こんにちは!「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。
お部屋に飾っているアンスリウムが大きく育ってきたり、茎がひょろひょろと伸びてきたりして、そろそろどうにかしてあげたいなと思うこと、ありますよね。
ハート型の鮮やかなお花(本当は葉っぱの一部なんですが)が魅力のアンスリウム。
大切に育てているからこそ、自分で上手に増やして、もっとたくさんの鉢でお部屋を彩れたら素敵だなと思いませんか?
実はアンスリウムって、コツさえ掴めばお家でもしっかり増やすことができるんです。
この記事では、私が実際に試行錯誤しながらやってみた経験をもとに、初めての方でも失敗しにくい「株分け」と、少し伸びてしまった茎を活かす「挿し木」のやり方を、分かりやすく丁寧に解説していきます。
あなたの大切なアンスリウムを元気に増やすためのヒントがたくさん詰まっているので、ぜひ最後まで一緒に見ていきましょう!
- アンスリウムを増やすのに最適な時期と基本的な考え方
- 初心者でも失敗しにくい確実な「株分け」の具体的な手順
- 間延びした茎を活用する「挿し木」のコツと失敗しないための湿度管理
- 増やした後の健康な株を維持するための土づくりと環境設定
アンスリウムを増やす前に知っておきたい基本
アンスリウムを増やす作業に入る前に、まずはこの植物が本来どんな環境で生きてきたのか、そしてなぜ特定の時期に作業をするべきなのかを知っておくことがとっても大切です。
基礎を知ることで、失敗する確率をグンと下げることができますよ。
熱帯雨林生まれの着生植物という特性
アンスリウムの故郷は、熱帯アメリカや西インド諸島などの鬱蒼としたジャングルです。
ここで面白いのが、彼らの多くは地面にどっしりと根を張るわけではなく、大きな木の幹や枝に張り付いて生きる「着生植物」だということ。
ジャングルのジメジメとした空気中から、空中に伸ばした太い「気根(きこん)」を使って、わずかな水分や木の皮を伝い落ちる養分を吸収して生きているんです。
この性質を知っておくことは、増やす時だけでなく普段の育て方にも大きく関わってきます。
つまり、普通の草花のように「土が常に湿っている状態」は、アンスリウムにとっては息苦しくてたまらない環境だということ。
だからこそ、増やす時の用土も、空気がしっかり通るスカスカな状態にしてあげることが、彼らを元気に根付かせる最大のポイントになります。

増やすのに適した時期は生育期の5月から7月
植物には、元気に葉っぱを伸ばす「生育期」と、じっと寒さに耐える「休眠期」があります。
アンスリウムを株分けしたり挿し木したりするのは、植物自身の治癒力と成長パワーがマックスになる「5月から7月上旬」が絶対にベストな時期です。
この時期なら、根っこを切ったり茎をカットしたりして株にダメージを与えても、すぐに新しい根を伸ばして回復してくれます。
「今すぐやりたい!」という気持ちになることもあるかもしれませんが、そこはグッと堪えて、アンスリウムが一番元気な季節を待ってあげてくださいね。

確実に増やすなら株分けが第一候補
もしあなたが「絶対に失敗したくない」「確実性を重視したい」と思っているなら、第一候補は迷わず「株分け」です。
株分けというのは、親株の根元からポコポコと新しく生えてきている「子株」を、根っこごとそっと分けて別の鉢に植え替える方法です。
挿し木のように全く根がない状態からスタートするわけではなく、最初からある程度の根と芽が揃っているため、新しい環境に移した時のストレスが格段に少ないんです。
植え替えのタイミングで一緒にできるので、鉢の中がギュウギュウに窮屈になってきたなと感じたら、ぜひ株分けにチャレンジしてみてください。

初心者にも安心なアンスリウムの株分け方法
ここからは、一番成功しやすい「株分け」の具体的なやり方を見ていきましょう。
根をいじる作業なので少しドキドキするかもしれませんが、ポイントを押さえれば大丈夫です。
植え替えと同時に行う株分けの手順
株分けは、鉢が根でいっぱいになる「根詰まり」の解消も兼ねて、植え替え作業とセットで行います。
- 新しい鉢
- 水はけの良い用土
- 鉢底ネット

