っぱが黄色くなったり、元気がなくなったりしてしまいます。
「たかが土、されど土」。まずは、モンステラが喜ぶ「理想の土」を作るための基礎知識から一緒に見ていきましょう。
ここを理解すると、自分でお好みの土が作れるようになりますよ。
モンステラの土は何がいいか素材の特性を知る

モンステラに合う土を自分でブレンドするためには、まず代表的な用土の特性を深く理解しておくことが大切です。料理でいうところの「食材」の特徴を知るようなものですね。
それぞれの土が持つ「物理性(水はけ・保水性)」と「化学性(pH・肥料分)」を知ることで、失敗のない配合が可能になります。
大きく分けると、土の素材は微生物によって分解される「有機質」と、鉱物などが主体の「無機質」の2種類に分類できます。
それぞれの特徴を以下の表にまとめました。
| 分類 | 代表的な素材 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 無機質用土 | 赤玉土、鹿沼土、軽石、パーライト、バーミキュライト | 虫の餌にならない(虫がわかない) カビが生えにくい 経年劣化が遅い 清潔感がある | 栄養分がゼロ(肥料が必須) 保水性が低めのものが多い 重量がある(赤玉土など) |
| 有機質用土 | 腐葉土、ピートモス、ココピート、堆肥 | 土壌微生物を活性化させる 成長促進効果が高い 保水性・保肥力が高い 微量要素を含む | コバエやカビの原因になる 分解されて土の量が減る 品質にばらつきがある |
主な基本用土の詳しい解説
① 赤玉土(あかだまつち)
日本の園芸の基本となる土です。関東ローム層の土を乾燥させて粒状にしたもので、弱酸性。肥料分はありませんが、肥料を捕まえておく力(保肥力)があります。粒の大きさによって「大粒・中粒・小粒」とありますが、モンステラには他の素材と混ぜやすい「小粒」が最も使いやすいです。
② 鹿沼土(かぬまつち)
栃木県鹿沼地方で採れる軽石の一種です。赤玉土よりも酸性が強く、硬くて潰れにくいのが特徴。乾燥すると白っぽくなり、濡れると黄色くなるので、水やりのタイミングが目で見てわかるという大きなメリットがあります。
③ 軽石(パミス)・日向土
多孔質で非常に軽く、水はけが抜群です。これを混ぜることで土の中に空気の層ができ、根腐れを防ぐことができます。単体で使うことは少なく、あくまで「通気性を良くするための改良材」として全体の1〜2割ほど混ぜるのが一般的です。
④ 腐葉土(ふようど)
広葉樹の落ち葉を発酵させたもの。土をふかふかにし、有益な菌を増やします。ただし、未熟な(発酵が不十分な)腐葉土を使うと、ガスが発生して根を傷めたり、虫が大量発生したりするので、必ず「完熟」と書かれた高品質なものを選んでくださいね。
排水性を高めて根腐れリスクを下げる
モンステラを枯らしてしまう原因のナンバーワンは、間違いなく「根腐れ」です。
そして、その根腐れを引き起こす最大の要因が「排水性の悪い土」を使っていることなんです。
モンステラは、原生地では大きな樹木にしがみついて育つ「半着生植物」です。
そのため、地中の根っこだけでなく、空気中に出る気根(きこん)も含めて、とにかく酸素を欲しがります。
土の中が常に水で満たされていると、根っこが呼吸できずに窒息死してしまうのです。
「団粒構造」を目指そう

理想的な土の状態を専門用語で「団粒構造(だんりゅうこうぞう)」と言います。
これは、土の粒と粒の間に適度な隙間がある状態のこと。この隙間には2つの役割があります。
- ミクロポア(小さな隙間): 水を保持する役割(保水性)
- マクロポア(大きな隙間): 水を排出し、空気を通す役割(排水性・通気性)
モンステラにとって特に重要なのは、後者の「マクロポア(空気の通り道)」を確保することです。
市販の安い培養土や、粒の細かい土ばかりを使っていると、水やりをした後に泥のようになり、この隙間が埋まってしまいます。
これでは根が窒息してしまいますよね。
排水性を高めるための鉄則
土を配合する際は、必ず「赤玉土」や「軽石」などの粒状の用土をベースにすること。
微塵(粉状の土)はふるいにかけて取り除くのがベストです。
水を与えた瞬間に「ザーッ」と底から水が抜け落ちるくらいのスピード感が、モンステラには心地よい環境なんですよ。
momo私も初心者の頃、可愛さ余って水を毎日あげてしまい、根っこをドロドロに溶かしてしまった苦い経験があります…。
あの時の悲しさを皆さんには味わってほしくないので、「水はけ」だけは本当にこだわってほしいんです!
