こんにちは!「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。
アンスリウムを大切に育てていると、「なんだか最近、茎ばかりが間延びしてバランスが悪くなっちゃった…」「ひょろひょろと伸びすぎて、今にも倒れそう!」と悩むことはありませんか?
南国らしい鮮やかな姿が魅力のアンスリウムですが、長く育てているとどうしても下の方の葉が落ちて、茎の部分が目立つ「根上がり」という状態になってしまいますよね。
私も以前、伸びすぎたアンスリウムの姿をどうにかしたくて、見よう見まねでバッサリ切ってしまい、株を弱らせてしまった苦い経験があります。
でも安心してください。植物の仕組みを少しだけ理解して正しい手順でケアしてあげれば、驚くほど美しい姿に復活してくれます。
この記事では、アンスリウムの元気を取り戻し、コンパクトで綺麗なシルエットに仕立て直すための剪定と切り戻しのコツを、私の失敗談も交えながらたっぷりお伝えしますね。
- アンスリウムがひょろひょろに伸びてしまう原因
- 失敗しない切り戻しと気根を活かした剪定手順
- 剪定と植え替えを同時にやってはいけない理由
- 美しい姿をキープするための日々の管理のコツ
アンスリウムが伸びすぎたサイン
アンスリウムの樹形が乱れてきたと感じたら、それは植物からのSOSかもしれません。
まずは、なぜアンスリウムが伸びすぎてしまうのか、そのサインと原因を一緒に確認していきましょう。
茎だけが伸びる根上がりの原因
アンスリウムを数年育てていると、下の方の古い葉が自然に黄色くなって落ちていき、まるでヤシの木のように茎だけが長く伸びた不格好な姿になることがあります。これを園芸用語で「根上がり」と呼んでいます。
実はこれ、アンスリウムにとってはとても自然な成長の形なんです。
アンスリウムの仲間は、もともと熱帯雨林のジャングルで、地面ではなく高い木の幹や枝に張り付いて育つ「着生植物」という種類なんですね。
ジャングルの薄暗い森の中で、少しでも太陽の光を浴びようと、上へ上へと茎を伸ばしながら成長していく習性が備わっています。

だから、室内で育てていても、光を求めて茎が間延び(徒長)してしまうのは、ある意味で元気な証拠とも言えるんですよ。
ただ、鉢植えの状態で茎ばかりが伸びてしまうと、見た目のバランスが悪くなるだけでなく、株全体がグラグラして不安定になってしまいます。こうなったら、そろそろ仕立て直しのタイミングかなと思います。
葉や花が重くて倒れそうになる
アンスリウムの魅力といえば、作り物みたいにツヤツヤで鮮やかなハート型の部分ですよね。
これは花びらではなく「仏炎苞(ぶつえんほう)」という葉っぱが変化したものなんですけど、本当に見応えがあります。
でも、株が健康に育って大きな葉や仏炎苞がたくさん展開してくると、今度はその重みで茎が耐えきれなくなることがあるんです。
特に、日照不足で茎が細く弱々しく育ってしまった場合は、上部の重さに耐えられず、鉢の縁によりかかるように倒れ込んでしまいます。
無理にまっすぐ立たせようとして、支柱で縛り付けて低く押し込もうとする方もいますが、それだと根本的な解決にはなりません。
茎の組織に無理な力がかかって折れてしまったり、水や養分を吸い上げる管が潰れてしまったりするリスクがあるからです。
倒れそうになっている株は、全体のボリュームを減らす剪定をするか、思い切って茎を短くする切り戻しが必要なサインです。
茎の途中から気根が出てきたら
アンスリウムの茎をよく観察してみてください。
茶色っぽくてボツボツした突起や、太いうどんのような根っこが空中に向かって飛び出していませんか?
これは「気根(きこん)」と呼ばれるもので、アンスリウムが空気中の水分を吸収したり、木の幹にしがみついたりするための大切な器官なんです。
この気根がたくさん出ているということは、植物が「もっと水分が欲しい!」「体を支えたい!」と主張している状態なんですね。
気根が出ていること自体は病気でもなんでもないので安心してください。
むしろ、この気根が出ている状態は、切り戻し(仕立て直し)をするための大チャンスなんです!
なぜなら、茎を途中でカットしても、この気根が残っていれば、そこからすぐに新しい根っこを伸ばして土に根付いてくれるからです。
気根は、アンスリウムの生命力の強さを表すバロメーターなんですよ。
剪定と切り戻しの最適な時期
アンスリウムの姿を美しく整えるためには、ハサミを入れるタイミングが何よりも重要です。
時期を間違えると、最悪の場合はそのまま枯れてしまうこともあるので、しっかりポイントを押さえておきましょう。
生育期の5月から7月がベストな理由
アンスリウムの剪定や切り戻し、そして植え替えなどの大掛かりな作業は、必ず「5月から7月上旬」の期間に行うようにしてください。
これが失敗しないための絶対のルールです。
もともと熱帯生まれのアンスリウムは、気温が上がってくると細胞の活動が活発になり、成長のエネルギーが爆発する「生育期」に入ります。
この時期であれば、茎をバッサリと切られても、植物自身が持つ強力な治癒力ですぐに傷口をふさぎ、新しい根や新芽を出すことができるんです。
日本の真夏(8月)は暑すぎて植物も少しバテ気味になりますし、秋口に入ると徐々に活動がスローダウンしていきます。
だからこそ、梅雨時期の湿度が高く、気温も十分に暖かい5月〜7月が、アンスリウムにとって最もダメージを回復しやすいベストシーズンなんですよ。