まずは、今の鉢からアンスリウムをそっと抜き出します。
根がびっしり張っている場合は、鉢の側面をトントンと優しく叩いてあげると抜けやすくなりますよ。
抜き出したら、古い土を指で優しく揉みほぐすようにして落としていきます。
この時、無理に引っ張って健康な根をちぎらないように気をつけてくださいね。
黒く変色してブヨブヨになっている傷んだ根があれば、消毒したハサミでカットしておきましょう。
土が落ちると、親株の周りに小さな子株がくっついているのが見えてくるはずです。
根と芽が付いた子株を見極めるポイント
株分けを成功させるための最大のコツは、「どの子株を分けるか」をしっかり見極めることです。
親株の根元をよく観察して、独自の根っこ(できれば数本)と、元気な葉っぱや新芽がしっかり付いている子株を選んでください。
根が全く生えていない小さな芽を無理に分けてしまうと、その後育たずに枯れてしまう可能性が高いです。
分ける時は、親株と子株のつながっている部分を両手で優しく持ち、ゆっくりと左右に揺らしながら自然に外れる場所を探します。
手でぽきっと分けられるのが一番ですが、もし硬くて離れない場合は、熱湯やアルコールでしっかり消毒したハサミやナイフを使って、スパッと切り離してください。
株分け後の適切な環境と水やり管理
子株を無事に切り離せたら、いよいよ新しい鉢に植え付けます。
大きすぎる鉢は土が乾きにくく根腐れの原因になるので、子株の根のボリュームに合った小さめのスリット鉢などを選ぶのがおすすめです。
鉢底ネットを敷き、軽石などを少し入れた上に、水はけの良い用土で優しく植え付けます。
根の間にしっかり土が入るように、鉢の側面を軽く叩きながら土を足していくと良いです。
植え付け直後は、株がとても疲れている状態です。
たっぷりと水を与えたら、直射日光の当たらない明るい日陰(レースのカーテン越しなど)で風通しの良い場所に置いて、1週間から2週間くらいはそっと休ませてあげましょう。

根付きの子株で挑んだ初めての成功体験
私も初めて株分けをした時は、「根っこを切っちゃって大丈夫かな…」とすごく不安でした。
でも、鉢が窮屈になってしまった5月の生育期に、思い切って植え替えと同時に挑戦してみたんです。
根と芽がしっかり付いている子株を慎重に切り離して新しい鉢に植え付けたところ、環境変化のストレスも少なかったようで、スムーズに生長を再開してくれました。
そして翌年の夏には、なんと鮮やかな赤い仏炎苞を再び咲かせてくれたんです!
「根付きの子株を分ける方法は、初心者でも一番確実なんだな」と心から実感したエピソードです。
確実な方法を選べば、きっとあなたの可愛いアンスリウムも元気に増えてくれますよ。
間延びした茎を活かす挿し木のやり方
長く育てていると、下の方の葉っぱが落ちてしまって、茎がひょろひょろと上に伸びすぎてしまうことがありますよね。
バランスが悪くなってしまった株を仕立て直す「切り戻し」をした時に、残った茎を捨ててしまうのはもったいないです!
その茎を使って「挿し木」にチャレンジしてみましょう。
挿し木に向いている茎の選び方とカット方法
挿し木を成功させるには、元気な茎を選ぶことが大切です。
徒長(間延び)してしまった茎の上から10cm〜15cmくらいの部分を使います。
ここで重要なのが、茎の途中にポツポツと出ている茶色い突起(気根)を含んだ「節(ふし)」を残してカットすることです。
アンスリウムは、この節の部分から新しい根っこを出してきます。
熱湯などで消毒した清潔なハサミを使って、スパッと綺麗に切り取ります。
切った茎(挿し穂と呼びます)は、葉っぱから水分が逃げるのを防ぐために、下の方の葉っぱは取り除き、一番上の元気な葉っぱを2〜3枚だけ残すようにしてください。
もし残した葉っぱが大きすぎる場合は、葉っぱを半分くらいにカットして蒸散を抑えるのも有効なテクニックです。
挿し木を成功に導く用土と湿度の関係
アンスリウムの挿し木は、用土選びと湿度のバランスが命と言っても過言ではありません。
通常の観葉植物の土にいきなり挿してしまうと、雑菌が繁殖したり過湿になったりして、発根する前に茎が腐ってしまうことが多いんです。
そこでおすすめなのが、清潔で保水性と通気性のバランスが良い無菌の用土です。