根腐れの初期症状や見分け方については、以下の記事で詳しく解説しています。「もしかして根腐れかも?」と不安な方は、ぜひチェックしてみてください。
モンステラの根腐れの見分け方は?初期症状から復活方法まで徹底解説
赤玉土と鹿沼土を混ぜる効果
モンステラの土作りにおいて、「赤玉土」と「鹿沼土」をブレンドする手法は、プロの生産者や愛好家の間でも定番中の定番です。
なぜこの2つを混ぜるのが良いのでしょうか?そこには明確な理由があります。
1. 酸度(pH)の調整効果
植物にはそれぞれ好みの土壌酸度(pH)があります。モンステラが最も栄養を吸収しやすいのは、pH5.0〜6.0程度の「弱酸性」です(出典:University of Connecticut HP「Plant pH Preferences」)。
- 赤玉土:弱酸性(pH5.0〜6.0前後)
- 鹿沼土:酸性(pH4.0〜5.0前後)
赤玉土をベースにしつつ、より酸性の強い鹿沼土を少し混ぜることで、モンステラが好む酸度領域に近づけることができます。
逆に、アルカリ性の土壌では、鉄やマンガンなどの微量要素が吸収できなくなり、葉の色が悪くなる原因になります。
2. 物理性の補完
赤玉土は保水性が高く、鹿沼土は比較的排水性が高いという特徴があります。
また、鹿沼土の方が粒子が硬く崩れにくい性質を持っています。
この2つを混ぜることで、適度な水持ちと水はけを両立させ、長期間使っても泥状になりにくい強固な土壌構造を作ることができるのです。
赤玉土と鹿沼土の特徴の由来
- 赤玉土(保水性が高い)
赤玉土は、関東ローム層という「火山灰が粘土化した土」を乾燥させたものです。 元が粘土質であるため、粒の一つ一つが水をたっぷりと吸い込んで保持する力(保水力)に優れています。そのため、観葉植物の「基本の土(ベース)」として最も多く使われます。
- 鹿沼土(排水性が高い)
鹿沼土は、土というよりも「軽石(パミス)」の一種です。 粒の中に微細な穴がたくさん空いている(多孔質)ため、空気を含みやすく、水を通すスピード(排水性)が赤玉土よりも早いです。
※鹿沼土も粒子内部には水を保ちますが、粒と粒の間の水はけが非常に良いため、「排水性を高める改良材」として機能します。
3. 視認性の向上(これが便利!)
個人的に一番推したい理由がこれです。
赤玉土は濡れても色が暗くなるだけですが、鹿沼土は「乾くと白、濡れると黄色」と色の変化が非常に激しいです。
土の中に鹿沼土が混ざっていると、パッと見ただけで「あ、土が白くなってるから水やりのタイミングだな」と判断しやすくなります。
水のやりすぎ(過湿)を防ぐための、天然のセンサーになってくれるわけですね。
逆に赤玉土だけ・鹿沼土だけで育つか
「配合なんて面倒くさい!一種類の土だけで植えちゃダメなの?」という疑問、よく聞きます。
結論から言うと、赤玉土単体や鹿沼土単体でもモンステラは育ちます。
むしろ、初心者が陥りやすい「水のやりすぎ失敗」を防ぐという意味では、単用の方が安全な場合さえあります。
赤玉土単用栽培のメリット・デメリット
赤玉土だけで育てる方法は、非常に理にかなっています。
無機質なので虫がわかず、清潔。どんな部屋にも馴染みます。
メリット:清潔、コバエゼロ、入手が容易、安価。
デメリット:栄養が全くないため、肥料管理をサボるとすぐに葉が黄色くなる。水はけが良すぎるため(※)、夏場の水やり回数が増える。
(※)保水性があるのに「水はけが良すぎる」理由
これは、赤玉土ならではのユニークな性質が関係しています。
