こんにちは!「観葉植物の育て方ナビ」運営者のmomoです。
お部屋のインテリアとして大人気のアンスリウム。でも、「買ってきた時はあんなに綺麗な花が咲いていたのに、うちで育て始めたら全然花が咲かない…」「新しく出てくるのは葉っぱばかり」と悩んでいませんか?
momo実は私自身、直射日光を避けるあまり、部屋の暗い隅に置いていたら葉っぱばかりが青々と茂り、1年以上アンスリウムの花が咲かない時期がありました。
「観葉植物としては元気なのに、どうして?」とすごく悩んでいたんですよね。
でも、思い切ってレースカーテン越しの明るい窓辺(明るい間接光)に移動させたところ、なんと約2ヶ月後にツヤのある新しい花芽を発見したんです!
この経験から、まずは「光の量」をしっかり確保することが開花の第一歩なんだと痛感しました。
アンスリウムの花が咲かない理由は、決してあなたの愛情が足りないからではありません。
光量や根の環境、温度など、アンスリウムが求めている「ちょっとした条件」が揃っていないだけなんです。
この記事では、私と同じように「アンスリウムの花が咲かない」と悩んでいるあなたに向けて、その原因と具体的な解決策をたっぷりお話ししていきますね。
- アンスリウムの花が咲かなくなる7つの根本的な原因
- 失敗から学んだ、確実に花芽を出すための具体的な管理法
- 花が小さい、色が薄いと感じた時の見直しポイント
- 水耕栽培への移行や、ペットがいるご家庭での注意点
アンスリウムの花が咲かないと悩む方へ
アンスリウムの花が咲かない時、つい焦って肥料ばかりあげてしまいたくなりますよね。
でも、ちょっと待ってください。
花を咲かせるためには、アンスリウムという植物の本当の姿を知ることが大切なんです。
私が経験した葉っぱばかりの失敗談
冒頭でも少しお話ししましたが、私が初めてアンスリウムをお迎えした時のこと。
真っ赤なハート型の花が可愛くて、とても大事に育てていました。
「直射日光に当てると葉焼けしちゃう」と本で読んだので、窓から少し離れた部屋の奥のほう、チェストの上に飾っていたんです。
水もちゃんとあげていたし、葉っぱは次から次へと出てきて、すごく青々としていました。
「元気に育ってる!」と喜んでいたんですが、半年・1年経っても、ただの「緑色の観葉植物」のままでした。
アンスリウムの葉っぱばかりが増えて、肝心の花芽がまったく出てこなかったんです。
後になって気づいたのですが、葉っぱを出すだけのエネルギー(栄養生長)は足りていても、花を咲かせるためのエネルギー(生殖生長)には、絶対的に「明るい光」が必要だったんですよね。
観葉植物として元気そうに見えても、花を咲かせる条件はまた別なんだな、と身をもって学んだ出来事でした。
花に見える部分は実は「仏炎苞」
私たちが「アンスリウムの花」と呼んで楽しんでいる、あの赤やピンクのツヤツヤしたハート型の部分。実はあれ、植物学的には花じゃないって知っていましたか?
あれは「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる、葉っぱが変形した保護器官なんです。
じゃあ本当の花はどこにあるの?というと、仏炎苞の真ん中からピョコンと飛び出している、しっぽみたいな棒状の部分。これを「肉穂花序(にくすいかじょ)」と呼びます。
よく見ると、この棒の表面に極小の花が無数に密集して咲いているんですよ。先端のほうに雄花が、根元のほうに雌花が咲く構造になっています。