特に「水苔」は、アンスリウムの挿し木とすごく相性が良いですよ。
楽天市場の挿し木専用用土やバーミキュライトを使うのもアリです。
あらかじめ水でしっかり戻して軽く絞った水苔で、茎の根元(気根がある節の部分)を優しく包み込み、小さな鉢や透明なプラカップに入れます。

momoちなみに水苔は100円ショップでも手軽に買えるんですが、もし「今回の挿し木は絶対に失敗したくない!」という時は、繊維が長くてフカフカなニュージーランド産の水苔がおすすめです♪私も使っているんですが、お水を含ませた時の空気の入り方が全然違って、根っこの出やすさがグンと変わりますよ。
少し余っても保存がきくので、一つ持っておくととても心強いアイテムです💡
切り戻した茎の失敗と水苔でのリベンジ
実は私、挿し木で一度苦い失敗をしているんです。
上に伸びすぎてバランスが悪くなった株を切り戻した時に、残った茎を何も考えずにそのまま普通の土に挿して、毎日たっぷり水をあげてしまっていました。
そうしたら見事に過湿になり、根が出るどころか茎がドロドロに腐ってしまったんです。とてもショックでした…。
その失敗を胸に、翌年はしっかり対策を練ってリベンジしました。
土ではなく「水苔」を使用して、湿度が高すぎない絶妙な状態を保つように心がけたんです。
そして、気温が十分に上がる6月のベストな時期に再挑戦したところ、1ヶ月ほどで水苔の間から綺麗で真っ白な根っこがたくさん見えてきました!
この経験から、挿し木は「時期選び」と「デリケートな湿度管理」が成功の鍵を握るんだなと強く学びました。
大株の整理から生まれた一石二鳥の増殖法
株分けと挿し木、どっちが良いのかな?と迷っているあなたに、両方を同時に楽しむちょっとお得なやり方をご紹介します。
株分けと挿し木を同時に行うメリット
大きく育ちすぎたアンスリウムの全体的な仕立て直しをする時、株をよく観察してみてください。
根元から自然に分かれている子株がある一方で、上の方の茎だけが間延びしている部分もあるはずです。
そんな時は、根元の子株は「株分け」で確実な新しい鉢としてキープしつつ、カットして不要になった上部の茎は捨てずに「挿し木」として活用するのが最高の一石二鳥なんです。
確実な株分けで、愛着のある親株のDNAをしっかり残せる安心感がありますし、少し難易度の高い挿し木の方は、ちょっとした実験感覚で楽しむことができます。
リビングがアンスリウムだらけになった体験談
私も以前、すごく大きく育ったお気に入りの株を仕立て直した時にこの方法をやってみたんです。
株分けで2鉢作り、残った茎を水苔で挿し木にして3鉢ほど作りました。
「どれか一つでも根付けばいいかな」くらいに思っていたんですが、生育期に作業したこともあり、結果的に全部成功してしまったんです(笑)。
おかげでリビングが色とりどりのアンスリウムだらけになって、すごく華やかで幸せな空間になりました。
もし大株の整理をする機会があったら、ぜひ両方の手法を試して、植物を増やす楽しさを味わってみてくださいね。
アンスリウムの土壌づくりと肥料の基本
無事に株分けや挿し木で根付いたアンスリウム。
これから元気に大きく育てて、また綺麗なお花(仏炎苞)を咲かせてもらうためには、土壌と栄養の管理が欠かせません。
排水性と通気性を極限まで高める配合
最初の方でもお話ししましたが、アンスリウムは着生植物なので根っこが空気をとても必要としています。
だから、市販の「普通の観葉植物の土」だと水はけが悪すぎて、あっという間に根腐れを起こしてしまう危険があるんです。
土壌環境は、保水性よりも「排水性と通気性」を極限まで高める設計を意識してみてください。


例えば、赤玉土や鹿沼土をベースに、空気をたくさん含む「ココチップ(ベラボン)」や、根が絡みつきやすい「バークチップ」、そして水はけを良くする「パーライト」や「軽石」を多めにブレンドするのがおすすめです。
話題の「ねこチップ」って?
最近、植物愛好家の間で「ねこチップ」と呼ばれる資材が大人気なんです。
これはバークチップと日向土(軽石)を特別な比率でブレンドしたもので、とにかく水はけが抜群。
水やりの回数は少し増えますが、根張りが飛躍的に良くなって根腐れのリスクをほぼゼロにできるので、アンスリウムのような植物にはピッタリですよ。