- 粒の中(保水性)
赤玉土の粒自体は、無数の小さな穴(ミクロポア)が空いたスポンジのような構造をしています。この穴の中に水分をぐっと抱え込むため「保水性は非常に高い」です。これにより、植物の根に必要な水分を確保します。
- 粒と粒の間(排水性・通気性)
一方で、赤玉土単体で植えると、丸い粒同士が重なり合うため、粒と粒の間に大きな隙間(マクロポア)ができます。この隙間のおかげで、余分な水はすぐに流れ落ち(排水性)、新鮮な空気がたくさん通るのです。



実際に私も、デスクの上に置いている小さなモンステラは赤玉土だけで育てていますが、3年以上元気にしています。
ただ、春から秋の成長期には、必ず液体肥料(ハイポネックスなど)を定期的に与えるようにしています。
なお、赤玉土単体での詳しい育て方や、長期維持のコツについては、以下の記事で徹底解説しています。


鹿沼土単用栽培の注意点
鹿沼土だけでも育ちますが、赤玉土に比べると少し難易度が上がります。
理由は「酸性が強すぎる」ことと「軽すぎて株が安定しない」ことです。
鹿沼土は比重が軽いので、背の高いモンステラを植えると、少し触れただけでグラグラしてしまいます。
鹿沼土を使う場合は、他の土と混ぜるか、あくまで化粧砂として表面に敷く使い方がおすすめです。
基本となる土の配合レシピを解説


それでは、私が長年の経験から導き出した、最も失敗が少なく、かつモンステラが健全に育つ「基本の配合レシピ」をご紹介します。
初めて配合に挑戦する方は、まずこの比率からスタートしてみてください。
- 赤玉土(小粒):5
- 腐葉土:3
- 軽石(小粒)またはパーライト:2
※元肥として「マグァンプK(中粒)」を規定量混ぜ込みます。
この配合の意図(ロジック)
赤玉土(5割): 土のベースとして、根を安定させ、水分と肥料分を保持します。
腐葉土(3割): 根に栄養を与え、土壌微生物を増やして成長をサポートします。3割までなら、虫のリスクを抑えつつ成長促進効果を得られると考えています。
軽石(2割): これが重要です!通常の観葉植物の土よりも軽石を多めに入れることで、強制的に「通気性」を確保します。もし水をやりすぎても、この軽石が排水路となって余分な水を逃がしてくれるため、根腐れリスクが劇的に下がります。
混ぜ合わせる際は、大きめのバケツやビニールシートの上で行うと楽ですよ。
全体が均一になるまで、しっかり混ぜてくださいね。
室内なら無機質の用土で虫を予防する


「リビングに置くから、絶対にコバエを一匹たりとも発生させたくない!」
そんなあなたには、先ほどの基本レシピから有機物(腐葉土)を完全に排除した、「室内特化型・無機質ブレンド」を推奨します。
- 赤玉土(小粒):2
- 鹿沼土(小粒):1
- 軽石(小粒):1
なぜ虫がわかないのか?
室内の観葉植物に発生するコバエ(キノコバエなど)は、土に含まれる「有機物(腐葉土や堆肥)」や「カビ(菌類)」を餌にして繁殖します。
つまり、餌となる有機物を最初から土に入れなければ、物理的にコバエは生きていけないのです。
この配合は、砂利や石だけで植えているような状態に近いので、清潔感は抜群です。
ただし、土自体に栄養が全くないので、植え付け時に必ず緩効性肥料(マグァンプKなど)を混ぜ、さらに生育期には定期的に液体肥料や活力剤を与えることが必須条件となります。
「手入れの手間」と「虫のいない快適さ」、どちらを取るかの選択ですね。



この「無機質ブレンド」に変えてから、部屋の中でコバエを見かけることが本当にゼロになりました!