アンスリウムの賢い仕組み「雌性先熟」
アンスリウムは、自分の花粉で受粉してしまう「近親交配」を避けるために、「雌性先熟(しせいせんじゅく)」という面白い仕組みを持っています。
花芽が出た直後はツルツルしていますが、数日経つと表面から蜜のようなものが滲み出ます(雌性期)。これが終わると、今度は花粉が浮き出てくる(雄性期)んです。
この仏炎苞は、数週間から数ヶ月というすごく長い間、色あせることなく私たちの目を楽しませてくれます。
これが、アンスリウムが長く愛される最大の理由なんです。
まずは健康な株の成熟度を確認しよう
花が咲かない時にまず確認したいのは、「そもそも、その株は花を咲かせる体力がある状態かな?」ということです。
例えば、まだ買ってきたばかりの小さな子株だったり、株分けをした直後だったりすると、植物自身が「今はまず根っこや葉っぱをしっかり育てて、体を大きくしなきゃ!」と判断します。
これを栄養生長と呼ぶんですが、この時期はいくら待っても花は咲きません。
まずは株を成熟させることが優先なんです。
目安として、葉っぱが大きく肉厚になってきて、茎の根元がしっかり太くなっていれば、花を咲かせる体力(成熟度)が備わってきた証拠ですよ。
アンスリウムの花が咲かない7つの原因
「株は十分に大きいはずなのに、やっぱり花が咲かない!」という場合、日々の管理の中に原因が隠れているかもしれません。
ここでは、アンスリウムの花が咲かなくなる代表的な7つの原因を順番に見ていきましょう。


原因1:明るい間接光が足りない光量不足
これが一番よくある原因です。
私と同じように「葉っぱばかりで花が咲かない」という方の多くは、この光量不足に陥っています。
アンスリウムは熱帯雨林のジャングルの中で、高い木々の間からこぼれ落ちる光(木漏れ日)を浴びて育つ植物です。
なので「明るい半日陰」が一番好きなんですよね。
直射日光に当てると、葉っぱの組織内で活性酸素が過剰に発生して、葉緑素(クロロフィル)が破壊される「葉焼け」を起こしてしまいます。
葉っぱが黄色や茶色に変色して枯れてしまうんです。
かといって、直射日光を怖がって部屋の暗すぎる場所に置いてしまうと、今度は光合成が十分にできません。
光合成で十分な炭水化物(エネルギー)を作れないと、植物は「生きていくので精一杯だから、花を咲かせる余裕なんてない!」と判断して、花芽の形成をストップしてしまうんです。