「色々な種類の土を自分で買ってきて混ぜるのは、場所も取るしちょっと大変…」という方もいると思います(私もズボラなので…)。
そんな時は、そのままザザーッと鉢に入れるだけでプロ並みの水はけが作れちゃう配合済みの専用土に頼るのが一番です!
室内で使っても虫が湧きにくく清潔なので、植え替えのハードルがグッと下がりますよ✨
成長段階に合わせた肥料の与え方と注意点
肥料は、植物にとってのサプリメントのようなもの。与えすぎても少なすぎてもダメなんです。
特にアンスリウムにお花を咲かせたいなら、肥料の成分バランスにちょっとしたコツがあります。
肥料には主に「窒素(N)」「リン酸(P)」「カリウム(K)」という三大要素が含まれています。
葉っぱを大きくする窒素ばかりを与えすぎると「つるぼけ」といって、葉っぱばかりが茂って花芽が全くつかなくなってしまいます。
お花(仏炎苞)を咲かせたり、根をしっかり張らせるには「リン酸」が多めの肥料を選ぶのが鉄則です。
生育期(5月〜10月)には、リン酸成分の高い固形肥料を土の表面に置いたり、液体肥料を規定より薄めて2週間に1回くらいのペースであげると、安定して綺麗なお花を咲かせてくれます。
そしてとても重要なお約束として、休眠期である冬の間は、絶対に肥料をあげてはいけません。
冬は植物が栄養を吸収できないので、土の中に肥料分が残ると根っこが痛んで(肥料焼け)、最悪の場合枯れてしまいます。


剪定から広がる水挿しと水耕栽培への移行
「土を使うのがちょっと苦手…」「虫が湧くのが心配…」という方には、水だけで育てる方法もおすすめです。
挿し木の応用編として、とても清潔に楽しめる方法です。
カットした茎を水挿しで発根させる手順
挿し木で使うのと同じように、気根を含んだ節を残してカットした茎を、水苔や土ではなく、透明なガラス瓶などの水に直接浸けて発根させるのが「水挿し」です。
お部屋のインテリアとしてもすごくおしゃれで、何より根っこが伸びてくる様子を毎日目で見て観察できるのが最大の魅力です。
この時、発根をサポートする管理用品(メネデールなどの発根促進剤)をお水にほんの少し混ぜてあげると、成功率がグッと上がります。
お水は腐りやすいので、2〜3日に1回(可能なら毎日)は新鮮なお水に交換してあげてくださいね。



もちろん普通のお水だけでも根っこは出てきてくれるんですが、私はいつも水挿しを作る時に「メネデール」という植物のサプリメントのようなお水を数滴混ぜています。
これを入れると、切り口が守られてびっくりするくらい早く綺麗な白い根っこを出してくれるんです!
挿し木以外にも、元気がない時の水分補給にも使えるので、植物を育てるならお家に一つあると安心なお守りアイテムです🌿
根の呼吸を妨げないハイドロカルチャーの管理
水挿しで無事に白い根っこがたくさん生えてきたら、そのまま「ハイドロカルチャー(水耕栽培)」に移行することもできます。
ハイドロカルチャーとは、土を使わずハイドロボール(発泡煉石)などを使ってガラス容器で育てる方法で、清潔感があるのでキッチン周りやダイニングテーブルに置くのにぴったりです。
容器の底には、お水を綺麗に保つ浄化作用のある「ゼオライト」や「ミリオンA」などの根腐れ防止剤を敷き詰めておくのがポイントです。
水を入れる量の注意点
アンスリウムの根は空気を欲しがるので、容器いっぱいに水を入れて根を完全に水没させてしまうと窒息して腐ってしまいます。
お水の量は、容器の底から1/4から1/5程度の高さまでに留め、上の方の根は空気に触れている状態を作るのがハイドロカルチャー成功の最大の秘訣です。
直射日光を当てると容器の中のお水がお湯になってしまったり、藻が生えたりするので、必ず明るい日陰で管理してくださいね。
増やしたアンスリウムを健康に育てる環境
株分けや挿し木で新しい鉢ができたら、今度はその子たちをどうやって快適な環境に置いてあげるかが重要になります。
葉焼けを防ぐ明るい半日陰での照度管理
アンスリウムは「明るい半日陰」が大好きな植物です。
ジャングルの木漏れ日の下で育ってきた彼らにとって、直射日光は強烈なストレスになります。
強い日差しに直接当たると、葉っぱの中の組織が壊れて光合成ができなくなり、綺麗な緑色だった葉が黄色や茶色に変色してカリカリに枯れてしまう「葉焼け」を起こしてしまいます。
だからといって、真っ暗な部屋の隅に置くと、今度は光合成ができずにお花が咲かなくなってしまいます。
理想的なのは、レースのカーテン越しに柔らかい光が入る窓辺です。
もし日当たりが悪いお部屋なら、最近はおしゃれな植物育成用のLEDライトもたくさんあるので、そういったもので光を補ってあげるのも賢い方法ですよ。