以前はテレビを見ている時に視界を横切る虫にイライラしていましたが、今ではそんなストレスとも無縁になりました。
虫嫌いの方には、この配合をオススメします。
成長させたいなら腐葉土をブレンドする
「モンステラのあの巨大で切れ込みのある葉っぱを、早く見たい!」
「ベランダや庭で、野生的に育てたい!」
そんな「成長速度」を最優先にする場合は、やはり自然の力である「有機質」を取り入れるのが一番の近道です。
無機質の土でも育ちますが、成長スピードは有機質の土に比べてどうしても緩やかになります。


赤玉土(小粒):6 + 腐葉土:4
または、
基本ブレンド+堆肥(牛ふん堆肥など)を1割追加
腐葉土に含まれる有機酸(フミン酸・フルボ酸)は、根の代謝を高め、肥料の吸収効率をアップさせる働きがあります(※)。
また、土の中の微生物が有機物を分解する過程で、植物にとって有用なビタミンやホルモン様物質が生成されます。
これにより、葉の色ツヤが良くなり、茎も太くガッチリと育つのです。
(※)有機酸(フミン酸・フルボ酸)による科学的効果
- 肥料の吸収効率アップ
これには「キレート作用(錯体形成)」という化学反応が深く関わっています。
土の中にある鉄やマンガンなどのミネラル分は、そのままでは植物が吸収しにくい形(不溶性)になってしまうことがよくあります。
これらの有機酸は、吸収されにくいミネラルをカニのハサミのようにガッチリと挟み込み(キレートし)、「植物が食べやすい形」に変えて根まで運ぶ役割を果たします。
- 根の代謝を高める
これには「ホルモン様作用(植物ホルモンに似た働き)」が関わっています。
フミン酸やフルボ酸は、植物の根の細胞を刺激し、呼吸や酵素の活動を活発にすることが分かっています。
これにより「発根(新しい根を出すこと)」が促進され、根の量が増えることで、結果として植物全体が元気になります。
※市販されている「活力剤(例:メネデールなど)」の一部も、この原理を応用しています。
注意点:「完熟」であることが条件
フミン酸やフルボ酸は、落ち葉が微生物によって完全に分解された最終段階で生成される物質です。形が残っている未熟な落ち葉にはあまり含まれていないため、腐葉土は「完熟腐葉土」を選ぶようにしましょう。
ただし、有機質が増えれば増えるほど、土は分解されて泥状になりやすく、虫のリスクも高まります。
この配合にする場合は、コバエ取り粘着シートを設置するなど、防虫対策もセットで考えておくと安心です。
モンステラを巨大化させるための鉢選びや環境づくりについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
市販の観葉植物用の土は使えるか解説
ホームセンターや園芸店に行くと、「観葉植物の土」という名前で、あらかじめブレンドされた培養土が売られていますよね。
「プロトリーフ」や「ハイポネックス」などの有名メーカーのものなら、品質管理もしっかりされているので、もちろんそのまま使っても何の問題もありません。
しかし、一つだけ注意点があります。それは「保水性が高すぎる場合がある」ということです。
市販の培養土の多くは、水やりを忘れても枯れないように、ピートモスやココピートなどの保水性の高い素材を多く含んでいます。
これはこれで素晴らしいのですが、風通しの悪い室内や、日当たりの悪い場所に置く場合、土がいつまでも乾かず、根腐れの原因になることがあるのです。


市販の「観葉植物の土」1袋に対して、「軽石(小粒)」または「パーライト」を2割程度混ぜてみてください。
たったこれだけで、水はけ(排水性)が劇的に向上します。
「市販の土を使いたいけど、根腐れが心配」という方には、この方法が最も手軽で効果的ですよ。



市販の土って、袋を開けたてはフカフカで良さそうに見えるんですけど、そのまま使うと室内ではなかなか乾かないんですよね。
「軽石」を少し混ぜる。たったこれだけの手間で、その後の管理が驚くほど楽になりますよ。
モンステラの土は100均の素材で作れるか
最近はダイソーやセリアなどの100円ショップでも、かなり本格的な園芸用品が揃っています。
「できればコストを抑えたい…」という気持ち、すごくわかります。
結論から言うと、100均の素材でもモンステラの土は作れます!