「うち、日当たりがあんまり良くなくて…」という方には、スタンドタイプの育成ライトがすごくおすすめです。
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原因2:鉢の中がガチガチの根詰まり状態
「以前、アンスリウムの花が咲かないのは栄養不足だと思い込み、焦って肥料ばかりを足していたことがあります」
これも私の失敗談の一つです。
いくら肥料をあげても変化がないので、おかしいなと思って鉢からスポッと抜いてみたんです。
そうしたら、鉢の形そのままに根っこがぐるぐると回りきって、鉢底でガチガチの「根詰まり」を起こしていました。
根っこがパンパンに詰まっていると、水も肥料も全く吸い上げられなくなってしまいます。
土の中の古い空気も抜けず、新しい酸素も入っていきません。
これでは、養分を吸収する能力が極端に落ちてしまうので、当然花を咲かせる体力なんてなくなってしまいますよね。
鉢底の穴から根っこが飛び出していたり、水をあげても土に全然染み込まずに表面に水が溜まってしまうようなら、根詰まりのサインです。
原因3:水のやりすぎによる根腐れと窒息
アンスリウムは実は水が大好きです。
でも「常に土が濡れている状態」は絶対にNGなんです。
ここが少し難しいところなんですが、アンスリウムの原種の多くは、土に根を張るのではなく、ジャングルの木の幹や枝に自ら根を絡ませて育つ「着生植物(ちゃくせいしょくぶつ)」です。
空気中のわずかな水分を吸収するために、茎の途中から空中に向かって太い根っこ(気根)をたくさん出します。
つまり、アンスリウムの根っこは「空気に触れて酸素を取り込む構造」になっているんです。
だから、普通の草花のように常に土が湿っている状態だと、根っこが呼吸できずに窒息してしまい、「根腐れ」を引き起こします。
根が黒くドロドロに腐ってしまうと、水分を吸い上げられなくなり、最終的には枯れてしまいます。
「水をあげているのに葉っぱが黄色くなってきた」という時は、水のやりすぎによる根腐れを疑ってみてください。
原因4:肥料の不足または与えすぎ
花を咲かせるためには、適切なエネルギー源が必要です。
でも、肥料は「ただあげればいい」というわけではないんです。
JA町田市HPの解説にもある通り、植物を育てる肥料には「窒素(N)」「リン酸(P)」「カリウム(K)」という役割の違う三大要素があります。(参考:JA町田市「肥料の基礎的な知識について」)
- 窒素(N): 葉や茎を育てる。「葉肥(はごえ)」。
- リン酸(P): 花や実をつける。「実肥(みごえ)」。
- カリウム(K): 根を育て、株を丈夫にする。「根肥(ねごえ)」。
もし、あなたが「観葉植物用の肥料」として窒素分ばかりが多い肥料を与え続けていると、葉っぱばかりが青々と茂る「つるぼけ(栄養生長への偏り)」という状態になってしまい、花芽が作られなくなります。
アンスリウムの花を咲かせるには、リン酸が多めに入った肥料が必要なんです。
また、肥料の与えすぎも禁物です。
特に、アンスリウムが成長を休んでいる冬場に肥料をあげてしまうと、吸収しきれずに鉢の中に成分が溜まり、根の浸透圧バランスが崩れる「肥料焼け」を起こしてしまいます。
これは株を枯らす致命傷になるので注意しましょう。
原因5:冬場の温度不足で休眠している
アンスリウムは熱帯雨林の植物なので、日本の高温多湿な夏にはすごく強いんですが、寒さにはとっても弱いです。
生育の最適温度は18℃〜30℃。気温が15℃を下回ると、代謝機能が落ちて成長をストップする「休眠期」に入ります。
さらに気温が下がって10℃以下になると、細胞膜の機能がおかしくなる「低温障害」を起こしてしまいます。
葉っぱが黒く変色してカサカサに乾燥し、枯れてしまうんです。
花が咲かないどころか、株自体が生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされている状態なんですよね。
冬場、窓際の冷気がスースー入ってくる場所に置いたままにしていると、この低温障害に陥りやすいので気をつけてください。
原因7:空中湿度が低く葉が乾燥している
温度と同じくらい気をつけたいのが「湿度」です。
熱帯雨林生まれのアンスリウムは、空気中の湿度が高い環境(60%〜70%くらい)が大好きです。
日本の冬はとても乾燥しますし、夏場でもエアコンの風が直接当たるような場所に置いていると、葉っぱから急激に水分が奪われてしまいます。
これを防ぐために、植物は自分を守ろうと葉っぱの表面にある気孔を閉じてしまいます。
気孔が閉じると光合成がうまくできなくなり、結果として株の体力が落ちて、花を咲かせるエネルギーがなくなってしまうんです。
葉っぱがカサカサに縮れたり、縁のほうから茶色く枯れ込んできたりしている場合は、空中湿度が極端に足りていないサインですよ。
原因7:極端な環境変化によるストレス
植物は、環境の変化にとても敏感です。
例えば、暗い場所から急に直射日光の当たる場所へ移動させたり、暖かい部屋から急に寒い廊下へ出したり。
こういった極端な環境変化は、アンスリウムにとってものすごいストレスになります。
ストレスを受けると、植物は「今は花を咲かせて子孫を残すよりも、自分の命を守るのが先決だ!」と判断してしまい、成長を止めてしまいます。
お店で買ってきたばかりのアンスリウムが、数週間で急に花を咲かせなくなったり、蕾が落ちてしまったりするのは、温室というパーフェクトな環境から、一般家庭の環境に変わった「環境変化のストレス」が原因であることが多いんです。
環境を変える時は、数日かけて少しずつ慣らしていくのがポイントですね。
アンスリウムの花芽を出すための管理法
原因がわかったところで、いよいよ「どうすれば花芽が出るのか?」という具体的な管理法を解説していきますね。
肥料だけを足すのではなく、環境と根っこを整えてあげるのが一番の近道です。
レースカーテン越しの明るい場所へ移動
なにはともあれ、まずは光の量を確保しましょう。
直射日光が当たらない、でも日中は本が読めるくらい明るい場所。
具体的には「レースカーテン越しの窓辺」がベストポジションです。
窓辺に置く時は、季節によって少し調整が必要です。
春や秋はそのままレースカーテン越しでOK。夏場は日差しが強すぎるので、窓から少し離すか、遮光ネットを使って光を和らげてあげてください。
光の量が適切だと、葉っぱで作られるエネルギーが十分に蓄積されて、約1〜2ヶ月後には株の根元からツヤッとした新しい花芽が顔を出してくれるはずですよ。