「うち、日当たりが悪くてなかなかお花が咲かないんです…」という悩みの声を聞くことがよくあるのですが、実は最近の植物用ライトって、間接照明みたいにすっごくお洒落なデザインがたくさんあるんです!
これならインテリアの雰囲気を壊さず、夜はお部屋を良いムードにしてくれますし、何よりアンスリウムが元気に育ってくれるので一石二鳥ですよ。
日照時間でお悩みなら、ぜひ一度試してみてください♪
低温障害から株を守る冬の温度対策
アンスリウムは熱帯生まれなので、日本のジメジメした暑い夏には比較的強いんですが、寒さにはめっぽう弱いです。
生育に一番適した温度は18度から30度。
気温が15度を下回ると徐々に動きが鈍くなり、10度以下になると細胞レベルでダメージを受ける「低温障害」を起こしてしまいます。
葉っぱが黒く変色して枯れ込んできたら、それは寒すぎるサインです。
また、冬の水やりはお水自体が冷たすぎると根がビックリしてしまうので、15度〜20度くらいの常温のお水をあげるようにしてくださいね。
乾燥を防ぎ潤いを与える葉水の重要性
温度と同じくらい気を配ってほしいのが「空中湿度」です。
ジャングルの高い湿度を好むアンスリウムにとって、日本の冬の乾燥や、夏場のエアコンの風が直接当たる場所はとても過酷です。
空気が乾燥しすぎると、葉っぱから水分がどんどん逃げてしまい、葉の縁からカサカサに枯れて縮れてしまいます。
そこで大活躍するのが「葉水(はみず)」です。
季節を問わず、毎日霧吹きで葉っぱの表と裏全体にシュッシュッとお水を吹きかけてあげてください。
これだけで植物の周りの湿度が上がり、葉っぱがイキイキと輝き出します。
葉水は乾燥を防ぐだけでなく、後で説明する害虫予防にもなる最高のルーティンなんです。