冬の剪定は絶対に避けるべき理由
逆に、絶対にやってはいけないのが冬場の剪定や仕立て直しです。
アンスリウムは寒さが大の苦手で、気温が15度を下回ると成長を止めて休眠状態に入ってしまいます。
この休眠している時期に茎を切ったり根をいじったりすると、植物には傷を治すエネルギーが残っていないため、切り口から雑菌が入って茎が腐ってしまったり、そのまま体力が尽きて枯死してしまったりします。
冬場は10度以下の環境になると「低温障害」を起こして葉が黒く変色してしまうほどデリケートです。
もし冬の間に「茎が伸びて不格好だな」と思っても、グッと我慢して春が来るのを待ってあげてください。
どうしても見栄えが悪くて気になる場合は、枯れかかった古い葉っぱを数枚優しく摘み取る程度に留めておきましょう。
事前準備と清潔な道具の選び方
アンスリウムを剪定する前に、必ず準備してほしいものがあります。それは、切れ味の良い清潔な園芸ハサミです。
普通の文房具のハサミで茎を切ろうとすると、茎の組織を押し潰してしまい、そこから細胞が壊死してしまうことがあります。
スパッと綺麗な断面で切れる専用のハサミを使うのが、植物への思いやりなんです。
さらに重要なのが「消毒」です。ハサミの刃に雑菌がついていると、切り口から細菌が入り込んで腐敗などを引き起こし、茎がドロドロに溶けてしまうことがあります。
使う前に、熱湯をかけたり、薬局で買える消毒用アルコールで刃を拭いておくことをおすすめします。
momoちなみに、私がずっと愛用しているのはこのフッ素樹脂加工のハサミです。
スパッと綺麗に切れるので植物を傷つけませんし、サビにくくてお手入れも簡単。
コロンとした見た目も可愛いので、ちょっと緊張する剪定作業も楽しくなりますよ♪
アンスリウムなどのサトイモ科の植物は、茎や葉を切ったときに透明な樹液が出てきます。
この樹液には「シュウ酸カルシウム」という成分が含まれていて、肌の弱い人が触れるとかぶれたりチクチク痒くなったりすることがあります。
作業するときは、必ずゴム手袋をして、肌を守りながら行ってくださいね。


伸びすぎた株の仕立て直し方
いよいよ実践編です。アンスリウムの伸びすぎた姿を整えるには、今の株の状態に合わせていくつかの方法を使い分けます。
あなたのアンスリウムに合った方法を選んでみてください。
古い葉と花を根元から整理する
「茎は少し伸びているけれど、バッサリ切る勇気はないな…」という方におすすめなのが、日々の管理として行う「葉と花の整理」です。
実は、これだけでも見栄えは劇的に改善するんです。



