こんにちは!「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。
毎日大切に育てているサンスベリアが伸びすぎたらどうするべきか、悩んでいませんか。
お部屋のサンスベリアの徒長は剪定で綺麗に整えることができますが、いざハサミを持っても、どこを切るのが正解なのか迷ってしまいますよね。
たとえば、先端を切るのが良いのか、それとも葉を切る時は根元のほうがいいのか。
また、丸くて太い「スタッキー」を切る場合はどうお世話すればいいのかなど、初めてだと分からないことばかりかなと思います。
サンスベリアが伸びすぎたから切るという決断は少し勇気がいりますが、正しい手順を知ればきっと綺麗に整えてあげられますよ。
この記事では、サンスベリアの葉が倒れる原因や、細くなったサンスベリアを太くするにはどうしたらいい?といった日々のお悩みから丁寧にお話ししていきますね。
さらに、切った葉っぱを無駄にしない葉挿しのやり方や、元気に育ったサンスベリアが増えすぎて困る時の優しい対処法まで、順番に分かりやすく解説していきます。
読者さんの抱えている不安が少しでも軽くなって、もっとサンスベリアとの暮らしが楽しくなるように、私と一緒にひとつずつ疑問を解決していきましょう。
- 伸びすぎたり倒れたりしてしまう原因と栽培環境の改善策
- 失敗を防ぐサンスベリアの正しい剪定時期と切るべき位置
- 切った葉を無駄にせず土や水を使って新しい株に増やす方法
- 美しい姿を長く保つための植え替えや株分けのメンテナンス手順

伸びすぎたサンスベリアを切る原因と基本対策
サンスベリアの形が崩れてしまうのには、必ず環境的な理由やSOSのサインが隠れています。
まずは、どうして葉っぱがひょろひょろと伸びすぎてしまうのか、その根本的な原因と、いざ切る前に私たち人間ができる基本の対策について一緒に見ていきましょう。
サンスベリアが伸びすぎたらどうするべきか
サンスベリアを大切に育てていると、気づかないうちに葉っぱがひょろひょろと細長く伸びてしまうことがありますよね。
毎日観察しているつもりでも、ある日突然「あれ?なんだか形が崩れてきたかも…」と驚かれる方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、一度ひょろひょろに間延びしてしまったサンスベリアの葉は、残念ながら元の硬くて真っ直ぐな姿には戻りません。
植物の細胞が縦方向に不自然に引き伸ばされてしまった状態なので、一度伸びてしまった部分が、あとからギュッと縮むことはないんです。
そのため、伸びすぎて樹形が崩れてしまった場合の最も確実で効果的な対処法は、思い切って剪定(切る)することになります。
今まで大切に育ててきた葉っぱにハサミを入れるなんて可哀想…とためらってしまうお気持ち、とてもよく分かります。
ですが、そのまま放置してしまうと、柔らかい葉が自分の重さに耐えきれずに折れ曲がってしまったり、見た目のバランスが悪くなるだけでなく、植物全体の体力もどんどん奪われていってしまいます。
実は、伸びすぎた部分をリセットしてあげることは、サンスベリアにとって負担を減らすためのとてもポジティブな処置なんですよ。

役目を終えた葉っぱを維持するために使われていたエネルギーを、根っこの強化や、これから生えてくる新しい元気な芽のために集中させることができるようになります。
なので、「切ることはかわいそうなことではなく、これからの成長を助けるための愛情のサイン」と捉えて、前向きなお手入れとして挑戦してみてほしいなと思います。
さらに、サンスベリアは生命力が非常に強い植物なので、正しい手順で剪定を行えば、驚くほどたくましく復活してくれます。
初めての剪定は少し勇気がいるかもしれませんが、この記事でしっかりサポートしていきますので、一緒にサンスベリアの健康を取り戻す第一歩を踏み出してみましょう。
葉が倒れる原因と徒長の関係

本来であれば、上に向かってスッとシャープに立ち上がる姿が魅力のサンスベリアですが、葉が横にパタッと倒れる時は、植物からの「環境が合っていないよ」というサイン、つまり「徒長(とちょう)」を起こしていることが多いです。
momo私も初めてサンスベリアをお迎えした時、凛とした立ち姿にうっとりしていたのに、ある日突然葉っぱがだらしなく外側に開いて倒れてしまって、すごくショックを受けた経験があります。
でも大丈夫、原因が分かればしっかり対処できますよ!