栽培中に気をつけたい病害虫と生理障害
どんなに気をつけていても、植物を育てているとちょっとしたトラブルはつきものです。
でも、早く見つけて正しく対処すれば大丈夫。よくある症状とその解決策を見ていきましょう。
葉の黄変や花が咲かない時のサインと対処
アンスリウムからのSOSサインで一番多いのが「葉っぱが黄色くなる」ことと「お花(仏炎苞)が咲かない」ことです。
葉っぱが黄色くなる原因のトップは「水のやりすぎによる根腐れ」です。
土がまだ湿っているのに毎日お水をあげていませんか?
根っこが窒息して腐ると、水分を吸い上げられなくなって葉が黄色くなります。
その場合は、鉢から抜き、黒く傷んだ根を切ってから、新しい水はけの良い土で植え直してあげてください。
また、直射日光による葉焼けでも黄色くなるので、置き場所も見直してみましょう。
お花が咲かない時は、光不足か、窒素ばかり多い肥料を与えすぎている(つるぼけ)可能性が高いです。
もう少し明るい場所に移動させ、リン酸が多めの肥料に切り替えて様子を見てみてください。
ハダニやカイガラムシの早期発見と駆除法
風通しが悪かったり空気が乾燥していたりすると虫たちがやってくることがあります。
葉っぱの色が白っぽくかすれて元気がなくなってきたら、葉の裏に「ハダニ」というとても小さな虫が寄生しているかもしれません。
ハダニは乾燥を好んで水分を極端に嫌う性質があるので、先ほどお話しした毎日の「葉水」が一番の予防策になります。
もし大量発生してしまったら、お風呂場などで少し強めのシャワーをかけて物理的に洗い流すのが効果的です。
もう一つの強敵が「カイガラムシ」です。
茎や葉の付け根に白い綿のようなものや、茶色いフシのようなものがこびりついていたら要注意。
彼らは硬い殻を被っていて薬が効きにくいので、見つけたらティッシュや使い古しの歯ブラシなどで優しくこすり落とすのが一番確実な方法です。
すす病に注意
害虫の排泄物をそのままにしておくと、そこに黒いカビが生える「すす病」になってしまいます。
葉が黒い粉で覆われると光合成ができなくなるので、虫を見つけたら早めに駆除して、葉っぱを濡れタオルで綺麗に拭いてあげてくださいね。
知っておきたいアンスリウムの毒性と安全性
とても美しくて魅力的なアンスリウムですが、実はお部屋に置く上で知っておかなければならない大切な事実があります。
特に、小さなご家族(ペットや赤ちゃん)がいる方は必ず読んでくださいね。
シュウ酸カルシウムのリスクと正しい扱い方
アンスリウムが属するサトイモ科の植物の多くは、葉や茎、根っこ、お花、さらには切り口から出る樹液に至るまで、植物全体に「シュウ酸カルシウム」という成分を持っています。
これは顕微鏡で見ると小さな針のような形をしていて、植物が外敵から身を守るための防御メカニズムなんです。
人間がこの樹液に素手で触れると、人によっては強いかぶれや痒み(アレルギー反応)を起こすことがあります。
なので、株分けや挿し木などで茎をカットしたり植え替えたりする作業の時は、必ずゴム手袋をして直接樹液に触れないように気をつけてください。
ペットや小さな子どもがいる家庭での配置
さらに気をつけてほしいのが、犬や猫と一緒に暮らしているご家庭です。
好奇心で葉っぱを齧ってしまったペットは、口の中に激しい痛みを伴い、大量のよだれを垂らしたり、嘔吐、下痢、ひどい時には呼吸困難に陥る危険性があります。
もし誤食して異常なよだれなどのサインが見られたら、絶対に自己判断で放置せず、何をどれくらい食べてしまったかを確認して、直ちに獣医さんの緊急診察を受けてくださいね。
これらを踏まえて、ペットや小さなお子さんがいる環境では、アンスリウムを床に直置きするのはやめましょう。
ハンギングバスケットを使って天井から吊るしたり、手が届かない高い棚の上に配置するなど、物理的に接触できない安全な環境づくりを心がけてください。


豊富な品種と風水で楽しむアンスリウム
安全に楽しむ方法がわかったところで、最後にアンスリウムの品種の奥深さと、お部屋に飾る時の嬉しい風水効果についてご紹介します。
人気の花物からベルベット系の原種まで
私たちが普段お花屋さんでよく見かける、赤いハート型の苞を持つアンスリウムは「花物」と呼ばれるグループです。
大輪で丈夫な「ダコタ」や、たくさんお花をつけてくれる初心者向けの「バンビーノレッド」などが有名ですね。
最近では、真紅でスリムな姿が美しい「バンデロラ ロジャ」なんていう新品種も登場して注目を集めています。






一方で、最近SNSなどでおしゃれな植物好きさんの間で爆発的な人気を誇っているのが「葉物(原種系アロイド)」と呼ばれるグループです。
こちらは花よりも葉っぱの造形美を楽しむもので、葉の表面がベルベットのように起毛していて銀色の太い葉脈が走る「クリスタリナム」や「クラリネルビウム」、さらには葉が長ーく伸びて波打つ「ベイチー(王様)」や「ワロクアナム(女王)」など、本当に個性的でカッコいい品種がたくさんあるんです。