私も一時期、「伸びすぎたから切らなきゃ!」と焦っていた時期があったんですが、株をよく観察してみると、色あせて緑色っぽくなった古い花(仏炎苞)や、下向きに力なく垂れ下がった古い葉っぱが、全体のシルエットをだらしなく見せているだけだったんです。
そこで、5月〜7月の生育期に、そういった古い葉と花を根元からこまめに剪定して取り除いてみました。
すると、大掛かりな切り戻しをしなくても株元がスッキリして、風通しと日当たりが格段に良くなったんです。
余分な葉っぱがなくなることで、植物のエネルギーが新しい新芽や花芽に集中するようになり、コンパクトで美しい本来の姿をキープできるようになりました。
まずはこの「すかし剪定」から始めてみるのも手ですよ。
失敗しない気根を残した切り戻し
「もう完全に茎だけが伸びきって、根上がり状態になってしまった!」という場合は、思い切って茎をカットする「切り戻し」に挑戦しましょう。
ここで活躍するのが、先ほどお話しした「気根」です。
数年育てているアンスリウムなら、伸びた茎の途中に必ず気根が出ているはずです。
切り戻しをする時は、この気根を上部に2〜3個残すような位置で、茎をバッサリと水平にカットします。





私も以前、ひょろひょろになった株をどうにかしたくてこの方法を試しました。
最初は「こんなに切って大丈夫かな…」とドキドキしましたが、気根を残して切ることで、そこが新しい根っこのスタート地点になるんです。
下の残された親株からは、しばらくすると切り口のすぐ下から新しい脇芽がポコポコと顔を出してきます。
親株はすでに立派な根っこを土の中に張っているので、再生する力もすごく強いんですよ。
切った上の部分は挿し木や水挿しに
切り取った上部の茎(トップカットと呼びます)は、絶対に捨てないでくださいね!これを使って、新しい株として再生(挿し木)させることができます。
まず、上部の茎についている葉っぱを2〜3枚だけ残して、下のほうの葉はすべて切り落とします。
葉っぱが多すぎると、根っこがない状態なのに葉から水分がどんどん蒸発(蒸散)してしまい、干からびてしまうからです。
そして、残しておいた気根の部分を湿らせた水苔で優しく包み込み、小さな鉢に入れます。
アンスリウムはとても水苔と相性が良いので、この方法が一番発根率が高いと感じています。


水苔がない場合は、透明なグラスに水を入れて、そこに気根が浸かるようにする「水挿し」でも大丈夫です。
メネデールなどの発根促進剤を少し垂らしておくと、1ヶ月ほどで真っ白で元気な新しい根っこがグングン伸びてきます。
根が十分に育ったら、新しい土に植え替えてあげましょう。





水挿しで確実に根っこを出したい時は、水に数滴これを混ぜてあげるのがおすすめ。
植物のサプリメントみたいなもので、魔法のように真っ白な根っこがぐんぐん伸びてくるので、一つ持っておくと心強いお守りになりますよ。
剪定と植え替えの同時進行はNG
伸びすぎたアンスリウムの仕立て直しで、初心者が最も陥りやすい罠があります。
それは、剪定作業と植え替え作業を同じ日に一気にやってしまうことです。
株への負担が大きすぎた私の失敗
ここで、私のとても悲しい失敗談を聞いてください。
数年前、茎が伸びすぎてバランスが悪くなったアンスリウムをどうにかしようと、春先に思い切った切り戻しを行いました。
その時、「ついでに土も新しくしてあげよう!」と軽い気持ちで、鉢から株を抜き出し、古い土を全部落として根っこを崩す大掛かりな植え替えを、剪定と同じ日に一気に行ってしまったんです。
結果はどうなったと思いますか?植物にとっては「体を半分に切られた大手術」の直後に、「住む家と足元(根)を完全に変えられる」というダブルパンチを受けてしまった状態でした。
株に計り知れないほどの大きな負担がかかり、残しておいた元気な葉っぱまであっという間に黄色く枯れ落ちてしまいました。
なんとか枯死は免れましたが、再び新芽を出して復活するまでに半年以上もかかってしまったんです。
植え替えは剪定の数週間後に
この失敗から私が痛感したのは、「剪定(切り戻し)と植え替えは同時期に行わず、最低でも数週間の間隔を空けて株の負担を分散させる」ということの重要性です。