まず一番多い原因が「日照不足」です。
サンスベリアは「日陰でも育つ」とよく言われますが、本来は明るい太陽の光が大好きな植物です。
お部屋の奥の方など、慢性的に光が足りない場所に置いていると、少しでも光を浴びようとして無理に葉っぱを長く伸ばそうとします。
この時、細胞の中身がスカスカのまま背だけが高くなるため、本来の分厚さや硬さが失われ、自分の重みに耐えきれずに倒れてしまうんです。
また、意外と知られていないもう一つの大きな原因が「お水のあげすぎ(過湿)」です。
サンスベリアは乾燥した地域が原産なので、土がいつも湿っていると「早く水分を体の外に出さなきゃ!」と焦ってしまいます。
水分を蒸発させる面積を広げるために、無駄に葉を長く伸ばしてしまうという植物の防衛本能が働いてしまうみたいです。
これもまた、中身の詰まっていない薄くて弱い葉っぱを作ってしまう原因になります。
もっと詳しく知りたい方は、過去にまとめたサンスベリアが根元から倒れる原因と復活法の記事もぜひ読んでみてくださいね。
まずは「光が足りているか」「お水をあげすぎていないか」の2つのポイントを見直すことが、徒長を防ぐための最大のカギになります。
サンスベリアを太くするにはどうしたらいい?
細くひょろひょろに伸びてしまったサンスベリアを見ると、「なんとかして元の太くて立派な葉っぱに戻してあげたい!」と思いますよね。
肥料をたくさんあげたり、日当たりの良い場所に移動させたりすれば、後から葉っぱが太くなってくれるのでは…と期待してしまうお気持ち、すごくよく分かります。
ですが、先ほどもお話しした通り、一度伸びてしまった葉っぱを後から太く成長させることは、植物の仕組み上どうしてもできません。
それでは、サンスベリア全体を太くがっしりとした姿に仕立て直すにはどうしたらいいのでしょうか。
一番のおすすめの解決策は、細くなってしまった葉を根本から思い切って切り落とし、新しく生えてくる芽(新芽)を最初から適切な環境で育てることになります。
新芽を太く立派に育てるための環境づくりには、いくつかの重要なポイントがあります。
第一に、十分な日光です。直射日光は葉焼けの原因になるので避けた方が良いですが、レースのカーテン越しなど、明るくて風通しの良い窓辺がベストな置き場所になります。
十分な光を浴びることで、葉の組織がギュッと詰まった丈夫な姿に成長してくれます。
第二に、メリハリのある水やりです。
土の表面だけでなく、鉢の中の土が完全に乾ききってから、さらに数日待って鉢底から流れ出るまでたっぷりとお水をあげるようにしてください。
この「しっかり乾かして、たっぷりあげる」というサイクルが、根っこを強くし、結果として地上部の葉っぱを分厚く太く育てるための原動力になります。
成長期である春から秋にかけて、薄めた液体肥料を月に1〜2回程度与えるのも、新芽の健やかな成長をサポートしてくれるのでおすすめですよ。
切らずに支柱でまとめて倒れるのを防ぐ策
「徒長しているのは分かったけれど、まだそこまでひどく伸びていないし、どうしてもハサミを入れる勇気が出ない…」という方もいらっしゃると思います。