排水性と通気性バツグンの用土で植え替え
根詰まりをしている場合や、土がいつまでもジメジメしている場合は、5月〜7月上旬の成長期に植え替えをしてあげましょう。
アンスリウムの土は、一般的な観葉植物の土よりもさらに「排水性と通気性」を極限まで高めたブレンドにしてあげるのがコツです。


植え替えの際は、鉢底にしっかり鉢底ネットを敷いて、軽石などを少し多めに入れます。


そして用土ですが、私は市販の観葉植物の土に、「ココチップ(ヤシの実の繊維)」や「バークチップ(樹皮を砕いたもの)」を多めに混ぜ込むのをおすすめしています。


これらを混ぜることで土の中に物理的な隙間がたくさんできて、根っこにたっぷりと酸素が行き渡るようになります。
水やりの回数は少し増えますが、根腐れのリスクをほぼゼロに抑えることができるんです。
最近は、観葉植物の植え替え用品として、バークチップと日向土(軽石)をブレンドした「ねこチップ」というものも愛好家の間で大人気です。アンスリウムとの相性は抜群ですよ。



「自分で色々な土を買ってブレンドするのは、ちょっと自信がないな…」という方には、この【ねこチップ】が本当に便利です!
最初から水はけが最高の状態にミックスされているので、これに植え替えるだけで根腐れの心配がグッと減りますよ。
初心者さんの強い味方になってくれるはずです♪
生育期に適切なリン酸多めの肥料を与える
明るい場所に置き、健康な根っこが育つ土の環境が整ったら、ここで初めて肥料の出番です。
花をたくさん咲かせるためには、先ほども説明したように「リン酸(P)」が多めに配合された肥料を選びましょう。
与えるタイミングは、アンスリウムがぐんぐん成長する「5月〜10月」の生育期のみです。
土の上に置くタイプの緩効性固形肥料(マグァンプKなど)を規定量置いておくか、リン酸が多めの液体肥料(ハイポネックス原液など)を水で薄めて、2週間に1回くらいのペースで水やりの代わりに与えます。



「リン酸が多めの肥料って、具体的にどれを選べばいいの?」と迷ったら、定番のマグァンプK(中粒)を選んでおけば間違いありません。
パラパラと土の表面に置くだけでゆっくり長く効いてくれるので、ズボラな私でも簡単にキレイな花を咲かせることができました(笑)。
匂いもないので室内でも安心ですよ。


肥料をあげる時の絶対ルール
休眠期である冬(11月〜4月頃)は、絶対に肥料を与えないでください。
根が肥料成分を吸収できず、「肥料焼け」を起こして株が枯れてしまいます。
冬は水やりだけにとどめましょう。
日常的な葉水で空中湿度をキープする
水やりとは別に、毎日やってあげてほしいのが「葉水(はみず)」です。
霧吹きでシュッシュッと葉っぱの裏表全体に水を吹きかけてあげることで、アンスリウムが大好きな高い空中湿度をキープすることができます。
葉水をすると、葉っぱの気孔が正常に開閉して光合成が活発になりますし、何より「ハダニ」という害虫の予防に劇的な効果があるんです。
ハダニは乾燥した環境が大好きで、葉っぱの裏にくっついて汁を吸い、葉の色を悪くしてしまいます。
ハダニは水分を極端に嫌うので、毎日の葉水が一番の防除法になるんですよ。