100均には、「赤玉土」「鹿沼土」「腐葉土」「パーライト」などが、小袋サイズ(1L〜2L程度)で売られています。
これらを買ってきて、先ほど紹介した「基本ブレンド」の比率で混ぜれば、立派な専用土の完成です。
少量だけ欲しい時や、小さな鉢の植え替えには、むしろコスパ最強と言えるでしょう。
- 「観葉植物の土」として売られている製品に注意
100均の「観葉植物の土」という完成品は、コスト削減のために「ココピート(ヤシ殻繊維)」が主体のものが多く、非常に軽くて水持ちが良い反面、水はけが悪くなりやすい傾向があります。これを使う場合は、必ず赤玉土や軽石を混ぜて、水はけを強化してから使ってください。 - 微塵(粉)が多い
専門店で売られている土に比べると、粒が崩れて粉っぽくなっていることが多いです。そのまま使うと目詰まりの原因になるので、ザルなどで微塵をふるい落としてから使うのが上級テクニックです。
応用編:モンステラの土の配合を目的別に最適化
ここまでは基本についてお話ししてきましたが、ここからは応用編です。
モンステラの種類や、特定の悩み、ライフスタイルに合わせて、さらに土をカスタマイズする方法を深掘りしていきましょう。
ヒメモンステラの土の配合で注意すべき点
「ヒメモンステラ(ラフィドフォラ・テトラスペルマ)」は、本家のモンステラ・デリシオーサに比べて葉が小さく、つるが細いのが特徴です。
成長速度が非常に速く、あっという間に鉢の中が根でいっぱいになってしまいます。
土の配合自体は基本レシピと同じで問題ありませんが、ヒメモンステラ特有の注意点として「土の締まり」を意識する必要があります。
ヒメモンステラはつる性植物なので、支柱や壁に登らせて仕立てることが多いですよね。
この時、土が軽すぎたり(ピートモス主体など)、粒が大きすぎたりすると、支柱がグラグラして安定しません。
そのため、「小粒の赤玉土」を少し多め(6割程度)にして、株元と支柱をしっかり固定できるようにすると良いでしょう。
また、根の成長が早いので、鉢底石を少し厚めに敷いて、底面からの排水性と通気性を確保することも忘れずに。
斑入りモンステラの土の配合は「排水性」が鍵


美しい白や黄色の模様が入る「斑入りモンステラ(ボルシギアナ、ホワイトタイガー、イエローモンスターなど)」。
これらは非常に高価で希少ですが、普通の緑色のモンステラよりも育てるのが難しい「上級者向け」の品種です。
斑入り品種は、白い部分で光合成ができないため、植物全体のエネルギー生産量が低く、成長が遅いです。
また、根の機能もデリケートで、少しの過湿ですぐに根腐れを起こします。
根腐れを起こすと、真っ先に美しい斑の部分が茶色く枯れ込んでしまうんです。
- 硬質赤玉土(小粒):4
- 軽石(小粒):3
- 鹿沼土(小粒):2
- ベラボン(ヤシ殻チップ):1
ポイントは、通常の赤玉土ではなく、型崩れしにくい「硬質赤玉土」を使うことと、軽石の比率を高めることです。
また、ベラボン(ヤシの実チップ)を少し混ぜることで、土の中に大きな隙間を作り、根に最大限の酸素を供給します。
「水やりをしたら、3秒で鉢底から水が出る」くらいの水はけを目指してください。
実生用の用土は?種まきの適性
モンステラを種から育てる「実生(みしょう)」に挑戦する場合、大人の株と同じ土を使ってはいけません。
発芽したばかりの赤ちゃん根っこは非常に繊細で、肥料分が含まれている土だと「肥料焼け」を起こして枯れてしまいますし、土の中の雑菌にも弱いです。
そこで、種まきや発芽直後の育苗には以下の条件を満たした土を使います。
- 無菌であること(新品の土を使う)
- 肥料分が含まれていないこと
- 保水性が高いこと
具体的には、「バーミキュライト単体」や「種まき・挿し木専用の土」がベストです。
これらは非常に保水性が高く、無菌状態で販売されているため、カビや病気のリスクを最小限に抑えられます。
本葉が2〜3枚出て、根がしっかり張ってくるまでは、この清潔な土で過保護に育ててあげましょう。
植え替え時の土の配合手順


いざ植え替え!という時に慌てないよう、配合の手順をシミュレーションしておきましょう。
用意するもの
- ブレンドする各用土(赤玉土、腐葉土、軽石など)
- 土入れ(スコップ)
- 大きめのバケツ、または園芸用シート(ブルーシートでも可)
- 緩効性肥料(マグァンプKなど)
- ふるい(あれば)
配合ステップ
赤玉土や鹿沼土は、袋の底に粉が溜まっています。
これが混ざると排水性が悪くなるので、できれば「ふるい」にかけて粉を落とします。
これだけで土のグレードが一段階上がります。
バケツやシートの上に、決めた比率で土を出します。
手やスコップを使って、色が均一になるまでよーく混ぜ合わせます。
ムラがあると、場所によって水はけが変わってしまうので注意です。
ここで忘れずに肥料を投入します。
マグァンプKなどの「緩効性肥料」を、パッケージの規定量通りに混ぜ込みます。
根に直接触れても肥料焼けしないタイプを選ぶのがコツです。
最後に、霧吹きなどで水を少し吹きかけ、土をしっとりさせます。
乾燥したままだと植え付け時に粉が舞いますし、植え付け後の水馴染みも悪くなります。
「握ると固まるけど、指で押すと崩れる」くらいの湿り気が理想です。
この「湿らせる」というひと手間を加えるだけで、植え替え後のモンステラの根付き(活着)スピードが格段に上がります。
乾いた土をいきなり入れると、根の周りの水分を土が奪ってしまい、一時的に乾燥ストレスがかかることがあるからです。
私もいつも使っているテクニックなので、ぜひ真似してみてくださいね。
水はけが悪くなるのは土の劣化サイン


「最近、水をあげてもなかなか土に染み込んでいかないな…」
「鉢底から水が出てくるまでに時間がかかるようになった気がする」
もし、日々の水やりでこのような違和感を感じたら、それは土からの「助けて!」というSOSサイン(劣化の合図)かもしれません。
どんなにこだわって最高の配合で作った土でも、残念ながら土は「消耗品」です。
永久に使い続けることはできません。
モンステラを長く育てていると、必ず土の寿命がやってきます。
では、なぜ土は劣化してしまうのでしょうか?