伸び始めの初期段階で、「少し葉っぱが横に広がってきたかな?」程度の状態であれば、すぐに切るのではなく、物理的に支えて姿勢を矯正してあげるのも一つの有効な手段です。
この時に大活躍してくれるのが、100円ショップやホームセンターの園芸コーナーなどで手軽に購入できる「リング状の園芸用支柱」です。
朝顔やミニトマトの栽培などでよく使われる、複数の丸い枠(リング)が段になって付いているタイプの支柱ですね。
使い方はとっても簡単です。
外側に倒れそうになっているサンスベリアの葉っぱを、優しく束ねるようにしてリングの内側に通し、支柱の脚の部分を鉢の土の奥深くまでしっかりと挿し込んで固定するだけです。
この支柱サポートには、大きく2つのメリットがあります。
- 葉っぱが自重で完全に折れ曲がってしまったり、根元から裂けてしまったりする取り返しのつかない大きなダメージを未然に防げる
- 強制的に直立姿勢をキープさせることで、お部屋の窓から差し込む光を効率よく葉の表面で受け止められるようになる
まっすぐ立てて光合成を促しつつ、日当たりの良い適切な場所に移動させて様子を見てあげてくださいね。
ただし、注意していただきたい点もあります。
支柱を土に挿し込む際は、サンスベリアの地下にある太い茎(地下茎)や大切な根っこを傷つけないように、少しずつ慎重に挿し込むようにしてくださいね。
また、支柱はあくまで「これ以上ひどくならないためのサポート」であり、薄くなった葉っぱが急に太くなるわけではありません。
細胞組織が徐々に硬くなって自立力を取り戻すまで、気長に優しく見守ってあげることが大切です。
どうしても自立できないほど弱ってしまった場合は、やはり思い切って剪定することをおすすめします。
植え替えによる根本的な栽培環境の改善
サンスベリアの葉っぱがひょろひょろと伸びすぎたり、全体的に元気がなくなってきたりする原因として、お水や光の問題と同じくらい意外と多いのが「根詰まり」なんです。
サンスベリアは地下茎を横に伸ばして増えていく性質があるため、何年も同じ鉢で育てていると、鉢の中が根っこと地下茎でパンパンの窮屈な状態になってしまいます。
鉢の中が根っこでいっぱいになると、土の中の酸素がなくなってしまい、古い根が新しい根の成長を邪魔するようになります。
すると、お水をあげても土に染み込まず、必要な栄養分もうまく吸い上げられなくなってしまいます。
その結果、サンスベリアは十分な栄養を使って分厚い葉っぱを作ることができず、代わりに細くて弱い葉っぱばかりを伸ばす「徒長気味」の育ち方になってしまうのです。
このような根本的な環境悪化をリフレッシュして元気な状態をキープするためには、2〜3年に1度、成長期である春から初夏(5月〜7月頃)にかけて定期的な植え替えを行ってあげるのが理想的です。
鉢底の穴から根っこがはみ出している場合や、水を与えてもなかなか土に染み込まない場合は、年数に関わらず深刻な根詰まりのサインですので、早めに植え替えをしてあげましょう。
植え替え直後の水やりに要注意!