毎日の葉水って、普通の霧吹きだと手が疲れちゃったり、床が水浸しになったりしますよね。
そんな時はマイクロミストが出るタイプの霧吹きを使うと世界が変わります…!
1回シュッとするだけで、フワ〜ッと細かい霧が長く続くので、アンスリウムのお手入れが毎日の癒しタイムになりますよ♪


アンスリウムの花が小さい・赤くならない時
「なんとか花は咲いたんだけど、買ってきた時より花がすごく小さくて…」
「真っ赤になるはずの品種なのに、なぜか色が薄いままなんです」
せっかく花が咲いても、こんな状態だと少しがっかりしてしまいますよね。
実は、これらにもちゃんと理由があります。
なぜ色が薄い?温度管理で復活させた体験
実は私も、なんとか花を咲かせることができた後、「花が小さいうえに、色が薄い・赤くならない」という現象に悩まされました。
原因を調べていくと、どうやら冬場の「温度不足」によって、株の体力がジワジワと落ちていたことが判明したんです。
アンスリウムは寒さに耐えながら冬を越すと、春になっても「疲れた…」という状態を引きずってしまいます。
その結果、せっかく花芽をつけても、大きく綺麗に色づかせるだけのエネルギーが残っていないんですよね。
それ以降、私は冬場は窓際の冷気を絶対に避け、部屋の中心の暖かい場所へ移動させて、しっかり保温するようにしました。
株の体力を温存し、成熟を促すようにした結果、今ではお店で売られているような色鮮やかで大きな花を楽しめています。
花が小さい、色づきが悪い時は、「冬の間に寒さでダメージを受けていなかったかな?」と思い返してみてくださいね。
花序の色が変わってきたら老化のサイン
「最初は赤かったのに、だんだん色が薄くなって緑色っぽくなってきた」という場合は、心配いりません。
それは単に、その花が寿命を迎えて「老化」しているサインです。
アンスリウムの真ん中の棒(肉穂花序)の色は、花の成熟度合いによって変化します。
最初は黄色や白色をしていて、何週間も経って古くなってくると、だんだんと緑色へと変化していくんです。
この色の推移を観察していれば、その花が咲き始めなのか、もう終わりかけなのかがわかります。
なので、もしお店でアンスリウムを買う時は、真ん中の棒が黄色や白色のものを選ぶと、花を長く楽しむことができますよ。
緑色っぽくなってきた花は、株の体力を温存するために根元からハサミでカットしてあげましょう。


秋から冬にかけての保温対策がカギ
来年も立派な花を咲かせたいなら、秋から冬にかけての管理が勝負です。
気温が15℃を下回り始めたら、本格的な冬越しモードに切り替えます。
窓辺は夜から朝方にかけて急激に温度が下がるので、部屋の中央や、暖房の直接当たらない暖かい場所へ移動させましょう。
そして水やりも、夏場のように「土の表面が乾いたらすぐ」ではなく、「土の表面が乾いてから、さらに2〜3日待ってから」与える「乾燥気味の管理」に切り替えます。
アンスリウムをさらに楽しむための豆知識
アンスリウムは、ただ鉢植えで育てるだけでなく、もっといろんな楽しみ方がある奥深い植物なんです。
最後に、アンスリウムのディープな魅力や、気をつけておきたいポイントをご紹介しますね。
着生植物だからこそ水苔やバークが合う
原因のところでもお話ししましたが、アンスリウムは木に張り付いて生きる「着生植物」です。
だから、土を使わずに「水苔(みずごけ)」だけで育てることもできるんですよ。