そのメカニズムと、具体的なサイン、そして対処法について詳しく見ていきましょう。
1. 団粒構造の崩壊(微塵の発生)
私たちが配合に使った「赤玉土」や「鹿沼土」は、粘土質の土を焼き固めた粒です。
これらの粒は、日々の水やりの水圧や、鉢の中で成長する根っこの圧力、さらには土壌バクテリアの活動などによって、時間をかけて徐々に崩れていきます。
粒が崩れると、細かい粉(微塵:みじん)になります。
この微塵が、鉢の中で下の方に沈んでいき、これまで空気の通り道だった「隙間」を埋めてしまうのです。
隙間が埋まると、当然ながら水は通らなくなり、空気も入らなくなります。
鉢の中は常にジメジメとした泥のような状態になり、根腐れ菌(フザリウム菌など)が大好きな環境へと変わってしまうのです。
2. 土壌酸度(pH)の変化
日本の水道水は一般的に中性〜弱アルカリ性であることが多いですが、雨水や肥料成分の影響、そして植物自身の根から出る老廃物(有機酸)の蓄積によって土壌のpHバランスは徐々に変化します。
そして、多くの場合は「酸性」に傾いていきます。モンステラは弱酸性を好みますが、土が古くなって酸性が強くなりすぎると、根が肥料成分(特にマグネシウムやカルシウム)をうまく吸収できなくなります。
これが肥料をあげているのに葉の色が薄くなる現象の原因になります。
3. 劣化を見極める3つのサイン
土の交換時期(植え替えのタイミング)を見逃さないために、以下の症状が出ていないかチェックしてみてください。
- ウォータースペースに水が溜まる・・・水をあげた時、土の表面に水溜りができて、なかなか引いていかない。
- 鉢底から濁った水が出る・・・最初のうちは透明な水が出るはずですが、茶色く濁ったドロドロの水が出る場合は、土が粉状になっている証拠です。
- 土の表面にコケや藻が生える・・・排水性が悪く、表面が常に濡れているため、青いコケや緑色の藻が発生します。
対処法:再生材よりも「全交換」がおすすめ
ホームセンターには「古い土の再生材」という商品も売られていますが、モンステラのような鉢植え栽培の場合は、リスクを避けるために「新しい土への全交換」を強くおすすめします。
なぜなら、古い土には植物の老廃物や病原菌が残っている可能性があるからです。
「もったいない」と感じるかもしれませんが、大切なモンステラの健康には代えられません。
劣化した土は、自治体のルールに従って処分するか、お庭の土壌改良材として再利用しましょう。
白いカビやコバエが発生した時の対処法
室内でモンステラを育てていると、どうしても直面するのが「衛生面」のトラブルです。
特に梅雨時期や、暖房を使って部屋が暖かくなる冬場に、土の表面に白いフワフワしたカビが生えたり、どこからともなく小さなコバエ(キノコバエ)が湧いたりすることがあります。
これらのトラブルは、見た目が不快なだけでなく、放置するとモンステラの生育にも悪影響を及ぼします。
でも安心してください。
原因を理解して正しく対処すれば、室内でも清潔な環境を取り戻すことができます。
- 有機質用土の使用: 腐葉土、堆肥、有機肥料(油かすなど)は、カビや虫にとって最高のご馳走(エサ)です。これらが土の表面に露出していると、匂いに釣られて虫がやってきたり、カビの胞子が付着して繁殖したりします。