植え替え作業では、どうしても古い根を切ったり崩したりするため、植物はダメージを負ってデリケートな状態になっています。
ここで焦ってすぐにお水をたっぷりあげてしまうと、弱った根が対応できずに根腐れを引き起こす確率が非常に高いです。
植え替え後は、直射日光を避けた風通しの良い日陰で、約1週間は一切お水をあげずに静かに休ませて(養生させて)あげてくださいね。
新しい土は、市販されている「サンスベリア・多肉植物専用の土」など、パーライトや軽石が多く配合された水はけの極めて良いものを選ぶのが失敗しないコツです。
鉢底石もしっかり敷き詰めて、通気性バツグンの新しいおうちを作ってあげてくださいね。
徒長を剪定で解決する目的
「伸びすぎたサンスベリアを剪定する」と聞くと、単純に見た目のバランスを整えるため、お部屋のインテリアとしての美しさを取り戻すため、と思われるかもしれません。
もちろん景観の回復も大きな理由の一つですが、実はそれ以上に「植物自身の健康と命を守るため」という非常に重要な生理学的な目的があるんです。
ひょろひょろに徒長して横に倒伏してしまった葉っぱや、折れ曲がってしまった葉っぱをそのまま放置していると、鉢の上が葉っぱで密集状態になってしまいます。
すると、株元の風通しが極端に悪化し、常に湿気がこもった状態になりやすくなります。
このような風通しの悪いジメジメした環境は、カビなどの病原菌や、カイガラムシといった吸汁性害虫(植物の汁を吸う害虫)にとって、絶好の住処(すみか)になりやすいんです。
特にカイガラムシは厄介で、葉っぱの隙間に隠れて樹液を吸い続けるため、サンスベリアの体力をどんどん奪っていきます。
さらに彼らの排泄物から「すす病」という黒いカビの病気が発生することもあり、光合成すらできなくなってしまう危険性があります。
そこで、不要になった徒長葉を思い切って剪定してあげることで、株全体の風通しが一気に改善し、害虫や病気の発生リスクを大幅に下げることができます。
また、植物は限られたエネルギーを使って生きています。
倒れて機能しなくなった葉っぱを維持するために無駄なエネルギーを使うのをやめさせることで、その分のパワーを根っこの強化や、地下茎から新しく出てくる健康で力強い新芽の成長に全集中させることができるようになります。
つまり、剪定はサンスベリアを若返らせ、より健やかに育てるためのポジティブなリセット作業なんですね。
なお、徒長している葉がたくさんある場合、「一度に全部切ってしまって大丈夫?」と心配になるかもしれません。
サンスベリア全体の葉の量が極端に減ってしまうと光合成ができなくなってしまうため、まずは「完全にポキッと折れ曲がって自力で立つのが難しそうな葉」や「極端に細くてグラグラしている葉」から優先して根元からカットし、自立できている比較的元気な葉は数枚残しておくのが安全です。
伸びすぎたサンスベリアを切る手順と増やす方法
ここからは、実際に伸びすぎたサンスベリアを剪定する際の正しい手順と、切り落とした葉っぱを捨てずに新しい命として増やす方法について、さらに深く解説していきますね。
大切な植物を傷つけず、失敗を防ぐためのポイントがいくつかあるので、順番に丁寧に見ていきましょう。
剪定に適した時期と冬の休眠期の注意点


サンスベリアの剪定は、植物にとって体の一部を切り落とされる外科手術のようなものです。
そのため、ハサミを入れる「タイミング(季節)」を間違えないことが、その後のスムーズな回復を成功させるための絶対条件になります。
剪定を行うのに最も適しているのは、植物の生命活動が一番活発になる春から夏、具体的には5月から9月頃の「生育期」(気温の目安としては20℃〜30℃)の期間です。
この時期のサンスベリアは細胞分裂がとても盛んで代謝が良いため、切断された傷口がスピーディーに乾燥し、傷口を塞ぐための「カルス」というかさぶたのような組織をあっという間に作ってくれます。
自己修復能力が高い時期だからこそ、切られたダメージから素早く立ち直り、新しい芽を出すための準備に移行できるのです。
冬の剪定はサンスベリアの負担になるのでお休みしましょう
サンスベリアは熱帯アフリカ原産のため、寒さが何よりも苦手です。
気温が15℃を下回る12月〜4月頃は、成長を完全にストップさせて冬眠する「休眠期」に入ります。
この活動が止まっている時期に葉っぱを切ってしまうと、植物には傷口を修復するパワーが残っていません。