植物は私たちが想像している以上に、環境の変化にエネルギーを使います。
もし切り戻しをしたなら、そのまま元の鉢で1ヶ月ほど育て、新しい脇芽が動き出して株が体力を回復したのを確認してから、植え替えを行うのが一番安全です。
逆に、根詰まりを起こしていて植え替えを優先したい場合は、植え替えをしてから数週間待ち、株が新しい土にしっかり根付いてから剪定を行うようにしてください。
焦らず、アンスリウムのペースに合わせて一つずつケアしてあげることが、綺麗に育てる一番の近道ですよ。



アンスリウムの根は太くて立派ですが、折れやすくデリケートです。
植え替えの際に黒く傷んだ根を切るのは良いですが、健康な白い根を無理にほぐしたり切り詰めたりすると、一気に調子を崩すので優しく扱ってくださいね。
土壌環境と肥料のバランス
仕立て直したアンスリウムを元気に育てるためには、土の中の環境づくりがとても大切です。
アンスリウムは一般的な観葉植物の土だと、少し息苦しく感じてしまうことが多いんです。
通気性を極める用土のブレンド
最初にお話しした通り、アンスリウムは木の上に張り付いて育つ着生植物です。
ジャングルの空気中にあるわずかな水分を吸って生きているので、根っこは「空気に触れること」をとても好みます。
一般的な培養土のように、常に湿っていて細かい泥が詰まったような土だと、根っこが呼吸できずに窒息してしまい、「根腐れ」を起こしてドロドロに溶けてしまいます。
そこで、アンスリウムを植え替える時は、保水性よりも「排水性と通気性」を極限まで高めた土を作ってあげるのがコツです。
おすすめは、硬質の赤玉土や鹿沼土に、ヤシの実の繊維であるココチップ(ベラボン)や、大きめのバークチップ、軽石などをたっぷり混ぜ込むことです。
| おすすめの土壌資材 | 特徴と役割 |
|---|---|
| ココチップ(ベラボン) | ヤシの実の繊維。空気の隙間をたくさん作り、通気性を劇的にアップさせます。 |
| バークチップ | 樹皮を砕いたもの。根が絡みつきやすく、野生の環境に近づけます。 |
| 日向土(軽石) | 多孔質で水はけが抜群。根腐れ防止の強い味方です。 |
最近はアロイド(サトイモ科の植物)愛好家の間で、バークチップと軽石をブレンドした「ねこチップ」という資材が大人気です。
水やりの回数は増えますが、根腐れのリスクがほぼゼロになるので、仕立て直し後のデリケートな株には最適ですよ。



「色んな種類の土をバラバラに買ってブレンドするのは大変…」という方には、すでに完成しているこちらの専用土がすごく便利です。
本当に水はけが良くて根腐れの心配がなくなるので、土作りに迷ったらぜひ試してみてくださいね。
開花を促すリン酸多めの肥料選び
無事に根付いて成長を始めたら、あの美しい花(仏炎苞)を咲かせてもらうために肥料を与えましょう。
ただし、与える肥料の成分には少しだけ注意が必要です。
肥料には主に「窒素(N)」「リン酸(P)」「カリウム(K)」という3つの成分が含まれています。
このうち、窒素ばかりが多い観葉植物用の肥料を与え続けると、葉っぱばかりが青々と茂って、いつまで経っても花芽がつかない「つるぼけ」という状態になってしまいます。
このうち、窒素ばかりが多い観葉植物用の肥料を与え続けると、葉っぱばかりが青々と茂って、いつまで経っても花芽がつかない「つるぼけ」という状態になってしまいます。
そのため、アンスリウムに花を咲かせるためには、細胞のエネルギー伝達を助け、花芽の形成を促す「リン酸」が多めに配合された肥料を選ぶのがポイントです。