- 過湿と通気不足: 土が常に濡れていて、風通しが悪い環境は、カビや虫の温床になります。特に受け皿に水を溜めっぱなしにしていると、そこからボウフラなどが湧くこともあります。
対処法①:土の表面を「無機質」でコーティングする(化粧砂)
最も効果的で、かつ薬を使わない安全な方法は、「マルチング(化粧砂)」です。
やり方はとても簡単。土の表面から3cm〜5cm程度の深さまで、元の土を取り除きます。
そして代わりに、新品の「赤玉土(小粒)」や「鹿沼土(小粒)」、「化粧石」などを敷き詰めます。
コバエは土の中の有機物の匂いを嗅ぎつけて卵を産みに来ますが、表面が無機質の土(石)で覆われていると、エサがないと判断して寄り付かなくなります。
また、赤玉土などは無菌なので、表面にカビが生えるリスクも劇的に下がります。
「土の中に有機質を入れたいけど、虫は嫌」という場合は、このサンドイッチ作戦が最強の解決策です。
対処法②:薬剤や木酢液を活用する
すでに虫が発生してしまっている場合は、物理的な対策と合わせて薬剤の使用も検討しましょう。
家庭園芸用の「オルトラン粒剤」を土にパラパラと撒いておくと、植物が成分を吸収し、その植物を食べた虫を駆除する効果があります(ただし、オルトラン特有の匂いがあるため、室内使用時は換気に注意してください)。
室内での使用を想定するなら、スタークルGやベストガードという薬剤がオススメです。
これらはオルトランGと同じ「撒くだけ」タイプですがほぼ無臭なのが大きな特徴です。
また、カビに対しては、消毒用エタノールや木酢液を薄めたものをスプレーするのも一時的な効果があります。
ただし、根本的な解決には「風通しの改善」と「土の乾燥」が不可欠です。
サーキュレーターを使って空気を循環させ、土の表面を乾きやすくしてあげましょう。
なお、害虫被害が深刻な場合の対処法については、以下の記事でも詳しくまとめています。
手遅れになる前にぜひチェックしてみてください。


バークチップで乾燥防止と見た目アップ
おしゃれなインテリアショップやカフェに置いてあるモンステラを見ると、土の表面に茶色いウッドチップのようなものが敷き詰められていることが多いですよね。
あれは「バークチップ(松の樹皮)」と呼ばれる園芸資材です。
「ただの飾りでしょ?」と思われがちですが、実はモンステラの生育にとっても非常に合理的なメリットがたくさんあるんです。
土の配合と合わせて、この「表面の仕上げ」にもこだわってみましょう。
バークチップを敷く(マルチングする)メリット
| メリット | 解説 |
|---|---|
| 1. 乾燥防止 | 土の表面からの水分蒸発を防ぎ、適度な湿度を保ちます。特にエアコンの風が直接当たるような乾燥した室内では、土がカラカラになるのを防ぐ保湿剤の役割を果たします。 |
| 2. 泥はね防止 | 水やりの際、勢いよく水を注ぐと泥が跳ね返り、葉の裏に付着することがあります。土の中にいる病原菌が葉に移ることで病気(軟腐病など)になるリスクがありますが、バークチップがクッションになりこれを防ぎます。 |
| 3. 温度変化の緩和 | 夏場の直射日光による地温の上昇や、冬場の急激な冷え込みを和らげる断熱材の役割を果たします。根への温度ストレスを減らすことができます。 |
| 4. インテリア性 | 何と言っても見た目がおしゃれです。黒っぽい土が見えなくなるだけで、部屋全体が明るく清潔な印象になります。 |
ココヤシファイバーとの違いは?