冬場に剪定をしてしまうと、いつまでたっても切り口が乾かず、そこからバイ菌が入り込みやすくなってしまいます。
傷口から傷みが進んで全体がダメになってしまうこともあるので、注意が必要ですね。
もし冬の間に伸びすぎた葉っぱが気になっても、ハサミを入れるのはグッと我慢して、暖かくなる春を待ってからお手入れをしてあげてくださいね。
剪定はどこを切るのが正解か
さて、いざサンスベリアにハサミを入れようと決心した時、一番悩むのが「一体どの辺りから切ればいいんだろう?」という位置の問題ですよね。
実は、切る位置を間違えてしまうと、その後のサンスベリアの姿が大きく変わってしまうんです。
作業をスムーズに進めるため、切る前にまずは以下の道具を手元に準備しておきましょう。
- 清潔なハサミやナイフ(切れ味が良く、事前にアルコールや熱湯で消毒済みのもの)
- 新聞紙やビニールシート(床が土や水分で汚れるのを防ぎます)
- 消毒用アルコールまたは除菌シート(作業前後の道具の消毒用)
- 新しい土と鉢(植え替えや葉挿しを同時に行う場合)
- マジックペン(葉挿しをする際、葉の上下の目印を書くのに便利です)
具体的な「正解の位置」をお伝えする前に、準備した道具の中でも特に気をつけていただきたいのが、使うハサミの「清潔さ」と「切れ味」です。
私たち人間が怪我をした時にバイ菌が入らないように消毒するのと同じで、植物の切り口もとてもデリケートです。
剪定に使うハサミやナイフは、使用する前に必ず消毒用アルコールで拭き取るか、熱湯をかけたりしてしっかりと滅菌処理をしておいてください。
過去に他の病気の植物を切ったハサミをそのまま使うのは、避けてくださいね。
また、切れ味の悪い古いハサミを使うと、植物の水や栄養の通り道をグシャッと押し潰すように切ってしまい、細胞が大きなダメージを受けてしまいます。
スパッと綺麗に切れる鋭い刃物を使うことで、傷口の面積を最小限に抑え、水分の流出や雑菌の侵入を防ぐことができます。
切れ味が良いと、植物が傷口を塞ぐ(カルスを形成する)スピードも格段に早くなります。
清潔なハサミが準備できたら、いよいよ「どこを切るのが正解なのか」、まずはやってしまいがちな切り方から順番に見ていきましょう。


先端を切るのは美観を損なう
伸びすぎたサンスベリアを見ると、「ひょろひょろ伸びた上の部分だけを切って、周りの葉っぱと同じ高さに揃えてあげようかな」と考えてしまう方も多いと思います。
人間の髪の毛をカットして長さを揃えるような感覚ですよね。
ですが、サンスベリアの場合は、葉の真ん中や先端部分だけを水平にパツンと切ることはおすすめできません。
なぜなら、サンスベリアは葉っぱが伸びていくための「成長点」が葉の先端ではなく、土に埋まっている根元のほうにあるからです。


そのため、葉っぱを途中で切断してもそこから枯れてしまうことはありませんが、切られた断面はそのままの四角い形で残り続けることになります。
一度切ってしまったら最後、そこから魔法のように新しい細胞が作られて、本来のサンスベリアらしい「剣のように尖った美しい葉先」が再生することは永久にありません。
想像してみてください。周りの葉っぱはシャープに尖っているのに、途中で切られた葉っぱだけが不自然な平らな断面を見せたまま、いつまでも鉢の中に残り続ける姿を。
観葉植物としてお部屋に飾って楽しむ上で、これは著しく美観を損なってしまいますよね。
せっかくスタイリッシュな雰囲気が魅力の植物ですから、そのデザイン性を崩さないためにも、「途中切り」や「先端だけのカット」は避けるべきなんです。
葉を切る時は根元からが鉄則
先端を切るのがおすすめできないなら、どうすればいいのか。もうお分かりかと思いますが、サンスベリアの剪定の正解は、中途半端な位置ではなく「土から生え際ギリギリの根元から切り落とす」ことです。
やり方としては、切りたい葉っぱを片手で優しくしっかりと持ち、もう片方の手に持った清潔なハサミを、鉢の土スレスレの位置まで差し込みます。
他の健康な葉っぱや新芽を傷つけないように注意しながら、思い切って根本からスパッと切り離しましょう。
根本から切ることで、不自然な切り口が他の葉っぱの陰や鉢の縁に隠れるため、株全体をパッと見た時にとても自然で美しいシルエットを保つことができるんです。
切った直後のアフターケアが命!