原種系は少し栽培の難易度が上がりますが、今回ご紹介した「水はけの良い土(ねこチップなど)」と「高い湿度」の管理をマスターすれば、きっと立派に育てられますよ。
愛情運を高める風水効果と色別の花言葉
アンスリウムは、その可愛らしいハートの形から、風水的にもとても良い”気”を持った植物だとされているんです。
丸みを帯びた葉や花は、見る人の気持ちをリラックスさせ、人間関係を円滑にしてくれる効果があります。
特に恋愛運や愛情運を高めたいなら、東南や西の方角、あるいはリビングや寝室にピンクや赤のアンスリウムを置くのが良いとされています。
また、日当たりが悪くて「陰の気」が溜まりやすい玄関や水回りに置くことで、悪い気を浄化する魔除けの役割も果たしてくれます。
花言葉は、全体としては「恋に悶える心」「煩悩」という情熱的な意味があります。色別に見ると、
赤:「情熱」
ピンク:「飾らない美しさ」
白:「優しさや純粋さ」
緑:「無垢な心」
といった意味が込められているので、お花が長持ちする特性も相まって、大切な人へのプレゼントや記念日の贈り物としても最高なんですよ。
アンスリウムの増やし方に関するよくある質問(FAQ)
- 株分けや挿し木をした後、すぐに肥料をあげてもいいですか?
-
作業直後は根がダメージを受けてとても疲れている状態なので、絶対に肥料はあげないでください。
栄養を吸収する力がない時に肥料をあげると、かえって根を痛めてしまいます。
新しい環境に慣れて、新しい葉っぱが元気に動き出すのを確認してから、薄めの液体肥料などを少しずつ与えるようにしてくださいね。
- 挿し木を水苔でやっているのですが、カビが生えてきました。どうすればいいですか?
-
水苔が常にビショビショに濡れすぎているか、風通しが悪くて過湿になっているサインです。
カビが生えた水苔は優しく取り除き、新しい清潔な水苔に交換してください。
その後は「表面が乾きそうになってから霧吹きで湿らせる」くらいの、少し控えめな湿度管理に切り替えて、風通しの良い明るい日陰に置いて様子を見てみましょう。
- 冬の間に根元が窮屈そうなのですが、暖房の効いた部屋なら株分けしても大丈夫ですか?
-
暖房が効いていても、冬は日照時間が短く植物自体が休眠モードに入っているため、体力回復に時間がかかります。
失敗するリスクが高いので、窮屈そうでも冬の間の作業はグッと我慢してください。
植物の生命力が一番高まる5月〜7月まで待ってから株分けを行うのが、確実性を高める一番の近道ですよ。
- ペットがアンスリウムの葉をかじってしまったかもしれません。どうすればいいですか?
-
アンスリウムにはペットにとって有害なシュウ酸カルシウムが含まれています。
様子を見ようと放置せず、すぐに獣医さんに連絡して指示を仰いでください。
その際、「アンスリウム(サトイモ科の植物)を、いつ頃、どのくらい食べてしまったか」を伝えると診察がスムーズです。
最終的な判断は必ず獣医師などの専門家にご相談ください。
まとめ:アンスリウムの増やし方をマスターして、お部屋を緑豊かな癒やしの空間にしよう!
ここまでアンスリウムの増やし方について、初心者でも失敗しにくい「株分け」や間延びした茎を活かす「挿し木」の具体的な手順から、着生植物の性質に合わせた土づくり、日々の育て方のポイントまで詳しく解説してきました。
アンスリウムは成長期である5月〜7月の時期選びや、水はけ・通気性の良い用土管理など、いくつかの大切なコツさえ押さえれば、初めての方でも元気に増やすことができます。
ぜひご自宅の株の状態に合った方法でチャレンジして、お気に入りの株をたくさん増やしてみてくださいね。


- 適期と方法の選定
作業は植物の活力が最も高まる5月〜7月上旬に行い、確実性を重視するなら「株分け」、伸びすぎた茎の仕立て直しには「挿し木」を選びましょう。 - 通気性・排水性の高い用土
着生植物の性質を持つため普通の土は避け、水苔やココチップ、ねこチップなど空気がしっかり通る資材を使用することが根腐れを防ぐ鍵です。 - 気根を活かした湿度管理
挿し木や水挿しを行う際は気根のある「節」を残してカットし、乾燥させすぎず過湿にもしない絶妙な湿度環境を保ちます。 - 明るい半日陰と冬の寒さ対策
直射日光を避けたレースカーテン越しの光で管理し、冬場は10度以下にならないよう室内の暖かい場所へ移動させて低温障害を防ぎます。 - 樹液への配慮と安全な配置
樹液に含まれるシュウ酸カルシウムによる肌荒れを防ぐため作業時はゴム手袋を着用し、ペットや小さなお子様の手が届かない高い位置などに配置しましょう。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
「暮らしに緑と安らぎを」、観葉植物の育て方ナビのmomoでした。