切り戻し後の育て方とアフターケア
剪定や切り戻しを行った直後のアンスリウムは、いわば病み上がりの状態です。
ここで環境を間違えるとせっかくのケアが台無しになってしまうので、優しいアフターケアを心がけましょう。
明るい半日陰で光合成を促す
植物が傷を治し、新しい芽を出すためのエネルギー源は、なんといっても「光合成」で作られる炭水化物です。
だからといって、直射日光に当てるのは絶対にNGです。
アンスリウムの葉は直射日光に非常に弱く、強い光を浴びると葉の内部の葉緑素が壊れて黄色や茶色に変色する「葉焼け」を起こしてしまいます。
ジャングルの木漏れ日の下で育つ植物であることを思い出してくださいね。
理想的な置き場所は、レースのカーテン越しに柔らかい光が入る窓辺や、少し奥まった明るいお部屋です。
十分な明るさがあれば、切り口からポコッと可愛い新芽が顔を出してくれるはずです。
葉水をこまめに行い湿度を保つ
アンスリウムの原産地である熱帯雨林は、常に高い湿度に包まれています。
そのため、日本の室内、特にエアコンが効いた部屋は、アンスリウムにとって砂漠のように乾燥しているんです。
エアコンの風が直接当たると、葉の水分が一気に奪われてカサカサに縮れてしまいます。
これを防ぎ、元気な成長をサポートするのが「葉水(はみず)」です。
毎日1回、できれば朝か夕方に、霧吹きで葉っぱの表と裏全体にシュッと水を吹きかけてあげてください。
これにより、株の周りの湿度が上がり、植物がリラックスして呼吸できるようになります。
ハダニなどの害虫予防にもなるので、葉水は本当にメリットだらけなんですよ。



毎日の葉水、普通の霧吹きだと床や家具がビショビショになってお掃除が大変ですよね。
私は美容師さんが使うような「マイクロミスト」の霧吹きを使っているんですが、ふわっと煙みたいな細かい霧が出るので、お部屋の中でも床を気にせずシュッシュできてとっても快適ですよ♪
水やりは土が乾いてからたっぷりと
切り戻し後の水やりは「メリハリ」が命です。
いつも土がジメジメしていると、先ほどお話しした根腐れの原因になってしまいます。
春から秋にかけては、土の表面を指で触ってみて、1〜2cmほどの深さまで完全に乾いているのを確認してから、鉢底から勢いよく水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。
この「たっぷり」がすごく重要なんです。鉢の中に溜まっていた古い空気を水が押し出し、新鮮な酸素を根っこに届けるポンプの役割を果たしてくれます。
そして、受け皿に溜まった水は雑菌が繁殖する原因になるので、面倒でも必ずすぐに捨ててくださいね。