根元から切り落とした後、鉢に残ったサンスベリアの切り口は、水分でしっとりと濡れています。
この湿った状態は、空気中の雑菌にとって大好物の環境です。
切ったその日に水やりをしてしまうと、切り口から雑菌を含んだ水が入り込んで株が腐ってしまう危険があります。
剪定した後は、直射日光の当たらない風通しの良い日陰に鉢を置き、数日間はお水をあげるのをお休みしてくださいね。
自然の風に当てて切り口をしっかりと乾燥させ、薄いかさぶたのような膜(カルス)が張るのを確認するまでは、グッと我慢の期間です。


この少しの思いやりが、サンスベリアを病気から守る強力なバリアになってくれますよ。
ちなみに、「根本から切った後の残された切り株からは、また葉っぱが伸びてくるの?」と疑問に思うかもしれません。
結論から言うと、切った断面から再び葉が上へ伸びることはありません。
その代わり、植物は温存したエネルギーを使って、土の中の地下茎から全く新しいタケノコのような新芽(子株)をニョキニョキと出してくれます。
世代交代を促すようなイメージで、新しい芽の誕生を楽しみに待っていてくださいね。
筒状の「スタッキー」を切る方法
サンスベリアと一口に言ってもたくさんの種類がありますが、中には「スタッキー」や「ファーンウッド」のように、平べったい葉っぱではなく、丸くて太い筒状(棒状)の葉っぱを持つ個性的な品種もありますよね。
こうした品種が徒長して倒れてしまった場合でも、基本的な剪定のルールは全く同じで、「根元からスパッと切る」のが正解です。
ただし、スタッキーなどの分厚い品種を切る際には、特有の注意深く見守るべきポイントがあります。
それは、「切断面の面積が非常に大きくなる」ということです。
一般的な薄い葉の品種と比べて、太いスタッキーを根元で切断すると、水分のたっぷり詰まった瑞々しい断面がドカンと露出することになります。
植物内にゼリー状の水分を大量に貯蔵しているため、なかなか切り口が乾きません。
先ほどの「アフターケア」でもお話ししたように、切った後はしっかり乾燥させることが大切ですが、スタッキーは水分が多い分、他の品種よりもさらに時間をかけて乾かしてあげる必要があります。
風通しの良い場所で様子を見守り、もし数日経っても切り口がジュクジュクしていたり、黒ずんで嫌なニオイがしてきたりした場合は要注意です。
傷みが地下茎にまで達してしまうと手遅れになるため、その場合は早めに、さらに下の健康で硬い組織の部分まで切り戻してあげてください。
少し手間はかかりますが、この丁寧なケアが大切なスタッキーを守ることに繋がります。



少し怖いかもしれませんが、私も過去に根腐れでドロドロになってしまった株を綺麗な部分まで思い切って切り戻して、見事に復活してくれた経験がたくさんあります。
サンスベリアの生命力を信じて早めに対処してあげてくださいね。
切った葉で行う葉挿し手順
伸びすぎたからといって根本から切り落とした長い葉っぱですが、ただゴミ箱に捨ててしまうのはちょっと待ってください!