水苔は泥炭や苔を乾燥させたもので、保水力がありながらもフワフワしているので空気もよく通します。
100均などでも売られているので手に入りやすいですよね。
茎が伸びて不格好になってしまった時(徒長といいます)は、上部をハサミでカットして、湿らせた水苔に挿しておくと、そこから新しい根っこを出してくれます(挿し木)。
アンスリウムの原種である「ベイチー(王様)」や「ワロクアナム(女王)」といった、葉脈が美しく巨大になるマニア向けの「葉物アンスリウム」も、この水苔やバークチップ主体の用土で育てられることが多いんです。
ハイドロカルチャー(水耕栽培)への移行
「土の中に虫が湧くのが嫌!」「もっとインテリアっぽく飾りたい!」という方には、土を使わずに水だけで育てるハイドロカルチャー(水耕栽培)がおすすめです。
実はアンスリウムは水耕栽培にもすごく適応しやすい植物なんです。
移行するベストシーズンは、植物の体力が充実している5月〜7月上旬です。
やり方は、鉢から抜いたアンスリウムの根っこを水で優しく洗い、土を「完全に」落とします。
土が残っていると、水の中で腐って水質が悪化してしまうからです。
穴の空いていないガラス容器などの底に、水質浄化作用のある「ゼオライト」や「ミリオンA(珪酸白土)」を敷き、ハイドロボールなどで苗を固定します。
水は容器の1/4〜1/5くらいの高さまでしか入れないでください。
根っこを完全に水没させると呼吸できずに根腐れしてしまいます。
上部の気根部分は、ちゃんと空気に触れさせておくのが成功の秘訣です。
ペットや子どもがいる家庭の注意点と毒性
アンスリウムをお部屋に置くにあたって、絶対に知っておいていただきたいことがあります。
それは、アンスリウムを含むサトイモ科の植物には「毒性」があるということです。
葉、茎、根っこ、花、そして切ったときに出る樹液など、すべての部分に「シュウ酸カルシウム」という成分の針状結晶が含まれています。
人間の幼児が誤って口にしてしまうと、口や喉に激しい痛みを感じたり、声がかすれたりします。
また、植え替えの時に樹液が皮膚に触れると、かぶれて炎症を起こすことがあるので、作業時は必ずゴム手袋をしてくださいね。
また、特に危険なのが、犬や猫などのペットです。
もしペットが葉っぱをかじってしまったら、激しくよだれを流したり、嘔吐、呼吸困難などを引き起こす危険があります。
アンスリウムを飾る場合は、ハンギングバスケットで吊るすなど、ペットや小さな子どもの手が絶対に届かない高所に隔離してあげてください。


恋愛運アップ?風水効果と素敵な花言葉
最後に、少しロマンチックなお話をしますね。
アンスリウムは、その鮮やかな色彩とハート型の可愛い造形から、風水や花言葉の世界でもとっても人気があるんです。
アンスリウム全体を象徴する花言葉は「恋に悶える心」「煩悩」。なんだか情熱的ですよね!
色別にも素敵な花言葉があります。
- 赤色 ・・・ 「情熱」「印象深い」
- ピンク色 ・・・ 「飾らない美しさ」
- 白色 ・・・ 「熱心」「優しさや純粋さ」
- 緑色 ・・・ 「無垢な心」