バークチップの他にも、茶色いモジャモジャした繊維状の「ココヤシファイバー(ココファイバー)」も人気があります。
こちらはよりナチュラルで柔らかい雰囲気を演出できますが、繊維が細かく、一度敷くと土の状態(乾き具合)を確認するのが少し難しくなるという難点もあります。
バークチップなら、ゴロゴロしているので手で簡単に退かして土の様子を見ることができます。
初心者の方には、扱いやすいバークチップの方がおすすめです。
導入時の注意点:水分管理が難しくなる
マルチングをすると、土の表面が隠れてしまうため、「土が乾いたかどうか」を目視で確認できなくなります。
これが原因で、土がまだ湿っているのに水をあげてしまい、根腐れさせてしまうケースが後を絶ちません。
マルチングをする場合は、必ず「水分計(サスティーなど)」をセットで使うことを強く推奨します。
これがあれば、バークチップを退かさなくても、スティックの色を見るだけで水やりのタイミングが完璧にわかります。
土を使わない栽培方法の可能性
「そもそも、部屋の中に土を持ち込むこと自体が抵抗ある…」
「キッチン周りに置きたいから、完全に清潔にしたい」
そんな綺麗好きな方には、思い切って「土を使わない」という選択肢もあります。
モンステラは適応能力が高い植物なので、土以外の培地でも育てることが可能です。
1. ハイドロカルチャー(水耕栽培の一種)
粘土を高温で焼いて発泡させた「ハイドロボール(レカトン)」という人工の石を使って育てる方法です。
ハイドロボールには無数の小さな穴が空いており、そこに酸素を取り込みながら、底に溜めた水を吸い上げて根に供給します。
- メリット: 無菌・無臭で虫がわかない。洗って何度でも使える。水位計を使えば水管理が楽。
- デメリット: 土に比べて成長スピードが非常に遅い。根腐れ防止剤(ゼオライトなど)が必要。土植えの株を移行する場合、根を全て洗う必要があるためリスクがある。
2. 水挿し(完全水耕栽培)
ガラスの花瓶などに水を入れ、そこにモンステラを挿しておくだけのシンプルな方法です。
根の成長する様子がガラス越しに見えるので、インテリアとしても人気があります。
- メリット: 最も清潔で簡単。おしゃれ。
- デメリット: 水中の酸素が不足しやすく、水をこまめに(毎日〜2日に1回)交換しないと水が腐る。植物が必要とする微量要素が不足するため、長期的な維持には水耕栽培専用の肥料が必要。
大きくしたいならやっぱり「土」
土を使わない栽培方法は、清潔さという点では最強ですが、モンステラ本来の「野性味あふれる巨大な姿」を楽しむにはパワー不足です。
ハイドロカルチャーなどでは、どうしても葉が小さくなったり、茎が細くなったりしがちです。
- 「小さく可愛く、テーブルの上で楽しみたい」ならハイドロカルチャー。
- 「天井に届くくらい大きく立派に育てたい」なら、今回ご紹介した配合土。
このように、あなたの目指すモンステラ像に合わせて、土を使うかどうかも選んでみてくださいね。
まとめ:モンステラの土の配合をマスターし健康に育てる
ここまで、モンステラのための土の配合について詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
「たかが土」と思っていたものが、実はモンステラの命運を握る「要(かなめ)」であることがお分かりいただけたかと思います。
最後に、今回の記事の重要ポイントをもう一度おさらいしておきましょう。
- 基本は排水性: どんな配合にするにしても、根腐れを防ぐために「水はけ(通気性)」を最優先にする。赤玉土と軽石が最強のパートナー。
- 目的で使い分け: 室内で清潔に保ちたいなら「無機質ブレンド(赤玉・鹿沼・軽石)」。大きく育てたいなら「有機質ブレンド(+腐葉土)」。
- 市販の土はカスタム: そのまま使うよりも、軽石やパーライトを2割ほど混ぜる「ちょい足し」で、根腐れリスクは激減する。
- 劣化したら交換: 水はけが悪くなったり、微塵が詰まったりしたら、土の寿命。新しい土にリフレッシュしてあげよう。
- 表面の工夫: コバエ対策や乾燥防止には、マルチング(化粧砂やバークチップ)が有効。ただし水分計との併用を忘れずに。
自分で配合した土に植え替えて、モンステラが新しい葉っぱを出してくれた時の喜びは、既製品の土では味わえない特別なものです。
「元気に育ってね」と声をかけながら土を混ぜる時間は、植物との絆を深める素敵なひとときになるはずです。
ぜひ、あなたのお部屋の環境やライフスタイルにぴったりの「マイ・ベスト・ブレンド」を見つけて、モンステラとのグリーンライフをもっともっと楽しんでくださいね!