サンスベリアは生命力に溢れた素晴らしい植物で、「葉挿し(はざし)」というテクニックを使えば、その切った葉っぱ一枚一枚から新しい根っこを出させ、クローンとしてどんどん増やすことができるんです。
葉挿しの手順は難しそうに聞こえるかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば初心者の方でも十分に成功させることができます。


長い葉っぱを10cm〜15cmほどの間隔でハサミで切り分けます。
この時、必ず「葉っぱの上下(生えていた方向)」が分かるようにマジックで小さく印をつけるなど工夫してください。
逆さまに土に挿すとうまく根っこが出なくなってしまいます。
先ほどのお手入れと同じように、ここでも「切り口の乾燥」が最大の成功の秘訣です。
切った葉っぱを、直射日光の当たらない風通しの良い明るい日陰に数日間放置し、しっかりかさぶたを作ってあげてくださいね。
切り口が完全に乾いたら、水はけの良い赤玉土(小粒)や、サンスベリア専用土を入れた鉢に、葉の1/3ほどの深さまで挿し込みます。苔を使うのもおすすめです。
この時、土は湿らせないようにして、最初は乾燥気味に管理するのがコツです。
根っこがない状態でお水をあげても吸い上げられず、逆に腐る原因になってしまいます。
明るい日陰に置いておくと、約1ヶ月から数ヶ月で新しい根と可愛い新芽が顔を出してくれますよ。
もし発根の確率をさらに高めたい場合は、乾燥させる前の切り口に「ルートン」などの発根促進剤の粉末をパタパタと塗っておくのもプロの裏技としておすすめです。
詳しくは、サンスベリアが玄関で枯れる原因と復活方法の記事でも葉挿しのステップをご紹介しているので、合わせて読んでみてくださいね。
切った葉を水挿しで発根させる日々の管理
土に挿す方法以外にも、透明なガラス瓶やグラスなどに入れて、お水だけで根っこを出させる「水挿し(みずさし)」という増やし方もあります。
水挿しの最大の魅力は、なんといっても「根っこがにょきにょきと伸びていく様子を毎日観察できること」です。
お部屋のインテリアとしても涼しげでとっても可愛いんですよ。
ただし、本来は乾燥した地域で育つサンスベリアを水につけておくわけですから、腐らせないための厳重な管理が必要になります。
水挿しを成功させるためのお約束は以下の通りです。
まず第一に、葉挿しの時と同じように、必ず切り口を数日間完全に乾燥させてから水に入れることです。
水に入れるからといって湿ったままにしておくと、細胞が傷んであっという間にドロドロに腐りやすくなってしまうんです。



実は私、昔初めてサンスベリアの水挿しに挑戦した時「お水に入れるならすぐでいいよね」と切ってそのままドボンと入れてしまい、数日後に切り口がブヨブヨに溶けて悲しい思いをした苦い失敗談があるんです…。
それ以来、しっかり乾燥させてカサブタを作るステップだけは絶対に守るようにしています。
第二に、お水の量(水位)です。
葉っぱの半分以上が浸かるようなたっぷりのお水を入れるのは避けたほうが安心です。
植物も葉にある気孔から呼吸をしているので、深く沈めてしまうと窒息してしまいます。
お水は、乾燥させた切り口からわずか1〜2cm程度だけが浸かる「ごく浅い水位」をキープしてください。
第三に、水質と温度の管理です。
水の中に雑菌が繁殖するのを防ぎ、新しい根っこに新鮮な酸素を届けるために、お水はできるだけ毎日新しいものに取り替えてくださいね。
直射日光の当たらない、室温が20℃〜25℃くらいに保たれた明るい日陰に置いておくと、条件が良ければ数週間で白い不定根がたくさん生えてきます。
しっかり根が出たら、そのままハイドロカルチャーで育てるか、新しい土に優しく植え替えてあげましょう。
斑入り品種を増やす際の先祖返りという現象
葉挿しや水挿しは、捨ててしまうはずだった葉っぱから新しい命を生み出せるとても楽しい方法ですが、植物の遺伝の不思議さを実感する「ある落とし穴」が存在します。
それは、「ローレンティー(トラノオ)」のように、葉っぱのフチに黄色や白色の鮮やかなストライプ模様(斑・ふ)が入っている品種を増やす時のことです。
不思議な「先祖返り」という現象
実は、美しい斑入りの葉っぱを切り取って葉挿しにしても、そこから新しく生えてくる子株の葉っぱには、あの綺麗な黄色の模様は引き継がれません。