冬の間は、アンスリウムは水を吸う力がガクッと落ちます。
冬に夏と同じペースで水をあげると確実に根腐れするので、土の表面が乾いてからさらに2〜3日待ってから水やりをする「乾燥気味の管理」に切り替えてください。
水も冷たすぎない常温のものがおすすめですよ。
剪定時に注意すべき植物毒性
アンスリウムをお手入れする際に、もう一つ絶対に知っておいてほしい大切なことがあります。
それは、アンスリウムが持っている隠れた危険性についてです。
シュウ酸カルシウムの危険性
実はアンスリウムを含むサトイモ科の植物の樹液には、「シュウ酸カルシウム」という成分の細かい針状の結晶がたくさん含まれています。
人間の皮膚にこの樹液がつくと、個人差はありますが、強いかぶれや赤み、チクチクとした炎症を引き起こすことがあります。
だからこそ、剪定や植え替えの時には手袋が必須なんですね。
安全な作業環境の構築と対策
特に気をつけていただきたいのが、小さなお子様や、犬・猫などのペットと一緒に暮らしている方です。
もし犬や猫が誤ってアンスリウムの葉っぱをかじってしまうと、アルカリ性の口腔内で針状の結晶が突き刺さり続け、激しい痛み、過剰なよだれ、嘔吐などを引き起こし、最悪の場合は呼吸困難に陥ることもあります。
なので、剪定作業で出た切り落とした葉っぱや茎は、床に放置せずすぐにゴミ袋に密閉して捨ててください。
また、普段からペットの手が届かない高い棚の上や、ハンギング(吊るす)スタイルで飾るなど、お互いが安全に暮らせる工夫をしてあげてくださいね。
ハダニなどの病害虫トラブル対策
最後に、アンスリウムを育てていると遭遇しやすいトラブルと、その対処法についてお話しします。
早期発見が何よりも大切ですよ!
葉が黄色くなる原因と対処法
「ある日突然、下のほうの葉っぱが黄色くなってきた…」という相談をよく受けます。
これにはいくつか原因が考えられます。
- 水のやりすぎ:根腐れを起こしているサインです。土の乾き具合を見直しましょう。
- 自然な老化:一番下の葉だけが黄色くなるなら、寿命なのでハサミで切り取ればOKです。
- 直射日光:葉焼けを起こしている可能性があるので、置き場所をずらします。
植物をよく観察して、どのパターンに当てはまるか探ってみてくださいね。
害虫の生態と発生したときの対処法
室内で育てていても、風通しが悪かったり空気が乾燥していたりすると、害虫が発生することがあります。
一番厄介なのが「ハダニ」です。葉っぱの裏にクモの巣のようなものが張っていたり、葉の色が白っぽくかすれてきたら要注意。
ハダニは乾燥を好むので、毎日の葉水が最大の予防になります。
発生してしまったら、お風呂場でシャワーの弱い水流を使って葉の裏側をしっかり洗い流すのが効果的です。
また、新芽の柔らかい部分に「アブラムシ」がつくこともあります。
殺虫剤を使いたくない場合は、日当たり・風通しが良い場所に移動させ、水に少しだけ重曹・中性洗剤・食用油を混ぜた手作りスプレーを吹きかけると、アブラムシを窒息させて退治することができますよ。
アンスリウムの剪定に関するよくある質問(FAQ)
- 気根が全く出ていないツルツルの茎でも切り戻しはできますか?
-
気根が全く見当たらない場所で茎を切ると、新しい根を出すのに非常に時間がかかり、そのまま体力が尽きて枯れてしまうリスクが高くなります。
気根がない場合は、茎の途中に水苔を巻いてラップで覆い、人工的に発根を促す「取り木(とりき)」という手法で根を出させてからカットするのが安全です。
- 剪定した後の切り口には、薬を塗った方がいいですか?
-
必須ではありませんが、切り口から雑菌が入るのを防ぐために、園芸用の癒合剤(トップジンMペーストなど)を塗っておくと安心です。癒合剤がない場合は、切り口が自然に乾くまで数時間は水がかからないように注意し、風通しの良い明るい日陰で管理してください。
- 花(仏炎苞)が終わった後は、どの位置で切ればいいですか?
-
花の色が緑色っぽく褪せてきたり、枯れてきたりしたら剪定のサインです。
花がついている茎(花茎)をたどり、株元のギリギリのところで清潔なハサミを使って切り取ってください。
途中で切ると見栄えが悪くなるだけでなく、残った茎が腐る原因になるので根元から落とすのがポイントです。
- 切り戻して挿し木にしたトップカットが、しおれて元気がありません。
-
根っこがまだ十分に育っていないため、葉から蒸発する水分に吸水が追いついていない状態です。
まずは残している葉の枚数を減らすか、葉を半分にカットして蒸散量を抑えてください。
また、透明なビニール袋をふんわり被せて湿度を高く保ってあげると、しおれが回復しやすくなります。
まとめ:正しいアンスリウムの剪定で、もう一度美しく仕立て直そう!
ここまで、伸びすぎてしまったアンスリウムを元通りコンパクトで美しく整えるための剪定方法や、日々のケアのコツをお伝えしてきました。
「バッサリ切るのは少し怖いな…」と感じていた方も、気根を活かした切り戻しや、ハサミを入れるタイミングさえ掴めば、失敗せずに仕立て直すことができますよ。
アンスリウムはとても生命力が強く、正しい知識をもって丁寧にお手入れしてあげることで、何度でも元気な新芽や色鮮やかな花(仏炎苞)を見せてくれます。
ぜひ今回のポイントを参考に、ご自宅のアンスリウムを愛情込めてケアしてあげてくださいね。


- 剪定・切り戻しのベストシーズンは5月〜7月
生育期に気根を2〜3個残してカットするのが失敗しない最大のポイントです(冬の剪定は絶対NG)。 - 剪定と植え替えは同時に行わない
株への負担が非常に大きくなるため、作業の間には最低でも数週間の間隔を空けましょう。 - 通気性の良い土とリン酸多めの肥料選び
水はけの良い用土(ココチップや軽石など)を使い、開花を促すリン酸肥料を与えます。 - 明るい半日陰と毎日の葉水でアフターケア
直射日光を避けた風通しの良い場所で管理し、葉水で乾燥やハダニを防ぎましょう。 - 樹液に触れる際はゴム手袋を着用
樹液に含まれるシュウ酸カルシウムによる皮膚のかぶれを防ぐため、必ず手袋をして作業します。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
「暮らしに緑と安らぎを」、観葉植物の育て方ナビのmomoでした。