品種改良が盛んだったハワイでは「Heart of Hawaii」と呼ばれ、バレンタインに愛する人へ贈る定番の花になっているそうですよ。
また、風水ではハート型の丸みを帯びた葉っぱや花は、リラックス効果をもたらし、対人関係や愛情運をアップさせると言われています。
そして、恋愛運や結婚運を高めたいなら、東南や西の方角、寝室やリビングにピンクや赤のアンスリウムを置くと良いとされています。
花が咲いたアンスリウムは、お部屋を明るくしてくれるだけでなく、あなたの運気もパッと上げてくれるかもしれませんね。
アンスリウムの花が咲かない時によくある質問(FAQ)
- アンスリウムの葉っぱばかり切ってもいいですか?
-
葉っぱが多すぎるからといって、健康な緑色の葉をむやみに切り落とすのはおすすめしません。
植物は葉っぱで光合成をしてエネルギーを作っているので、切りすぎると株が弱ってしまいます。
ただし、古くなって黄色く変色した下葉や、枯れている葉っぱは、風通しを良くするためにも根元から清潔なハサミでカットしてあげてください。
- 買ってきた時のままの土で育て続けても花は咲きますか?
-
購入後1〜2年程度であれば、環境(光や温度)が合っていれば花は咲きます。
ですが、長期間同じ土で育てていると、土の粒が崩れて泥のようになり、通気性が悪くなって根腐れの原因になります。
また、鉢の中で根がパンパンになる「根詰まり」も起こすため、2年に1回くらいは5月〜7月の時期に新しい排水性の良い土へ植え替えてあげるのが理想的です。
- 冬の間は水や肥料をどうすればいいですか?
-
冬(気温15℃以下)は成長をお休みする休眠期に入るため、肥料は「絶対に」与えないでください。肥料焼けを起こして枯れてしまいます。
水やりも控えめにし、土の表面が完全に乾いてから2〜3日後に、常温の水を与えるようにしてください。
ただし、乾燥を防ぐための「葉水」は冬場でも毎日行って大丈夫ですよ。
- アンスリウムの花(仏炎苞)が終わるサインは?切るタイミングはいつですか?
-
真ん中の棒状の部分(肉穂花序)の色が、黄色や白色からだんだん「緑色」に変わってきたら、花が寿命を迎えて老化してきたサインです。
ハート型の仏炎苞の色もだんだんと薄く、くすんできます。
そのままにしておくと株の体力を無駄に消耗してしまうので、緑色っぽくなってきたら、花の茎の根元から清潔なハサミで切り落としてあげましょう。
- 日当たりが悪い部屋でもアンスリウムの花を咲かせることはできますか?
-
窓がなくて真っ暗なお部屋や、日中ずっと電気をつけていないと過ごせないような暗い環境では、光合成ができず花芽をつけるのは難しいです。
しかし、植物育成LEDライトなどを補助的に使って、人工的に「明るい間接光」と同じような光の量と日照時間(1日8〜10時間程度)を確保してあげれば、花を咲かせることは十分に可能ですよ。
まとめ:アンスリウムの花が咲かない悩みはちょっとした環境改善で解決できる!
「大事に育てているのにアンスリウムの花が咲かない…」と悩んでいた方も、原因や対策が少しずつ見えてきたのではないでしょうか。
花が咲かないのは決して愛情不足ではなく、光の量や鉢の中の空気感など、アンスリウムが求めているちょっとした条件が揃っていないだけなんです。
焦って肥料ばかりをあげてしまう前に、まずは置き場所や水やりのタイミング、土の状態をやさしく見直してあげましょう。
アンスリウムが喜ぶ環境を整えてあげれば、きっとまたツヤのある可愛らしい花芽(仏炎苞)を顔のぞかせてくれますよ。
- 置き場所の見直し
「直射日光を避けたレースカーテン越しの明るい窓辺」に置き、花芽を形成するための明るい光(間接光)をしっかり確保する。 - 根の環境と水やり
土の表面が乾いてから水を与え、通気性・排水性の高い用土(ココチップやバークチップ配合)で根詰まりや根腐れを防ぐ。 - 適切な肥料やり
花を咲かせるためには「リン酸」多めの肥料を選び、成長が休止する冬場は肥料を絶対に与えない。 - 温度管理と湿度保ち
寒さに弱いため冬場は15℃以上を保ち、毎日の「葉水」で空中湿度をキープして乾燥やハダニを予防する。 - 安全への配慮
サトイモ科特有の毒性(シュウ酸カルシウム)があるため、樹液に触れる際は手袋を着用し、ペットやお子様の手が届かない高所で管理する。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
「暮らしに緑と安らぎを」、観葉植物の育て方ナビのmomoでした。