模様のない、緑一色の原種に近いワイルドな姿で生えてきてしまうんです。
これを園芸の世界では「先祖返り(せんぞがえり)」と呼んでいます。
なぜこんな不思議なことが起きるのかというと、斑入りのサンスベリアは「周縁キメラ」と呼ばれる、遺伝子の性質が違う複数の細胞層(緑の細胞と模様の細胞)が重なり合ってできている複雑な構造だからです。


葉挿しをして切り口から新しい芽を作る時、この複雑な層の構造をそのままコピーして再現することが植物にはできません。
結果として、一番生命力の強い「緑色の細胞」だけが増殖して新芽を作るため、斑が消えてしまうというわけなんです。
緑一色のサンスベリアもシックでとても素敵なのですが、「どうしても親株と同じ綺麗な黄色の模様を引き継いだクローンを作りたい!」という場合は、葉っぱを切って増やす「葉挿し」は諦めなければなりません。
その代わり、次にご紹介する「株分け」という方法を選ぶのがおすすめです。
サンスベリアが増えすぎて困る時の株分け
サンスベリアがあなたの愛情に応えて元気に育ってくれると、鉢の土の中からタケノコのように新しい子株が次々と顔を出してくれます。
順調に成長するのは嬉しいことですが、気がつくと鉢の中が子株でぎゅうぎゅう詰めになってしまい、「増えすぎてどうしよう!」と嬉しい悲鳴をあげることもありますよね。
そんな密集状態を放置すると、前述した根詰まりや徒長の原因になってしまうため、植え替えのタイミングに合わせて「株分け(かぶわけ)」という作業を行ってあげましょう。
株分けは、土の中で繋がっている太い親茎(地下茎)を切り離して、それぞれを独立した別の鉢に植え付ける方法です。


生育期である5月〜7月頃に鉢から植物を優しく抜き出し、古い土を軽く落として根っこの状態を確認します。
親株と子株を繋いでいる太い地下茎を見つけたら、消毒した清潔なハサミやナイフでスパッと切り離してください。
この時も剪定の時と同じお約束ですね。ばい菌が入らないように、切った後は日陰で半日〜1日ほど置いて切り口を乾燥させてから新しい土に植え付けるのが安心です。
株分けの最大のメリットは、葉挿しでお話ししたような「先祖返り」が起きないことです。
地下茎で繋がった状態から切り離すため、親株と全く同じ遺伝子(キメラ構造)を持った、美しい斑入りの模様もそのまま引き継がれた完全なクローンを作ることができます。
また、すでにしっかりとした根っこがついている状態でスタートできるため、葉挿しに比べて成長の再開が圧倒的に早いのも嬉しいポイントですね。
増えすぎたなと感じたら、ぜひ株分けでお友達にプレゼントしたり、お部屋のあちこちに飾ったりして楽しんでみてください。
まとめ:サンスベリアが伸びすぎたら切るのが一番
ここまで、サンスベリアがひょろひょろに伸びてしまう原因から、正しい切る位置、そして切った葉っぱの楽しい増やし方まで、たくさんのことをお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
毎日見守っているサンスベリアにハサミを入れるのは、最初はちょっと勇気がいることかなと思います。
ですが、形が崩れてしまった状態は、サンスベリアからの「環境をリセットしてほしい」というSOSのサインでもあります。
今回一緒に見てきた大切なポイントを、最後にもう一度おさらいしておきますね。


- 一度伸びた葉は太く戻らないため、土スレスレの根元から切るのが正解
- 切る時期は、植物の回復が早い春〜夏(5月〜9月頃)がおすすめ
- 切って風通しを良くすることで、病気や害虫の予防や、新芽の成長に繋がる
- 切り落とした葉っぱは、切り口をしっかり乾燥させてから葉挿しや水挿しで増やせる
- 親株と同じ模様(斑入り)を残したいなら、植え替えのタイミングで株分けをする
無理にそのままの姿で維持しようとするよりも、思い切って根元から切ってあげるのが、これからのサンスベリアの健康のためには一番の解決策になります。
不要な葉を減らして風通しを良くし、2〜3年に1度の植え替えで鉢の中をリフレッシュしてあげれば、持ち前の強い生命力で必ず元気に応えてくれますよ。
お日様の光や、メリハリのあるお水やりなど、今の栽培環境をもう一度優しく見直しつつ、ぜひポジティブな気持ちでお手入れに挑戦してみてくださいね。









